雀坊の納戸~文鳥動向の備忘録~

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2012年10月19日
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カテゴリ: 動物愛護法関連

 自分は利用したことがないのに、文鳥の「里親」「里子」掲示板を作って管理しているわけですが、その際、最も鬱陶しく感じるのは、「有償で里親募集をするに、動物取扱業の資格が必要」といった主張です。場違いでも、正しければまだ微笑ましいだけですが、間違った半端な知識で、正義感づらして書き込むために、とても鬱陶しく感じられます。 どこが間違いなのか、動物取扱業を規定している動物の愛護及び管理に関する法律、略して「動物愛護法」(さらに略して「愛護法」)を、わずかばかり見回して、運用状況を検討してみればわかるはずですが、せっかくなので、少々整理しておきたいと思います。

 環境省によれば、動物取扱業とは「社会性」「頻度・取扱量」「営利性」の すべて を有する場合に、登録すべきものとなっています。そして、社会性とは「特定かつ少数の者を対象としたものでないこと等、社会性をもって行っていると認められるもの」であり、頻度・取扱量とは「動物等の取扱いを継続反復して行っているものであること、又は一時的なものであっても多数の動物を取り扱っているもの(例:年間2回以上又は2頭以上)」のことあり、営利性とは「有償・無償の別を問わず、事業者の営利を目的として行っているもの」と、それぞれ説明しています(省令か何かだと思いますが、見当たらないので、それを受けた各地方公共団体の動物取扱業登録を説明したページをご参照ください。一例、 名古屋市 )。
 この3要件がすべて揃えた、一般の飼い主は珍しいでしょう。社会性については、解釈により微妙となりますが、譲る側に選択権のある個々の交渉となるはずなので、社会性ありとは断定しにくい面があります。次に、有償であっても必要経費内と主張しえる範囲内であれば、営利性を認定するのは難しく、無償の場合で、営利性を認定できるような宣伝効果は、私人の活動では必要とされないはずなので、まず無関係かと思われます。唯一抵触しやすいのは、「頻度・取扱量」要件くらいではないでしょうか。ただ、カッコ付きの例示は、数詞が『頭』であるのを見れば明らかなように、大型哺乳類のケースを想定しているので、小型鳥類の文鳥に単純に当てはめることは出来ません。しかし、基準が他にないので、それに準じるなら、とりあえず年一回数羽程度の募集であれば、登録の必要はないと考えられると思っています。
 この法律は、飼いきれないイヌが捨てられて、野良犬として保健所などで大量に殺処分されたり、放し飼い状態のネコが増えて、近隣の住民に迷惑をかけ、ネコの方も感染症で早死していくといった、動物愛護とはかけ離れた悲惨な現実に対処するのを、立法目的の一つにしているはずですが(その救済活動を邪魔している面もありそうですが・・・)、文鳥でそういった事態は考えにくいので、そのまま適用するとおかしなことになってしまいます。はっきり言ってしまえば、増やそうと有償であろうと、捨てずに自分の責任で新しい飼い主に手渡すことが出来るなら、個々の飼い主の責任でご勝手に!!、が、業者の監視をしなければならない行政側の本音でしょうし、自由民主主義の国ならそうでなければならないはずです。野良犬野良猫問題、犬猫の悪質な繁殖業者問題、危険動物の飼育問題、外来生物の帰化問題、いろいろ忙しいので、問題にもならないことに関わりたくないでしょうし、小鳥の話など知ったことではないのではないかと思われます。
 しかし、それが本音であったとしても、そのようないい加減なことを法律に書けませんから、そうした場合、書かずに適当にぼやかして誤魔化すのが一般的で、この法律でもそうなっています。それは、細かなことは地方行政の窓口の運用で適当にやれ、の意味だと中央官僚たちの意図をテキトーに忖度出来るはずですが・・・、公共の福祉に反しない限り自由であるべき一般人には、法律に不備などなくて当然と信じている生真面目な人もおり、良くも悪くもいい加減な法律でも、無理やり厳格な法律として受け取り、自縄自縛に陥りたがってしまう人もいます。
 そうした真面目な一般人の鳥好きが、どのような解釈に行き着くかの好例として、『 飼鳥情報センター』さんのご主張 を引用し検討したいと思います。

※ 『飼鳥情報センター』を運営されていたのは、インコ飼育に関しての「有識者」として尊敬し参考にしていた方のはずなので、この件についてのこの記述も、やがて手直しをされるものと考えていました。ところが、2009年から放置状態となってしまい、その後も「有償で里親募集をするに、動物取扱業の資格が必要」とする人の根拠になっているようなので、「里親」掲示板の管理人としては、少々迷惑しております。

引用1
 環境省が示している「業者」と見なされる基準は、「社会性」「頻度・取扱量」「営利性」の いずれにも 該当することです。(詳しくは環境省該当ページ参照)
 具体的には、不特定多数に対して年間2回、2羽以上の営利目的の取引を行うこととされています。
 無償であっても「営利」はあり得る、ということです。無償というのは一切の金品を受領しないということで、交通費・送料や動物病院での健康診断費用、エサなどの実費、あるいは手土産ですら「有償」に該当します。ヒナをペットショップに引き取ってもらって、お礼としてエサ1袋をもらう、ということも「有償」です。そうした一切の金品を受け取らなければ「無償」の取引ですが、それでも「営利」となる場合があるのです。


 まず、引用1ですが、これ自体は一般論としては問題ないのですが、無償でも営利性があることを認識しながら、逆に有償でも営利性がないことも普通に存在することに気づいていないのが、不可思議な点になります。実に素朴に、 有償=営利、無償=非営利、だと思っていたら、無償でも営利となる場合があると知って、カルチャーショックを受けて 、それ以外のことを忘れ、気が回らなくなってしまったのかもしれませんが、この手ぬるい 法律が禁止しているのは、登録をせずに営利性のある取引きを繰り返すことで、有償か無償かはまるで関係ありません 。「有償・無償の別を問わず、事業者の営利を目的として行っているもの」、とありますから、これ以上明白なことはありません。こうした説明は、おそらく2006年の段階でも、また2009年であれば確実に目に出来たはずですが、ともあれ今現在検討するなら、「有償・無償の別を問わず」を無視して、それにしつこくこだわっていることになってしまいますから、理解に苦しまざるを得ないことになります。
 そもそも、「お礼としてエサ1袋」を有償の営利行為とするなら、御中元や御歳暮など禁止すべきだと私は思います。お年玉付き年賀状も問題になるかもしれません。恩師や上司に対するそのようなプレゼントは、どこの誰だかわからない人へのお礼のエサ1袋などより、明らかに見返りを期待した営利性を帯びているはずなのです(しかも、反復継続していますぞ!)。
 どれほど厳しく解釈したところで、営利性のある取引を継続的に行う場合は、登録しなければならない、と読む以外にない規定なのです。それを、 有償はすべて禁止で無償も一部禁止されているように読み替えるなど無茶苦茶 なだけでしょう。禁止しているのは営利性のある取引で、有償・無償は無関係、「有償無償は無関係ぃぃ」何度でも良いので唱えて、頭に叩き込んでおきたいところです。
 つまり、有償であっても、営利性を認定できない程度なら問題になるはずがありません。それでも、念のため『営利』を辞書で引けば、「財産上・金銭上の利益を得る目的をもって事を行うこと」とあります。必要経費以下の場合は(だいたい一般家庭の飼育で必要経費など計算しにくいですが)、始めからいわゆる赤字状態ですから、利益目的とみなすことは、一般的には不可能なのです。

つづく






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Last updated  2013年06月17日 15時56分59秒
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