5月17日(金)
歌集「 蝸牛節 」(藤岡武雄第十歌集)(82 )
平成28年発行:あるご短歌会
*: 三島市在住。歌人。日大名誉教授。わたしが、静岡県歌人協会の役員の折、お世話になりました。(著者90歳の時出版した歌集、現在は98歳です。)
夢路の果て(2)
祖母曾祖母父母みな八十路を 全 うすしんがりのわれは傘寿にすがる
政情不安の世を生きながらヘて木枯らしの道ピラピラ歩く
天空にのぼりて見れば雨雲に蓋されをらむわれの住処は
定年の頃の職場の悪友を寝苦しき夜はしきり夢見る
戦事下の食うべきものの無き日々を米寿のわれは今も抱き込む
(つづく)
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