1
手賀沼沿岸ではサシバが飛来している谷津田が複数あります。このうち、餌さがしで止まる場所が最も多いエリアを訪ねました。到着直後、すでに電柱のてっぺんに成鳥雄の姿があり、田んぼに視線を向けていました。草丈がまだ低いので、カエルや小動物の動きを目で追いかけてしました。小首をかしげる表情に愛らしさを感じます。最終的には田んぼに降り立ち餌を捕食し、巣のある林に移動していきました。しばらく待機していると、さっきとは違う電線にとまり、餌の動きをリサーチ。動きを察知すると素早く移動し捕獲。今度は、自分のための餌だったようで、電信柱の上に移動しパッと一飲み。これから草丈が高くなると、採食場所が谷津田から林縁部など変化していきます。また、斜面林に餌動物が登場し、捕獲する光景を目撃できるので楽しみです。帰り道、沿岸の水田地帯でダイサギ、チュウサギ、コサギの姿を発見。ダイサギは眼先が緑青色に対して、チュウサギは眼先は黄色。また、頸はチュウサギのほうが短いなどのポイントを楽しみました。(写真)2024年5月22日撮影
2024.05.22
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中世以前から稲作地帯として発展してきた町に隣接する河川沿いにサギのコロニーが作られ、毎年営巣・産卵・子育てが繰り広げられています。今シーズンは、ゴイサギ、アマサギ、アオサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギがコロニーで羽を休めていました。まだペアになって間もない様子で全体の個体数も100羽以下で、平年の400羽前後と比べると少なめです。ただし、昨シーズンまではゴイサギも一緒のコロニーで過ごしていましたが、今期は対岸の人家近くの木に複数が営巣していました。巣を見ると、カラスのものを強奪した模様で巣の一部に金属ハンガーが使われています。クリーニング業界でプラスチック製ハンガーから金属製に切り替えていますが、きちんとリサイクルされていれば巣材に使われることはないと思いますが、家庭からゴミとして排出されたものをカラスが運んだものと思われます。帰り道、越谷レイクタウン駅近くを散策すると、調整池にコアジサシ夏羽(嘴の先端が黒色)、駅前広場にイソヒヨドリ成鳥雄が朗らかな声で囀っていました。(写真)2024年5月21日撮影
2024.05.21
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3
5日に造巣したポイントに雌が座り込み、10日には雌が長時間座り込んだ姿を観察。今日、ブランドの中から観察していると、到着直後は雄が巣に座り込んでいました。雌の姿を探すと巣の高さの3倍程度の少し離れた木の枝で巣を凝視していました。その後、鳴き声がしたと思ったら今度は雌が巣に移動し、今度は雄が雌が止まっていた枝に移動し見張り役を担当していました。体に小さい雄がしっかり体を伏せており、雌も深く巣に腰をおろし、抱卵しているものと思われます。今シーズンのペアは、ピョーピョーという尻上がりの捕食者への威嚇の声はほとんど出さず、ペア間で餌をねだったり、巣の交代の時にクウクウとコミュニケーションをとる声のみです。(雌雄の虹彩の違いなど)雌の虹彩は黄色、雄の虹彩は暗赤色です。また、アイリングの黄色は雄のほうがはっきりとしている印象があります。(写真)2024年5月19日撮影
2024.05.19
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朝から雨でしたので、夏鳥の画像や鳴き声などを予習。そのうち、長野県戸隠、飯縄高原、白馬、福島県五色沼などで堪能したノジコについて観察したフィールドは、いずれも豪雪地帯として知られる場所であることに気づきました。どうしてと思い文献を調べてみました。出口(2017)が、ノジコの分布や生息環境などについて知見を整理し報告しているのを見つけました。日本では冬にはいないが、繁殖地は豪雪地帯の新潟県と重なっていることを紹介しています。そして、ノジコが多雪地特有の低木を中心とする雪崩植生が存在し、豊富な雪解け水により湿潤な環境が形成されやすいという点が可能性として考えられると記しています。あわせて、残雪のある頃に繁殖地に渡来し、限られた利用可能な環境でつがい形成を行った後に雪解けによる利用可能環境の拡大に伴ってなわばり分散を行うのではないかと報告しています。雪解け水による湿潤な環境があるかどうか、フィールドに出かけた折、注目してみようと思います。(引用)出口翔大.2017.ノジコ 雪国育ち.Bird Research News Vol.14 No.6.p1-2.(写真)2020年7月2日長野県戸隠で撮影
2024.05.20
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5
茨城県稲敷市浮島にコジュリン、オオセッカ、シギ・チドリを探索しに出かけました。湿原のあちこちでオオヨシキリ行々子と鳴き声をあげテリトリー争い、オオセッカもジュクジュクと鳴き声を出して垂直に舞い上がる姿を複数見かけました。また、お目当てのコジュリンは少し遠くの草原の上にその姿があり、囀りを披露。また、近郊の蓮田にセイタカシギ7羽の姿を見つけました。片足を羽の中に収納し人間でいうと寝落ちしている印象のある2羽、成鳥、若鳥などじつにいろいろな羽色でした。このほか、県道沿いの水田にチュウシャクシギの群れが休んでいたり、蓮田の上をオオタカが飛翔したり、楽しい時間でした。(写真)2024年5月17日撮影
2024.05.17
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野田市生まれのヤマト(雄)と渡良瀬生まれのひなた(雌)が野田市に造巣、営巣、抱卵しジュニア2羽が誕生し、順調に成長しています。その様子を見に出かけました。到着した13時頃は、高温と日光が容赦なくヒナたちの降り注いでいました。ヒナは渡良瀬生まれのひなた(雌)に体の影に隠れるようにしていました。30分ほど経過した時、北北西方向から1羽のコウノトリ(雄ヤマト)が登場し、巣に帰還。帰還した途端、雌のひたなが巣を離れ上空を旋回後、北北東方向に渡去。ヤマトはひなた同様に体の影でヒナたちをガード。はじめて観察した光景はその後。地面に降り立ち田んぼの水を飲むような仕草が見られたので暑いから水を飲んでいるのだろうと思ったのですが、巣に帰還すると、ヒナの頭のあたりから水をかけている光景を観察しました。はじめて見る光景に目を見張るとともにヒナに対する心配りに感服。なお、コウノトリの巣の近くにはアオサギも営巣し、ヒナが誕生しています。コウノトリ親鳥はそうした周りの鳥たちの動向も注視したり、ヒナに目配りしたり多忙です。帰り道、近くの三堀自然公園内を探索。キビタキ、フクロウの声を耳にしたり、初夏の一日を楽しみました。(写真)2024年5月18日撮影
2024.05.18
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7
手賀沼沿岸の水田地帯をシギ・チドリの姿を求めて探索しました。チュウシャクシギ、コチドリ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、オオヨシキリ、セッカ、ホオジロなどの姿を目撃しました。シギ・チドリは遅い年でも5月下旬には渡去してしまいますので、今週から来週がラストチャンスです。なお、チュウシャクシギのうち1羽は、喉の部分に褐色味があり縞模様のように見えました。かつてチュウシャクシギは50羽以上が採餌する光景が見られましたが、2006年以降20羽未満の個体が見られるだけで年々減少傾向にあります。渡辺(2006)が述べているように、チュウシャクシギは小動物やアメリカザリガニを捕獲します。あわせて、アメリカザリガニが存在していないところでは小動物を採餌することを紹介しています。手賀沼沿岸の水田では圃場整備がすすめられてきたのでその影響があるのかもしれません。(引用)渡辺朝一.2006.春期の関東平野水田におけるチュウシャクシギの採食行動.我孫子市鳥の博物館調査研究報告.第14巻.p65-69.(写真)2024年5月14日撮影
2024.05.14
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8
昨日に引き続き南南西の強風が吹き抜ける一日となりました。先週まで巣作りをしていた場所が雌には気に入らなかったようで場所を変更した模様です。このためか雄が小鳥を捕獲して帰還してククッと鳴き声を出して雌に餌を持ってきたよと読んでも雌は登場せず。なんだ君はいないのかと雄が地団駄を踏むような仕草をした後、わしわしと食べ始めました。午後、所用で同地を通過した際に雌がムクドリを捕獲し足にぶらさげて林に帰還する姿を目撃。(写真)2024年5月12日撮影
2024.05.12
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9
今朝もツミのペアが飛来している林に出かけました。到着直後は造巣しているスポットに雌の姿がなかったのですが、雄が雌を呼ぶクゥクゥという声がしたと思ったら雄と雌が同じ枝にとまり餌の受け渡しを行った模様です。その後、雌は造巣場所に移動し座り込みました。昨日も雄から餌を受領した後、座り込んでいましたので産卵した可能性もあります。造巣場所周辺は複数のオナガが巣材をくわえて移動する光景も見かけたり、地面に降りて餌を物色する姿を見かけたり、生き物の暮らしを垣間見る時間となっています。(写真)2024年5月16日撮影なお、ツミの巣の写真は、ブランド内から撮影したものです。
2024.05.16
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11日に渡良瀬近郊で観察したアオバズクについて鳥友から質問をもらいました。あるwebページにアオバズクの雄には喉袋があるので鳴くが、雌には喉袋がないので鳴かないと記されていた。鳥類の発声の仕組みから考えると妥当なのかとの内容でした。(鳥類の発声機構)小西(1994)が小鳥の発声器は肺から出た二本の気管支炎が気管につながる鳴管という部分にあります。鳴管は気管支炎の上端と気管の下端の骨環を含んだ部分からなっており、音の発生源は鼓形膜という一対の膜です。(アオバズクの鳴き声)11日に観察したアオバズクは、嘴から喉の下あたりの部分を膨らませて鳴き声を出していました。鳥類の喉袋は、下嘴の付け根から首にかけて皮膚が露出している部位のことなので、喉袋があるから鳴くのではないと思います。小西(1994)が米国の研究者の気管や気管支炎の中の空気の流れを実験した内容を紹介しています。それによると、鳥の肺の中にある気嚢の中に蓄えた空気を気管支炎に流して鳴いていることが判明したと記されています。この点から、気管支炎に空気が流れている時にアオバズクの喉周辺が膨らんだと考えるのが妥当と思っています。(雌雄の鳴き声)ホッホッとの鳴き声は雄のみなのか、夜行性がゆえに検証できておらず、今後の宿題です。(アオバズク雌が喉を膨らます)青木(1991)が雄が雌に求愛給餌で雌が餌を受け取る際に喉を膨らませ餌をとることを紹介しています。(引用)青木 進.1991.青葉の頃、日本を訪ねる アオバズク.朝日百科 動物たちの地球.25号..p14小西正一.1994.小鳥はなぜ歌うのか.p117-126.(写真)2024年5月11日渡良瀬近郊で撮影鳴き声を出した時、アオバズクが少し上方向を向き、鳴き始め2枚目の写真の時が一番大きな声が出ていました。
2024.05.13
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渡良瀬遊水池周辺のフクロウとアオバズクの飛来地を複数訪ねました。うち、アオバズクが飛来しているポイントでは到着直後は寝込んでいたものの、薄目をあけその後片目をあけたと思ったらホッホッ、ホッホッと10声ほど鳴き声を披露。喉のあたりが襟巻状になっているのもはじめて観察できました。(写真)2024年5月11日撮影
2024.05.11
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我孫子市側の手賀沼遊歩道沿いの桜の開花の具合を見学するのをメインに、アカガシラサギ、クイナ、ヒクイナ、水鳥たちを観察しながら散策しました。桜は一分咲き程度で週末あたりが満開となる模様です。さて、野鳥たちの様子ですが、雨の影響で手賀沼の水位が上昇しており、アカガシラサギが採食場所としているエリアにはその姿はありませんでした。それでも、もうそろいろ北へ旅立つクイナ、沼沿岸で繁殖するヒクイナは健在でした。クイナは体上面が褐色で、下面は青灰色で腹と脇に黒と白の横縞、上嘴が黒く下嘴が赤い成鳥冬羽個体でした。時折、キューイと首を絞められたような声を出しているのを聞きました。このほか、水面にカイツブリ、カンムリカイツブリ、コガモ、カルガモ、セグロカモメ、ユリカモメなどの姿がありました。(写真)2024年4月2日撮影
2024.04.02
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柏市側では田んぼの代かきがスタートし、コチドリ雌雄が複数飛来しテリトリー確保で大忙しです。谷津田でも耕起が行われ、サシバがトラクターの動きを凝視し小動物の登場をひたすら待機していました。その後、我孫子側に移動し沼の遊歩道を探索すると、地面で餌を探すアオジ、縄張りを巡回していたキジの雄、そしてコガモを捕獲して羽をむしり内臓をたいらけげているオオタカを発見しました。そこにハシブトガラスが飛来し餌のコガモを横取りしようと激しいバトルが展開となりました。カラスの執拗な動きにオオタカは餌を放棄し近くの木に渡去。すぐそばには、セグロカモメの姿があり、バトルを見ていたと思いますが静観の構え。(写真)2024年4年15日撮影
2024.04.15
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明け方から9時頃まで小雨がふっていましたがその後やんだので春のシギ・チドリを探索しに茨城県浮島まで足を延ばしました。しかし、到着し小雨が降り出し風も吹き抜ける探索には不向きの条件となりました。それでも、セイタカシギ4羽、オオソリハシシギ1羽、タシギ8羽が蓮田と畔に見つけて現地を後にしました。手賀沼沿岸の谷津田まで移動し、サシバが飛来したポイントで待機。一羽は電柱のてっぺんに止まっている姿を見つけました。その後、2羽で上空を鳴きながら旋回していました。どうやらペアのようでした。しばらくその動きを観察していたら、木のへっぺんにキツツキの姿を発見。後頭部のみ赤い、上面は黄緑色で下面に波状斑があり、アオゲラ雌個体でした。(写真)2024年4月6日撮影(浮島、手賀沼沿岸ともに小雨、曇天で証拠写真です)(メモ)アオゲラは手賀沼沿岸とその周辺地域では、2014年12月、2015年3月に観察したことがあるのみです。
2024.04.06
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ツミが造巣している林を訪ねました。到着直後、雄の鳴き声がしたとおもったら雌が登場しペアリングを目撃しました。その後、雄は林の外に渡去、雌は造巣した場所に座り込み一時間以上そのまま静止。ペアリングを目撃後、約1時間をした時、雄が足に小鳥をぶら下げて帰還しました。何度か雄が鳴き声をあげ雌に合図。雄は周辺にいたハシブトガラスを追い払い、雌に餌を渡したようでした。雌が巣に帰還するまでの時間を使い、営巣木周辺の地面を確認すると、キジバトの羽が複数散在しているのを発見しました。昨日までの天気がよくなかった際、周辺にいたキジバトを捕食したものと思われました。(写真)2024年5月10日撮影(雌が座り込んでいる光景はブラインドから撮影したもの)
2024.05.10
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今春はムナグロの姿を観察していなかったことから、鳥友から教えてもらった茨城県取手市の水田地帯を訪ねてました。広大な水田地帯を丹念に探索して回りました。一角で上面の色が黄金色のムナグロを発見。目を凝らしてみると、ダイゼン似の羽色をした個体、冬羽から夏羽に換羽中の個体、背や翼に黄色味のある幼羽と実にいろいろ。ムナグロに夢中になつていたら、すぐ近くのコチドリが鳴きながら脚をひきずるようにして少しずつ移動する姿を見せつける擬傷行動。近くに巣またはヒナが存在するのでしょう。気づかずにごめん。ムナグロの近くには、20羽前後のチュウシャクシギの姿がありました。上面の各羽は黒褐色の軸斑と淡い褐色の羽縁の夏羽個体が大半を占めていました。くわえて、上面が灰褐色で胸と脇に波状の横斑があるキアシシギの姿も発見。また、帰り道にはダイサギの目先が青緑色の婚姻色個体と出会いました。時間を忘れて楽しい時間を過ごしました。(写真)2024年5月15日撮影
2024.05.15
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アカアシシギが渡来したと便りをもらったのと夏鳥たちが立ち寄る時期なので葛西臨海公園に出かけました。アカアシシギの姿があったと聞いていた下の池にまず立ち寄りました。コチドリ、チュウシャクシギを観察できたのみでしたが、対岸の林の中でサンコウチョウ、キビタキの囀りを聞くことができました。このほか、上の池では浮巣をつくる場所探しをしていたカイツブリペアも観察。その後、東渚を一望できるエリアに移動し、ススガモの雄生殖羽、雌、耳羽にパッチが出ている雄個体が夏羽の換羽がはじまった個体を観察できました。くわえて、干潟が露出しており、そこで餌探しに余念のないキアシシギ、イソシギ、ソリハシシギの姿を楽しみました。(写真)2024年5月8日撮影
2024.05.08
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大潮で干潮が12時前後と絶好の条件の習志野市谷津干潟を訪ねました。お目当てはオオソリハシシギ、トウネンの夏羽です。その姿は、京成バラ園前の干潟にありました。オオソリハシシギは顔から腹が赤褐色の雄夏羽、上面の各羽の羽軸と羽縁の色の差が明瞭な雌、背や翼の羽縁が白っぽい幼羽の姿を観察できました。また、トウネンは津田沼高校前の干潟の一角で寝込んでいましたがちようど起きてくれた瞬間を観察できました。頭部と上面の赤褐色には目をみはるばかりでした。その近くには、チュウシャクシギの姿、顔から胸にかけて白っぽいハマシギ夏羽、大好きなゴカイ類の探すのに歩き回るメダイチドリ、走り回って採餌していたキアシシギの姿がありました。(写真)2024年5月9日撮影
2024.05.09
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桜が咲きそろったので我孫子市側の遊歩道を歩き、葦原と遊歩道沿いの畑地や沼の葦原周辺を探索しました。水の館に近い葦原では、複数のオオジュリンを発見。頭部が黒く、顎線と後頸から胸は白色、上面が茶色くて黒色の斑がある雄成鳥個体でした。ただし、頭部の黒色に淡色の斑が混じっていたので第一回夏羽ではないかと思われました。このほか、遊歩道脇の畑地ではテリトリー内を巡回するキジの雄、オランダミミナグサの芽をついばむアオジ、ヒッヒッと鳴きながら登場したジョウビタキ、沼にある杭にとまり羽づくろいをしていたカワウの繁殖羽の姿、クローバーをついばむコブハクチョウの姿も観察しました。なお、遊歩道脇でアリスイが姿を現したと教えていただきましたが、姿は発見できず次回のお楽しみとなりました。このほか、帰路の途中に対岸の柏市側の谷津田に立ち寄りましたら、イヌシデの近くの枝に止まっていたノスリを発見。体下面が白っぽく褐色斑の少ない若鳥でした。(写真)2022年3月28日撮影
2022.03.28
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鳥友より彩湖にシロエリオオハムが飛来していると連絡をもらったのですが、つい足を運べなかったのですが、今夕長野県に出かける前に時間がとれたので現地に立ち寄りました。秋ヶ瀬公園よりの水域からスタートしたところ、若鳥の姿を目撃しました。喉の部分に細い黒線があり、頬から下面にかけて白く、上面は茶褐色でした。また、羽づくろいをした際に下尾筒に黒い線が見えました。(オオハムにはこの線がないので識別のポイントとなります)なお、時間の関係で彩湖全域を見られませんでしたが、成鳥夏羽の姿もあったと地元の方に教えてもらいました。(写真)2021年6月28日撮影
2021.06.28
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先月23日以来、3週間ぶりに埼玉県内の公園を訪ねました。ヤドリギの実を食べていたレンジャクたちがどうしているかを確かめたかったからでした。一時期は、ギャラリーがヤドリギを取り巻いている状態でしたが、県内にオオカラモズが飛来しており、そちらに多くのカメラマンの皆さんが足を運んでいるらしくこちらは静かに堪能できる状況でした。今日観察したヒレンジャクは、飛来した直後よりもふっくらした感じがしました。いろいろな角度からとの特徴をじっくりと観察できました。レンジャクとの出会いを楽しんだ後、公園内を移動し、ベニマシコが飛来しているエリアに移動しました。雄4羽、雌3羽が柳の芽を食べたり、葦原に移動したり、私共の目を楽しませてくれました。このほか、レンジャクの飛来ポイントに飛来したカビチョウの画像もアップします。(撮影)2020年3月15日撮影
2020.03.15
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浮間公園にコスズガモが飛来しているとwebで拝見したので現地に向かいました。現地に到着し、水面に休んでいるカモの姿を一羽ずつ丁寧に観察していきますが、それらしい個体は発見できずでした。それでもキンクロハジロの羽色のいろいろを観察。雌冬羽の雄に比べて黒っぽい嘴、雄の青灰色の嘴、ホシハジロ、標識リングを装着したユリカモメを見つけたり、楽しい時間を過ごしました。その後、隣接するさいたま市桜草公園に移動し、ベニマシコが飛来するいつものポイントに移動。毎年、飛来しているエリアに雌雄の姿を見つけました。また、少し離れたエリアでタゲリの姿も発見しました。(写真)2021年1月4日撮影
2021.01.04
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レンジャク類が飛来したとニュースが流れていたので、毎年飛来している埼玉県内の公園に足を運びました。最寄り駅からバスに乗り換えて公園に到着し、期待に胸を膨らませてヤドリギのある木のそばに接近してみました。すると、3羽のヒレンジャクがヤドリギの実を一心不乱に食べている光景を目撃。一番多く食べていた個体は、なんと19粒以上食していました。ということは、食べた後、19粒を体外に排泄するということです。ごめんね、一枚記録させてもらいました。ヒレンジャクをじっくり観察してみると、初列風切は外弁のみ白色なので雌と判明。(雄は初列風切の先端が白く、白色部に赤い蝋状の付属物があります)その後、何度も水場に降り立ち、水浴び、羽づくろいを繰り返していました。羽つぐろいを見ていたら、前屈姿勢は案外柔軟でした。(撮影)2021年2月21日撮影
2021.02.21
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久しぶりに埼玉県伊佐沼に立ち寄りました。そろそろ移動の途中のアジサシ類が立ち寄る時期だからです。現地に到着すると平日にもかかわらず沿岸には複数のカメラマンの方の姿。お話しを聞かせてもらうと7月10日から13日頃まではクロハラアジサシの姿があった由。しかし、今日はその姿はないとのこと。それでも、コアジサシをよく観察してみると、下嘴が長い個体と上嘴が長い個体を見つけました。なぜ違いがでるのだろうと帰宅してからの宿題となりました。このほか、沼にある葦の中からヨシゴイの若様がにきっと首を出していました。まだ産毛が残っていますが、食欲旺盛で葦の上部に姿を現し親鳥が餌を持って帰還するのを心待ちにしていました。その近くには頭頂が青味のある黒色の雄の姿。帰りがけ、沼の北側を探索していましたら、カイツブリの若鳥を発見。まだ、目がくりくりとまん丸であどけない顔つきに魅了されました。(写真)2021年7月15日撮影
2021.07.15
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待ち望んでいたガンカモ科シマアジとさいたま市内で出会えました。雄2羽、雌1羽が暖かな日差しのもと、眠りこんでいました。雄の白く太い眉斑、眉斑の白色は後頭まで伸びている特徴、黒、白、青灰色の三色から構成される肩羽、雌の羽色が明るい色になっていたのをじっくりと観察できました。(写真)2024年4月13日さいたま市内で撮影
2024.04.13
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朝から青空が広がり、絶好の鳥見日和となりました。めずらしく亭主が見沼のオオカラモズを見に行こうよと誘ってくれたので、現地にスタート。飛来しているフィールドは、水田地帯で農家の方が田起こしをする時期に入っているので少し離れた公園内の駐車場に愛車をいれて徒歩で現地に向かいました。その姿は、水田エリアにありました。頭から背、肩羽が灰色で黒い過眼線、肩羽の先が白く、翼は黒くふたつの白斑のように見える部分があったこと、オオモズに比べてはるかに尾が長いものでした。その行動はとても活発で枝や杭にとまってしばらくすると地面に降りて餌をゲットし、元の枝や杭に飛来するというパターンでした。その帰り道、近郊の見沼の公園に立ち寄り、トモエガモの姿も堪能しました。盛んに羽づくろいをしては羽を一気に広げて気持ちよさそうでした。(撮影)2020年3月11日撮影
2020.03.11
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久しぶりに松戸市八柱霊園内を探索しました。キビタキのヒッヒッと鳴き声がし、エナガ数羽が動いていました。このほか、センダイムシクイと思われる小鳥も移動しているのを目撃。また、ツミの雌が枝に止まっている姿を観察しました。しかし、小鳥は林の中から姿を現してくれず、ツミも記録しようとしたら渡去。こんな日もあるものですね。(写真)キビタキ:2018年撮影、エナガ:2023年撮影、ツミ:2021年撮影
2024.04.23
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3週間ぶりに埼玉県内の公園に足を運びました。前回は、ヒレンジャク3羽との出会いがあり、その後の様子はどうかと立ち寄りました。前回レンジャクが飛来していたエリアのヤドリギは相当数が食べつくされていました。残念ながら、ヒレンジャクの姿と遭遇することはかないませんでしたが、シメ、アオジが水飲み場に飛来していました。その後、毎年、アリスイが飛来するポイントを訪ねましたが、一昨年の台風による水没の影響があるのかその姿を確認することはできず。それでも、その公園の一角でマヒワ13羽の群れと遭遇。このほか、水路でヨシガモ、ホシハジロの姿を発見しました。(撮影)2021年3月7日撮影(なお、マヒワとアリスイは過去に撮影した画像を参考としてアップしました)
2021.03.07
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そろひろ、アオバスクの若様と出会えるかもと佐倉市のアオバズク飛来地を訪ねました。しかし、いつものポイントには姿はなく、次回のお楽しみとなりました。それでも、アオサギ、チュウサギ、コサギ、ゴイサギが子育てしている光景を楽しめました。その後、印旛沼まで移動し、ヨシゴイ、サンカノゴイの姿と声を探しに立ち寄りました。ヨシゴイは、最低でも8羽の姿、サンカノゴイは何度もボーウ、ボーウとドスの利いたを披露。葦原では、あちこちにオオヨシキリ、セッカの姿があり、オオヨシキリが口の中のオレンジ色を見せつけるように大きな口を開けて鳴いていました。また、印旛沼のスター、モモイロペリカンのかんちゃんは健在でした。くわえて、成田空港に降り立つANAのスターウォーズペイントの飛行機(キャラクター「BB-8」をデザインしたボーイング777-300ER型機)を発見。(写真)2021年6月05日撮影
2021.06.05
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昨日、埼玉県越谷市の大相模調整池を訪ねました。池の北側にはビオトープがあり、水鳥たちが子育てをしています。クイナ科バンの若鳥が岸に近いエリアで鳴き声をあげながら草陰を移動している姿を見せたと思ったら、成鳥ペアは近くの水面を仲睦まじく移動。市民の方からどうしてあの鳥は、前のめりでぎこちない感じで移動するのでしようかと質問をもらいました。バンの足には水かきがないので泳ぎは苦手で、前のめりで反動をつけるように頭を前後に振って泳ぐので他の水鳥と比べるとぎちちない動きに見えるのですとお話しすると納得いただけた様子でした。このほか、カワウの成鳥、若鳥の姿や酷暑の中でも餌を探して移動するハクセキレイの姿を観察しました。先月、姿があったコアジサシは、今日は確認できずでした。(写真)2023年8月12日撮影(バンのうち2枚は2021年7月撮影のもの))
2023.08.12
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連日北西の風が吹き抜けるお天気が続き、水辺のフィールドでは水鳥、小鳥たちが葦原の中に退避しているものが多く観察を堪能することがかないません。しかし、極力風の影響をさけて観察が可能な我孫子市側の手賀沼遊歩道を探索しました。強風の中でもアカガシラサギは健在で、風を避けられるポイントで餌探しをしていました。サギ科の鳥は、春は部分換羽(繁殖期の前に風切羽、初列雨覆、尾羽以外行う)ですので、どのあたりから換羽するのかと注目していますが、まだその兆しはありません。ただし、首が冬よりがっしりとし、喉から胸の縦斑がやや黒っぽくなってきたような気がします。このほか、葦原には上嘴に丸みのあるオオジュリン、水際ではクイナ、遊歩道脇にはハクセキレイの雌雄、セグロセキレイの姿を見つけました。(写真)2024年3月22日撮影アカガシラサギの観察場所については、撮影者が集中する可能性が高いので非公開とします。
2024.03.22
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昨日、手賀沼沿岸でサシバと出会った観察記をアップしました。今シーズンもこれからペアで巣作り、産卵、抱卵、子育て、そして渡りといろいろな出会いがあるものと思います。朝から雨ふりのため、サシバの雌雄、若鳥の撮影画像を復習しました。(1)雄頭は灰色で眉斑はないものが多い印象があります。喉に1本の黒線があり、胸全体が褐色です。(2)雌頭は褐色で眉斑が目立ちます。上面は赤褐色。胸は斑状になっています。(3)若鳥体下面に縦斑があり、眉斑が明瞭です。(写真)雄:2020年6月17日、2020年4月11日、2019年4月24日、2018年5月20日雌:2019年6月2日、2019年4月2日、2015年4月12日若鳥:2016年7月16日撮影
2021.04.05
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(若ツバメの喉の色)今朝、わが町のスーパーに隣接するビルの軒下に巣立ち間もないツバメの幼鳥がとまりしばらく休んでいました。喉の色も成鳥に比べると薄い黄土色で下面は白色。えっ、幼鳥の下面には赤褐色味があると記している図鑑があったことを思い出しました。帰宅してから画像ライブラリーと図鑑を何冊か復習してみました。確かに巣立ち間もない若鳥では黄土色のものが多い結果でしたが、2012年7月にわが町の一角で撮影したツバメの若鳥では成鳥並に赤褐色になっていました。(写真)2022年6月13日、2012年7月16日、2021年7月3日、2020年7月12日撮影(尾が長いツバメはもてる?)藤田(2008)は、ツバメの分布、生活史や興味深い話題を整理し報告しています。その中に、ヨーロッパのツバメでは尾羽の長いオスがメスに好まれることを紹介しています。ところが北米では、尾羽の長さではなく,オスの喉の赤さがメスの選り好みの対象になっている地域があることを述べています。地域差による選り好みの違いがあることが興味深いと指摘しています。(引用)藤田剛.2008.ツバメ.Bird Research News Vol.5 No.4.p4-5.
2022.06.13
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我孫子市側の手賀沼遊歩道脇の葦原では、オオジュリンの小群が葦原の中のカイガラムシを捕食している様子が観察できます。今朝は、5羽程度の群れを4グループを目撃しました。どの群れも2羽の雄と雄以外の3羽から構成されていました。真冬は、雌雄ともに灰褐色の姿ですが、雄は褐色の先端部分が摩耗して内側にある黒い部分が見えてきます。雄は黒い頭部と顎線と頸回りは白さが印象的です。例年ですと、4月4週頃まで姿を見かけますが、同じグループが滞在しているのか、順次わたっていくのかなどが解明できていません。(オオジュリンの標識調査から判明していること)(財)山階鳥類研究所が標識調査に整理し報告しています。それによると、日本では東北地方以北で繁殖し本州以南で越冬するオオジュリンは、小鳥類の中では非常に多くの回収記録が得られ、秋の移動時期には太平洋沿岸沿い・日本海沿岸沿いを北から南へ移動する個体が多いのですが、北陸地方から関東及び東海地方に内陸を移動する個体も少なくないこと、朝鮮半島を経由して九州北部から東に移動する個体もいると思われることなどが判明していると記しています。どこかに集結して渡っていくのか、それとも小グループで渡っていくのか等、興味のあるところです。(写真)2024年3月19日撮影(雌2枚は2015年3月15日、2018年1月20日手賀沼撮影)(引用)https://www.biodic.go.jp/banding/seen.html山階鳥類研究所.標識調査でわかること
2024.03.19
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鳥友から水元公園にアカハジロが飛来しているとニュースをもらい、現地に出かけました。東アジアで繁殖していますが、世界的に個体数が減少し1000羽を切っていると言われている潜水ガモです。その姿は蓮田にありました。頭部は焦げ茶で、虹彩は暗色、眼先下にこげ茶の斑、嘴先端の黒斑は嘴爪の外に広がっていました。また、胸は焦げ茶色に見え、幼鳥に見られる腹部の細かい褐色斑はありませんでした。これらのことからアカシバロ雌の特徴を備えていました。しかし、氏原(2015)が述べているアカハジロの特徴である頭部の緑色光沢や胸のあずき色とは異なっていること、嘴先端の黒斑が嘴爪の外に広がる面積が広い印象があり、交雑を否定する材料ではないとの印象でした。アカハジロのほかは、ホシハジロ。キンクロハジロ、ヒドリガモ交雑個体、頭部がかなり黒く変化していたユリカモメ、ユリカモメ若鳥、林の一角で姿を目撃したオオタカなどが登場し、楽しい時間を過ごしました。(引用)氏原巨雄・氏原道昭.2015.日本のカモ識別図鑑.p188-192.文一総合出版.(写真)2024年3月28日撮影
2024.03.28
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東京在住の鳥友から5月に入ると手賀沼沿岸でホトトギスの声は聞くのにカッコウの声が聞こえない。いつ頃から記録がないのかと質問をもらいました。手賀沼とその周辺地域で観察記録を振り返ってみました。あわせて、千葉県と隣接する都県での分布も文献を調べてみました。(まとめ)・手賀沼沿岸では、2017年6月12日の記録を最後に鳴き声が記録されていません。・手賀沼流域の街では、柏市南部で2003年繁殖期まで、利根川流域では2010年までは鳴き声の報告が寄せられていましたがそれ以降は寄せられていません。・千葉県と隣接する都県の埼玉県で2011年以降は鳴き声の報告がない、茨城県では分布が急減していると報告がある一方で東京都では2010年以降分布が拡大傾向にある、神奈川県では限られた地区で新たに定着するところもあると報告されています。(手賀沼沿岸での観察記録)1978年6月9日、1978年6月19日、1980年8月10日、2017年6月12日にいずれも手賀沼沿岸で記録があります。(手賀沼沿岸以外での観察記録)2000年5月29日、同年6月6日から9日いずれも柏市南部地区、2002年6月3日、20日柏市南部地区、2003年5月31日から6月15日柏市南部地区で鳴き声の記録があります。2005年5月18日から7月20日、2006年5月14日から7月23日、2008年5月16日から6月25日、2009年5月28日から7月5日、2010年5月13日から7月14日いずれも我孫子市利根川沿いで鳴き声の記録があります。ところが、2011年以降は報告が寄せられず現在に至っています。(近隣の都道府県の記録)朝日新聞デジタル(2019/5/17)が掲載した日本野鳥の会埼玉の記録によると、1996年に開催した計80回の探鳥会でカッコウの出現回数は12回、出現率は15%だったものが、2011年は0回だったと記されています。東京都(2020)では、1970年代から1990年にかけて急減したものが2010年以降分布を拡大していると報告されています。神奈川県(2022)では、箱根仙石原などに限られているが、相模原市、大和市にも定着する傾向があると報告されています。茨城県(2021)では、分布が2005年38から2016-2021年で14メッシュと63%減となったと報告されています。(引用)東京都.2020.レッドデータブック.p447-506.神奈川県.2022.神奈川県鳥獣生息分布調査報告書.茨城県.2021.茨城県鳥類繁殖分布調査報告 2016-2021.p7.(写真)2017年7月19日栃木県戦場ヶ原で撮影
2024.04.21
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チドリ科のシロチドリとコチドリは水田、干潟で毎回のように出会っています。しかし、記録画像を復習してみると、所蔵のものが少ないことにびっくり。なんだ~シロチドリか、コチドリかと見過ごしていたものと反省しています。シロチドリは、前面から見ると胸の帯はつながっていない個体がほとんどです。しかし、ときに微かに胸の帯がつながっている個体も見かけることがあります。アップした画像は、2012年1月に茨城県平磯海岸で観察した個体と2016年8月に船橋市三番瀬で撮影した個体です。前者は冬羽、後者は足が長く胸の帯はつながっておらず、後頸で白色がつながっていたなどの特徴から第一回冬羽と思われました。コチドリは、2枚とも河内町古河林で2012年夏に撮影した個体です。前者は黄色のアイリング、比較的細い嘴、胸の黒帯が前面でつながっていて成鳥夏羽、後者は胸には褐色色の帯があり、アイリングは目立たない、羽縁がバフ色で翼が鱗模様のように見える点から若鳥と思われます。
2019.08.15
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6月30日にさいたま市彩湖で高原モズを見かけました。その羽色をいくつかのフィールドで見かけたものと比較してみました。参考になれば幸いです。一枚目は、6月30日に彩湖で見かけた高原モズです。頭部はグレー、黒い過眼線、背は灰色、風切は黒色、胸の一部に橙色が残っていました。二枚目は2015年7月に戦場ヶ原で見かけた高原モズです。頭部が橙色、背は灰色、黒い過眼線、風切の黒い部分が少し見えていました。三枚目は2019年6月に戦場ヶ原赤沼近くで見かけた高原モズです。頭部は橙色、黒い過眼線、黒色の風切が目立ちました。四枚目は、2021年4月手賀沼沿岸で見かけた高原モズです。頭部の橙色を除くと、彩湖で見かけた個体とほぼ同様です。5枚目は、2018年2月に手賀沼沿岸で見かけたモズです。頭部は橙色、黒い過眼線、黒い嘴、初列風切基部に白斑、胸から腹が橙色、下尾筒が白い雄成鳥冬羽です。なお、観察記録を振り返ってみると、春以降は標高の高いところで高原モズを見かけることが多い傾向にあります。皆さんのところではいかがでしょうか?
2021.07.03
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昨日、千葉県松戸市と埼玉県三郷市の境にある江戸川の土手沿い訪ね、ベニマシコをたっぷりと観察しました。雌の成鳥冬羽と雌第一回冬羽、雄成鳥の特徴について整理してみました。野外で出会った折のご参考となれば幸いです。(1)雌個体について一枚目は昨日観察した雌第一回冬羽と思われる個体です。羽色と翼帯がバフ色がかっています。下面には縦斑は目立ちませんでした。これに対して二枚目の写真は2016年3月に印旛沼で観察した雌成鳥冬羽です。こちらは、下面に縦斑があり、白い翼帯が目立ちます。三枚目の写真は2020年1月に印旛沼で観察した雌成鳥冬羽です。二枚目とは上面の羽色に違いがありますが、下面に縦斑があります。(2)雄個体について四枚目は、昨日観察した雄成鳥冬羽です。頭から上面に褐色味がありました。なお、腰は繁殖羽と同様の紅色でした。これ対して五枚目は2015年11月に野田市内で観察した雄成鳥冬羽です。上面に繁殖羽の紅色味が残っていました。
2022.01.25
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JR武蔵野線吉川駅北側に広がる水田地帯と市内から観察できるサギのコロニー、越谷レイクタウン駅北側の調整池を訪ね、サギ、アジサシ類などを探索してきまた。(1)吉川駅北側の水田地帯の鳥武蔵野線沿いにある水田は、市内にあるコロニーで子育てをしているサギたちの餌を捕獲するエリアのひとつです。写真は、カルガモ成鳥、コサギ、アオサギです。カルガモの淡色羽縁は羽先で途切れていないので成鳥とわかります。(幼羽は淡色の羽縁は羽先で途切れています)(注)水田地帯には駐車スペースがまったくありません。駅から徒歩のみです。(2)吉川市内のサギたちコロニーは中世以前から稲作地帯として発展してきた町に隣接する河川沿いにあります。道路沿いの河川敷から見える範囲で約250羽前後が羽を休めていました。写真は、ゴイサギ、アマサギ、アオサギ、チュウサギです。うち、チュウサギは親鳥が生まれたばかりのヒナを翼でおおうように保護していました。(注)コロニーが見られる道路沿いには駐車スペースがありません。アクセス方法は吉川駅から茨急バスを利用し吉川市保健センター前で下車し徒歩のみです。(3)越谷レイクタウン北側の大相模調整池の鳥北側のゾーンにはカワウやヨシゴイが生息していますが、ヨシゴイの姿は確認できず。それでも、池の水面をコアジサシが飛翔する姿がありました。上面が一面グレーの成鳥夏羽、成鳥ですが上面に白い羽が少し残っている個体とよく見ると少しずつ違いがありました。(写真)2022年7月5日撮影
2022.07.05
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コアジサシの姿を観察したいと思い、埼玉県越谷市の大相模調整池を訪ねました。今から9年前までは自生していたハスにヨシゴイの姿があり、この時期の風物詩となっていました。しかし、その後ハスが駆除されると北側の葦原で姿を見かけるのみとなり、近年は姿を見かけなくなりました。しかし、コアジサシは健在で39.5haもある調整池全域を飛翔し、ダイビングして小魚を捕獲する光景を目撃しました。観察できた個体は、体上面が淡い灰色で嘴は黄色で先端が黒い成鳥繁殖羽、黄色の嘴は同様ですが上面が白っぽい成鳥の2タイプ。飛び回っていたと思うと水面の浮きに下降して休もうとする小競り合いが発生し大きな声で威嚇する光景を目撃しました。このほか、調整池の遊歩道を探索すると、キジのオス、バン若鳥、オオヨシキリ、ツバメ、オナガ、スズメといった鳥たちを観察。(写真)2023年7月4日撮影(バンは2022年7月撮影のもの)
2023.07.04
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昨日、三番瀬で観察したコオリガモ、バードライフが述べているように世界的に絶滅危惧種に分類されているカモ科の鳥類です。環境省(2021)のガンカモ科の調査報告では、野付湾8羽、風蓮湖・温根沼6羽、琵琶瀬湾2羽、シブノツナイ湖(紋別市と湧別町の境にあるオホーツク海と砂州で区切られた海跡湖)1羽と報告があるのみですが、日本では絶滅危惧種としては未指定です。ブログなどの観察記録に着目してみると、案外千葉県沿岸での観察記録があります。その内容は、2007年2月10日銚子市雌冬羽1羽、2017年3月12日九十九里町片貝雄1羽、2018年3月4日銚子市、2020/2/24銚子市名洗港雄1羽、2020年12月28日三番瀬雄1羽、2023年2月23日三番瀬雌1羽です。これ以外にも観察記録があるものと思います。(コオリガモの心配事)日本では、限られた観察記録なのに、洋上風力発電が計画されています。浦(2023)が報告しているように、デンマークでは洋上風力発電建築前と後では明らかに生息地放棄が発生しています。銚子市外川先の洋上発電施設が建設されますが、2014年1月に飯岡漁港でコオリガモを観察しており近郊に発電施設が建設されれば影響は必至と思われます。(引用)環境省.2021.モニタリングサイト1000 ガンカモ類調査 2019/20年 調査報告書環境省自然環境局 生物多様性センター.p14.バードライフ・フィンランド 絶滅危惧種についての法廷闘争で勝訴https://tokyo.birdlife.org/archives/world/2513浦達也.2023.環境省専門家ヒアリング.2023年5月.洋上風力発電が鳥類に与える影響とその評価www.env.go.jp/council/content/i_01/000171853.pdf(写真)2023年12月29日三番瀬、2014年1月12日旭市飯岡漁港で撮影
2023.12.30
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新年、所用をすませてからホームグランド手賀沼に出かけました。ただし、13時前後からは小雨が降り出し、全域を見て回るのは断念しました。それでも、沿岸の葦原にホオアカ2羽の姿を発見。1羽は胸の黒い模様、灰色の頭部に褐色味があり、耳羽の赤色がはっきりとしていた雄でした。さらに、広大な水田地帯にはタゲリの10羽前後があり、餌探しに余念がありませんでした。アップしたタゲリは上面の羽縁がバフ色で第一回冬羽と思われます。このほか、水田の中にある電柱には3羽ものノスリが圃場に視線を向けて餌の動きを凝視している姿、電線に80羽を超える亜種オオカワラヒワの姿、柏市と印西市の境界にある河川ではコブハクチョウ、オオバン、ユリカモメが水面で羽を休めていました。(写真)2024年1月2日撮影
2024.01.02
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手賀沼は、1973年の沈水植物に続き、1978年浮葉植物まで計28種類もの手賀沼の植物相が絶滅したことにより、水中植物に依存してきた潜水して餌をとるカモ科の鳥類と水面で餌をつまみとるカモ科の鳥類の個体数は大崩壊し2000年以降は、限られたカモの姿が観察されるだけとなり、現在に至っています。それでも、今日、沼西側の水面にはカンムリカイツブリ、ハジロカイツブリ、オナガガモ、カルガモ、ミサゴ、オオバン、ユリカモメ、沼東側の水面と葦原ではマガモ、カルガモ、コガモ、カイツブリ、カンムリカイツブリ、コブハクチョウ、クイナ、印西市との境界周辺ではコハクチョウ、コブハクチョウ、コガモ、カンムリカイツブリ、オオバン、タゲリ、ユリカモメの姿を見つけました。田んぼを耕起しているエリアではタゲリ、沼の水面では魚を捕獲するミサゴ、ユリカモメ、浅瀬では餌を探して歩き回るタシギ、普段林に姿があるエナガも沼の際の葦原に飛来し餌を探す姿がありました。これとは対照的にコブハクチョウ、オオバンが餌を求めて密集し、そこにコハクチョウ、ユリカモメが多数集まっているエリアがあります。多くの市民が近距離で接すると感染症を運んでしまうリスクが高くなってしまうと研究者から懸念が示されているエリアが存在するのが悩ましいフィールドです。(写真)2024年1月13日撮影
2024.01.13
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茨城県と埼玉県、群馬県の県境にある渡良瀬遊水地を訪ねました。広大な遊水地には、うさぎのような長い羽角を持つ猛禽類トラフズク、セイタカアワダチソウの実を食べるベニマシコ、白黒ツートンのアカゲラ、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリ、ミコアイサ、カワアイサなどの水鳥の姿をたっぷり観察できました。(写真)2024年1月29日撮影(備考)トラフズクについては、観察地は撮影者が集中し影響を与えるので非公開とします。
2024.01.29
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日本三鳴鳥にあげられているオオルリは、雄だけでなく雌も囀ります。フィールドで録音したデータと蒲谷鶴彦さん録音の囀りデータを復習。(雄の囀り)(1)一般的に聞かれる囀りピーリーリー、ホイヒーピピ、ジッジッと聞こえる尻下がりの声でゆっくりとした節回しで囀ります。フィーの声は35-40db程度、ジジとの声は10db程度の声紋です。(2)他の鳥の声を取り入れた囀り蒲谷(1996)がキビタキ、ヒガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、カワラヒワ、ヤマガラ、ホオジロ、クロツグミ、ジュウイチなどの声を取り入れた例を紹介しています。このうち、キビタキとオオルリの違いについては、キビタキの声の質は金属的で同じ節回しを何回も繰り返す点が異なり、クロツグミは声の質が低く太い声であると記しています。(雌の囀り)蒲谷(1995)は、雄の囀りのやや抑揚のないもののように聞こえ、囀りの合間にクワックワッと地鳴きを何回もはさむことが特徴と報告しています。また、雄のように高いところで囀らずブッシュの低い場所で鳴くと興味深い内容を紹介しています。さらに、雌の囀りは5kHz前後の周波数で振幅はかなり強弱があることを紹介しています。徐(2018)は、メスの鳴き声の機能はほとんど研究されていないが、メスがヒナに注意を促す信号ではないかと考えていると興味深いことを指摘しています。ヒナがまだ小さい時期には人が巣に近づいてもメスはほとんど鳴かなかったが、ヒナが孵化後7日目くらいから巣立ち後の家族期にはヒナの日齢が増加するほどメスの鳴き声が強くなる傾向が見られたと報告しています。子供が心配なのは人間も鳥も一緒なのですね。(引用)蒲谷鶴彦.1995.日本野鳥大鑑333.下巻.p84-85.徐 敬善.2018.オオルリ 雌の鳴き声.Bird Research News Vol.15 No.7.p1-2.(写真)2014年7月24日長野県佐久穂市、2014年5月18日栃木県日光市で撮影
2024.05.07
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冬に山地や平地でも日本固有種のカヤクグリを見かけることがあります。ホームグランド手賀沼近郊の我孫子市内の林縁のやぶで1978年1月14日、同年2月4日、19日に1羽が観察されています。以降の観察記録の報告はありませんが、同様の環境に越冬している可能性も考えられます。さて、翼があるのになぜ日本固有種なのかと質問をもらったことがあります。カヤクグリは「遺存固有」の種類で、かつて広く分布してが、競争相手となる鳥の出現によって追いやられ高山などに移住し、生き残ったパターンの鳥類です。(もうひとつは隔離固有と呼ばれるもので、1つは大陸から離島などに移動し、食物、天候などの環境に適応したために移動の必要がなくなり長い年月が経過して元の種とは異なる進化をした種類です)ただし、カヤクグリは、冬になると関東地方の山地や平地に飛来したり、渡りの時期に離島で見られることから移動力が高いことが知られています。あわせて、日本周辺国でも観察記録があり固有種としない見解も存在しています。カヤクグリの食性は、昆虫類(甲虫、ハエ、蛾の幼虫)、タデ科の種子を採食することが知られています。(写真)2019年2月2日茨城県で撮影
2023.12.28
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27日に手賀沼沿岸でサシバを観察してきました。繁殖期は一日の大半を谷津田で過ごします。しかも活動している時間の大半を採食に費やします。その理由はなぜかと思い、文献に目を通してみました。東ほか(1998)は、千葉県印旛沼でサシバの生息調査の結果を整理し報告しています。それによると、1日の活動時間は平均14時間21分で、8箇所の止まり木に66回滞在したと記しています。捕獲した獲物を巣にいる雌や雛に運ぶとき以外は1回の飛行距離は短い傾向があったと述べています。また、採食場所が繁殖初期に谷津田でよく見られた理由は、効率よく採食することが必要であり、田植えが行われている田んぼにはニホンアマガエルやトウキョウダルマガエルが産卵のため集まり谷津田の草丈が低いので発見しやすいことにあると指摘しています。季節が進行するに伴い、採食場所が谷津田から林縁部、林冠部に移行するが、それは谷津田の草丈が高くなることと斜面林では餌動物が出現し始めるからと考えられると記しています。サシバの生息を支えている環境は、水田耕作が行われていること、谷津田に沿った斜面林が連続していることが必須という点を東ほか(1998)から教えてもらいました。(引用)東淳樹・武内和彦・恒川篤史.1998.谷津環境におけるサシバの行動と生息条件.第12回環境情報科学論文集別刷.p239-244.社団法人環境科学センター.(写真)2024年3月27日手賀沼沿岸で撮影
2024.03.30
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今月1日ヒメアマツバメが巣に入る光景を目撃したので様子を見に出かけました。巣には姿がないものの、巣の形は維持されているので近郊に餌探しに出かけているものと思われました。近くの商業施設ではツバメが巣に座り込み抱卵している姿を観察しました。雄が餌の捕獲で頻繁に飛び回り、その途中に池の縁の土を巣の補強用として運搬したり、大活躍でした。なお、複数のツバメのうち、1羽が下面に赤みのがある亜種アカハラツバメ似の個体でした。ただし、胸の黒帯が太いはずが亜種ツバメと差がないので、亜種ツバメと亜種アカハラツバメの交雑である可能性もあります。このほか、商業施設前の池では複数のバン、近くの調整池では水路にタシギ、水面にコガモ、オカヨシガモ、ハシビロガモ、ヒドリガモの姿がありました。(カモの観察メモ)・コガモ雌は、全体に褐色ががり、三列風切に橙褐色の斑が出ていましたので生殖羽です。・オカヨシガモ雌は三列風切が生殖羽のような三列風切に薄橙色の斑がなく非生殖羽です。・ハシビロガモ雌は脇の羽に丸みがあり橙色の嘴に小黒斑があり、非生殖羽です。・ヒドリガモ雌は、脇の羽に丸みがないこと、非生殖羽にある白色の羽縁が目立たないので幼羽が換羽中の個体と思われます。(写真)2024年4月22日撮影
2024.04.22
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今シーズンは、あっという間に6月になり、まだアマサギと出会っていないので出会えるチャンスの高い野田市と流山市の水田地帯にでかけました。アマサギの姿は、幹線道路脇の水田にあり、水田の中を歩き餌を物色したり、畦で休む姿がありました。その後は、流山市に建設中の物流団地の整地をしているエリアにコアジサシが繁殖しているのでそちらを見に立ち寄りました。約30羽のコアジサシが飛翔したり、水浴びしたりしている光景をしっかりと観察できました。帰り道に、野田市江川にあるコウノトリの里まで足を伸ばし、サシバ、チョウゲンボウ、ホトトギスたちとの出会いの楽しみました。(写真)2020年6月7日撮影
2020.06.07
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