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鎌倉時代の国名
御書には、当時日本全国を意味する「五畿七道」「六十六箇国・二つの島」等の言葉が、たびたび使われています。これらは日本古来の律令制によって定められた地方行政区分のことです。
「五機」とは、山城・大和・河内・和泉・摂津の五カ国のことで、「畿内」と言います。「畿」とは都(京都)の意味です。「七道」とは、それ以外の東海道・東山道・北陸道・山陽道・南海道・西海道の七つの区域を指します。ここでの東海道は、江戸時代の五街道の一つとしての東海道とは異なります。五畿七道のそれぞれに所属する国は左図の通りです。
五畿七道の国の数は、全部で「六十八箇国」ですが、西海道の壱岐・対馬の「二島」を別にして、多くは「六十六箇国」と表現されました。
日蓮大聖人の主な活動の舞台には、御生誕の地・安房国(千葉県南部)、若き日に比叡山などで就学された畿内と都の周辺、広布の主戦場とされた鎌倉のある相模国(神奈川県における、北東部を除くほとんどの地域)、流罪の地である伊豆国(伊豆半島と伊豆諸島)・佐渡国(佐渡島)、身延のある甲斐国(山梨県)、御入滅の地・池上のある武蔵国(東京都、埼玉県と神奈川県北東部)などが挙げられ、広範な地域に足跡を刻まれていたことが分かります。
また、大聖人は御自身の出自を「日蓮は東海道十五箇国の内、第十二に相当たる安房国長狭郡東条郷片海の海人が子なり」(新310・全370)と述べられています。「第十二」とは、安房国が都に近い国から数えて12番目に当たるという意味です。そして、国の中にさらに「郡」「郷」という区分がありました。別の御書では、日本全体で「郡は五百八十六、郷は三千七百二十九」(心459・全1072)と、具体的な数字で言及されており、大聖人が日本全国のいたるところまで思いをはせ、大きな御境涯で包まれていたことが拝されます。
御書新版では、大聖人のお手紙は、対告衆の居住地ごとに、安房、下総、鎌倉、伊豆、佐渡、甲斐、駿河(静岡県中部)、遠江(静岡県西部)などのなどに分類されています。代表的な門下で多くの御書を頂いた下総の富木常忍、武蔵野池上兄弟、鎌倉の四条金吾、駿河の南条時光は、単独で項目が立てられています。対告衆の取材地等が確定できないものは「諸御抄」としてまとめられています。
大聖人は、「日本国の中にただ一人、南無妙法蓮華経と唱えたり、これは須弥山の始めの一露なり。二人・三人・十人・百人・一国・六十六箇国、すでに島二つにも及びぬらん」(新1711・全1241)と仰せです。大聖人の一人が唱え始めた南無妙法蓮華経が、一人から一人へと伝わり、日本全国へ広がっているとの御確信です。
そして、各地の門下は、「その国の仏法は機変にまか(任)せたてまつり候ぞ」(新1953・全1467)とのお心のままに、わが地域の広宣流布に立ちあがっていったのです。
五畿七道.六十六箇国・二島
五畿 畿内五カ国 山城・大和・河内・和泉・摂津
七道 東海道15カ国 伊豆・伊勢・志摩・尾張・三河・遠江・駿河・甲斐・伊豆・相模・武蔵・安房・上総・下総・常陸
東山道8カ国 近江・美濃・飛騨・信濃・上野・下野・陸奥・出羽
北陸道7カ国 若狭・越前・加賀・能登・越中・越後・佐渡
山陰道8カ国 丹波・丹後・但馬・因幡・伯耆・出雲・石見・隠岐
山陽道8カ国 播磨・備前・備中・美作・備後・安芸・周防・長門
南海道6カ国 紀伊・淡路・阿波・讃岐・伊予・土佐
西海道11カ国 筑前・筑後・豊前・肥前・肥後・日向・薩摩・大隅・壱岐・対馬
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