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2006年03月24日
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カテゴリ: 教育基本法
月一回の朝日新聞の加藤周一の連載、夕陽妄語の今月は「愛国心について」であった。教育基本法の言葉は一言も出てきてはいないが、この時期「愛国心」と言う言葉を氏が出してきたのはこの動きがあるからに他ならない。

話題の中心はドイツの詩人ハイネについてである。彼はフランスに亡命し、「昔ぼくには美しい祖国があった」という詩を書いた。樫の木とすみれと花とドイツ語との響きーこれがハイネの祖国の内容だった。加藤周一は言う 。「国の場合に限らず、その対象が何であってもー神でも、人でも、樫の木でも菩提樹でも、すみれでも野ばらでも、「愛」は外から強制されないものであり、計画され、訓練され、教育されるものでさえない」 ハイネは一方で言論表現の自由の無いドイツを鋭く批判した 。「批判は常に厳しく、しかし、自国を憎んだことは無かった。自国の過去と現状を批判するためには、相当の犠牲が必要である。ゆえに何処の国のいつの時代にも御用詩人、御用学者がいる。ハイネがあえてその道を行かず、信念を貫いたのは、彼が愛国者であったにもかかわらずではなく、愛国者であった故にである。」

加藤周一の人物評は、その多くは加藤周一そのものの人物を語る。「 ハイネの祖国愛と祖国批判の間には、もちろん、緊張があったに違いない。しかし、矛盾は無かった。両者は同じ源から発し、同じ目標に向かう。理性は情念を統御し、情念は理性の働きを支える。もし路傍の花を愛すれば、その花を踏みにじる暴力に抵抗するのはーできるだけの話だがー当然であろう。」 むかし医者として科学者であり、むかし詩人として文学者であった加藤周一の、この文章はあまりにも自明のこととしてめったに語ることのない自分自身の日本への「愛国心」の吐露であろう。

もうすぐ桜が花開こうとしている。
私もそのときを心待ちにしている。
戦車よりも花を持ちたい
戦争の勝利よりもスポーツの勝利に酔いしれたい







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最終更新日  2006年03月25日 01時32分49秒
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