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2007年07月25日
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「非国民のすすめ」ちくま文庫 斉藤貴男(07.7.10発行)
「文庫版のためのはしがき」で石原都知事三選の結果に対し、斉藤はいままで以上の調子で次のように怒る。

 なんという他力本願、思考停止。全身全霊の依存心。奴隷根性!仮にも人間の社会において、自律せんとする精神をかくも決定的に欠いた人々が圧倒的多数派を形成してしまうなどという事態がありえるものなのだろうか。
 残念ながらあり得るのだ。いや、大いにあり得る。否、人間の歴史はその繰り返しだったと断言して差し支えないのかもしれない。」




制度の最初に支配者側の意図がよく現れているのは、年金が戦費調達の手段だったということからもわかる。それと同時に「監視カメラ」のルーツも興味深い。ルーツは60年代釜が崎の大暴動のあとにそこに設置されたのが始めらしい。犯罪者を見つけるためではない。抵抗勢力を監視するために始まったのである。

将来の監視カメラについて。例えば、「顔認識技術」の導入を検討しているらしい。あらゆる生活場面を通して、すでに設置してあるカメラの前を通った 「市民運動やデモに参加した人はもちろん、ラブホテルに入っていくカップルも、ビジネス街を闊歩するサラリーマンも、誰も彼も警察官の胸先三寸で全て特定されよう。」(02.5の記事)

思うに、こんな例を紹介していくと、大長文になってしまい、本を紹介するという第一の目的の障害になってしまう。斉藤の本は基本的に一文一文が独立しているから、暇があるときに本屋で立ち読みするのに向いている。そして時々「怒り」を思い出したらいかがであろうか。

最後にひとつ読んでいてびっくりしたことを書く。斉藤は三浦朱門や江崎玲於奈の優生思想や「非才・無才には、せめて実直な精神だけ養っておいてもらえればいいんです。」等の発言を繰り返し糾弾しているのだが、両人ともなんと、全然抗議してこなかったらしい。編集者は斉藤に言う。「彼らなりに筋が通っているよね。」斉藤は応える。「違うよ。今の日本ではああした、勉強の出来ない子供や人々を見下ろし、小ばかにした態度をとったほうが多数派に喜ばれ、かえって支持されると承知していからでしかありゃしないぜ。」

怒りを忘れるな。


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最終更新日  2007年07月25日 23時37分18秒
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