再出発日記

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2008年10月19日
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カテゴリ: アジア映画(08)
「密陽って、どんな街ですか?」

チョン・ドヨンが07年カンヌで最優秀主演女優賞を取った「シークレット・サンシャイン」をやっと見ることが出来た。高い瀬戸大橋を越えた。なぜならば、岡山ではついには公開しないということが分った為と、高松では今週限りと言うことがわかったためである。初めて高松の小さな映画館「ソレイユ」にいく。観客は4人だけだった。
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監督・脚本:イ・チャンドン
出演:チョン・ドヨン、ソン・ガンホ、ソン・ジョンヨプ、チョ・ヨンジン、キム・ヨンジェ

去年韓国を旅したときに、偶然にもこの映画のロケ地ツアーをしてしまった 密陽 のオールロケである。密陽(ミリャン)は典型的な田舎町である。去年記事に載せきれていない写真を一部紹介する。

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30分ほど商店街を歩くとほぼすべての道を歩けるぐらいの小さい町だし、映画を見てもわかるが、何の変哲もない商店街ではある。(しかしシャッター街ではない)店の裏側は民家があって、コミュニティーを形成している。隣にどんな人が住んでいるのか、みんな把握しているのだろう。

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女子中学生は帰りにはファーストフードや甘いもの店に群がる。映画の中の女子中学生もこのような白いなんのへんてつも無い制服を着ていた。

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100m歩けば、必ず教会か寺院が見つかる。そして、神はいるのか。赦すということはどういうことなのか、静かに緊張感を持って映画は語りかける。

冒頭、ソウルから少し垢抜けた子持ちの女性が引っ越してくる。やがて彼女の息子が理不尽にも殺される。女性はどのように気持を整理していけばいいのか‥‥‥。

最初のチョン・ドヨンは、普通の人として登場する。ちょっと若めの女優ならば誰でも演じることが出来るのではないか、と言うような存在感。ところが、息子が死んだ辺りから彼女の表情から一時たりとも目が離せなくなってしまう。まるきり表情をなくす顔、一挙に溢れて泣き崩れる顔、殺人犯との面接のときのなんともすごい表情、しだいに狂って行く表情、ラストの表情。これだけ表情だけで雄弁に語る現代女優を私は知らない。

韓国はキリスト教社会である。熱心なキリスト信徒の日常をここまで描いて、そして最期は突き放す、さすがイ・チャンドン監督。一筋縄ではいかない。

なんのへんてつもない街で、なんのへんてつもない一人の女性が、事件とはなんのか変わりもない自分の父親を天空に睨みながら「まけるものか」と呟く。思えば、彼女と父とは何10年間の戦いだったのだろう。右往左往しながら、狂気に逃げ切ることもできない彼女の戦いはこれからも続く。監督にとって、決して特別でない女性と言うことが何よりも大切なことだったのだろう。傍らにいるジョンチャンのことはすでに気がついていると思う。彼を赦す(愛する)ことが出来るのはいったいいつのことになるのだろう。

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香川に来た以上は当然昼も夜も讃岐うどんでした。三軒梯子をしましたが、うどん市場天神店の温玉ひやかけうどん(小)270円のうどんのコシが絶品でした。






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最終更新日  2008年10月19日 15時57分14秒
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