再出発日記

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2018年02月17日
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カテゴリ: 洋画(12~)

1月の後半です。「パディントン2」と「デトロイト」はお勧めです。




「パディントン2」

子熊は何故世界中から愛されているのだろう。クマのプーさんを例えにとっても、少なくとも西欧諸国では重要なキャラであることは確かだ。日本でも、アイヌは熊を神(カムイ)と見なし特別視しているし、東北でも賢治は熊を大事に扱った。どの国でも熊に襲われて亡くなった人の言い伝えは、広がっていたはずだ。実際獰猛な熊の破壊力は、素手の一般人ではほぼ太刀打ち出来ない。

それでも何故愛されるのか?


孤児のパディントンを育てたペルーの叔母さん夫婦、そしてイギリスで暖かく迎えたブラウン一家、町の中で(1人の自警団の男を例外に)一生懸命「親切」を実践するパディントン本人を暖かく見守り助ける街の人々、ここには、古き良きイギリス、そして熊の親子にもありそうな伝統が生きている。


(移民の)熊の子を「熊というだけで差別しようとする」ことに対して、明確にノーというこの作品は、イギリスの中の確かにある潮流をも代表しているのだろう。


1960年代のロンドン風景と実写の人物とパディントンがなんの違和感もなく溶け込んでいるのは、おそらく凄い技術なんだろうな。ヒュー・グラントの悪役弾けっぷりが、流石です。


(STORY)
ブラウン家の一員として、幸せに生活しているクマのパディントン。もうすぐ100歳になるルーシーおばさんへの誕生日プレゼントを探していた彼は、骨董品屋ですてきな絵本を見つける。絵本代を稼ごうと窓ふきのアルバイトを始めるが、洗剤を頭からかぶるなど失敗しては騒動を起こす。そんな中、絵本が盗まれ、一家と共に絵本の行方を追うパディントンだが……。
(キャスト)
ヒュー・グラント、ブレンダン・グリーソン、ヒュー・ボネヴィル、サリー・ホーキンス、ジュリー・ウォルターズ、ジム・ブロードベント、ピーター・カパルディ、(声の出演)、ベン・ウィショー、(日本語吹き替え版)、松坂桃李、古田新太、三戸なつめ、斎藤工
(スタッフ)
監督:ポール・キング
製作:デヴィッド・ハイマン
原作:マイケル・ボンド
上映時間104分




「デトロイト」

前回の「ゼロ・ダーク・サーティ」や「ハート・ロッカー」よりもよっぽど良かった。それでも、アカデミー賞最有力と言われてノミネートさえ獲れられなかったのは、何かの圧力があったのかもしれない。

1967年と言えば、既に私は生まれている。当然ながら、その概要さえも今回初めて知った。容疑者の警官が全て無罪になっているからである。密室の殺人じゃない。周りに何人も被害者がいた中での出来事である。1967年なのに、まだ陪審員は白人ばかり。当然のように不当判決が下りる。デトロイトは、トランプの支持基盤らしい。要は未だにアメリカは、この構造を変えていない。


警官のリーダーにウィル・ポールター(「レヴェナント蘇えりし者」で、気の弱い若者を演じた)を配置した。高校卒業直後の警官と言われても信じてしまうような相貌であるが、警官のリーダーなので、ベテラン警官のはずだ。この幼稚さにクレバーな狂気と凶暴が加わる怖さ。


(解説)
1967年に起きたデトロイトの暴動を題材にした実録サスペンス。暴動の最中、あるモーテルで警察が宿泊客に行った過酷な自白強要の行方を、息詰まるタッチで映し出す。監督は『ハート・ロッカー』などのキャスリン・ビグロー。『スター・ウォーズ』シリーズなどのジョン・ボイエガ、『レヴェナント:蘇えりし者』などのウィル・ポールター、『リチャードの秘密』などのジャック・レイナーらが熱演する。
2018年1月28日
シネマ・クレール
★★★★




「光」

期待倒れだった。1度人を殺したのに、たまたまの津波で不問に付されて25年後、改めてその罪を繰り返す男女を描く。


表情豊かに罪を語る瑛太と対照的に、殺す時以外はずっと仮面を被っている井浦新。そういう描き方は、面白かったが、この映画に普遍的な価値はない。たまたまの殺人者を描いているのに過ぎない。得るものはなかった。


(見どころ)
「舟を編む」などで知られる直木賞作家・三浦しをんの小説を、『ぼっちゃん』などの大森立嗣監督が映画化したサスペンス。大災害で生き残った3人の男女が25年後に再会し、逃れることのできない運命に翻弄(ほんろう)されるさまを描く。主人公とその妻を井浦新と橋本マナミ、幼なじみを瑛太、元恋人を長谷川京子が演じ、過去の秘密によってそれぞれの狂気が呼び起こされる様子を体現する。
(あらすじ)
東京の離島・美浜島で暮らす中学生の信之はある夜、男に襲われた恋人の美花を救うため、殺人を犯してしまう。そして島を大災害が襲い信之、美花、幼なじみの輔と数人の大人だけが生き残る。25年後、島を出て妻子と生活している信之(井浦新)と、過去を捨て芸能界で成功を収めた美花(長谷川京子)の前に輔(瑛太)が現われ……。
2018年1月28日
シネマ・クレール
★★★






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最終更新日  2018年02月18日 00時55分54秒
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