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2021年05月21日
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カテゴリ: 洋画(12~)


映画評「男と女 人生最良の日々」

 フランス恋愛映画の傑作「男と女(1966年作品)」の出演者、スタッフが奇跡的に再集結して、50年以上経た彼らのその後を撮った作品です。クロード・ルルーシュ監督は、周囲の反対を押し切り「駄作だったら公開しない」と説得して作ったそうです。結果は「人生」を感じさせる素晴らしいものになりました。


 娘がジャン・ルイの息子と寄宿舎で同級生だったことがキッカケで愛し合うようになったアンヌですが、彼の女遊びのために別れたようです。躊躇うけれども逢いに行きます。

 ジャン・ルイを演じたジャン=ルイ・トランティニャンはクリクリとした目で笑い、女たらしだった時のことを彷彿させます。一方、アンヌを演じたアヌーク・エーメは50数年の月日が経ったとは思わせない美貌を保っています。端々に一作目の映像が出てきて、一作目を見ていなくても充分に2人の物語は分かるつくりになっています。

 アンヌと出会っても、ジャン・ルイは彼女が彼女とはわかりません。
「いつも女性を愛していた。特にあなたに似ている女性を」
「今は最悪の中のベストだな」
「死は収めるべき税金だ」
2人の会話が、さすがフランス、エスプリが効いています。

 ジャン・ルイは時には朗々と詩を暗唱し、アンヌとのことは細部まで覚えていて、認知症を患っているのか、周りをからかっているのか、医者でさえも判断つかないようです。観客の我々も翻弄されます。何処までが彼の体験で、何処からが彼の夢なのか。

 アンヌはやはり彼を愛していたし、今も愛している、と言葉にしないでも表情でわかります。

 シャンソンが、彼らの想いを雄弁に代弁します。素晴らしき作曲、或いは選曲。作曲家フランシス・レイが、この仕事の直ぐ後に亡くなったなんて、信じられない。冒頭と最後にお馴染みの「ダバダバダ‥‥」のスキャットが鳴り響き、「最良の日々は、この先の人生に訪れる(byヴィクトル・ユーゴー)」ことを信じることが出来そうな作品になっていました。(2020年フランス作品レンタル可能)





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最終更新日  2021年05月21日 13時40分19秒
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