全1087件 (1087件中 1-50件目)
週末の19日と20日、香港へ行ってサミュエル・ホイのコンサート『許冠傑What a Wonderful World 2014演唱會』を観てきました。今年に入ってからそこそこ忙しく渡航が厳しそうな雰囲気だったり、コンサートの詳細も調べていなかったのでギリギリになって慌てた感じでしたが、何とかして都合をつける事ができました。今回は4面を使っての舞台でしたので、前回観に行った2012年の時のような派手派手しさはなく落ち着いたセットだと感じました。それに、70~80年代の曲が中心に満遍なく選ばれていましたが、ヒット曲は少々抑えめで各アルバムのバラード調の曲が多く選ばれている印象でした。あとは、いつものようにライアンとスコットの2人の息子やジャスティンも登場しましたが、彼らの出番も控えめで前回以上にじっくりと歌を聴かせる構成でした。今回のコンサートにあわせ発表した新曲『樂土』(ルイ・アームストロングの『この素晴らしき世界(What a Wonderful World )』のカバー)も良かったですし、『鐵塔凌雲』、『洋紫荊』、ローマン(羅文)の『獅子山下』や薫[女尼]の『毎當變幻時』などの曲では、年齢層の高いお客さんが多い事でみんなの心をグッと掴んでいるようでした。最後の締めはいつものように『浪子心聲』となったのですが、アンコールに入る前の節目で『急流勇退』を歌い、捌けていく時に『珍惜』のBGMが流れていたので、何だかそこが凄く意味深に感じてしまいました。両隣のお客さんとコミュニケーションを取ったり親切にしてもらったりと、交流できた事も嬉しかったですし、何とか無理して観に行って本当に良かったです。(K)
2014年04月23日
30数年来のファンであるジャッキー・チェンが、今日4月7日で60歳の誕生日を迎えました。小学生の時に好きになってから今まで、長年応援し続けてきただけでなく、僕の人生に大きく影響してきているとも再認識しました。ジャッキーの映画に全力を注いでいる姿勢は、桁が全然違いますが僕も常に物事に対して姿勢だけは意識しているつもりでいます。それに、人気も落ち着き寂しくなった時期も過去にはありましたが、今でもコンスタントに活躍している事はとても嬉しく思います。近年、言動や失言で騒動を起こしたり、気持ちが中国に向いてしまっている事で世間では良くないイメージも大きくなってきていますが、本人には悪意はなかったり誤解でもあるだろうと擁護してしまう気持ちもありますし、本人にもこれ以上の挑発的な言動を控えてもらい、映画などでもっとみんなを楽しませて欲しいとも思っています。6月6日からは『ポリス・ストーリー/レジェンド』が公開されますし、これからも更なる活躍を期待しています。(K)
2014年04月07日
今日、シネマート六本木で開催されている特集『春のプチ香港・中国エンターテイメント映画まつり』で『サイレント・ウォー』を観ました。お話は、20世紀半ばの中国共産党と国民党が争っていた時代、大陸内に国民党の動きが水面下で残っていたため、暗号の無線通信を傍受し動向を解析していた。新たな通信を見つけ出せなかった事で、部隊の責任者である老鬼は諜報員の張学寧 (ジョウ・シュン)に有能なピアノ調律師の羅耳三を探すよう命じた。学寧は無事に羅耳三を見つけるが、彼の助手で盲人の何兵(トニー・レオン)のずば抜けた能力を見抜き、何兵を連れて部隊へ戻った。そして、学寧は何兵に通信の傍受の技術やモールス信号などを叩き込み、何兵もまた能力を見事に発揮させ新たな周波数を見つけ出した。そして、学寧は国民党のスパイに接触する事となり・・・という感じに進んでいきます。舞台が中国の共産党と国民党が争っていた時代で、サスペンスという内容だったので、重いのかと作品にイメージしていました。しかし、思っていたよりは重くなく、トニー・レオンが演じる盲目の何兵のずば抜けた能力で任務を進めていくところや、何兵を探し出した諜報員である学寧との関係など、見応えのある作品でした。ただ、学寧の新たな任務を遂行していく上での事情の変化や、角膜を移植し視力が戻った何兵のその後の行動など、ちょっと先が読めてしまう展開だったのが残念な感じでした。あとは、上海が舞台であるのに台詞がすべて広東語であったので、広東語の方が心地よく聞けるのですが映画の内容としては違和感がありました。(K)
2014年04月05日
この週末、シネマート六本木で公開されている『ドラゴン・コップス -微笑(ほほえみ)捜査線-』を観に行きました。お話は、香港で映画スターやダンサー、水泳選手が微笑みながら急死してしまうという事件が連続して発生した。香港の警察内では、元々は優秀な刑事だが定年間近であるためやる気がなく、勤務中に株取引に夢中になっているフェイホン(ジェット・リー)、若く元気はあるが空回りしていてお調子者でもあるプーアル(ウェン・ジャン)、若くして彼らの上司であるアンジェラ(ミシェル・チェン)が、この微笑み死亡事件の捜査をする事になった。新たな犠牲者となった不動産のブローカーの捜査中、女優のチンシュイ(リウ・シーシー)が全員と関係があった事が分かったが、証拠不十分で釈放となってしまった。その際、迎えに来たのが色気を振りまく彼女の姉であるイーイー(リウ・イエン)だったが、このイーイーがチンシュイの歴代の彼氏を略奪していて、全員を生命保険に加入させていた事が判明し・・・という感じに進んでいきます。公開される情報だけは少し前から得ていましたが、詳細を調べないままであったので殆ど予備知識なしの状態での観賞となりました。思っていたよりもドタバタな作風であったのが、まず驚いてしまいました。多少はコメディな部分があるとは思っていましたが、チョイ役でいろいろな役者が登場したりと予想以上に楽しめました。それに、武術指導がコリー・ユン(元奎)であったので、アクションに関してはキレが良く文句なしだと思いました。しかし、中国が制作しているため仕方ないのかもしれませんが、舞台が香港なのに全員の台詞が北京語である事や、警察を悪く描写する事がご法度だったりするので、話の盛り上がりに物足りなさを感じてしまい、ちょっとそこが残念でした。(K)
2014年03月23日
今日、横浜のみなとみらいにあるパシフィコ横浜で2月13日から16日まで開催された「CP+(カメラ&フォトイメージングショー)2014」に行ってきました。パシフィコ横浜での開催も5回目となる今年は、14~15日に大雪となってしまい大変でしたが、今日は日曜日という事もあって多くのお客さんで賑わっていました。 今年も、各メーカーのブース内のコンパニオンの数が減っていたり、ステージでのモデルの撮影の規模も縮小気味であったように感じたのですが、機器の発表イベントという本来の姿は健在でした。また、ミラーレスのカメラやリーズナブルな一眼レフのカメラなどが前面に出ていて目立っていた感じでしたが、コンパクトタイプのカメラのラインナップが昨年以上に縮小されていたのは、何かちょっとショックに感じてしまいました。スマートフォンやタブレットなどで用が足りてしまうとはいえ、まだまだ敵わない部分はありますし、気軽に持ち運べるカメラとしては頑張って欲しい気分でした。あとは、メーカーのブースでは毎年楽しみにしている写真家のトークステージも無事に見られましたし、メーカーの担当の方にもいろいろと話を聞く事が出来たので、とても満足でした。それに、特機の展示スペースで映画製作の機器を弄る事が出来た事も嬉しかったです。今年は、会場自体が若干こじんまりしている印象でもありましたが、写真を趣味にする人も多いですから来年以降も盛り上がって欲しいと思います。(K)
2014年02月16日
今年は1月31日が旧暦の元日となりましたが、2月最初の土日は休みではなかったため、今日11日の祝日を利用して横浜の中華街へと行ってきました。中華街の中にある山下町公園で春節娯楽表演が今日まで開催されているとの事でしたので、開催される14時半にあわせて公園へと行きました。前側に置かれた座席やよく見える位置は勿論混雑していましたが、全体的には程ほどの観客だったため、少々遅れて到着しても何とか余裕で観られました。雑技は、段々に積み上げた椅子の上に登ってバランスをとるものや、体を折り曲げて筒をくぐり抜けるもの、皿回しや金属の連なったフラフープなど、とても素晴らしいものでした。それに、演技中に徹底して笑顔を振りまく姿にも感心してしまいました。それと、一番の楽しみだった獅子舞を今年も無事に観る事が出来て満足でした。今回は、いつもの横濱中華學院校友會だけではなく、廣東會館倶樂部の獅子舞もあったので、更に嬉しい気分でした。キレのよさなどは若い横濱中華學院校友會の面々には適わない感じでしたが、廣東會館倶樂部の方も2匹の獅子が対決の図式がジャッキー・チェンの『ヤングマスター 師弟出馬』を彷彿させる感じで、とても面白かったです。夜は家の用事があったため、中華街に来たら恒例にしている江戸清の豚まんや横浜大飯店の杏仁ソフトクリームなどを食べて、退散となりました。(K)
2014年02月11日
週末、公開されたばかりの『ドラッグ・ウォー 毒戦』を観に行きました。お話は、中国のコカイン工場が爆発事故を起こし、そこから車で逃走していた男が衝突事故を起こして意識不明となった。その男は香港人のテンミン(ルイス・クー)で、運ばれた病院で意識を戻すと逃亡しようとするが、中国公安の警部ジャン(スン・ホンレイ)に直ぐ捕まえられてしまった。ジャンはテンミンに、麻薬密造の罪は死刑判決となるが、捜査協力すれば減刑すると取引話を持ちかけられた。そして、テンミンの情報を基にして極秘潜入捜査が開始され、黒社会のボスのチェンビャオや港を仕切るハハが係わっている事から、ジャンらがおとりとなって彼らに接触を始めていき・・・という感じに進んでいきました。監督のジョニー・トーの50作目の作品という事や中国が舞台となっている事、地元で公開された時に話題になっていた事なども含め、公開が決まった時から楽しみにしていました。決してダラダラしている訳でなく、淡々とした流れで話がどんどんと進んでいくので、気を緩められないほど入り込んでしまう感じの映画でした。それに、中国の犯罪事情や公安の捜査などが垣間見られた気分にもなりました。ただ、夢中にはなりますが、舞台が中国という事や公安の捜査を描いているので、結末は別の結果になる訳がないと読めてしまうのが、ちょっと残念な気がしました。他のトー監督の作品では、悪事がバレないまま結末を迎えたり曖昧な雰囲気で終わったりと意外性が面白かったりするので、そういった観点からは物足りなさがあると思ってしまいました。(K)
2014年01月13日
この週末、シネマート六本木で公開中の『ジ・エレクション 仁義なき黒社会』を観に行きました。お話は、少年時代のフォーナンは、家が貧しく家計を支えるために黒社会の「義和盛」に入った。先輩フォーソイ(アレックス・フォン)のシマを守り右腕と成長していき、長年の夢であった中華料理店を開業させた。20年が経ち、フォーナン(ジョーダン・チャン)は妻と共に順風満帆な生活をしていた。しかし、フォーソイは借金がかさんで銀行とも揉めていたため、フォーナンに会長の座を譲る事を決めたが、中華料理店が順調なフォーナンは乗り気ではなかった。フォーソイは強引に幹部たちへ提案するが、組織の姐御であるパールは刑務所から出所間近な息子のチーマン(イーキン・チェン)が会長になるべきだと譲らなかった。そして、チーマンは戻ってきたが、服役中に学問に目覚めた事で大学へ行くいい、時期会長に興味を示さなかった。また、組織のガウも立候補すると言い出すが、子分が潜入捜査官である事が組織の殆どの人にバレているため、相手にされなかった。フォーナンやチーマン自身は興味がなかったが、本人たちの希望を双方の敵陣から妨害されてしまった事もあり、組織に伝わる龍尾棍を持ってきたものが次期会長だと決まり、3者の派閥間で奪い合いが始まって・・・という感じに進んでいきました。事前に作品の詳しい内容を知らなかった事もあり、黒社会の次期会長を選出する話という事やポスターの重々しい雰囲気などから、かなり殺伐とした作風なのではないかと、ちょっと懸念していました。実際観てみると、ドタバタなコメディ要素が強い内容だったので、意外な印象でした。初っ端から『インファナル・アフェア』のパロディ満載で、他に電影節での受賞のコメントを語るシーンなどのパロディもあって、かなりマニアックな作品でした。殺伐としたシーンもそれなりにあったのですが、あまりグロさを感じさせなかったので、ちょっとは安心できました。あとは、主演のイーキン・チェンとジョーダン・チャンがかつて共演した『欲望の街(古惑仔)』シリーズの再来という事も前面に出していましたが、古惑仔シリーズを思い出したりしてちょっぴり懐かしい気分にもなりました。(K)
2014年01月12日
この週末、シネマート六本木で公開されている『大捜査の女』を観に行きました。お話は、不正な石油取引で大儲けしている闇組織のボスであるフォク(イーソン・チャン)は、中国の公安に部下が取引している現場を踏み込まれ、逃走時に交通事故を起こしタンクローリーが爆発し部下も逮捕されてしまい、香港警察からもマークされる対象となった。そして、フォクの息子が誘拐されてしまった。香港警察はフォクの家に捜査陣を常駐させ、警部のシートー(サミー・チェン)が指揮を執る事になった。シートーは、長年同棲している芸術家の恋人が一向に成功しない上、自身が妊娠している事も分かったため、ピリピリしている状態であった。フォクは事業の裏がバレてしまうため協力的ではなかったが、中国公安とギクシャクした捜査の中でタンクローリーとの事故で犠牲になった人物を調べていくと誘拐事件に絡んでいき・・・という感じに進んでいきました。少し前の作品ですが、詳細の内容をよく知らなかったですし出演者が主演のサミー・チェンやイーソン・チャンの他にも豪華な感じでしたので、どんな感じか気になっていました。観た第一印象は、何か荒削りな感じでした。誘拐事件と闇組織の不正な石油取引を捜査する話は興味深かったのですが、サミーが演じるシートーのヒステリックさや捜査する警察官たちがどことなく不真面目だったりする点、中国公安とのやり取り等々、小ネタを寄せ集めでいる感じで、シリアスなのかコメディなのかどっちつかずな作品だと思ってしまいました。しかし、終盤で犯人と繋がっていると匂わしていた人がそうではなかったり事件が急速に解決に向かっていくあたりなどは引きつけられたので、もうちょっと本筋に集中させればもっと面白くなったと思いました。(K)
2014年01月12日
昨年9月に香港で公開され、先々月の11月にはソフトが発売となった『超級經理人』ですが、早速入手して観てみました。お話は、借金の取立て業者の超(チャップマン・トー)は、負債を抱えた芸能事務所へ取立てに行くが、借金の回収が出来なかったため、所属していた7人のモデルを引き取り売り出す事にした。マスコミに露出させようと、アクション俳優の剣龍が会見するステージに乗り込んで、剣龍の敏腕マネージャーである孫(シャーリーン・チョイ)を激怒させた。しかしその後、孫は剣龍の私生活まで監視していた事がバレて剣龍が離れてしまい失業してしまったので、超の引き抜きを受け入れてモデルたちのマネジメントを引き受ける事となった。そして、彼女らを特訓して売り込みに精を出すが、なかなか上手くいかず・・・という感じに進んでいきます。ここ近年、コンスタントに出演しているチャップマン・トーとシャーリーン・チョイが共演という事や、監督の馮志強はチャップマンとフィオナ・シッが共演した『懸紅』の監督でもあった事、それに制作がエンペラー(英皇電影)という事でも期待していました。古典的なドタバタのコメディーで、ジリアン・チョンやニコラス・ツェーなどゲスト出演陣も豪華だったりウォン・チョーラム(王祖藍)のアクの強いキャラクターなどところどころは面白かったのですが、何か淡々と話が進んでいって全体的な印象は薄いと感じました。もし逆にメリハリがある内容だったら、詰め込み過ぎという感想を抱いたのでしょうが、ちょっと物足りなさを感じたのでもう少し大きな展開が欲しい気分でした。また、売り出そうとしたモデルユニットが香港ではイマイチであったために韓国へ進出させ知名度を上げていくあたりは、香港と韓国の芸能の係わりがこんなに進んでいたかと、ちょっと気になるところでした。日本と同様、香港でも韓流はひと段落ついていたと思いますし、ソウルのロケもそんなに必要性を感じませんでした。あとは、敏腕マネージャー役のシャーリーン・チョイが、ここ最近はキャリアウーマンを演じる事が多くなってきたというのも、印象深い感じでした。(K)
2014年01月03日
今月、香港で発売されたアラン・タムとハッケン・リーのユニット左麟右李のアルバム『男人的歌』を入手しました。2003年にユニットを結成して今年が10周年との事で今月初めにはコンサートも開催され、新曲『男人的歌』などが収録されたベストアルバムが発売されました。新曲のうち、アランが作曲した『男人的歌』や『左顧右頒』はバラード調でじっくりと聴かせる感じですし、エリック・クォックがプロデュースと作曲をしている『跳o拉河馬』はアップテンポな曲で聴いていて楽しい気分になります。また、初期の『左鄰右里』や5年前に発表した『唔使驚』など定番の曲も収録されているので、ユニットの軌跡を振り返ったり安心して聴けたりして、お得なアルバムだと思います。音楽CDで新曲が収録されているもの自体が久々でもあるので、しばらくこのアルバムばかり聴きまくってしまう感じです。(K)
2013年12月30日
この週末、シネマート六本木で開催されている特集『冬の香港・中国エンターテイメント映画まつり』で『名探偵ゴッド・アイ』を観ました。お話は、元刑事で盲目の探偵ジョンストン(アンディ・ラウ)は、天才的な直感や想像力で警察に協力し、事件を次々と解決させて懸賞金で暮らしていた。ある事件では、元同僚の刑事シト(グォ・タオ)に手柄を横取りされ懸賞金を貰い損ねてしまったが、シトの部下で女性刑事のホー(サミー・チェン)はジョンストンの敏腕さを買って、子供の頃に失踪した近所の少女シウマンの捜索を依頼した。そして、ホーはジョンストンの助手となって捜査を始めるが、ジョンストンの強引な捜査方法で状況を再現したり犯人の気持ちになって演じさせられたりと、心身ともにボロボロとなってしまう。しかし、そんな捜査を続けていく中で、過去に起こった女性連続失踪事件との関連が浮上して・・・という感じに進んでいきます。今年の夏ごろ、香港でこの作品が公開されていた時に盛り上がっていましたし、今までも何度か共演しているアンディ・ラウとサミー・チェンの久々の共演作でもあったので、上映が決まった時からかなり期待していました。二人のドタバタなところや謎解きの展開も入り込んでしまいましたし、作品の監督がジョニー・トーである点なども含め、安心して観られた印象でした。ところどころで殺伐な懸念があったのですが、そう気になるほどでもありませんでした。それに、サミー・チェンの3枚目な役柄も、とても合っていると思います。そういった芸風の出演作が多いのでマンネリに捉えられてしまうかもしれませんが、生き生きしているように見えるので個人的には3枚目の役柄は大好きです。あとは、ラム・シューもアクの強い役で可笑しかったですし、大陸人であるグォ・タオやカオ・ユアンユアンも基本は広東語に吹き替えられていて、捜査でアンディとサミーが珠海に行った時には現地で北京語で話したりと、言葉がキチンとなっていたところも良かったと思いました。(K)
2013年12月09日
この週末、シネマート六本木で開催されている特集『冬の香港・中国エンターテイメント映画まつり』で『ゴールデン・スパイ』を観ました。お話は、中国の元の時代に描かれた水墨画「富春山居図」は、歴史の流れで二つに引き裂かれ中国と台湾とそれぞれの博物館に収蔵されているため、それらを数百年ぶりに一つにしようというプロジェクトが進みだしたが、台湾に収蔵されていたものが奪われてしまった。香港警察の海外不正取引取締課工作員であるシォウ(アンディ・ラウ)が奪還を命じられ、早速行動へ移った。しかし、中国側のものも警備をすり抜け奪われてしまった。捜査を進めていくうちに、謎の女であるリサ(リン・チーリン)や、日本のヤクザである山本(トン・ダーウェイ)らによる組織の犯行と浮上し・・・という感じに進んでいきます。作品の存在自体、今回の公開まで知らなかったのですが、アンディ・ラウとリン・チーリンが初めて共演という事や、国宝級の水墨画の争奪バトルという解説などを読んで、どんな感じか楽しみにしていました。正直言って、観終わった後に「ん~」とスッキリしない作品でした。期待し過ぎていたせいや僕の理解不足のせいでもあるのでしょうが、アンディ・ラウやリン・チーリンの役の細かな設定が解り難く、ストーリーの展開や場面の切り替わりなどが荒っぽく感じました。劇中で使用されるハイテク機器も近未来っぽいものだったりと、各所でCGを多用していましたし、ドバイなどでロケをしていたりしてお金をかなり掛けていますが、何か生かされていないような印象でした。あとは、日本のヤクザも深く係わってくるのですが、敵である山本が住む家の内装や手下の衣装なども外国人がイメージする日本というような典型的なものでしたし、終盤で水墨画を元のところへ返せという感じの流れは、『ライジング・ドラゴン』で批判されていた事と何となくカブってしまいました。(K)
2013年12月08日
この週末、シネマート六本木で期間限定公開されている『バレット・ヒート 消えた銃弾』を観に行きました。お話は、1930年代、中国の郊外にある軍需工場で、一人の女性工員が銃弾を盗んだと疑いを掛けられた。本人は無実を訴えていたが、工場長の丁(リウ・カイチー)から脅され、自分自身を銃で撃ち死んでしまった。その後も工場では不審な殺人事件が多発し、その時の銃弾が見つからなかったため、呪いの銃弾で殺されたと噂になっていた。そのため、自身が危険な実験台になってまで推理をする刑事の松東路(ラウ・チンワン)が派遣された。署の郭追(ニコラス・ツェー)らと共に捜査を始めるが、更に銃弾の見つからない射殺事件が起こっていき・・・という感じに進んでいきました。昨年の秋、普段は香港映画を観ない香港人の友人が観に行ったと聞いていたので、その時から日本で劇場公開やソフト化がされないかと気になっていた作品でした。しかし、ずっと気になってはいたものの、あらすじなど予備知識がない状態で観たので、舞台が1930年代という事など多くの事を観ていて初めて知りました。最初のうちは、古い時代の話で全体的に暗い画面であった事や、場面が前後したり登場人物の区別が付き難く理解できるかなどと不安な状態でした。ですが、主役のラウ・チンワンとニコラス・ツェーとの関係の微妙さが意味深であったり、事件の謎解きが進んでいくうちにどんでん返しがあったりと、ジワジワと入り込んでいく感じの映画でした。僕の理解力の乏しさもあるのでしょうが、もうちょっと登場人物の区別や各シーンの位置関係が分かりやすければ、もっと面白くなるのでは?いう印象でした。(K)
2013年11月30日
発売されたばかりの本『香港トラムでぶらり女子旅』を、早速購入しました。少し前から各所で紹介されていましたし、今まで香港に関する多くの本を出している池上千恵さんが著者という事でも楽しみにしていました。しかし、22日や23日発売などと書かれていましたが週末が連休になった事も関係しているからか、今日25日になって書店に並び始めていました。本のタイトル通り、トラムの沿線を地域ごとに分け観光地やお店などが紹介されています。まだパラパラッと読んだ程度ではあるのですが、殆どがカラーページで写真も多くイラストも掲載されているので、とても読みやすく感じました。香港のトラムは、渡航時に時間のある時などに街並みを眺めながら移動する手段として利用していますが、上環~中環~金鐘の都会的な雰囲気や、湾仔~銅鑼湾、北角方面の活気ある感じなどが特に好きです。あまり時間に余裕のない時でも、何とかちょっとの区間だけでも乗るようにしています。漠然ではありましたが、今年の年末に香港に行かれないかと考えていました。しかし、様々な事情で実現する事が出来なくなってしまったので、この本で気持ちを高めたいと思います。(K)
2013年11月25日
23日より東京ビッグサイトで開催されている『東京モーターショー 2013』に行って来ました。会場が東京ビッグサイトに変更となって2回目の開催という事で行きやすくなりましたし、開催時間が延長された事や午後過ぎや夕方以降に入場すると割引になる制度も定着してきたように感じました。当然、開催されたばかりという理由もありますが、予想以上の混雑ぶりでした。今回の第一印象は、更に環境を重視した内容になっていた事でした。ハイブリッドの車種も増えましたし、電気自動車も様々な用途の車種が登場し各所で活躍していますので、急速に進化している事を改めて驚かされました。それに、各社のブースで展示されているコンセプトカーも、かつては奇抜なデザインのものが目立っていましたが、最近は実用的なデザインが中心になってきているようです。また、ここ数年の新車登録が3割を越えていて好調という軽自動車も、自動車税の税率が上がってしまうかもしれない事が懸念されている事を忘れてしまうくらいに賑わっていました。展示車も多かったので幾つかの車種の運転席に座ってみましたが、どれも狭さを感じない設計でしたし、日常の維持費の捻出が出来さえすれば手軽に乗れるクルマとして欲しくなる思いでした。あとは、今回もアメリカの各メーカーが出展していなかった事で、東京モーターショーに出展しないのが当たり前な流れになっているのが寂しく感じましたし、超コンパクトカーの試乗体験の詳細を事前に知っていれば申し込みたかった思いでもありました。最終日の12月1日までにもう一度観に行かれないかと考えています。(K)
2013年11月24日
今日から公開された『ネイキッド・ソルジャー 亜州大捜査線』を、早速観に行きました。お話は、インターポールの捜査官のロン(サモ・ハン)は、麻薬取引現場へと乗り込み、大量の麻薬や武器を押収した。任務を終え家族と親戚のいるアメリカで過ごしていた時、組織から報復として一家が殺害されてしまい、10歳の娘が敵のマダム・ローズに誘拐されてしまった。そして、娘はマダム・ローズによって洗脳され、組織の一員として育成されていった。15年後、新たな動きを捜査していたインターポールのサム捜査官(アンディ・オン)は、引退していたロンを呼び捜査の協力を依頼した。麻薬王のパワー(アンソニー・ウォン)の手下が次々とローズの刺客に殺される事件が発生し、そのうちの一人を捜査するため台湾を訪れたサムは、恩師の教授から大学生のメイシー(ジェニファー・ツェー)を紹介されたが、殺害された現場に残った犯人の血痕のDNAがロンと一致し、犯人の似顔絵もメイシーにそっくりで・・・という感じに進んでいきます。少し前からサモ・ハン主演という事で宣伝されていたり、ここ近年の出演作では主役でなくてもオイシイところを持っていってしまう役柄でもあったので、どんな感じなのかと楽しみにしていました。観て先ず感じたのは、良い意味でも悪い意味でも往年の香港映画を思い出す懐かしさでした。アラ探しになってしまいますが、冒頭からの話の進み具合にツッこみどころが多かった事や、中盤以降も各所で展開がアラ削りな感じであった事、古典的なコントのシーンもあったりして、そういったところが特に懐かしく感じました。また、アクションに関してはコリー・ユン(元奎)がアクション監督であったせいか、早回しのシーンがやや気になったものの、テンポの良さやキレなどは安心して観られました。他には、アクションのシーンでは効果的にCGが使われていましたが、あまり凝った描写でなくても良さそうなシーンでもCGが多用されていたので、それだったらもうちょっとストーリーを重視して欲しいと思ってしまいました。あとは、1980年と15年後の1995年が舞台となっていますが、どちらも当時の時代考証が軽視されていたので、それだったら現在と15年前で良かったような気がしました。(K)
2013年11月23日
キリンビバレッジから11月5日よりコンビニ限定で発売されたキリンの泡 ホット芳醇アップル&ホップですが、やっと買う事が出来たので飲んでみました。キリンの泡シリーズのホット炭酸という事で、どんな感じなのかと発売前から楽しみにしていました。「芳醇なアップルの味わいと、ほのかなホップの香り」というコピー通り、柔らかく控えめな甘さと僅かに感じる酸っぱさが美味しく感じました。それに、微炭酸の口あたりが飲んだ時にジワジワと体の奥から温かくなってきて、保温効果が高いような気分でもありました。また、フタの付いた缶タイプというのも便利だと感じました。コンビニ限定でなく、自販機でも扱って欲しいと思います。(K)
2013年11月13日
この週末、インド映画の『マッキー』を観に行きました。お話は、冴えない男ジャニ(ナニ)は、近所に住む小さなアクセサリーを製作するアーティストで積極的にボランティア活動もしているビンドゥ(サマンサ・プラブー)に2年も片想いな状態で、ジャニは親切に振舞って猛烈にアピールするが、ビンドゥの反応はそっけないものであった。建設会社の社長で裏ではマフィアでもあるスディープ(スディープ)は、好きになった女は必ず自分のものにすると自負していて、ある時にビンドゥを見掛けた事で、高額な寄付をしてビンドゥを口説き始めた。だが、ビンドゥを落とす事が出来ず、そこにはジャニの存在があるせいだと感じたスディープは、邪魔者であるジャニの事を殺害してしまった。しかし、ジャニはハエとして生まれ変わり、スディープに復讐を誓ってあらゆる方法でスディープに近付き邪魔を始めていき・・・という感じに進んでいきました。ここ最近のインド映画が盛り上がりや、『恋する輪廻~』などを観て面白かった事もあり、この作品の事も気になっていました。しかし、予告編を観た時に食指がイマイチ動かなかったのですが、お薦めだという意見も頂戴していたので、観てみました。主人公がハエに生まれ変わるという設定だったので、終始ドタバタなのかと思っていましたが、復讐の要素が大きかったので予想していたイメージとは違っていました。確かに、敵の一方的な嫉妬で殺されてしまったので解らなくはないのですが、そこまで徹底的に復讐するのかという描写には何か複雑な気分にもなりました。もうちょっとコメディな感じで良かったようにも思ったのですが、そこは文化の違いもあるのか?という印象でした。あとは、CGをふんだんに使っているので、かなり手間が掛かっているなという思いでも観てしまいましたし、日本公開版として短くされていたのかもしれませんが、125分という上映時間もテンポ良く進んでいったので良かったと思います。(K)
2013年11月03日
この週末、公開されたばかりの『コールド・ウォー 香港警察 二つの正義』を観に行きました。お話は、若者で賑わう繁華街の旺角である時、爆破事件が起こった。それとほぼ同時に、5人の警察官が車ごと拉致されてしまう事件も起きた。しかし、香港警察長官が海外に行っているため、行動班副長官のリー(レオン・カーフェイ)が捜査の指揮を執る事となった。だが、拉致された中にリーの一人息子であるジョー(エディ・ポン)がいる事で、保安管理班の副長官ラウ(アーロン・クォック)はリーの捜査のやり方にも異議を唱え、自分が作戦の指揮を執るよう変更させた。そして捜査を進めていくうち、犯人らから要求された身代金の受け渡しでの捜査のミスや、その時に用意した大金の遣り繰りの問題等々が生じていた事で、リーとラウに容疑がかかり汚職捜査機関が彼らを調べる事となった。そして、それぞれの置かれた環境や裏事情等々か絡んでいき・・・という感じに進んでいきます。昨年、香港で話題になっていた作品でしたし、早々に日本で公開されるという話が出ていたので、ずっと楽しみにしていました。しかし、警察内部での対立や汚職などといった話との事でしたし、予告編でもシリアスな印象が強かったので、観ていて追いついていけるだろうかと、ちょっと懸念もしていました。冒頭で登場人物の相関図が出てきて、それぞれの役職や役名を覚えられるかと心配してしまいましたが、進んでいくうちに話の展開も次々と変わっていきましたし、途中でダレる事もなく入り込んで観てしまうくらいでした。前半で疑わしい感じだったのがその後にそうでなくなっていったりと、イメージほどは難しい話でなく、決して単純な話でもないバランスが良かったと思いました。それに出演者も、レオン・カーファイ、アーロン・クォックなど主役陣を始め豪華な感じでしたし、ゲスト出演のアンディ・ラウの扱いもワザとらしくなく登場していたのも良かったです。(K)
2013年10月27日
コカ・コーラから21日よりカナダドライ ホットジンジャーエールが発売されたので、早速買って飲んでみました。コカ・コーラでは初のホット炭酸飲料という事ですが、ホットの炭酸飲料は香港ではホットのコーラが普通に売られていますので、そんな感じの味わいかな?と発表時から期待していました。実際に飲んでみると、ジンジャーエキス配合と書かれている通り、炭酸の刺激よりもジンジャーの辛い味の刺激を強く感じました。それに、少し甘さを控えているところもベタつかず飲みやすいと思いました。数年前のキリンのぽっぽ茶など、冬季にはジンジャー味の飲料が発売されていますが、もう少し寒くなってくると体の温まる飲料として更に美味しく飲めるかと思います。(K)
2013年10月22日
この週末、オーディオ・ホームシアター展 2013(音展)へ行って来ました。昨年までは秋葉原のUDXと富士ソフトなどで開催されていましたが、今年からお台場(青海)のタイム24ビルでの開催となりました。正直言って、昨年までの秋葉原の会場は窮屈な感じでもあり、何か地味なイベントな印象でもありました。しかし、今年からは会場のスペースが広くなった事で、とても見易くなっていました。かつて、パシフィコ横浜で開催されていたA&Vフェスタ時代を思い出す感じでもありました。昨年は都合で行かれなかったのですが、今年は各所で機器の操作や視聴が出来たり評論家のセミナーなどがあり、充実したものでした。特に、何機種か気になっていたヘッドホンの視聴が出来た事が、とても嬉しかったです。機器に関しても、PCを音源にしていたりネットワークオーディオが中心になっているのが当たり前になっていて、ハイレゾ製品もウォークマンにまでかなりウエイトを占めてきているので、急速な発展ぶりに追いつけなくなりそうな危機も感じました。(K)
2013年10月20日
先月中旬、サミュエル・ホイのCD『百分百 許冠傑 100% IN GOLD (K2HD)』が香港で発売されました。しかし、事前に発売される事を知らなかったので、ホイ兄弟ファン仲間の馬場さんに教えて頂き初めて知りました。購入するか躊躇しましたが、香港人の友人の助けもあり、何とか入手しました。このCDは、日本のビクターエンタテインメントが開発した高音質CDの技術であるK2HDマスタリングを採用しているため日本でプレスされていて、シリーズとして同時にポーラ・ツォイとマイケル・クワンのCDもリリースされています。過去にも、コロムビアのMSやHDCDなどの高音質化されたCDのシリーズが発売されていましたが、今回のシリーズはラインナップも少なくて何か地味な感じがします。収録曲は、サムが1983~84年の短期間だけ所属していたコンテックの曲が多く、他には1985年以降のシネポリー時代の曲や1973年にライフレコードからリリースされた『INTERLUDE』、後は『皇帝密使』の日本公開版主題歌として山田邦子とデュエットした『Top Secret』、それと代表曲の一つである『浪子心聲』のギターバージョンとなっていました。確かに、K2HDマスタリングという事で少しクリアさが増していて、各楽器やボーカルの定位もハッキリしている感じでした。ただ、コンテック時代の曲は元から若干篭り気味なので、処理技術の限界を感じた気もしました。それと、『Top Secret』が5月に発売された『傑出之選』ではEP盤から起こした音源だったためホコリのノイズが少々気になりましたが、今回のCDはマスターテープからの音源であったので、問題ありませんでした。曲は山田邦子のベスト盤で既にデジタル化されていましたし、同じビクターからリリースされていた曲でもあるので、それで円滑に進められたのかな?と思っています。他には、『浪子心聲』のギターバージョンというのも何なのか気になっていましたが、どうもこのCDのために録音したもののようで、過去にリリースされたソフトでは聴いた事のないアレンジでした。あとは、CDのプリント面やジャケットの裏面などに日本語で「権利者の許可なく賃貸業に~」と注意書きが印刷されているので、日本製という事でワザと印刷したのだろう小ネタも面白く感じました。(K)
2013年10月10日
この週末、公開中の『イップ・マン 最終章』を観に行きました。お話は、第二次大戦後、詠春拳の達人であるイップ・マン(アンソニー・ウォン)は中国の佛山に妻のウィンセン(アニタ・ユン)や子供たちを残し、香港へと移り住んで組合のビルの屋上を借り詠春拳を教え始めた。様々な職業に従事する弟子が増えていき、後に屋上が使えなくなると弟子達がビルの一室を借りてくれた。数年後、中国から香港への越境の規制が強化されたため、ウィンセンが香港へ来れなくなってしまった。その後、白鶴派の宗師のン(エリック・ツァン)との親交が深まったり、弟子達が詠春拳の新たな道場を開いたりとしていく中、ウィンセンの死の知らせを受け精神的に滅入ってしまう。しかし、歌手のジェニーと恋仲になっていき、快く思わない弟子達との間に溝が生じてしまう。そんなある時、道場を上手く運営できずにいた弟子の一人が、治外法権の九龍城砦の中で行なわれていた闇試合に手を染めてしまって・・・という感じに進んでいきました。日本では一昨年に一般公開となったドニー・イェンの『イップ・マン 葉問』や、今年公開されたウォン・カーワイ監督の『グランド・マスター』と同じく、詠春拳の達人でブルース・リーの師匠でもあるイップ・マン(葉問)の生涯を描いているとの事で、公開が決定した時から楽しみにしていました。第二次大戦後、イップ・マンが中国の佛山から香港に渡ってきてからのお話という事なので、日本の悪行は日本軍に家を取られてしまったという以上には出てこなかったですし、アクションを見せるというよりもイップ・マンが詠春拳を弟子達に伝承していく部分や、弟子達や周りの人々とのエピソードなどがメインの作品だったので、人間性が重視された描写がとても良かったと思います。穿った見方をすれば、アンソニー・ウォンがイップ・マン演じているためにアクションを満載に出来なかった事情もあるのでしょうが、無理やりアクションシーンを詰め込むのではなく、必要最小限であった事も自然でした。ストーリー自体も分かりやすかったですし、勧善懲悪な事でもスカッとしました。それに、50~60年代の香港の時代背景も上手く描かれていて、ノスタルジックな雰囲気であった事も夢中になって観てしまいましたし、香港の年配の人が観れば更に懐かしい気分になる作品と感じました。ここのあたりは、今夏に公開された『李小龍 マイブラザー』にも通ずる気がしました。(K)
2013年10月06日
週末、28日から公開の『そして父になる』を観に行きました。お話は、エリート社員の野々宮良多(福山雅治)は、大手の建設会社に勤務し都心のタワーマンションで妻のみどり(尾野真千子)と6歳になる息子の慶多と一緒に順風満帆な暮らしをしていた。ある日、みどりが出産した前橋の産院から連絡があり、6年前の出生時に取り違えられていて実の子ではないというものであった。相手方の斎木夫妻の雄大(リリー・フランキー)とゆかり(真木よう子)と会い、良多は斎木一家のガサツさなどに引っかかりがあったが、まずは定期的に交流する提案をした。良多は上司の上山(國村準)や弁護士の友人の助言を受けながら、子供を交換する準備を進めていくが、今まで育ててきた子か血の繋がった実の子を取るかの葛藤、自身がかつて体験した家庭環境の事も含め悩み・・・という感じに進んでいきます。元々気になっていた映画ですが、5月にカンヌ国際映画祭で大絶賛され審査員賞を受賞したと大きくニュースになっていたので、期待度が更に高まっていました。昭和40年代の初め頃までは、産院で新生児の取り違えの事故が稀に起きていたと聞いた事はありますが、現代ではまずあり得ないこのような事が起こってしまったら・・・と深く考えさせられる作品でした。ある程度の年月、実の子供だと信じて育てていたなら事実を突きつけられてもそのまま育てるしかないと思ってしまったりしますが、やはりどこかで血が繋がっていないと意識してしまうとそうは簡単にいかないでしょうし、何かのキッカケで事実を知ってしまった時のショックの大きさも想像がつかないと、いろいろと考えてしまいました。号泣という程ではなかったものの、大人の都合で子供が振り回されている幾つかのシーンでは、泣くのを我慢できない思いでした。もし僕に子供がいたなら、これまで自分が子育てしてきた思い出とリンクして、もっと泣いてしまっただろうと思います。それと、出演者も事前にイメージしていたより違和感もなく良かったですし、それぞれ役に合っていたように感じました。作品によっては無理やり起用したと強く感じるものや端役に時の人を出演させたりする事がありますが、この映画はそういった冷めてしまう感じがしなかった事も良かったです。(K)
2013年09月30日
週末、13日から公開された『鷹の爪GO~美しきエリエール消臭プラス~』を観に行きました。お話は、世界征服を企むけれどマヌケな集団の「鷹の爪団」は、島根にある主任の吉田の実家にいた。そこで、地元の占い師から悪い予言をされてしまう。また、地球から遠く離れたところにある機械生命体の住む惑星ゴゴゴでは、ネマール帝国からの侵攻を受けていて、何とか反撃のチャンスを企てていたが、完全に牛耳られていた。そこで、伝説の予言にあった救世主となる「青い星に住む耳の尖った男」を探すため、過去の失態でみんなからバカにされていた中年男のオキテマス・スマイルと娘のヨルニーは、何とか惑星ゴゴゴから脱出して地球へと向かった。そして、救世主となる「耳の尖った男」である鷹の爪団の総統を見つけ出した。そして、彼らを救うため鷹の爪団は惑星ゴゴゴへ向かう事となって・・・という感じに進んでいきました。6年前にハマってから、テレビ朝日の深夜枠での放送や劇場で公開された3作品と観続けてきたので、今回の公開を楽しみにしていました。しかし、最近のNHKのEテレで放送されているものは観ていなかったので、ついていかれるかという懸念もありました。ですが、そんな懸念も殆ど問題なく、冒頭から畳み掛けるような展開でしたので、十分に楽しめました。前作までと同様、画面の端にバジェットゲージ・システムというグラフで、作品の予算がどれくらい残っているか表示されたり、劇中にスポンサーのロゴや商品紹介の台詞を入れるプロダクト・プレイスメントをワザと露骨に入れて、無くなりかけていた予算を増やしたりする演出も健在だったので、その点でも安心して観られた感じです。それに、作品の冒険度はやや大人しめになった感じではありましたが、途中で出演者の一人が結末を簡潔に喋ってしまったりするネタもありましたし、クライマックスの台詞ではウルッとしてしまったりもしたので、途中でだらける事なく夢中で観てしまいました。(K)
2013年09月17日
今春より講談社から隔週火曜日に発売されている『昭和の爆笑喜劇DVDマガジン』ですが、9月10日に発売された第12巻は念願の『香港クレージー作戦』だったので、早々に購入してこの週末に観てみました。お話は、梱包材を扱う第百商事の営業である植田等(植木等)は、要領よく仕事を進めていて浮いた時間にサボったりしていた。いつも寄り道する「呑んべえ横丁」でツケをごまかしながら行き付けの料理屋で飲んでいると、店主の花岡(ハナ肇)が板前の大塚(犬塚弘)や他の店の谷田(谷啓)、安井(安田伸)らを集めて、会議を始めていた。「呑んべえ横丁」の土地の再開発で、香港の企業中南公司が中華レストランを建設する計画に対し、立ち退き要求に断固反対するという内容であった。そこで植田は、地上げに応じる代わりに中南公司が所有する香港の繁華街のビルのフロアで日本料理店を開店させてもらおうと、中南公司の汪社長(リン・ツォン)に直談判した。そして交渉成立後、植田は会社を辞めてスポンサー企業を探し、横丁の流しだった2人(桜井センリ、石橋エータロー)、第百商事の経理部の浜野ミエ(浜美枝)らも一緒に香港へと乗り込んだ。しかし、香港で「菊花亭」を開店させたが閑古鳥が鳴いている状態であったため、繁華街でチンドン屋となって店のPRをするが、警察に捕まってしまった。汪社長のアシスタントの力で無事に釈放され、更に香港にいるミエの腹違いの姉の麻美(淡路恵子)も見つかり、麻美が救いの手を差し伸べてくれる事となって・・・という感じに進んでいきます。クレージーキャッツ映画は今まで何本か観ていますが、この作品は未見でした。香港でロケをしている事は勿論ですが、学芸員Kさんがブログで紹介していた事もあるので、観たい気持ちが高まってもいました。早くTSUTAYAなどで借りれば良かったのですが、今年の4月からこのシリーズが発売されると知ったので、安価でDVDが入手できる事もあって待っていました。ちょうど50年前の1963年に制作との事で、日本では海外旅行が自由化される前となりますし、当時の日本は香港の事をどう描いているのかの興味津々でした。香港の人と言葉を交わす時に北京語だったりした他は、思っていたよりもキチンと描かれていたので意外な感じでもありました。日本のスタジオに作ったセットだろう屋内シーンなどもワザとらしい中華らしさがなかったですし、香港を見下すような描写もなかったですから、素直に楽しむ事が出来ました。それに、50年前の香港の街並みも大昔に見た香港のガイドブックや写真等々を思い出したりもして、幼少時代に感じていた香港のイメージを懐かしむ事も出来ました。車で走りながら街並みを撮影しているシーンだけは、動画サイトなどにアップされていたりして観た事はありましたが、今観るととても貴重な映像であるようにも感じます。あと、他のクレージー映画も含めた観点からは、当時の丸の内や日比谷などの街が映っている事や、上司や社長、取引先の相手の前でも当たり前のように先にタバコを吸いだしたりするところなど、高度経済成長時代の当時との文化の違いなども面白く感じました。(K)
2013年09月15日
この週末、ソフトを入手したままだった今年の香港の旧正月映画『百星酒店』を観ました。お話は、ハンドレッドスターズホテル(百星酒店)で副支配人として勤務している包定(ロナルド・チェン)は、やっと支配人に昇格できると思い、同僚のバーテンダーの彭俊(チャップマン・トー)や清掃担当の桃姐(サンドラ・ン)らと浮かれていた。しかし、新しい支配人として古薫(テレサ・モウ)がやって来て、就任早々に従業員の査定を始めてリストラに乗り出した。面白くない包定たちは古薫に反発しながらも、渋々働き続けた。女優のリン・ホン(熊黛林)が撮影のために宿泊する事になりその対応に追われたり、包定の彼女の寶寶(フィオナ・シッ)の叔父(レイモンド・ウォン)の相手をしたりと慌しく過ごした。そんなある日、ホテルの格付けを評価する覆面調査員が来るという話が出て、5ッ星に昇格できるチャンスを逃す訳にはいかないと、みんなで調査員を探し出し・・・という感じに進んでいきます。毎年恒例のレイモンド・ウォンがプロデュースする旧正月映画の2013年版となりますが、今年は過去2年出演していたドニー・イェンの出演はありませんでした。そういった事もあってか、常連のサンドラ・ンやロナルド・チェン、チャップマン・トーらがいろいろと小ネタを繰り広げていましたが、ストーリーに大きな展開がある訳ではなく、地味な印象でした。しかし、レイモンド・ウォンが目立った役で登場する事や、最後にはハッピーエンドとなって出演者全員で新年の挨拶をするお約束も踏襲されていましたし、ウェディングドレス姿のフィオナ・シッも可愛らしかったので、旧正月映画だしこれで良いのかな?と思いました。あとは、パロディの中で元ネタが分からないものがあったので、そこは香港人でない厳しさを感じました。(K)
2013年09月08日
シネマート六本木で9月6日まで開催の特集『パン・ホーチョン、やっぱりお前は誰だ!?』で、今夜『AV』を観ました。お話は、卒業を控えていたジェイソン(ウォン・ユウナム)たち大学生4人は、将来の事を真剣に考えずに過ごしていた。ある日、彼らの友人が映画の自主制作とウソをついて、好きな女の子に撮影を理由にキスをさせたため、退学となってしまった。それを知った4人は、架空の制作会社を作って日本からAVの女優を呼んで撮影を理由にオイシイ思いをしようと企てた。そして、他の学生たちを説得して制作スタッフを集めたり、仲間の一人の父親が営む工場を制作会社の事務所に偽り、目を付けていた女優の天宮まなみ(本人)を香港へ招き、撮影をスタートさせた。撮影開始後も、女優相手に演じる事に緊張してしまったり、当初借りていた撮影スタジオが使えなくなってしまったりと、紆余曲折な進行であった。ジェイソンは、合間に天宮まなみと会話していた中で、本人の生い立ちや将来の夢などを聞き、だんだんと情が湧いてきた。その後、学校内の演劇用のスタジオを使って撮影を進めていたある時、教員に撮影している事が知られてしまって・・・という感じに進んでいきます。2005年に制作された作品で、同年の東京国際映画祭でも上映され話題になっていた事や、昨年のパン・ホーチョン特集の際も上映されていたので、ずっと気になっていました。しかし、タイミングが合わなかったので、今回の観賞となりました。ストーリーの本筋は、世間を甘く見ている大学生4人が下心のみで映画制作と偽り、日本からAVの女優を招いて撮影するというものですが、制作費の捻出や撮影準備、場所の確保などといった苦労、女優と毎日接する事によって改心し、自分たちの将来に真剣に取り組んでいくという内容は、AVを題材にしなくても十分成り立つものだと思いました。それを言ったら作品の根本からの否定となってしまいますが、3級片(+18)の扱いになってしまう事が何か勿体無い気がしました。それと、大学生らが成長していく流れで、1970年代初めに香港で起こった日本への尖閣諸島の抗議デモに大学生も参加していた事で、今の自分たちのレベルと比較する対象にしていて、それで日本から女優を呼びAVの撮影をしているという事などが、何か引っかかる気分でもありました。あとは、本人役で出演していた天宮まなみが現役で活躍していた時期は、その業界の流れが大きく変わっていた時期でもあったので、久々に当時の本人の姿を観ただけでなく時代全体が懐かしくも感じました。(K)
2013年09月04日
東京タワーで10月6日まで開催中の『藤子・F・不二雄展』ですが、今日9月3日はドラえもんの誕生日で9月2日~4日の3日間はタワーのイルミネーションもドラえもんのカラーとなっているので、今夜ドラえもんの誕生日に合わせて特別展を観に行きました。藤子・F・不二雄の生誕80周年記念という事で、『つなぐ、未来へ!』をコンセプトに東京タワーのフットタウンの屋上と4階とで展示されています。藤子不二雄Aと少年期に描いた『少太陽』の本物の冊子や『ドラえもん』や『オバケのQ太郎』などの原画の展示、昔のモノクロのアニメの一部の上映や登場人物と一緒に撮影が出来るコーナーなどと、盛りだくさんな内容となっていました。僕の小学生の頃にちょうどテレビ朝日で『ドラえもん』が放送開始となりましたし、他にも『新オバケのQ太郎』、『ジャングル黒べえ』の再放送などと、藤子不二雄のアニメを観る機会が多かったですし、小学館の本のマンガも楽しみに読んでいたので、当時を思い出してとても懐かしい気分になりました。それに、だいぶ前に出版された『ドラことば』でも語られていましたが、作品の中に哲学的な台詞が出てきたりストーリーにも奥深いメッセージがあったりと、作者の心が純粋であった事を再認識できたような気もしました。皆さん、9月3日に合わせて来場したようで今夜は特に混雑していたそうなので、観に行く日を今日に合わせてホント良かったと思いました。(K)
2013年09月03日
シネマート六本木で9月6日まで開催される特集『パン・ホーチョン、やっぱりお前は誰だ!?』で、『低俗喜劇』を観ました。お話は、ヒット作品を生み出せないでいる映画プロデューサーのトー(チャップマン・トー)は、映画制作を志望している学生たちを相手に講演会を開く事となった。そこで、学生たちにオフレコという事で映画制作の裏側の話を下ネタを交えながら話し始めた。映画制作の資金集めでは、友人に紹介された広西の黒社会のボス(ロナルド・チェン)から無茶な接待を受けた事、離婚した弁護士の元妻(クリスタル・ティン)からは娘の教育に悪いからと言われ、娘と会う事にキツい条件を突きつけられたり、仕事がいい加減なアシスタント(フォオナ・シット)からは、自分の事を棚に上げセクハラと訴えられ労基署から勧告を受けたりし、何とかボスの無理難題な要求を受け入れて3級片(成人映画)の製作に取り掛かる事になった。しかし、更なる問題が浮上し・・・という感じに進んでいきます。昨年、香港で公開された時から気になっていた作品だったので、後に香港盤のソフトを入手していました。しかし、今年の大阪アジアン映画祭で上映されたので、いずれ日本語字幕付きで公開されるだろうと思い、未見のまま待って今回の特集での観賞となりました。監督がパン・ホーチョンという事でアクの強い内容だとは予想をしていましたが、それを上回る程の下ネタのオンパレードで驚いてしまいました。粗口バリバリの露骨な台詞や表現等々も多々あり、ちょっと一線を越えているとも感じてしまいましたが、香港映画のマニアックなネタも満載でしたので、そういった部分ではとても面白可笑しく観る事が出来ました。なので、お浚いしたいところもあって、初日のパン監督が来日した回と今回との2回観てしまいました。また、ストーリーの軸はチャップマン・トーの演じる映画プロデューサーが、映画制作での資金集めから役者への交渉などといった苦悩が描かれているので、何となくレスリー・チャンの『夢翔ける人/色情男女』を思い出したりもしました。後は、ゲスト出演者の中でノラ・ミャオが出ていた事も、事前にノーマークだったので驚きでした。(K)
2013年09月01日
シネマート六本木で8月24日から9月6日まで2週間限定で開催されている特集『パン・ホーチョン、やっぱりお前は誰だ!?』で、『恋の紫煙』と『恋の紫煙2』を続けて観ました。 お話は、『恋の紫煙』法改正により香港での喫煙者の肩身が狭くなった事で、街中の喫煙所には様々な職種の人たちが集まって、コミュニケーションの場にもなっていた。広告会社に勤めるジーミン(ショーン・ユー)は同僚らといつものように喫煙していると、化粧品販売員のチョンキウ(ミリアム・ヨン)がやってくるようになり、お互いがだんだんと意識するようになっていった。ジーミンは失恋したばかりで、チョンキウは堅物な男と同棲していたが、気持ちも薄れていた状態であったため、恋仲へと発展していった。ジーミンの多忙さやすれ違いなどが度々起こったが、常に煙草が2人の関係を繋ぎ・・・『恋の紫煙2』前作で無事に同棲を始める事となったジーミンとチョンキウであったが、だんだんとお互いのマイナス面が目立つようになり関係が悪化していた。そして、ジーミンが北京の事務所へ異動となり、香港を離れる事となってしまった。北京への移動中に機内で知り会ったCAのヨウヨウ(ヤン・ミー)にジーミンは惚れてしまい、恋仲へと進んでいった。また、チョンキウも勤務先が香港から撤退するとの事で、同僚らと北京の店舗へ異動となった。北京で2人は再会するが、ヨウヨウの存在で関係は微妙な状態となった。更にある時、チョンキウは店で知り合ったマレー華僑のサム(シュウ・チェン)から親切にされた事で緩やかな恋仲へと発展していき、お互いに新たな恋人との間で心が揺らぎ・・・という感じに進んでいきました。パート1は3年前の東京国際映画祭、パート2は昨年の東京国際映画祭と今年の大阪アジアン映画祭で上映されていたのですが、都合がつかずに観に行かれませんでしたし、どちらも香港での公開時に話題になっていたので、ずっと観たいと思っていました。なので、今回2作品通しで観られる事を楽しみにしていました。パート1は、2007年1月から施行された屋内での禁煙の法律をテーマに喫煙所での出会いを描いていますが、当時自宅と喫煙可能なホテルの部屋以外では屋外でしか吸えなくなるとの事で、喫煙者の肩身が狭くなるとかなり騒動になっていた事を思い出しました。また、劇中で出演者が役を演じたままインタビューに答えているシーンが挿入されていたりと、面白い試みとも感じました。それと、3級片の扱いになった事も話題となっていましたが、台詞に粗口(スラング)が多く出てくるので、これだったら仕方ないなという印象でした。パート2は、前作から半年が過ぎてからの話となっていましたが、中国へ事業がシフトして転勤する事になったり、大陸の俳優が多く出演している事など、中国色がかなり強くなっていたのが前作と比較して時代を感じるものでもありました。それに、昨年の初めに香港で公開された際、劇中で使われたリンダ・ウォンの往年の曲『別問我是誰』が再び注目されたとの事だったので、その内容がどうだったのかも確認できて満足でした。2作を通しては、ショーン・ユーの優柔不断ぶりにちょっとイラッとしたり、男女の関係がそんなに軽くて良いのか?と話に入り込んでしまったり、小ネタが各所に散りばめてあったりしたので、思っていた以上に楽しめました。(K)
2013年08月31日
今年の旧正月に香港で公開された映画『2013我愛HK恭[喜喜]發財』ですが、ソフトを入手したままだったので、この週末に観てみました。お話は、老舗の食堂を営んできた宋池雄(アラン・タム)は、その昔に経営権を譲り受けてから何とか続けてきたが、古くからの悪友である夏石森(ナット・チャン)が強引に物件の買収をしかけてきた。家族や従業員との絆も薄れてきた事で、自らの命を絶とうとビルの屋上に立った時、神様(エリック・ツァン)が現れ一命を取りとめた。そこから70年代の回想となり、に中国から香港へと渡ってきて食堂の従業員として何とか雇ってもらえた青年期の宋池雄(ボスコ・ウォン)は、夏石森(マイケル・ツェ)から都合よく利用されたり、恋仲となった洋洋(ケイト・チョイ)にプロポーズしようとやっと買った婚約指輪が同僚を救済するために水の泡となってしまったりと、苦労が続いた。無事に洋洋と結婚して子どもが生まれるが教育方針で衝突したり、店の将来を託され経営権を譲り受け切り盛りする苦労などいった事を思い出していき・・・という感じに進んでいきます。毎年、ショウ・ブラザーズ(邵氏兄弟)とTVB(無綫電視)が製作している旧正月映画の2013年版となり、今年はアラン・タムを始めプロデューサーでもあるエリック・ツァンや約20年ぶりに映画に復帰したヴェロニカ・イップが出演していたりと、とても豪華な出演者となっていました。本編の大半は1970年代を回想するシーンが続き、一昨年までの作品と同様に古き良き昔の香港を懐かしむ内容となっていました。ですが、単にドタバタとした回想ではなく、今まで苦労してきた話や時代ごとの出来事とリンクさせたりしていて、香港人の中でも特に中高年世代をターゲットにした懐かしさという感じでした。アラン・タムの他に、ウィナーズ(温拿)のメンバーのベネット・パン(阿健)、ダニー・イップ(阿強)、アンソニー・チャン(陳友)の3人や前身のルーザーズ時代のメンバーだったナット・チャンも出演しているし、劇中で『L-O-V-E LOVE』の替え歌も使われていたので、様々な諸事情はあるでしょうがケニー・ビーにも出演して欲しかったです。あとは、冒頭に韓国のPSYのパロディでサングラスをした小太りの男が登場するのですが、日本だけでなく香港でも人気がイマイチだったような気がした事と、クライマックスでちょっとしたオチのネタにも繋がっている英語名としてサミュエル・ホイの事が少しだけ台詞に出てきた事が嬉しく思ったりもしました。(K)
2013年08月25日
この週末、シネマート六本木で限定公開中の『モーターウェイ』を観に行きました。お話は、香港警察の交通部で覆面パトカーチームに所属している若手警官のショーン(ショーン・ユー)は、ベテラン警官で定年間近あるロー(アンソニー・ウォン)とコンビを組んで、取り締まっていた。しかし、熱血漢のあるショーンは空回りばかりで、上層部と衝突する事も多かった。そんなある時、指名手配中であった逃がし屋でもある黒社会のドライバーのジョン・サンを、ショーンは激しいカーチェイスの後、無事逮捕する事が出来た。だが、ジョン・サン先に逮捕されていた仲間と共に脱獄する計画でワザと逮捕され、その晩に計画通り逃走してしまった。それに、逃走時にショーンの運転テクニックが通用しなかった事で、ショーンもショックを受け怒りが増していった。そして、ショーンはローが過去に敏腕ドライバーでジョン・サンを追っていた事を知り、運転テクニックの指導を受けローも平穏無事に定年を迎えようとしていた気持ちに火を点ける事となった。その後、再びジョン・サンがショーンらの目の前に現れ・・・という感じに進んでいきます。昨年、香港でこの作品が公開された時から早く観たいと思って、香港盤のソフトを入手していました。しかし、早々に日本の配給会社が買い付け2013年に公開という情報を聞いたので、香港盤ソフトは未見のまま待っていました。ところが、最初にWOWOWで放送される話が入って9月にはソフトの発売との話であったので、劇場公開は見送られるのかと思ってもいた事もあり、2週間限定とはいえ無事に劇場で観られホッとしました。ジョニー・トーが製作という事もあってか、90分という上映時間の短さでもテンポ良く進んでいったので、とても観応えのある作品でした。それに、アンソニー・ウォンとショーン・ユーの2人の交通部の覆面パトカーチームのコンビの関係も、『頭文字D THE MOVIE』の時のようなドタバタとは違って、シリアスさや犯人への執念など、入り込んでしまう感じでした。ただ車に関しては、ドライビングテクニックを伝授する部分や劇中に登場する日産180SXやBMW、アウディなど車に対しての細かな描写は少なく、あくまでもストーリーが重視の作品であったので、車への過度な期待の観点からは物足りなさがありました。(K)
2013年08月18日
この週末、今春にソフトを入手したままの状態になっていた『我老婆唔[多句]秤2 我老公唔生性』を観ました。お話は、前作で晴れて結婚した張十三(イーキン・チェン)とヨーヨー・マー(シャーリーン・チョイ)は、結婚して10年となった。十三は大学で心理学の教授となっていて、ヨーヨーはブティックの店主として働いている。年の差ゆえヨーヨーには幼いところや不器用なところがあり、またヨーヨーが十三に子どもが欲しいと言っても、そういった事が引っかかって十三は拒んでいた。それゆえ、二人の間にはだんだんと溝が出来ていた。そんな時、十三の教え子の中に中国から来ていてモデルとしても活動している董怡(張[音欠]藝)がいて、彼女の料理の上手さからバイトしている店へ十三が通い詰めるようになっていて、ヨーヨーのところにも小学校時代に同級生で富豪の林書浩(徐正曦)が現れ、当時結婚を約束したという思い出話などで盛り上がり、ヨーヨーを口説き始めていった。そんな時、隣人家族が長期不在になるとの事で、ヨーヨーは十三との関係にウンザリしていたため、自ら留守番を買って出て別居を始め・・・という感じに進んでいきます。この作品は、ちょうど10年前に製作された『我老婆唔[多句]秤』の続編となり、イーキンチェンが演じる十三とシャーリーン・チョイが演じるヨーヨーとの年の差カップルの結婚10年後の様子を描いています。しかし前作は観ていないので、その部分は問題ないのかと心配でもありました。回想シーンは出てきますが、前作の話を知っていないと理解できない部分はなかったので心配する事はなかったですし、学生からバカにされてしまうちょっと情けない大学教授の十三と、嫉妬や焦りから空回りするヨーヨーの姿など、思っていたよりドタバタした作風だったので十分に楽しめました。。また、年の差ゆえのすれ違いが積もって関係が悪化してしまうのですが、ちょっとヨーヨーが結婚10年の割には幼稚だという印象でした。まぁ、ここをツッこんだらお話自体が成り立たなくなってしまいますから、それだけ夢中になってしまったのかもしれません。あとは、ヨーヨーが十三に子作りを迫る時、ナースのコスプレをして日本語で誘惑したり、隣人のウォン・ジョーラム(王祖藍)が常に理屈っぽくケンカ腰で話す変人ぶりなどと、小ネタが多かった事も可笑しかったです。(K)
2013年08月11日
今日、シネマート六本木で開催中の『王家衛(ウォン・カーウァイ)Special』で、『大英雄』を観に行きました。この作品は、ウォン・カーワイ監督の『楽園の瑕』の製作が大幅に遅れた事で、中断している合間に製作総指揮のジェフ・ラウが同じ出演者で短期間で製作したというエピソードで有名な作品です。また、過去にリリースされていたソフトは音声が北京語でしたが、7日に角川からリリースされたソフトと同様、今回は広東語での上映となりました。数年前に初めて観た時にはハチャメチャ過ぎてちょっと解り辛いという印象でしたが、改めて観てみると何とか理解できました。元々の『楽園の瑕』を公開時に観たきりだという理由もあるのでしょうが、広東語の方が心地よいですし本人の声の割合が高いという事も関係しているように思いました。それに、上映後に何人かのお客さんが懐かしかったと連れの方と感想を述べていたのですが、確かに日本で香港映画の人気が高かった時期の映画ですし、3枚目な役を生き生きと演じている姿など観ていると、僕も懐かしいという思いを強く感じました。(K)
2013年08月10日
2日に発売となった本『日本人の知らない日本語4 海外編』ですが、早速発売当日買って週末に読みきってしまいました。この本は、2009年に発売された日本語教師の海野凪子先生のエッセイ『日本人の知らない日本語』の第4弾となり、今回は海外編との事でヨーロッパの7ヶ国を巡って現地で日本語を勉強している学生さんたちとの交流やエピソードなどが書かれています。読んでいると、日本の漫画やアニメなどを好きになった事がキッカケで日本語を学び始めた人が多いという事を、改めて認識させられた感じでした。確かに、芸能関係がキッカケという事はよ~く分かりますし、日本に興味を持ってくれる事自体がとても嬉しくも思います。今回はヨーロッパでしたが、次回はアジアの人たちの事を取材して欲しいと思います。(K)
2013年08月07日
今日、シネマート六本木で20日から開催中の『王家衛(ウォン・カーウァイ)Special』で、『初恋』を観に行きました。お話は、一応オムニバス形式になっていて、前半は・・・夢遊病の少女(リー・ウェイウェイ)は毎晩、夜の街を徘徊してしまうため、その時の自分の行動を確かめようとビデオカメラを体に取り付けて寝た。すると、いつも同じ男が映っていて、清掃員の青年(金城武)であった。毎晩、様々なところへ行ってデートしている事実を知って・・・という感じに進み、後半は・・・商店を営んでいるヤッピン(エリック・コット)は婚約までしていた彼女(カレン・モク)がいたが、直前に逃亡してしまった過去があった。今は妻子がいて平和に暮らしていたが、ある日彼女がコーラを買いに店へとやって来た。ヤッピンは彼女から復讐されるのではないかと怯える日々を過ごす事になって・・・という感じに進んでいきます。今回の企画は、ウォン・カーウァイ監督の一連の作品が特集上映されるとの事で、修正・再編集された『楽園の瑕 終極版』と、今回広東語版で上映となる『大英雄』が特に気になっていました。また、この『初恋』は1997年に製作されたエリック・コットの初監督作品で、ウォン・カーウァイはプロデューサーとして携わっています。2つの話のオムニバス形式になっていて、本人が監督の話を引き受けた時からの思いなどをカメラの前で語ったり、実験的な作品にもなっています。どうも、ウォン・カーウァイの作品はハッキリしないストーリーなどが馴染めず否定的な部分があるのですが、この作品はエリック・コットの持ち味が出ていて好きな作品なので、久々に全編通しで観てみたい気分になっていました。改めて観てみると、日本で香港映画が流行っていた当時の事が懐かしく思いましたし、返還直前だった香港の状況を再確認する事が出来たようにも感じます。また、小ネタも当時気付かなかったものがあったので、作品がイメージ以上に奥深いものであった事も再認識できました。(K)
2013年07月27日
先週の18日から21日までの4日間、東京タワーがドラえもんカラーにライトアップされていました。19日から開催の『藤子・F・不二雄展』を記念して青・白・赤の3色と、大展望台部分には鈴をデザインした黄色のライトアップがされました。『藤子・F・不二雄展』は、生誕80周年を記念して10月6日まで開催され、会場ではドラえもんやパーマンの原画の展示や4Dのプロジェクション、登場人物になりきって撮影ができたりする他、タワー内の各所に等身大のドラえもん人形も80体設置されるとの事です。僕の世代はちょうど、テレビ朝日でアニメが開始された頃の人気絶頂だった時にあたりますし、長年好きなキャラクターでもありますので、開催中に何とか見に行こうかと考えています。しかし今回、東京タワーの事を調べていたらショックなニュースもありました。それは、長年東京タワーの名物だった蝋人形館が9月1日で閉館してしまう事です。子供の頃から、東京タワーの地上のビルは遊び場の一つでもあったので、かつてNECやフジテレビ、東京電力などの企業の展示室があった頃から馴染みがありますし、マニアックな場所としてもよくネタにされていたと思います。近年は、リニューアルした事で昔ながらの土産物売り場のスペースも縮小されてしまいましたし、かつての面影もだいぶ薄れていましたが、蝋人形館の閉館は更にショックな気分になりました。(K)
2013年07月26日
この週末、シネマート六本木で開催中の『2013夏の中華大傑作映画まつり』で、『太極 ゼロ』と『太極 ヒーロー』を続けて観ました。お話は、『太極 ゼロ』清朝の時代、戦地で楊(ユエン・シャオチャオ)は第一線で戦っていた。楊は生まれつき額に角があり、角を押されると無敵状態に力が発揮された。戦いの後に怪我の手当てを受けた際、角を診た医師から、これ以上酷使すると死に至るので陳家溝で陳家拳を学ぶよう忠告された。そして陳家溝へ行くが、陳家拳は秘拳の拳法であるため、村人から相手にされなかった。しかし、宗師の陳(レオン・カーファイ)の助けもあって、見よう見まねで習得していった。そんな時、陳の娘である玉娘(アンジェラベイビー)の恋人で西洋かぶれな方(エディ・ポン)が、村を破壊して鉄道建設を進めようと企てていて、巨大な怪物トロイを村へ持ち込んで危機となった。楊は村の危機を救えば弟子入りを認めると言われたため、トロイに挑む事となって・・・『太極 ヒーロー』巨大な怪物のトロイを無事に倒した楊だったが、秘拳を盗んだとされ村人から処罰されそうになった。そのため、玉娘は自分の婿にすればよそ者ではなくなると言って、楊と結婚する事となった。そして結婚式を挙げる事となったが、式の当日に長年失踪していた玉娘の兄の栽秧(ウィリアム・フォン)が村へ戻って来た。父の陳は栽秧が戻って来た事を不快に思い、栽秧はよそ者を受け入れるのは村に不幸をもたらすと忠告した。現に、村の鐘が異常に鳴ったため、楊は村人から追い出されそうになった。また、楊に叩きのめされた方は、村を再び攻めるために着々と準備を進めていて、栽秧の行動も方の策略の一つであった。そして、村には大砲が撃ち込まれ危機となって・・・という感じに進んでいきました。この作品の詳しい事は公開前まで知らなかったのですが、主人公の楊露禅は実在した人物でもあるという事で、最近上映されるカンフーものの映画のイメージもあり雰囲気からしても堅い内容というイメージでした。とても分かりやすくて真面目なストーリーでしたが、ところどころに小ネタが散りばめられていたりと、コミカル調な部分は監督のスティーブン・フォンの作風が出ていて面白く感じました。それに、アクション監督はサモ・ハンだったので、テンポ良く進んでいくところも見入ってしまいましたし、主役のユエン・シャオチャオの今後の活躍にも期待したい気分でした。また、各所にゲスト出演のような形で大物の俳優陣が登場したので、そこにも驚きでした。既に完結編となる第3弾の製作も決定しているとの事なので、今から楽しみです。(K)
2013年07月16日
この週末、新宿武蔵野館で公開されたばかりの『李小龍 マイブラザー』を観に行きました。お話は、1940年11月、サンフランシスコで京劇俳優の父である李海泉(レオン・カーフェイ)と女優の母(クリスティ・チョン)との間にブルースは生まれた。その後、一家は香港へ戻り、日本軍の占領下の辛い日々を過ごした後、李小龍という芸名で子役として多くの映画に出演して成功していった。そして、イップ・マンに弟子入りして詠春拳を学び始めたり、友人や恋人との青春時代の日々が描かれ・・・という感じにすすんでいきました。2010年にブルース・リーの生誕70年を記念して、実弟のロバート・リーが製作総指揮と監修を務め制作された作品との事ですが、僕はブルース・リーに関しては否定的な部分もありますし、そんなに詳しく知っている訳ではなかったりするので、気になっていましたが、ちょっと懸念もありました。しかし、リーの大ファンでもある香港映画仲間からとても面白かったと勧められ、更に僕ならマニアックなところでも絶対楽しめる筈だとプッシュされてもいたので、余計に期待が高まっていました。実際に観てみたら、強く勧められた通りとても面白かったです。内容に美化されているところはあっても、基本的にはリー本人の生い立ちを描いた作品なので、舞台となっている昔の香港の良さや往年の映画スターなどの若き姿も描かれていた事も含めて、かなり入り込む事が出来ました。それに、舞台となる時代がカブる1993年に制作された映画『月夜の願い』に通ずるネタが幾つかあったので、もしかしたらレオン・カーファイが出ている事でワザと意識しての演出だったのか?と気にもなりました。あとは、日本では今年がリーの没後40年という節目での公開となり、その事も大きな意味があると思うのですが、3年も寝かさずもっと早く観たかったという気分にもなりました。(K)
2013年07月15日
昨日、発売となったMr.BOO!ブルーレイBox-setですが、その中の『Mr.BOO!天才とおバカ(天才與白痴)』を早速観てみました。お話は、精神病院で看護士をしているプレイボーイのリー(サミュエル・ホイ)と、雑用係でやる気のないティム(マイケル・ホイ)は、不真面目な日々を送っていた。ある日、病院に暴力的な患者の鄭(ロイ・チャオ)が入院してきた。鄭がいつも大事に持っているガラクタの一部をティムが貰ったので、骨董屋に持ち込んで鑑定してもらったところ、陶磁器の欠片は完全な状態なら価値の高い品だと分かった。そして、鄭は宝のありかを知っていたため、リーとティムはその宝を頂こうと企んだ。鄭に振り回されながらも情報を聞きだしていたある時、鄭は心臓発作で急死してしまった。2人は何とか残った手掛かりから新たな情報を掴もうと画策し・・・という感じに進んでいきます。日本では、内容が精神病院を舞台にしている事や、1979年に立て続けに公開されていたホイ兄弟の一連の作品のブームが下降してしまった事などの理由から長年未公開のままになっていて、その後も何度か浮上したビデオ化の話は紆余曲折あって流れていました。そういった経緯があるので、今回の日本版のソフトの発売は長年の待望でしたし、実際に手に取ってみてもよく実現できたなと改めて驚いてしまいます。正式な日本語字幕の付いた状態で観賞した第一印象は、翻訳が思っていたより忠実という事です。正直言ってしまえば、かなり古い作品ですし精神病院が舞台という事での問題もありますが、下手に今の時代に合わせた意訳をしなかった事は正解だと思います。それと、どのように訳されているか気になっていたシーンなども無事に確認出来たので、結果にも納得でした。あとは、2005年にDVD-BOXが発売された時、デジタルリマスター化された映像を観て復元の技術の凄さを感じましたが、ブルーレイで更にHD化された映像を観てしまうと、修正の限界のアラが出てしまっていたので、そこの難しさも知る事が出来たと思います。(K)
2013年07月13日
先日、香港で発売されたサミュエル・ホイの2種類のCD-BOXの『冠絶之選』と『傑出之選』ですが、それぞれのBOXの中には、半分ずつになっている引き換え券が入っていました。2つを合わせると特典CDが貰えるもので、受け付けの期間や場所などが記載されていました。香港人の友人の助けもあり、無事にその特典CD『許冠傑 名曲欣賞』を入手する事が出来ました。内容は、黄金期の映画曲やヒット曲などのインストゥルメンタルが12曲収録されています。裏面には1979年と書かれていて、当時LPが発売されていたのでしょうが、僕は今までこのアルバムの存在は知りませんでした。収録されているうち、『雙星情歌』と『天才白痴往日情』の2曲はそれぞれのアルバムの最後に収録されているものと一緒でしたが、他の曲は初めて聴くものであったり、映画の中で流れているBGMとはアレンジが異なっているようでした。『天才白痴夢』のアレンジの違い等々は、本日発売となったブルーレイBox-setの中に入っている念願の作品、『Mr.BOO!天才とおバカ(天才與白痴)』を観る時に気に掛けたいと思います。(K)
2013年07月12日
この週末、シネマート六本木で始まったばかりの『2013夏の中華大傑作映画まつり』で、『妖魔伝 レザレクション』を観に行きました。お話は、前作から500年後、妖狐の小唯(ジョウ・シュン)は氷漬けにされていたが、妖雀の雀児(ヤン・ミー)により助け出された。小唯は、美しい姿を保つために人間の心臓が必要であり、その人間が自ら捧げてもらわなければならなかったので、旅の途中で知り合った靖公主(ヴィッキー・チャオ)に狙いを定める事にした。靖公主はかつて熊に襲われた事で顔に傷を負ってしまい、金の仮面で傷を隠していた。彼女を守れなかった事で西域へと流されてしまった護衛の将軍の霍心(チェン・クン)の事が忘れられず、西域へと向かっているところだった。しかし、霍心は小唯の美しさに惹かれてしまった。そこで小唯は、自分の美貌を手に入れれば霍心の愛を取り戻せるから、心臓も含めて体ごと入れ替えないかという提案を靖公主に持ちかけるが・・・という感じに進んでいきました。この映画は、日本で昨夏に公開された『画皮 あやかしの恋』の続編となり、前作から時間がだいぶ経過した話で主演もヴィッキー・チャオ、ジョウ・シュン、チェン・クンが引き続き出ているとの事でしたので、昨年中華圏で公開された時から気になっていました。前作では、ヴィッキー・チャオが演じたペイロン一人が可哀想な思いをしていましたが、今回はジョウ・シュンの役である妖魔の小唯やチェン・クンの霍心も犠牲を伴う役であったので、そういった面でも見応えがあったと思います。ただ、ストーリーの展開上でやむを得なかったとは思うのですが、131分の上映時間はちょっと長かったように感じました。(K)
2013年07月07日
今日、『レジェンド・オブ・トレジャー 大武当 失われた七つの秘宝』を観に行きました。お話は、中華民国初期である1910年代、500年に1度の武術大会が武当山で開催されるとの事で、考古学者で武術家でもある唐雲龍(チウ・マンチェク)と、その娘の唐寧(シュー・チャオ)、他人の出場の権利を奪った女武術家の天心(ヤン・ミー)などが集まった。しかし、雲龍と天心は武当山に隠されているという七つの秘宝と神剣を手に入れる事が真の目的だった。2人は利害が一致した事で、武当山の道長である白龍(デニス・トー)の目を盗み、協力して探す事にした。また、白龍の弟子の水合一(ルイス・ファン)も大会に参加する事となったが、唐寧と出会った事で互いに意識していき・・・という感じに進んでいきました。この映画の公開の事をつい最近までノーマークだったのですが、チウ・マンチェクの出演作も久々でしたし、どんな感じか楽しみにしていました。全体的にそれなりには面白かったのですが、もうちょっとアクションシーンに見せ場が欲しかったという印象でした。時代が時代という事もあるでしょうが、500年に1度開催される武術大会という割には大会がショボく感じましたし、コーリー・ユン(元奎)が武術指導なので勿体無いような気がしました。それと、ちょっと詰め込み過ぎているようにも思いました。武術大会のアクション部分と、秘宝と神剣を手に入れるアドベンチャーの部分とのバランスが、何かどっちつかずだと感じてしまいました。あとは、ルイス・ファンが気の弱い役であったのが意外さもあって面白かったですし、チウ・マンチェクの娘役だったシュー・チャオもかなり大きくなっていたので、そのギャップなども楽しめました。(K)
2013年06月30日
今日から新宿武蔵野館で公開の『アイアム ブルース・リー』を観に行きました。今年は没後40年という事で、ブルース・リー祭りとしてドキュメンタリー編のこの作品と、来月にはドラマ編として『李小龍 マイブラザー』が公開されます。この作品は、昨年にアメリカのスパイクTVで放送されたドキュメンタリーという事で、どのような感じか気になっていました。観てみると、思っていたイメージとは違いました。ドキュメンタリーという事でもちょっと暗い感じなのかと思っていましたが、テンポも良かったですし、リーの生い立ちを順に取り上げていたので、観やすく感じました。暗いと勝手に思っていたのは、だいぶ前に上映された『ブルース・リーの生と死』のイメージが強かったのかもしれません。それに、今までリーに抱いていたイメージが、少し違っているとも感じました。個人的な好き嫌いや偏見が加わっていたと思うのですが、武術家としても映画人としてもすべて真剣に取り組んでいた事を、改めて知らされた思いです。また、上映回数が少ない事からもかなり混雑していたのですが、リーの人気の凄さも再認識させられました。(K)
2013年06月22日
夕方、昨日7日に開店したばかりのビックカメラ赤坂見附駅店へ行ってみました。地下鉄赤坂見附駅の真上にある駅ビルのベルビー赤坂としてリニューアルを繰り返し長年営業してきましたが、昨年閉鎖され今回ビックカメラが入居する事となりました。駅ビックとして展開すると報じられていたので、昨年の新宿東口のビックロに続く事でも興味津々でした。開店の翌日で最初の週末という事もあって大混雑するのではと思っていましたが、賑わってはいたもののパニックになるほどの混雑ではなかったので、ゆっくり店内を回る事が出来ました。それに、今まで建物内に入った事がなかったのですが、意外と広いという印象でもありました。赤坂見附駅は普段、時々電車の乗り換えに使う程度で、降りるのはたま~に赤坂周辺の飲食店を利用するくらいなので、今回降りたのも久々な状態でした。しかし、今まで家電量販店のない地域だった事でも、上手く活用すれば更に便利になるような気がしました。(K)
2013年06月08日
今日、5月31日から公開された『グランド・マスター』を観に行きました。お話は、1930年代の中国で、北の八卦掌の宗師である宮宝森は引退を決意したため、後継者に弟子である馬三(マックス・チャン)を考えたが、宮宝森は南の佛山で引退試合を開き、自分に勝った者を後継者として南北統一の任を譲ると宣言した。南の詠春拳の宗師である葉問(イップ・マン…トニー・レオン)が送り込まれ、様々な武術家たちを倒して認められるが、宮宝森の娘で六十四手の達人である宮若梅(チャン・ツィイー)も父親の反対を押し切って名乗りを挙げ、葉問に勝利した。その後、日中戦争が勃発し馬三が日本側に付いて、野望から宮宝森を殺害した。宮若梅は葉問への思いを断ち切って父の復讐を誓い・・・という感じに進んでいきました。久々にウォン・カーワイが監督した作品という事や、詠春拳の達人であるイップ・マンを物語にしたとの事で、どんな感じなのだろうと制作が決まった時から楽しみにしていました。映画の冒頭からアクションシーンがふんだんに出てくるので、流石はユエン・ウーピンがアクション監督しているだけあるなと、引き込まれていく感じがしました。それに、エンディングのスタッフロールではフランキー・チャンの名前も確認できましたし、カンフーのキレの良さなどアクションに関しては文句無しという感じでした。しかし、ドラマ部分はウォン・カーワイが監督というカラーがしっかり出ていました。今までの作品と比べれば分かりやすいストーリーでしたが、映像美が重視されていて話の進行が遅かったり、イップ・マンがカンフーに対して拘っている描写に重みを感じられなかったので、何だかなぁという印象でした。どうしても、ドニー・イェンが演じた『イップ・マン 葉問』と比較してしまい、今回の作品には物足りなさが残ってしまいます。後は、僕の理解力の乏しさでもあり恥ずかしい事なのですが、劇中で馬三(マーサン)を演じているマックス・チャン(張晋)と一線天(カミソリ)を演じているチャン・チェン(張震)との区別が付きにくく、シーンによってはどちらか分からない事が多々ありました。そこの辺りをもっと分かりやすくしてもらえれば、作品の理解度が上がったのでは?という思いでもありました。(K)
2013年06月02日
今夜、毎月1日の映画サービスデーという事もあって、インド映画の『きっと、うまくいく』を観に行きました。お話は、工科大学IECの学生時代、3バカと呼ばれていたファルハーン(マドハヴァン)とラージュー(シャルマン・ジョシ)は、リーダー的存在だったランチョー(アーミル・カーン)が10年ぶりに戻っ来る連絡を受け、大学へ向かった。しかし、そこには嫌われ者であったチャトル(オーミー・ヴェイドヤー)がいて、自分の出世した状態を自慢したいという理由でランチョーに会いたいという。2人も音信不通であったため、ランチョーを探す旅に出る。そこから学生時代へと回想が始まる。親からエンジニアの道へ進むよう過度な期待をされているファルハーン、実家が貧しく寝たきりの父親を抱え神に縋ってばかりいるラージュー、アウトローで型破りなランチョーは、入学して寮の同部屋になった。ランチョーは学校の体制を批判したり独自の理論を展開させたりしていた事で、学長から目を付けられていた。厳しい学生生活を過ごす中で様々な事が起こっていき・・・という感じで、現在と過去が交互に進んでいきました。何年か前、映画祭で『3バカに乾杯!』という邦題で上映されていましたが、その時には特に食指が動きませんでした。しかし、昨今のインド映画の盛り上がりや先日観た『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』の余韻もあったので、観たいと思っていました。ただ単にドタバタなのかと思っていましたが、格差やエリート教育の競争社会などを風刺していたり、友情や家族愛などで泣かせる場面が出てきたりと、盛りだくさんな内容でした。ちょっと詰め込み過ぎかな?という感じもしましたが、170分という上映時間の中で上手く分散されていたので、途中でダレる事なく観られました。また、主役のうち2人が不祥事や学長とのイザコザで何度か退学の危機になりかけた時、実家の両親の期待を裏切ってしまう事をかなり気にかけたり、心配させまいと取り繕ったりした描写を観ていたら、僕の両親も僕にいろいろと期待していたんだろうとか、今でも親不孝な事が多々あるなぁと自分自身の事とカブってしまい、そういった意味でも涙が出てしまいました。あとは、問題を抱えた男3人が奮闘する内容が、何だか『俺たちの旅』など往年の日テレのドラマを彷彿させる感じがしましたし、主役の1人でランチョー役のアーミル・カーンがダニエル・ウーと雰囲気が似て見えてしまいました。(K)
2013年06月01日
5月下旬に香港のユニバーサルミュージックからサミュエル・ホイの28枚入りのCD-BOX『傑出之選』が発売されました。3月下旬に発売されたCD-BOX『冠絶之選』に続き、今回のBOXは今までリリースされたシングル盤が全てラインナップされています。 今回のラインナップの中で一番嬉しかったのは、日本でリリースされたシングル盤も全て入っているので、1986年に公開された『スペクターX』の日本公開版の主題歌として日本語で歌った『ラブ・シック』(『心思思』の日本語版)が初CD化となった事です。1985年に『皇帝密使』の日本公開版の主題歌として山田邦子とデュエットした『Top Secret』は、数年前にリリースされた『ゴールデン☆ベスト』シリーズの山田邦子のベスト盤の中に収録されていましたが、『ラブ・シック』のCD化はあり得ないと思っていました。それに、更に驚いたのは1979年に『Mr.BOO!』のシリーズが公開された際、Mr.BOO! & Chan Chan Brother's Bandというグループが『Mr.BOO!』と『Mr.BOO!インベーダー作戦』の日本語カバー曲を出していましたが、それらもラインナップに加わっている事です。そのうちの『~インベーダー作戦』はシングル盤を入手する事が出来なかったので、今まで何度か聴く機会を得られた程度でした。一通り聴いてみて、他にも入手出来なかったシングル盤やアルバムを持っている事で購入を見送ったものなどあったので、当時の思い出が蘇って懐かしい気分にもなりました。ただ、一番期待していた『ラブ・シック』ともう一つ『Top Secret』はマスターテープからではなくレコード盤から起こした音源だったので、基のレコードの状態は良いものの僅かにホコリのノイズが入っていたり、レコード盤を擦る時に発生してしまうノイズを軽減させるために若干音質を篭り気味にしているので、そこがちょっと残念な点でした。特に『Top Secret』は既にデジタル化された音源を使用出来なかったのかと思うのですが、ジャケット裏面に注意書きがあって、それを読むと厳しい諸事情も関係しているようで、仕方ないのかもしれません。あとは、英語曲が1960年代末のロータス時代のダイヤモンドレコードのモノラル盤や、ライフレコードからリリースされた『INTERLUDE』なども網羅されています。英語版のアルバムやシングル曲などは、ちょっと前までCD化されていないものが多く存在し、CD化された際もリリースが小出しだったりしたので、今回全て揃っているのが凄い事だとも思いました。(K)
2013年05月28日
全1087件 (1087件中 1-50件目)