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二酸化塩素は歯周病に効果があります。口臭にも即効性があります。これだけでOKとまではいいませんが、他の抗菌剤よりも人体にやさしく効果抜群です。ただ、作り置きができません。1週間くらいで分解してしまいますので、毎週作らないといけないのです。とりあえず作り方、22%の次亜塩素酸ナトリウム1滴、50%クエン酸水溶液1滴、それぞれ、アトマイザーに入れ、二酸化塩素ができるまで数分待ちます。色が褐色になって、ガスが中に充満し始めたら、反応終わり。二酸化塩素は次亜塩素酸ナトリウムから酸性状態で生成する緑色のガスで、水溶性があります。いつもの0.6%重曹水を入れて出来上がり。pH7.3程度で緩衝能は失われていません。うす緑色が消えたら、効果はありません。作り替えてください。二酸化塩素は熱や光で分解し易いのです。使い方は、歯ブラシにつけて磨く、歯磨き剤併用可。口臭が気になる時に、口腔内にスプレー。飲んでも問題ないし、ちょっとした抗生物質並みに効くので、多剤耐性菌対策の決め手になるかもです。ここで購入しましたが、ちょっとお高い。でも長持ちしますからね。。http://www.ubusuna41.com/mms1.htm
2014/04/08
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最近いろいろと話題になっていますが、うちでも口臭/歯周病対策の一環としてこの2〜3年人体実験(自分の身体で)してきました。まあ、結果からいうと、抜群の効果があります。いろいろ消毒剤や抗菌剤の類いはありますが、口に入れてみて、あ、これはやばいな、、という味はしませんw飲んでも毒性は無く、大きな動物(人間も)には効かずに細菌やウイルスには効くという英語の論文はあります。次回は作り方と使い方です。
2014/04/06
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2〜3年前からうちでも口臭のコントロールにも取り組んでいて、いろいろ試してみましたが、二酸化塩素が一番よいようです。抗菌・消臭剤として強力で、菌交替現象も起こらないようです。一番良いのは、人体には無害だということで、細菌やウイルスのような小さい生物だけに効く。この辺りに関しては英語の論文があります。細菌性歯周病の不快症状にも効きますが、別にこれだけでよい、歯周病の治療はしないでもよいというわけではありません、念のためw僕が関係する某学校でも、お掃除の時に教室内にスプレーしているようで、他校がインフルエンザで学級閉鎖が相次ぐ中、インフルエンザにかかる者がいないわけではないが、大流行というわけではないようです。まあ、こういう強力で人体に無害な殺菌剤があると、ワクチンや抗ウイルス薬、抗生物質などを作っている製薬会社は真っ青ですねwなぜ、人のような大きな生物には無害で細菌のような小さな生物だけに効くのかというと、リンパ球などの免疫細胞が出す殺菌成分と同じだからという話です。とにかく原料が安いので、アフリカ辺りではマラリアやエイズの治療薬としても使われているとか(未確認)。食品、製紙業界では殺菌・漂白剤として以前から使われていたようですが、なぜかブレークしませんね(?)表題画像はお守りのように首から掛けて、自分が息をする範囲だけを殺菌するものですが、液体を噴霧して空間除菌とか、うがい薬とか、飲むとか、探せばいろいろなタイプがあります。ご興味のある方は、ご自分でお探し下さい。うちでは「口臭スプレー」としてご希望の方にお分けしております。受付でお尋ねください。
2014/01/29
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「つまようじ法で歯も体も健康」抜くな 削るな 切るなつまようじ法で歯も体も健康30年近く前にたつなべ先生に「つまようじ法」の実地指導を受けて以来、お、いいじゃない!確かに効くな、、!とうちのクライアントさん(予防歯科では病人ではないので患者とはいわない)にも指導したりして続けていたところ、思いがけず、先生から直々のコメントをいただいて、うれしいやら、はずかしいやら、さっそく、たつなべ先生の著書、読ませていただきました。・・自分の信じる科学的手法を歯学に当てはめてみると、(歯学では)常識と思われていたことがどうも間違っているように思えて仕方がなかった。ムシ歯や歯周病の治療法も合理的だとは思えなかった。と先生はおっしゃっています。確かにそのとおり、臨床経験を重ねていると、歯学の常識というのは明らかにヘンだね、と思われるものがたくさんあります。たとえば、歯周病治療に取り組んでいると、良く見かける症例に「上行性のPul」というのがあります。これは歯周病でぐらぐらの歯が歯髄炎を起こして凍みる、痛い、、という症状を呈しているのですが、上行性といわれるように、歯根側から細菌感染がおこり、最終的には歯髄に炎症がおよぶということです。しかし実際に歯髄を見てみると、炎症を起こしていたり、壊死していたりするのは、冠部歯髄であり、根部歯髄ではないのです。これは上行性ではないということを示しており、歯髄炎の本当の原因は歯牙の動揺により、歯根尖付近の血管が損傷して血栓ができ、それが抹消血管(歯髄内血管)につまり壊死を起こしているように見えるのです。このように見てきたようなウソがまかり通っているのが歯学の現状です。虫歯予防は歯磨きをすればよい、というのもウソだし、歯周病は歯周外科をして歯周ポケットをなくせば良い、というのもウソです。もちろん虫歯は削って充填すればよいというのもウソです。虫歯も歯周病も完全除菌すればよいとかいう考えもおかしい。インプラントをするために抜くとか、悪魔に魂を売る行為としか思えない。ホワイトニングなど歯を傷つけているだけだ。このような考え方は僕と先生は完全に一致します。ただ虫歯の原因(電気化学説)とフッ素以外はね。。(先生ごめんなさい、僕の臨床実験?の結果と合わないもので)
2009/11/03
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つまようじ法専用歯ブラシ『V7(ブイセブン)』を使って、舌側からのアクセス。 ---------------------------------GyaO! - Anime, Dramas, Movies, and Music videos [FREE]
2009/10/10
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2009/10/10
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2009/10/10
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うちでPMTCなど定期的なクリーニングを受けていらっしゃる方には言わずもがななんですが、このハミガキ法の提唱者「たつなべ先生」のココの御訪問記念として、関連画像のアップをしてみます。「たつなべ先生」から「つまようじ法」を指導していただいたのはもう30年近く前の先生が広島大学の助教授の頃のことですが、よく覚えています。なんせ、先生が僕の下の前歯にハブラシの毛先をつっこむ感触は忘れられませんので(^^ゞ・・先生もお元気そうで、なによりです!(^-^)v表題画像は「つまようじ法」専用のハブラシ「V7」です。「つまようじ法」は歯周病治療に効果が高いのは、特に歯周病が悪くなりやすい歯間部の清掃に適しているからですが、デンタル・フロスや歯間ブラシと違い歯肉を傷めたりしにくいところにあると思っています。歯ぐき側から毛先を歯間にアプローチします。 歯間に毛先がかかったことを確認して、 つっこみます。 裏からも、 専用のハブラシでなくともできますが、歯側の1列だけの毛先を使いますので、1列だけが歯間にかかったら、ハブラシの軸をちょっと回転させて他の列が歯間に入らないようにするのがコツです。 やはり、つっこむ! 動画もこの後アップ予定!
2009/10/09
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バイオフィルム(歯垢=プラーク) と思って読んでください。上の動画がうまく見えないときはyoutubeにもアップしていますのでこちらへ。院長の希望で、歯垢の顕微鏡映像を載せてみました。当院においでになっておられる方は皆様必ず、初診時にご自分のプラークの動画をご覧になられているはずです。 先週のブログ記事でバイオフィルムが歯周ポケット内壁に潰瘍を作るという記述をしました。ちょうど良い写真があったのでこれも載せておきます。歯垢に触れる歯肉が真っ赤にただれています。細菌が持つ毒にかぶれて腫れていると考えていただくと解り易いでしょうか?歯周組織検査の時にBOP(+)となる部位は歯周ポケットの内側がこんな状態なのです。、、、この写真の場合は歯磨きが足りなさ過ぎて歯周ポケットの内壁どころか外側まで真っ赤です。ここまで来ると、歯周組織検査で”触れる”どころか歯肉に風をかけただけで出血します。細菌類は歯肉粘膜の血管の中と外とで気ままに出入りしていそうです。何しろ血管壁が壊れていますから。
2009/04/16
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歯周病ってなんだろうか?ケッコウ解りにくいですよね。。昔の人にはあったのだろうか・・?虫歯と同じで贅沢病なんだろうか・・?ここにも画像出しましたが↓http://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/200802030000/昔の人にもあったようです。ある程度長生きすれば、といっても40歳くらいですが、珍しい病気ではなかったようですね、この画像は弥生時代の人骨です。歯周病で歯槽骨が失われ、露出した歯根が虫歯にもなっています。たしか万葉集にも「次々と歯が抜け落ちて、寂しい。。」といった内容の歌がありました。別に贅沢病というわけではないようです。。詳しくは過去ログを読んでいただくとして、ごく大雑把に言うと、免疫細胞は歯周病菌の廃棄物(LPS)を検知できるが、歯周病菌は隠れ蓑を持っているので、どこにいるかも分からず攻撃できない。仕方ないので、免疫細胞はそのあたり一面に抗腫瘍物質(抗がん剤?)などを撒き散らす、歯周病菌はやはり隠れ蓑のおかげでやられないが、自分の細胞・組織の方がやられる。。という事のようです。要するに、自分が自分自身を攻撃している。自己免疫疾患のような状態になっているわけです。でも自己免疫疾患と違うところは歯周病菌が少なくなれば、歯周病は止まるという点です。なんだか、免疫力が強い人程、歯周病もひどくなる。。。そんな印象を受けます(私見)。。
2008/03/12
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お口の中の細菌はバイオフィルムという塊りを作って生活しています。この塊りは数百種類の細菌が集まって生態系を作っていると言われています。では、どうして集まらないといけないのでしょうか?その前に、人間が細菌と同じくらいの大きさになってお口の中に入ったと仮定しましょう。身長1.7mの人間が1/100万になったとすると、1mの1/1000が1mm、そのまた1/1000が1μm(ミクロン)ですので、1.7μmとなります。これくらいが細菌の大きさです。小さい丸い形のもので、0.5μm。ミュータンス菌は1μmくらいです。逆にこれが人間くらいの大きさになったとすればですが、直径1mくらいの玉を持ち上げるのを想像してみてください。ミュータンス菌はこんな感じになるのです。形も様々で、円筒形の米俵のような形のものがいます。直径1m、長さ2~3mくらいです。円筒形が100mにも成長する長いものがプラーク中には多いので、体積的にはこれが多くを占めます。鞭毛(べんもう)という尻尾を持ってものすごい速さで泳ぎ回るのもいます。鞭毛の付け根にはモーターが付いていて、鞭毛をぐるぐる回して推進するのです。人間の精子もこんな形です。細菌も人間も同じDNAを持つ生き物なので、人間の先祖は鞭毛をぐるぐる回して動き回る歯周病菌と同じ?なのかもしれません。鞭毛が体に巻きついたかっこうになっている螺旋菌と呼ばれるものもいます。コイル・スプリングがくるくる回っています。こんなふうに見えます。鞭毛を持っていなくても、円筒形の体をくの字にくねくね折り曲げて動き回るものもいます。これらの細菌を観察していると、細菌が単独だとあちこちに流され、飛ばされ、まるで荒波に翻弄されている木の葉のように見えます。ミクロの世界の水の中というのは、ものすごい荒波の中。例えば暴風雨の中を泳いでいることを想像してみてください。そんな感じなのです。これは水の分子が熱運動をしているからなのですが、細菌のような小さな生きものにとってはたいへんなことになるのです。くっつきあって塊りになると、全く細菌は動かなくなります。だから、集まって生活することはとても合理的なことなのです。
2008/03/11
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バイオフィルムは細菌の塊り、虫歯や歯周病の原因です。顕微鏡でバイオフィルムを観察していると、いつも思い出すのは、宮崎駿の「ナウシカ」に出てくる「腐海」の菌類の「森」だ。大小様々な細菌が「森」の木々を作っているように見える。細菌1つ1つが木々の根や幹や枝葉の1つ1つの細胞の役割をしているようだ。その「腐海」の木々の間にはあたかも血管のように、水や栄養を運ぶトンネルも出来ている。その「腐海」の上を奇怪な虫たちが飛びまわる。「腐海」の底には巨大な虫の王「王蟲」が這いまわり、「腐海」を守っている、多核のアメーバ様の免疫細胞のようだ。「ナウシカ」では「毒」で汚染された世界を浄化するために「腐海」が生まれ、人間はその中では生きてはゆけない「樟気」を出しながら「毒」を結晶化して無害なものに変えているという。「腐海」の木々や虫たちにはそれぞれの役割があるに違いない。私たちは「腐海」の木々を虫歯菌と呼び、虫たちを歯周病菌と呼んでいる。その虫歯菌や歯周病菌にもそれぞれの役割があるに違いない。その「腐海」をレーザー・ビームで焼き払うことが良いことなのかどうか。。。バイオフィルムを破壊すると、再生するまでの最低2~3週間は歯周病の進行は抑えられます。この破壊は歯ブラシだけでは不十分、レーザー・ビームはやりすぎ、超音波スケーラーの出力を弱めに設定して注意深く行う、これくらいが適当だ。バイオフィルムに関しては、このブログを始めたころの記事を携帯の読者のために再掲してゆきます。注)画像に付きましては、LDプレーヤーでのLD再生画面をデジカメにて撮影したものです。当方に著作権を侵害する意図はございませんが、著作権者の方にご迷惑がかかるようでしたら、ただちに削除いたしますのでご一報ください。
2008/03/06
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これは超音波スケーラーという機械です。うちに定期的なクリーニング(PMTC)に来られる方はご存知ですね。歯の周りの歯ぐきとの境目にある歯周ポケット内をチィ~、、、とこれで洗浄すると、後はすっきり爽やかになります。ちょっと沁みる時もありますが、このスッキリ感を一度味わうとやみつきになります。この器具の先端にはイリゲーション・チップという金属製の細い管が付いており、その先端からは2方向に薬液が出てきます。この細い管は鏡面仕上げされており、歯の表面を傷つけにくいようになっています。このチップが超音波振動し、バイオフィルム(細菌の塊り)を破壊し、同時に薬液で洗い流します。バイオフィルムは破壊された後、2~3週間で元に戻りますので、理論的には2~3週間毎に超音波洗浄を繰り返すと歯周病は進行しません。バイオフィルムに関しては、ここをご参照ください。携帯では古過ぎて見れませんでした。ごめんなさい、御来院時に待合室のファイルをご覧下さい。2006/08/04~08/09、09/01~09/05掲載分です。http://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/200607310000/http://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/200608040000/http://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/200608060000/http://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/200608080000/http://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/200608080001/http://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/200608090000/http://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/200609010000/http://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/200609020000/http://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/200609030000/http://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/200609030001/http://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/200609050000/
2008/03/01
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先週の読売新聞の記事に『赤ちゃんの虫歯予防に効果あり、妊婦にキシリトール』として、以下のような記載がありました。赤ちゃんが生まれる前から、出生後乳歯が生え揃う時期にかけてお母さんのミュータンス菌の量をコントロールすると子供さんへのミュータンス菌の感染、定着を抑制できるという研究報告は以前からありましたが、そのコントロールの方法をキシリトールガムで、というものです。新聞記事では調査の手順が大雑把にしか記載されていないのでまるっきり鵜呑みにしてはいけないかとは思いますし、ちょこちょこ??な記載もあるのですが赤ちゃんが生まれる前から、2歳ごろまで両親が毎週歯医者にクリーニングに通うよりはかなりとっつきやすいですね。元記事のアドレスはこちら↓http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20061116i506.htm?from=main5------ 以下引用--------------------------------------------- 妊娠中から出産後にかけて、虫歯菌(ミュータンス菌)や歯垢(しこう)を減らす作用がある天然甘味料「キシリトール」を摂取すると、産まれてくる子どもの虫歯菌感染が抑えられることを、岡山大大学院の仲井雪絵助手(歯科医師)らが突き止めた。 虫歯菌の感染が遅いほど、虫歯になりにくくなるとされており、母親の心がけが、子どもの虫歯予防につながることを実証した研究成果として注目される。 虫歯は、虫歯菌が砂糖などを分解する際にできる酸が歯を溶かすために起こるが、キシリトールを摂取すると、酸が生成されないうえ、虫歯菌を、歯からはがれやすい善玉菌に置きかえる作用が確認されている。 仲井助手らは、虫歯菌が多い妊婦84人を2群に分け、一方には、食後など1日4回以上キシリトール入りガムを5分間かんでもらった。もう一方は、キシリトールを全く摂取しなかった。これを妊娠6か月目から出産後9か月目にかけて続けたうえで、子どもが1歳半になるまで、3か月ごとに口腔(こうくう)内の虫歯菌の量を追跡した。 その結果、母親がガムをかまなかった非摂取群では、子どもが1歳、1歳半の時に虫歯菌に感染した割合は76・9%、91・7%。これに対し、摂取群は、それぞれ15%、42・9%と感染率は半分以下に抑えられた。 虫歯菌感染の原因の大半は、虫歯の親が食べ物をかんで子どもに与えたり、親子のはしやスプーンの共有だとされるだけに、仲井助手は「出産前後の母親の口腔状態を改善することが、子どもの虫歯を予防する一つの手段になる」と話している。(2006年11月16日15時37分 読売新聞)
2006/11/24
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ハルカさんの献身的な投稿(!ありがとうございました。)にもありますように子供さんの虫歯菌への感染の主な原因は離乳食時期の”カミカミして、『はいっ!』”です。母集団が大きい統計的な調査では、感染源=お母さんとされていますが、お母さんとは限りません、おばあちゃんだったり、初めての子供さんが楽しくて、毎日、時間前テーブル待機のお父さんという例もありました。いずれにせよ、このとき、”噛み噛みしてくれた人”のお口の中にどれくらいの虫歯菌が棲みついているのかが大きな分かれ道となります。まぁ、その前後の時期のちょっとした親心を含みます。哺乳瓶のミルク、熱くないかな、ゴクゴクとか。そうでなくても赤ちゃんとのスキンシップのなかの様々なシーンで赤ちゃんが周囲の方の唾液に触れる機会はあるわけです。そこで、1歩進んだ親心。★子供さんがミュータンス菌に触れる機会を減らす。★お口の中に入ってしまったミュータンス菌が定着しやすい環境を与えない。まずは、ご自分のお口の中にミュータンス菌がどれくらいいるかをあなたはご存知ですか?その上で、★両親のミュータンス菌の量を減らす。 歯磨きしたり、専門的なクリーニングを受けたりで 細菌数が少ない状態を維持するということです。 もちろん、ミュータンス菌をたくさん持っている家族の ”噛み噛み”はご遠慮ください。 スウェーデンでの臨床試験では子供さんへの ミュータンス菌の定着を遅延させることが出来ると確認されています。 残念ながら、この方法は仕事量が多いという理由で 基本的な手法としては応用されていないのです。 、、、が、そこに朗報、というのが先週の妊婦さんへキシリトールという記事。★砂糖の制限。 砂糖を多く含む食品を減らしたり、炭水化物の摂取頻度を減少させる。 砂糖を素に産生される酸によって プラークのpHが低い(酸として強い)状態が頻繁に起こるというのが ミュータンス菌を効率よく定着させてしまうわけです。 お菓子に子守をさせてはいけません。 当院では、すでに子供さんが甘いものを知っていて摂取頻度も高いとき、 キシリトールのガムやキャンディを使って徐々におやつの回数を 整理する方法をお勧めしています。 ガムは、噛んでちゃんと吐き出せる年齢であれば、ということになりますが。 そして、飲食回数の整理には家族全員の理解が必要です。 子供が食べるのがいけないのではなく、与えるのがいけないのですから。 もちろん、離乳食はきっちり調理。カミカミなんてとんでもない!というお家で、ミュータンス菌感染がハイレベルのお母さんとミュータンス菌が検出されない子供さん方という組み合わせは当院でもしっかり確認されています。今週の1枚の写真は離乳食調理セット。私もこのタイプを愛用していました。重ねてしまえるので場所要らず。すり鉢の大きさが程よくて、離乳食の時期が過ぎても胡麻和えとかに使っていました。
2006/11/23
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先々週の写真に再登場していただきましょう。これ、スプーンです。スプーンの表面に粒々とミュータンス菌がコロニーを作っています。ミュータンス菌に感染している幼児が使ったスプーンという触れ込みですが感染している大人が使ったスプーンももちろん、同じ状況になります。虫歯菌はお箸やスプーンにのっかって子供さんのお口の中まで運ばれてきちゃうんです。離乳食の時期、お食事の世話をする方のお口の中にミュータンス菌がたくさんいて、御飯が熱くないかな~、、なんてスプーンをちょっと舐めてみる。これによって子供さんはミュータンス菌の感染の危機に繰り返しさらされる。子供の虫歯01、子供の虫歯02をまとめると子供さんのお食事の世話をされる方がミュータンス菌に感染している時、離乳食の時期などにスプーン、お箸、コップなどがミュータンス菌に汚染された状態で使用されることで、子供さんがミュータンス菌に繰り返し接触する。感染が起こるわけです。お口の中のミュータンス菌は1歳2ヶ月から3歳ごろまでの乳臼歯の萌出によって本格的に定着する。このとき、糖濃度の高い食品(砂糖で甘いもの)が頻繁に与えられているとミュータンス菌が出す酸によってこれも頻繁に、プラーク中の酸性度が強くなることでプラークを構成する細菌は、酸性環境下で生き残ることが出来る虫歯菌ばかりになってしまう。さらに砂糖由来でミュータンス菌が作り出す強力な糊のおかげでプラークは歯の表面にしっかりと固定される。この結果、月齢36ヶ月でのウ蝕有病者率(虫歯持ち)は43%です。時には、これが兄弟間で、棒付きキャンディーだったりとかね。スティック糊みたいな、ケースに格納できるキャンディ、見たこと無いですか?指輪の形になった、大きな真珠の指輪みたいなキャンディとかちょこちょこ、繰り返し舐める。しかも、兄弟が『ちょっと、舐めてみる?』とか。他所の子ってのも見かけたことあります。初めて見たときは、私、のけぞりましたです。(笑でも、子供は欲しがるみたいですね。
2006/11/10
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先週に引き続き1枚の写真から。これも出典はダグラス・ブラッタール先生の『カリエスリスク判定のてびき』(エイコー,東京,1994)となっているのですが、手元のこの本の中には見当たらなくて、熊谷 崇先生の『クリニカル カリオロジー』(医歯薬,東京,1996)からの孫引きです。本題に入る前に確認。虫歯と歯周病という歯科の2大疾患はいずれも細菌による感染症です。細菌は感染します。けれども、感染=発病ではない!のがポイント。細菌が置かれる環境、すなわち患者さんの側の条件をコントロールしてあげることで発病は確実に防ぐことが出来ます。虫歯も歯周病も予防できる病気だということです。細かく考えてゆくといろいろな条件があって大変なのですが大雑把にまとめるとね。虫歯菌、ほとんど持ってないのに虫歯になっちゃうツワモノもなかにはおられます。さて、虫歯菌の親玉 ミュータンス菌は、★歯の成分と特異的に強力にくっつく性質をもっています。だから、乳歯の奥歯が生え始めてお口の中で歯の表面積が広がってゆくのと同時に本格的に定着が始まるのです。歯は”生えたら磨く”しかないのです。★ミュータンス菌はお砂糖から、歯の表面に張り付くための強烈な糊を作ります。この糊があると他の、本来歯に張り付いたりする性質を持たない細菌類までが絡めとられて歯垢を形成します。ミュータンス菌の感染があってもお砂糖の食べ方が少ないと引き剥がすのは比較的簡単。反対にお砂糖が多いと衛生士が機械・器具フル装備であの手この手で2度磨きしてもまだ、残ります。お砂糖は少なめに。★ミュータンス菌は糖質を食べて酸を作ります。細菌には菌の種類ごとに、生きていくのに最適な酸性度(pH)があります。ミュータンス菌は他の菌よりも低いpHを好みます。酸に強いんです。ミュータンス菌が虫歯菌の親玉といわれるのは糖質を食べて酸を作るから。そして、その酸でプラーク全体のpHが下がりそこに棲みつき活動することが出来るのはミュータンス菌ばかりという環境を作り出します。しょっちゅう何か食べていると、特にそれがお砂糖を含むものだったりするとなお一層、プラーク中のpHを下げ、糊の生成を促しプラーク中のミュータンス菌の占有率を高くします。効率よくミュータンス菌を増やせるということですね。なんか、長くなってきましたね、続きは来週かな。 かずえ。
2006/10/27
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さて、上の写真、何だと思われます?下に説明文が見えていますね。おしゃぶりです。乳児(というからには満1歳未満かな、、)のおしゃぶりを虫歯菌(ミュータンス菌)用の培養液で培養したら、出ました。んだそうです。(笑おしゃぶり表面の粒々がミュータンス菌のコロニーです。出典は ダグラス・ブラッタール先生の『カリエスリスク判定のてびき』(エイコー,東京,1994)になります。問題は、このミュータンス菌がいつ、何処から来て、何処へ行くのか。ミュータンス菌という細菌にはいくつかの特徴があってそれが故に"虫歯菌の親玉”扱いを受けています。この特徴についてはまた、機会を設けることにして今は、ミュータンス菌=いけない虫歯菌 ということで。細菌が”突然湧き出る”はずはありません。必ず感染源があります。正常な母体の子宮内は無菌ですので新生児の口腔も通常無菌です。しかし出生6~10時間後の新生児の口腔からは明らかに増量した菌の検出が可能であるとされています。そしてこれらの細菌は産道感染に由来すると推定されています。そして肝心のミュータンス菌。お母さんの唾液中のミュータンス菌の数が100,000CFU/ml以上のときに感染が起こりやすいとされています。I歯科医院にご来院の方は、ちょっとファイルをご覧になられてくださいミュータンス菌の項がCLASS2以上の方がこれに相当します。お母さんがCLASS2以上の時、子供さんのミュータンス菌の感染率は生後15ヶ月で24%、23ヶ月で45%、36ヶ月で63%という調査結果もあります。そして、このとき36ヶ月でのウ蝕有病者率(虫歯持ち)は43%です。行政のサービスに1歳半検診というのがありますね。このとき私たち歯科医師は乳臼歯dが生えているかどうかを確認します。ミュータンス菌の本格的な定着はこの乳臼歯dの萌出がひとつの目安とされています。ミュータンス菌の感染自体はそれ以前から少しずつあっているんですよ。前歯だって”歯”ですからね。でも奥歯が生え始めると本物になります。では、どうやって感染・定着を防ぐか。感染源が特定されるのであれば、感染経路を断てば良い、簡単!次回はそのあたりをミュータンス菌の特徴とともにいってみましょう。ところで、簡単に”母子感染”という言葉が使われるのには”母親”として抵抗があります。まぁ、主たる保育者ということですが様々な研究論文が”母子”を母集団として著されていますのでこういうことになりますかねぇ。単に”父”の育児参加度の問題ですわ。(笑 昨日、子供を保育園に送っていったときに3歳未満児さんのフロアで、トイレでオマルに座って『じいちゃん、ばあちゃん。』と繰り返しながら泣いている子供さんを見かけました。、、、どこも大変なんだよねぇ、、、って。
2006/10/19
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5)4回でお送りした歯周病解説シリーズ、最後までお読み下さいましてありがとうございました。歯周病は自覚症状なしに進行し、歯茎から出血しやすい、口臭が気になる、咬むとき軽い違和感がありしっかり噛みにくい、、、などの軽い症状ですら、、もう歯周病は、かなり進行してしまっている、、、ということがお判りになられたと思います。歯ブラシも薬剤もなかなか届かない、4mm以上の深い歯周ポケットの底で繁殖しているばい菌・・・ばい菌がいるかぎり、暴走を続ける免疫系・・・では、どうするか?原始的に、ばい菌を物理的に排除します。つまり、ばい菌を”掻き出す”わけですが。そこでまた問題が、、、。狭くて深い歯周ポケットの中で派手なアクションは出来ません。周りの組織を傷つけてしまうので。手用の器具が様々あるのですが、術者の知識と技量とをもとに見えない部分を想像力を膨らませて”見る目”が必要。熟練にセンスというエッセンスが無いとなかなか思うような結果は出せません。半年、1年に一度、歯石を取るというのは、歯を傷つけてしまう危険性も大きいのです。ところが最近は、あるんですよ、良いものが!!超音波スケーラーです。ヒトの歯の根っこの形状を知っていて歯周組織検査表の数字さえ読めれば、チ~ッ、、って。完全にポケットの底までさらう必要もないので痛くないし。ポケットの底まで1、2mmというところまで届いてさえいれば超音波がバイ菌の菌体を破壊してくれます。バイオフィルムの成熟には2週間から16週間の時間が必要とされていますからその方の病状によって1ヶ月に2回から、3、4ヶ月に1回程度まで期間に開きはありますが歯周ポケット内の超音波洗浄さえきっちりしておけば歯槽骨の破壊は何とか防ぐことが出来ます。それでもね、全然歯磨きしないってのは反則ですよ。
2006/09/05
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4)免疫系のスイッチが入りました。最初の廃棄物(ウロコ)を拾ったTリンパ球のいるところを目指して免疫細胞が大結集を始めます。まず集まってくるのは大きくてアメーバ状の細胞です。リンパ球がつぶれて、浜に打ち上げられたクラゲのような形になっていると想像してください。不定形で、平べったくて、黒っぽい透明の細胞で、中に直径2~3mもあろうかと思われる核があります。表面の膜は軟らかく柔軟性があり、細胞内の内容物がゆっくり回転流動し、全体がキャタピラーのように移動しています。異物を取り囲み、中の顆粒状に見える各種の分解酵素・酸で異物を破壊します。これはマクロファージと呼ばれる掃除屋です。このマクロファージがまた数匹合体するのです。小山のように大きい合体マクロファージの破壊力は凄まじく、見る間にヒトの歯槽骨を攻撃し、破壊してゆきます。しかし、癌細胞と同じく、元は自分自身の細胞ですので、歯槽骨の破壊には自覚症状を伴いません。歯が抜ける寸前になるまで、気が付かないことが多いのです。生物学的に歯周病とは、歯周病菌に感染した歯を含めた自分の組織があまりに汚く、このままでは全身に悪い影響を与える異物であるとみなして、自分の免疫細胞が自分自身の汚染された組織を除去・排出する機転、と解釈できます。ウロコはLPS(リポ・ポリ・サッカライド)と呼ばれていますが、このLPSを分解・除去する成分が含まれた歯磨剤がGUM(サンスター)より発売されています。実際に使用してみて、その効果は実感できるものです。しかし、これだけではとてもとても不十分なのです。何故なら、4mm以上の歯周ポケットの底には歯ブラシも届かないし、歯周病菌は粘液状の物質に守られて、しかも集まってバイオフィルムを形成しているので、歯磨き粉に含まれる薬剤も十分には届かないのです。
2006/09/03
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3)PG菌は時々古くなったウロコを菌体外に放出するのですが、この廃棄物がヒトの免疫系を大変興奮させるのです。廃棄されたウロコがあちこちにいるTリンパ球の表面にある突起に結合すると劇的なことが起こります。Tリンパ球は直径10m位の丸い免疫細胞です。見上げるほど大きくて、虹色に輝く、吸い込まれそうなくらい綺麗で荘厳な細胞です。その表面には、Y字型の突起がびっしりと生えています。細胞内の内容物を外に突き出し、キャタピラーのように動かしながらゆっくりと巡回しています。PG菌のウロコがY字型の突起の1つに結合すると、Tリンパ球は外来からの攻撃を受けたと判断し、ただちに、身震いしながらある物質を盛んに放出します。この物質は微量でもフェロモンのように血管、リンパ管を通してヒトの全身を駆け巡り、免疫系のスィッチを入れるのです。
2006/09/03
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2)PG菌にとっては酸素は毒ガスですので、風通しの悪い歯周ポケットの奥深くに住み着いています。大好物は赤血球です。赤血球を溶かす消化酵素のような物質を出して、中のヘモグロビンをウロコの所々にある口から取り込みます。口と言っても、穴ではなくて、食いついて引っ張り込む手のようなものです。また消化酵素のような物質は周りにあるたんぱく質もどんどん溶かしますので、ヒトの細胞も溶かされて、毒ガスが発生し、悪臭が満ちています。つまりこの細菌の住む環境はドブの中と同じになるわけです。
2006/09/02
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歯周病って、何なのか?判り難いですね。細菌が最初の原因となっているのは確からしい。ところが実際に歯周組織が破壊される過程では、細菌の宿主である患者さんご自身の免疫応答が主な役割を担っているのです。歯周組織の破壊の様子を4回シリーズで描写してみます。もちろん、1μmが1mの想像の世界です。では、ブログをお楽しみください。 代表的な歯周病の原因菌の1つPG菌(Prophyromonas gingivalis)は、直径が50cm位の球菌です。その表面は黒くて硬いウロコで覆われていて、ウロコの隙間からはたくさんの、20cm位の長さの半透明のしなやかな毛のようなものが出ています。その毛はゆっくりクラゲやイソギンチャクの触手のように動いていますが、移動やエサを採る手段に使うものではないようです。菌体同士が絡み合うために、また、ヒトの細胞膜に喰い込ませて感染・定着するためのもののようです。そして、その毛をほとんど覆うように、ネバネバ、ドロンとした透明の粘液のような物質で囲まれています。この物質のおかげでリンパ球やマクロファージといった免疫細胞の攻撃から免れるのです。この物質は隠れ蓑であり、ヒトの免疫系はこれを異物とみなさないのです。免疫細胞はこれに触れても素通りします。
2006/09/01
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↓歯周病治療でI歯科へご来院の方々は皆さん目にされているかと思います。 超小型・超音波削岩機 P-max です。超音波スケーラーと呼ばれるものです。チップの形状が非常に繊細なので大きな歯石の除去には向きません。歯石、とれますけどね。日が暮れます。大きな歯石は手用のスケーラー、キュレット類でポンッとはじいた方が早く取れます。歯石とバイオフィルム、どっちがいけない物かといいますとね歯石未満のまだ生きている奴・バイオフィルムの方。毒性が強いのです。歯石はとったほうが良いのですが、手用の器具類は刃物でゴリゴリしますので血も出るし、少々痛かったり、何より歯石と一緒にワンストロークあたり20ミクロン程度、歯まで削れることがあるので、そうしょっ中は使えないのです。深くて(4ミリ以上)狭い歯周ポケットの中では下手に刃物を振り回すとかえって周りの組織を傷つけたり、、、。このバイオフィルムを歯根に触れることなく効果的に破壊・除去できるのがこの超音波スケーラーなのです。急性炎症がある時、出血を避けたい時、すでに大きな歯石はとってしまってあるメンテナンス期間の方。歯周病治療のあらゆるシーンでPmaxは大活躍します。先日の歯周病01(8/4)は超音波スケーラーPmaxだけでどこまで治るか?に挑戦した症例です。治るものでしょう?Pmaxだけ、というのは正直ではないかもしれませんね歯ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロス。通常、ホームケアで使っていただくお道具類は使いました。一般的な歯周病治療の後、メンテナンス期間に入られている方々であれば大きな歯石は既に除去してあるはずですので通常のホームケアに使っていただくブラシ類にプラスPmaxで充分な維持ができると考えています。ただ、メンテナンス期間中の来院は1ヶ月~6ヶ月毎とされていますのでその間のホームケアがPCR60%とかだと新たな歯石が付くほうが早い。バイオフィルムの再生はもっと早い。生きてますので。歯周病の維持管理の難しいところはここなんです。他力本願はありえない。ほどほどには患者さんにも頑張っていただかないと、、、。いま、医療費削減政策の歯科への締め付けはかなり厳しく特に歯周病治療への保険給付は大幅に削減されています。例えば回転器具を使った機械的歯面清掃は3ヶ月に1回しかできなくなりました。↑気持ちいい、大好き!とおっしゃる方、多いですけれど、残念ながらカットされました。患者さん方も自己防衛をしていかないと、ある程度の年齢以降、歯は残らないです。私には歯石がつきやすい弟がいて、時々、クリーニングしてくれ~と、はるばるやって来るのですが、初めてPmaxをかけてあげた時には『何これ~、快適!!』とたいそう喜んでおりました。子供の頃から歯石とりで痛い思いをしていた彼には仰天のお品だったようです。 かずえ
2006/08/09
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活動期の細菌は盛んに外部からアミノ酸等を取り入れながら分裂して増えていきます。殻の表面に皺のような、クビレが球体の赤道上に広がったかと思うと、そのクビレの両端に新たな殻がどんどん作られて行き、最後は完全にくびれて、2個の菌体になります。30分程もかかったでしょうか、あっというまに2個が4個に、4個が8個に、8個が16個に、16個が32個に・・・と増えてゆきます。ミュータンス菌は砂糖から、デキストランという物質を菌体表面で合成酵素を使い作ります。この物質は糖がたくさんつながった多糖類で非常に粘着力が強く、歯の表面に、菌体を固着させます。またデキストランは細菌のエネルギー源にもなります。つまり細菌にとっての保存食です。歯の表面に自身を括り付け、いざという時には兵糧ともなる、このデキストランはミュータンス菌にとって、まことの『命綱』ともいえるかもしれません。ライオンのクリニカシリーズの歯磨剤には、このデキストランを分解する酵素(デキストラナーゼ)が入っています。確かに歯垢が剥がれやすく、それなりの効果はあるようです。
2006/08/08
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厚み約7ミリの2層構造の殻が部分的に菌体内部に向かって、袋状、襞状に窪んでいるのが見えます。この部分は分裂増殖に関係したり、菌体内部で合成された物質を一時溜めたりしています。この殻はかなり丈夫なのですが、物質を内部から外部へ出したり、外部から内部に入れたりすることができるようです。2層になっている殻の内と外が瞬間的に反転して、物質を送り出したり、取り込んだりしているようです。出し入れするのは、イオンのような小さい物質です。分子量の比較的大きな糖質、アミノ酸、たんぱく質などは、口か手と呼べる部分が菌体表面にたくさんあって、この部分に触れると、食いついて、内部にひきこみます。好みがあるらしく、手当たり次第に何でも引き込んだりはしません。食べられないものが触れても、反応しないのです。手でこの口か手のような部分をさわると、イカの吸盤に吸い付かれたような感じで、簡単には引き剥がせません。中に吸い込もうとします。人間の手は食べ物と見なされるようです。また、ここから菌体内で作られた酵素、廃棄物としての酸なども外部に排出されます。彼らの食べ物は主に唾液、歯肉溝液中のアミノ酸や糖質などです。糖質には人間の食べ物由来のものもありますが、アミノ酸は唾液の成分だけです。そう、宿主の人間が何も食べないでも、細菌は増えることができるのです。
2006/08/08
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ここで、バイオフィルムを形成する個々の細菌についてちょっと想像をめぐらせてみましょう。細菌と同じ位の大きさになるために100万分の1の大きさになって、細菌を観察してみます。1ミクロンが1メートルのつもりでどうぞ。 #あくまでも、院長maboの想像の世界、、、です。まずは、最強なる虫歯菌・ミュータンス菌。これは連鎖球菌と呼ばれているもので丸いのですが、まん丸ではなくて、少しだけフットボールに近い形をしています。大きさは直径1m弱位。中身は詰まっているので、重い。もちろん水中では重さは感じませんが、容易に突き飛ばせません。この細菌は運動器官を持たないので、動き回りません。歯の表面に張り付いて暮らしています。色は透明か半透明で、菌体内部の様子が良く見えます。袋状、顆粒状の菌体内器官(各種タンパク合成・分解酵素を含む)がたくさんあり、中の物質がゆっくり流れるように移動したり、分散、集合したりしています。一番外側は表面ぬるぬる、中身がぶよんとした5センチ位の厚みの膜で覆われています。あっさりと、軽めのスライムをまとっている、といったところでしょうか?。よく見ると、ところどころ細い毛か紐のようなものが中の本体から生えています。これは何か硬いものに体を固定して、菌体が唾液に流されないようにするためのもののようです。ぶよぶよの膜には手を突っ込むことができて、中の本体を触ると比較的硬い殻でできています。押してみると、ゆっくりと凹んで、手を離すとまたゆっくりと元の形にもどります。この殻の厚みは7ミリ位で2層構造です。
2006/08/06
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院長が、食べ物ネタばかり書いているんじゃない!と、イエローカードを手裏剣よろしく放ってよこしたので、、、。バイオフィルムつながりでひとつ。下の写真は私がある意図を持って治療した症例です。 もちろん、患者さんのご協力無しでは治りませんよ。この方は、歯磨きはあまりお上手とはいえませんでしたが禁煙にご協力いただけましたし、確実に御来院いただけましたので結果は出せた。ということです。後は、この状態を維持できるか?ということになるわけですが治療直後というのは、あの手この手で無理やり作った健康な状態ですからそこそこの覚悟が無くてはこの状態は維持できません。そう、ダイエット後のリバウンドと同じです。ダイエット前の食習慣を再開すると、ジリジリと元に戻ってしまうのです。治療後に定期的なクリーニングに入ると1年ごとに再評価をするわけですが何となく悪くなっておられる方はかなりおられます、、残念なことですが。ホームケアでのプラークコントロールの目標は一般的にPCR15%以下とされていますが私たちの診療室では20%台に乗ると、まぁ落ち着くように感じています。毎回赤くプラークを染め出して、いったい何をしているんだろうと思われていましたか?ご自分の歯磨きの癖を見ていただくためにも大切なことではありますがPCR80%とかだと真っ赤に染まって、何を見たらいいのか分からないかも、、ですね。さて、私の、この治療に際しての ある意図 とは?ヒントは、バイオフィルムつながり、ということなんです。 かずえでした。
2006/08/04
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お口の中の細菌はバイオフィルムという塊りを作って生活しています。この塊りは数百種類の細菌が集まって生態系を作っていると言われています。では、どうして集まらないといけないのでしょうか?その前に、人間が細菌と同じくらいの大きさになってお口の中に入ったと仮定しましょう。身長1.7mの人間が1/100万になったとすると、1mの1/1000が1mm、そのまた1/1000が1μm(ミクロン)ですので、1.7μmとなります。これくらいが細菌の大きさです。小さい丸い形のもので、0.5μm。ミュータンス菌は1μmくらいです。逆にこれが人間くらいの大きさになったとすればですが、直径1mくらいの玉を持ち上げるのを想像してみてください。ミュータンス菌はこんな感じになるのです。形も様々で、円筒形の米俵のような形のものがいます。直径1m、長さ2~3mくらいです。円筒形が100mにも成長する長いものがプラーク中には多いので、体積的にはこれが多くを占めます。鞭毛(べんもう)という尻尾を持ってものすごい速さで泳ぎ回るのもいます。鞭毛の付け根にはモーターが付いていて、鞭毛をぐるぐる回して推進するのです。人間の精子もこんな形です。細菌も人間も同じDNAを持つ生き物なので、人間の先祖は鞭毛をぐるぐる回して動き回る歯周病菌と同じ?なのかもしれません。鞭毛が体に巻きついたかっこうになっている螺旋菌と呼ばれるものもいます。コイル・スプリングがくるくる回っています。こんなふうに見えます。鞭毛を持っていなくても、円筒形の体をくの字にくねくね折り曲げて動き回るものもいます。これらの細菌を観察していると、細菌が単独だとあちこちに流され、飛ばされ、まるで荒波に翻弄されている木の葉のように見えます。ミクロの世界の水の中というのは、ものすごい荒波の中。例えば暴風雨の中を泳いでいることを想像してみてください。そんな感じなのです。これは水の分子が熱運動をしているからなのですが、細菌のような小さな生きものにとってはたいへんなことになるのです。くっつきあって塊りになると、全く細菌は動かなくなります。だから、集まって生活することはとても合理的なことなのです。
2006/07/31
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