まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2020.10.05
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"KY"なのにモテすぎちゃって困る桜子と、
モテなすぎて嫉妬やら欲求不満ばかりが募る笛子。

双方の八つ当たりが、しばしば衝突します(笑)。



2006年の本放送のときには、
桜子のKYっぷりに対する反感のほうが多くて、
笛子に対しては同情や共感の声が多かった。

でも、わたしには、
自分の欲望に真っしぐらな桜子の、
笑えるほどのKYっぷりは、かえって清々しくて、

逆に、
妬みやら欲求不満やらを蓄積させて、
それが行動原理になっている笛子の姿は、
あまりにもイタすぎて、ほとんど醜悪でした。
ある意味、いちばん面倒くさいタイプの女です(笑)。

そんな笛子にくらべれば、
青森から死物狂いで追いかけてきた許嫁女の、
破滅的なストーカーっぷりのほうが、
むしろ清々しく思えたしだいです(笑)。



ちなみに「KY=空気読めない」という言葉は、
このドラマが放送された2006年に生まれたらしいです。

14年たって、いまや死語かもしれませんが…。

『知恵蔵』によると、
2006年ころから女子高生の言葉として使われ、
07年参院選で大敗した安倍内閣を「KY内閣」と評したことで、
一般的な流行語となった。
場の空気を瞬時に読み取る状況判断能力を物語っているが、
過度になると、主体性を喪失し、周囲に迎合することになる。
集団同調圧力が強いられる日本社会ならではの問題かもしれない。
…だそうです。

浅野妙子は、そんな時代に、
あえてKYなヒロインを生み出したのですね。
意外に先駆的だったのかもしれません。



桜子は一見するとKYなようで、
じつはちゃんと空気が分かってる面もありますよね。

ただし、分かっていても、
あえて「空気を読まない」のも桜子の生き方です。

しかも、
このドラマに描かれている「空気」は、
戦争へ向かっていく世の中の、
シャレにならない「空気」でもあります。

笛子や徳治郎は、
世間の空気に染まっていくタイプだから、
権威とか体制とかにも従順で、
戦時下の空気にも流されてしまいます。

でも、
桜子は、そういうことに左右されません。
よくもわるくも、
自分の欲望と自分の価値観にだけ忠実ですから、
他の人とは行動原理が違うのです。

そこに、かつて父の言った、
「桜子の強さ」と「笛子の弱さ」があります。



本放送から14年もたってますから、
「KY」なヒロインに対する視聴者の反応も、
だいぶ変わっているかもしれません。

物語の終盤になると、
笛子は、桜子に向かって、
「あんたが羨ましかった」と言います。






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最終更新日  2020.10.12 18:48:11


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