まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2022.10.16
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大きく振りかぶって秋爽の只中に 大谷の球大谷が打つ案山子 白秋の雲穿ぐ右投げ左打ち 総立ちのフェンウェイパーク星月夜 天高し野球ノートの三箇条 秋立つや十七画の名を吾子に ポケットにゴミ爽涼のユニフォーム 四番打者四球を選ぶ子規忌かな 巌流無念しおれた菊人形 打ちまくる大谷生姜擦る私
プレバト俳句。金秋戦決勝です。
お題は「大谷翔平」。

よくもわるくも、
拮抗して甲乙つけがたく、
そのぶん突出した名作もなかったのかな、という印象。





キスマイ横尾。
総立ちのフェンウェイパーク 星月夜


これは4位でしたけど、

いちばん華やかな印象がありました。
これが1位でもよかったかなあ、と思う。
意外にもナイターの句はこれだけだったのです。

唯一の欠点はアナハイム球場じゃないところ?

ってことで、
総立ちのアナハイムを翔ぶ白鳥座

としてみました。 中八です。



フジモン。
大きく振りかぶって秋爽 しゅうそう の只中に
大きく振りかぶって秋爽の只中
(添削後)

これが1位。
おそらくデイゲームですよね。

たしかに、
主人公の姿を堂々とど真ん中に描いた映像は爽快です。

ちなみに、
野茂や大谷のように大きく振りかぶる投法は、
いまでは少なくなったのだそうです。

そういう意味で、
これは野球のことを知っている人ならではの句ですね。



春風亭昇吉。
白秋の雲穿 ぐ右投げ左打ち
白秋の雲裂く右投げ左打ち
(添削後a)
白秋の雲撃つ右投げ左打ち (添削後b)

これは3位。

一見すると、
これも爽快なデイゲームの場面に思えますが、

作者自身は、
じつは「白秋の雲」にネガティブな世相を重ねたらしい。
つまり、重苦しい曇天に楔を打ち込むイメージだったのですね。
そのことが「穿ぐ」という動詞に込められている。

しかし、
読み手にはその意図が伝わりにくく、
むしろ爽快な秋空を思い浮かべる人のほうが多いはずだし、
そうだとすれば、
添削句のような率直な動詞のほうがふさわしい。



梅沢富美男。
ポケットにゴミ 爽涼 そうりょう のユニフォーム
マウンドのゴミ 爽涼のポケットへ
(添削後)

7位。
フジモンと同じく「爽」を含んだ季語を用いて、
やはりデイゲームの一場面を描いてるように見えます。

しかし、
いくらなんでも「ポケット」と「ユニフォーム」じゃ、
取り合わせる対句として近すぎる。
(というより、ほとんど同じというべき)

かたや、
添削句のほうは倒置法になっていて、
「これなら1位だった」というのだけど…

ええ~?
「爽涼のポケット」って何??
わたしは「ポケットが爽涼だなあ」なんて思ったことありません…



松岡充。
天高し 野球ノートの三箇条


5位。

味わいがあって良い内容。
ひたむきな野球少年の希望に満ちてるし、
これがいちばん整っている句でもあった。

しかし、
収まりが良すぎてインパクトが薄かったのかな…
これが名人戦の難しさ。



森口瑤子。
四番打者 四球を選ぶ子規忌かな
バッターは四番 子規忌の四球選
(添削後)

8位。
正岡子規が野球分野の訳語を考案したことにちなんだ内容。
原句も添削句も、頭韻を意識した言葉遊びの面があります。

強いて原句の欠点を挙げるとすれば、
内容的には一句一章なのに、
上五が切れているように見えることでしょう。

とくに切れ字の「かな」で締める場合は、
リズムの上でも一句一章に感じられるほうが美しいし、
たとえ字余りでも、
助詞の「が」を入れたほうがよかったのでは?

四番打者が四球を選ぶ子規忌かな

このほうが一句一章らしくなると思います。



フルポン村上。
大谷の球 大谷が打つ案山子 かかし


これは2位。
たしかに「案山子オチ」ではありますが、
《大谷→岩手/東北→豊作》みたいな縁起の良さも感じるし、
いろんな味わい甲斐のある場面です。

ただ、
これも一句一章の内容なので、
やはり助詞の「を」を入れたほうがよかったのでは?
大谷の球を大谷が打つ案山子

こうやっても、さほどの字余り感はないと思います。



千原ジュニア。
秋立つや 十七画の名を吾子に


6位。

大谷から離れて読むことも出来る内容ですが、
彼は背番号が「17番」で、
しかも翔平の名が「17画」だそうで、
これも野球を知っている人ならではの句でしょうね。

季語の選び方もさすが。



皆藤愛子。
打ちまくる大谷 生姜擦る私
今日も打つオオタニ 私は生姜擦る
(添削後)

10位。

大きな「大谷」と小さな「私」の対句。

作者にネガティブな意図はなかったようだけど、
読み手によってはイジケているようにも見えるし、
ちょっと川柳的な味わいになってしまうかも。



立川志らく。
巌流無念 しおれた菊人形
小次郎の無念 しおれた菊人形
(添削後)

9位。

唯一、
これだけが野球とも大谷とも無関係な句で、
《二刀流》から《宮本武蔵》へと発想を飛ばしています。

もともと「巌流」とは、
佐々木小次郎が創始した剣術の流派であって、
島の名前ではないのだそうです。
島の正式名称は「船島(ふなしま)」。

昇吉が指摘したように、
取り合わせが近すぎる、との批判もありえます。




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最終更新日  2022.10.16 09:30:07


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