うたのおけいこ 短歌の領分

うたのおけいこ 短歌の領分

2010.04.05
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カテゴリ: 近代短歌の沃野
与謝野晶子(よさの・あきこ)


清水 きよみづ へ祇園をよぎる桜月夜こよひ逢ふ人みなうつくしき


歌集「みだれ髪」(明治34年・1901)


三句目は、のちに作者自身が「花月夜」と改稿した(現在の岩波文庫版「 与謝野晶子歌集 」はそうなっている)が、引用した初版本の「桜月夜」の方が、字余りであっても僕はいいと思う。

なお、この改稿の経緯について、金星坊やさんから懇切丁寧なコメントを頂戴しました。
清水・祇園・円山公園など、京都の地理的位置関係について、晶子の思い違い、ないし表現上の瑕疵があるというご意見で、大変勉強になりました。
併せてお読みください。





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Last updated  2013.03.08 16:43:45
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Re:与謝野晶子 清水へ祇園をよぎる桜月夜(04/05)  
masatosdj  さん
こんばんは。

この時期ならではの歌ですね。
今宵会う人はみんな綺麗に見えるですか。
見てみたいです。 (2010.04.05 23:35:25)

Re:与謝野晶子 清水へ祇園をよぎる桜月夜(04/05)  
yucho-mama さん
先日、このブログ見つけて、時々見せていただいてます。 3日ほど前かな? 実はこの歌を探しにきたのですが、見つけられなくちょっと残念で・・・・
それが今日はいきなり目に飛び込んできて・・・
感激です~
実は、この歌を知ったのはつい最近なのですが、
大学時代を京都で過ごした私には円山公園の夜桜忘れられません。
青春の1ページっていうのでしょうか・・・
あの頃は、私もきっと美しかったと信じたい・・・ (2010.04.06 01:09:45)

晶子の歌は、改めて一挙公開(^^)  
くまんパパ  さん
masatosdjさん

>今宵会う人はみんな綺麗に見えるですか。
>見てみたいです。

そうですね(笑)
・・・これは、与謝野寛(鉄幹)との熱烈な恋愛でポーっとしている歌の連作の中の一首なので、これだけ抜き出しますと、確かに少々唐突な感じがあるかもしれませんね。

晶子の歌は個人的にも大ファンですので、桜の季節が終わりましたら、改めて一挙公開いたします~(^^)
(2010.04.06 18:13:52)

はじめまして~♪  
くまんパパ  さん
yucho-mamaさん、はじめまして~♪
ありがとうございます~。これからもごひいきに~。

与謝野晶子の歌は僕も大好きなのですが、格調高い擬古的な(古めかしい)文語体なので、解説がありませんとなかなか難しい歌が多いですね。

遠からず、晶子の名歌をご紹介いたします~(^^)
(2010.04.06 18:20:09)

清水への短歌について  
金星坊や さん
1)清水,祇園共に桜は余りなく,桜月夜の桜は円山公園のものと思う
2)明治にも人の流れは,祇園から円山公園へと思う
3)祇園から清水は南,円山公園は東にあります。したがって「清水へ」は清水に向っていては祇園につかないし,桜のない清水に夜行く人はいない
4)「今宵会う人」は,祇園で合っている人のことをいっているように読めますが,桜のない祇園で逢って「みな美し」では意味がなくなるのでは。やはり円山公園で逢う人が”桜と月と松明”で「みな美しく見える」とすべきと思う
4)こうした位置的矛盾を余り理解しないままに,最初に鉄幹が誤解して解釈し,後に晶子が訂正しました。しかしそれでも以上の位置的関係は余りクリヤーにならないのではとも思います

皆さんはいかがですか
(2010.06.05 09:08:40)

大変勉強になりました(^^)  
くまんパパ  さん
金星坊やさん、懇切丁寧なご考証、まことにありがとうございます~♪

「桜月夜」から「花月夜」に改稿されたのは、単に(字余りの修正など)韻律での判断かと思っていましたが、お説に依りますと、もっと実質的な意味内容に関わる訂正だったようですね。

関西人の晶子ですが、京都の地理の位置関係については、思い違いがあったのかも知れませんね。

大変勉強になりました。今後ともご忌憚なくご意見をお寄せいただければ幸甚です(^^)
(2010.06.06 15:52:10)

Re:与謝野晶子 清水へ祇園をよぎる桜月夜(04/05)  
通りすがりに さん
ちょっと一言失礼します。

清水は桜の名所ですよ。
桜の季節にはライトアップに特別拝観までやってます。
舞台から観る夜桜は格別です。

京都の中心、四条河原町界隈から清水に夜桜を観に行くなら、
否応なく祇園を横切ることになります。
そんな春の夜のウキウキした心を詠んだ歌なのではないでしょうか。 (2010.11.21 01:46:09)

あづま男のかなしさにて^^;  
くまんパパ  さん
通りすがりにさん、まことにありがとうございます。

私自身、京都の四条河原町・祇園・清水周辺の風情はけっこう好きで、何度か足を運んだことがありますが、いかんせん東男の哀しさで、桜などの詳しい様子や位置関係はよく記憶していませんので、その辺の議論はお任せいたします~(^^)
(2010.11.21 15:50:44)

Re:与謝野晶子 清水へ祇園をよぎる桜月夜(04/05)  
あかね さん
清水は桜の名所ですよ。
桜の季節にはライトアップに特別拝観までやってます。
舞台から観る夜桜は格別です。

というコメントですが、晶子の時代に、ライトアップをしていたのでしょうか。また、清水寺は何時まで拝観可能なのでしょうか。和歌自体にも、コメントにも、何か齟齬があるようですっきりしませんが…。
「桜月夜」は、円山公園の桜そのものを指さなければ歌は成立しない? ある地点から祇園を経由して、清水方面に向かうとして、その宵が桜の季節で、月も出ていて、しかも慕う男との待ち合わせで心が浮き立って、「みなうつくしき」という優しい心情になったとしても良いという気もしますが…。

(2012.07.31 20:01:21)

いい歌ですね(^^)  
くまんパパ  さん
あかねさん、ご訪問&コメントありがとうございました。返信が大変遅くなりましたことをお詫びいたします。

おっしゃる通り、明治時代にライトアップされているわけはありませんよね。

ただ、その他のことは、関東の私には正直言って詳しく分かりませんので、コメントをいただく皆さまにお任せいたします。悪しからず。

・・・いずれにしましても、これは本当にいい歌ですね。それはもう確かですね。
(2012.08.04 18:23:57)

Re:与謝野晶子 清水へ祇園をよぎる桜月夜(04/05)  
愛知の昼行燈 さん
初めまして<(_ _)>
この歌についてネット界隈をうろうろしているうちにこちらにたどり着きました。

祇園はもともと八坂神社の門前町で、四条河原町から清水寺へ行くのに祇園を抜けるのは自然な流れだと思います。
あと、ライトアップ云々については、今でもそれぐらいの桜の名所なんですよ、と言う補足説明ぐらいにとらえておけばいいんじゃないですか?齟齬がどうとか、真剣に考えることでもないと思いますよ。


それにしても、懐かしい~(*^_^*)
30年近く前、当時大阪で放送されてた深夜番組のイラストコーナーでイラストに書き添えられていたのを見て以来、この歌、すごく気に入ってます。 (2014.09.14 00:48:00)

乙女心の結晶作用  
くまんパパ  さん
愛知の昼行燈さん、初めまして。ご訪問とコメント、ご教示、まことにありがとうございます。

上にも書きましたが、この歌を詠んだ時、晶子は二十歳そこそこの乙女で、のちに夫となる鉄幹との熱烈な恋のさなかにいました。その恍惚・法悦・エクスタシーなどが見事にみそひともじに結晶したような秀歌ですね。作者の代表作の一つといっていいと思います(^^)
(2014.09.14 12:57:50)

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