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部員たちはそれぞれの席に。会場内は静まり返る。 そして…。黒のスーツに白いブラウスで…。兼高悠月。 再び会場から拍手。 舘脇、季久美、「いよいよですか。」「えぇ。」 そして…。こちらでも…。 清水、「頑張って~~。」 犬養、「はは。緊張してきた~~。」 神代、「うんうん。私なんてさっきからドキドキ。」 真っすぐ前を見て犬養、「はは。当然だよね~~。」 清水、「当然。…それに、あちらこちらにウチの高校の~~。」 その声に犬養、「殆ど、ウチの高校の生徒や先生じゃないのぉ~~。」 その声にふたりとも、「かかかかか。言えるかも~~~。」 確かに。あちらこちらに博楼高校の…。 汐梨、「指揮者、女性…。」 耀司、「うん。吹奏楽部顧問、兼高悠月先生。」 「へぇ~~~~。」 睦美も晄史も頷きながら、「うんうん。」 兼高、観客に向かって丁寧にお辞儀を。 …そして…。 晄史、「いよいよですね。」 睦美、「うん。」 耀司、「さて。第1部シンフォニック。…曲は…、分かんないんだよな~~。」 晄史も、「そう…、なんですよ。」 いきなり。「おほ。」 誰からともなく。そして、また、「これ来たか~~。」 汐梨、「凄っ。」 晄史、「わ~~お。」 耀司、「のっけから聴かせるねぇ~~。」 第1部シンフォニック・ステージ、ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」第4楽章 。 耀司、「いやいやいや。ドヴォルザークってか。」 睦美、「うんうんうん素敵。」 晄史、「やりますね~~。」 汐梨、いきなりバッグからハンカチを。鼻を啜って。 耀司、汐梨を見て、「おぃおぃ。今からかよ。」 汐梨、既に目から涙が。「だ~~って~~。凄いんだも~~ん。」 耀司、頷きながら、「うん。とにかく。」 睦美、「何度、聴いても、良いですよね~~。」 耀司、その声に頷きながら、「うん。」 晄史、「序幕からこれ。凄いね~~。」 凡そ、10分少々。そして、観客席からは拍手喝采。 耀司、「さて。次は~~。」 睦美、「うんうん。」 そして…。 また誰からともなく、「おっと~~。」 耀司、と晄史、「わお。」 そして汐梨と睦美、「カルメン。」 そして、それぞれが、「うんうんうん。」 耀司、ニコリと、「いいんじゃな~~い~~。」 睦美、頷いて、「うん。」 5分経過。 耀司、「かかかかか。凄いな。」 他の3人も、「うんうんうん。」 凡そ20分。再び観客席から拍手。 舘脇、「うんうん。お見事。」そして、「教頭、次は…???」 季久美、「ふふふ。これも、校長にはお分かりかと。」 舘脇、季久美を見て、「ん~~~???」 そして…。 睦美、「スメタナ。…連作交響詩「我が祖国」より モルダウ。」 汐梨、「あ~~~。うんうんうん。曲名は分かんないけど、うんうん。この曲、分かる~~。」 晄史、「良い曲ですよね~~。」 千愛と詩乃、「凄いよ、凄いよ。」「うんうんうん。景織子~~。芙美花~~。」 こちらは凡そ15分。 ようやく耀司、「いやいやいや。何とも、どんな曲が来るのか、予想付かないところが、また良い。」 汐梨と睦美、「うんうん。」 晄史、「ですよね~~。」 舘脇、「さて。」 季久美、「えぇ。」 そして季久美、舘脇をチラリと見て、「第1部、シンフォニック・ステージ、終了です。…そして…、これからは、第2部のポップス・ステージ。」にこやかに舘脇、「ほぅ~~~。」 汐梨、麻沙美に、 「麻沙美~~。トイレは…???」 耀司、「ははは。今の内に、行っといで。」 麻沙美、いきなりの声に、「えっ…???」思わず目をパチクリと。 汐梨、「ははは。寝てた。」 耀司、「はははは。確かに、今の曲は、ある意味、子守唄かな…???」 汐梨、眞鍋達に、「ちょっと、すみません。」 睦美も晄史も、「いいえ。」「はい。行ってらっしゃい。」 休憩時間は、凡そ10分。 耀司、睦美に顔をチラリと。「眞鍋さんは…、クラッシック。」 その声に睦美、恥ずかしそうに、「えぇ。」 晄史、「姉さんは大学ではクラッシック。…そして、ジャズ。」 そんな晄史の声に耀司、「えっ…???…眞鍋さん、ジャズ…???」 睦美、恥ずかしそうに頭をコクリと。「えぇ。」 晄史、「高井戸さんの娘さんは…???…どの辺に…???」 耀司、真っすぐ前を見て、「丁度、真ん中辺りですかね。うん。かかかかか。かなり緊張していると思います。」 睦美、頷いて。 晄史、「へぇ~~~。」そして頷きながらも、「そうですよね~~。…こんな…。」周囲を見渡して、「満員ですもんね~~。緊張しない訳がない。うんうん。」 濱村、腕組みしながらも、「はははは。中々ね~~。」そして隣の鶴来を見て、「うそ。もぅ食べてる…???」 鶴来、その声に、「うん…???…うん。当然。」 そんな鶴来を右目を歪めながら、「か~~~。」 「久し振りに今日は、外食だからね~~。その前に下拵え。」 このふたり、実は、親戚同士。但し、他の教師たちにはシークレット。知っているのは校長と教頭のみ。 ママでいい…。 vol,061. ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」第4楽章※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.09.22
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兼高、全ての演奏が終了して、壁際で腕組みしていながらにまだ目を閉じたままでニコリと頷く。「うん。」そして壁から離れて、両手を叩いて、「OK~~~~。うんうんうん。今のまま、今のままで本番まで、モチベーションキープねぇ~~。」定期演奏会は2日後に迫っている。部員たち、楽器を片付け始めて…。崇江、「芙美花~~。」芙美花、いきなりの声に崇江を見て、「あ。はい。」崇江、ニッコリと。「緊張してる…???」その声に芙美花、困ったような顔で、「え…???…えぇ。まぁ。」その声に崇江、口を真一文字に、目を丸く、「うん。そっか。…だよね~~~。…でも、その緊張感を大事に、楽しも。頼んだよ。ソロ。」芙美花、崇江の声に、笑顔満面で、「あ。はい。」景織子、そんな芙美花に、「芙美花、わお。部長から直々に。凄~~~い。」芙美花、景織子にそんな風に言われて、何と言えば良いのか分からず、顔を傾げながらも、「あは。あははははは…???…何でだろ。私、個人に…、なんて…。あはははは。」屋舗崇江、既に、バイオリンを5歳から習っている。確かに、学業の方も…。成績は良い。特に良家のお嬢様タイプではないが、あまりにもバイオリンが秀でているために、何故かしら、「お嬢様扱い」生徒たちからはいつの間にか…、「高嶺の花」的存在になっていたのであった。そして…。遂に、その日が。定期演奏会場にはぞろぞろと…。耀司の車で会場入りした3人。耀司、「かかかか。さすがに混んでる~~。」汐梨も、目を真ん丸にして、「うんうんうん。」麻沙美は母の手を握ったままで母と叔父を見交わしながらも、「お姉ちゃん、何処~~???」耀司、「はははは。今日は遠くから見守りになっちゃうな~~。」その声に麻沙美、「ふ~~ん~~。」汐梨、目をキョロキョロと、「眞鍋さんたちは…???」耀司も周囲を見渡して、「あん。着いたら電話するって言ってたから。…もしかして…。時間ギリギリかな…???…って言うか、座席の指定はないから、早めに入っちゃおう。じゃないと良い席。」汐梨、耀司を見て、「うん。そうだね。」「眞鍋さんの席も確保して。」その声に汐梨、耀司を見て、「お~~っと~~。」そしてニコリと、「うんうんうん。そうだね。」そして…、会場への扉を開けた瞬間に耀司のスマホに。「おっと~~。」晄史からである。「あ、もしもし、高井戸です。晄史さん…???」スマホの向こう、「もしもし、あ、はい。晄史です。さっき駅に着いて、姉さんと向かってます。」耀司、その声に、「あ~~。うんうんうんうん。僕と妹と姪は先に会場の中に入ってます。席、確保してますから着いたら連絡お願いします。」「ありがとうございます。じゃ。」「は~~い。」耀司、「眞鍋さん、今、多分…、タクシー…???…こっち向かってるって。」汐梨に。汐梨、「うん。…開演まで30分、あるからね。」耀司と汐梨は会場の、「S席」の一番後ろに。麻沙美、あちらこちらを見て、母に、「広いねぇ~~。」汐梨、その声に麻沙美の頭まで顔を落として、「う~~ん。そうだね~~。」耀司、「ははははは。もしかしたら~~。麻沙美も大きくなったらこういうところでピアノ、弾くのかも、知れないね~~。」その声に麻沙美、いきなり口に両手を当てて、「やだ~~~。麻沙美、恥ずかしい~~。」汐梨に耀司、その声に、「ははははは。」「かかかかか。」耀司可笑しがりながら頷いて、「うんうんうん。確かに。恥ずかしいかも。」完璧に、「S席」は埋まっている。そして…、後ろの、「A席」も既に3分の2が…。耀司のスマホに。「は~~い。高井戸です。」「もしもし。晄史です。何処ですか…???」耀司、振り向いて扉の方を。そして、「おっと。」スマホに、「僕、今、手を振ってます。見えますか…???」晄史、「え。」睦美、「あ~~。いたいた。あそこ。」晄史、スマホに、「分かりました。はい。」晄史と睦美、耀司たちの席に。汐梨、ふたりを見て、「こんにちは~~。」にこやかにお辞儀を。麻沙美は、びっくりして、「わぁ~~~。眞鍋のお姉ちゃ~~ん。」睦美、そんな麻沙美に笑顔で、「こんにちは。麻沙美ちゃん。木守さん、お世話様です。」汐梨、にこやかに、「う~~ん。はは。」自然に晄史、姉を高井戸の隣に。そして自分は姉の隣に。晄史、高井戸に、「席、ありがとうございます。良い席ですよね。」耀司も、ニッコリと。「えぇ。」開演、10分前。晄史、チラリと後ろを。「うわ。満席。」耀司も汐梨も、そして睦美も、後ろをチラリと。「わお。」「ほんとだ。」「凄~~い。」そして…。博楼高校吹奏楽部。観客席から次から次へと拍手。汐梨、耀司に、「緊張して来た~~。」耀司も、「うんうんうん。」 ママでいい…。 vol,060. 「今のままで本番まで、モチベーションキープねぇ~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.09.21
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その翌日、「へっ…???」汐梨、「じゃあ~~。眞鍋さんも芙美花たちの定期演奏会。」耀司、顔をコクリと。「うん。何とも偶然。…と、言うか…。まっ。これはある意味、インスピレーションか、賭けだね。弟さん、全く知らずに博楼のポスターにね~~。」汐梨、「ふ~~ん。あ。兄さん、うんうんうん。何とか、出来たね~~。…って、言うか、かかかかか。時間、掛かり過ぎ~~。」耀司、「…って言うか…。思ったより、めんどく。」「スト~~ップ。…めんどくさいなんて言えないでしょう~~。これが、家事なんだから~~。」「はいはい。」耀司の家事特訓は…、まだまだ。麻沙美はさっきまでルンバの後をのそりのそりとしていたのが、今ではバセットの体に背中から凭れて絵本を見ている。汐梨、そんな麻沙美を見て、「はははは。麻沙美、気持ち良さそう~~。バセット、偉い。」そして、「いいなぁ~~。こんなおとなしい、しかも、怪しい奴には徹底して吠え捲る中型犬。とにかく、賢いもんね~~。」耀司、「ははははは。物凄い忠実。しっかりと、犬が出来てます。」汐梨、その声に可笑しがりながら、「くくくく。うんうんうん。確かに。」博楼高校吹奏楽部、第1部。2部、そして3部までの練習を通して、今は、アンコール曲。いつの間にか、音楽室の廊下には生徒やら教師やら。吹奏楽部の演奏に聞き入っている。…そして…。いつも通りに…。この時間帯には必ずと言って通っている2人の人物。学校長の舘脇と教頭の季久美である。季久美、「兼高先生、アンコール曲にこの曲、持って来たんですね~~。ふふふふ。さすが。屋舗さんには花道。…とにかく、素敵で奇麗な曲です。うんうんうん。確かに。最後の最後。屋舗さんには取って置き。」「ロンドンデリー・エア。…特に、ダニー・ボーイと言うタイトルも有名ですけど。素晴らしい曲ですよね。アイルランド民謡。」季久美、舘脇に、「さすがは校長、知ってますね~~。」ニッコリ。そして舘脇、また、左の手を自分の左肩くらいまでそして左手親指と人差し指で隙間を作って、「ちょっとだけね。」その仕草に季久美、ニッコリと。遠目でそんなふたりを見ている生徒たち、「ねね。校長と教頭、もしかして…、出来てない…???…校長なんかカッコよくって、教頭先生の奇麗の何の。」そんな声に別の生徒。「うんうんうん。私もそう思ってる~~。渋さ満点の校長と美人の教頭先生~~。」いきなり後ろから、「そ~~んな風にも、見えるよね~~。」その声に生徒たち、いきなり、「びっくりした~~。」「…って言うかさ~~。」体育教師の濱村謙三(はまむらけんぞう)。「校長、お孫さん、いるから。」「そして~~。」社会科の鶴来彩夢(つるぎあやめ)。「美人教頭で有名な季久美教頭も~~。ひとりの可愛い小学生のお嬢ちゃん、いるから~~。」ポッチャリの体系にしっかりとワンピース。生徒たち、顔を見せ合い、「うそ。うそうそうそ。みんな、校長と教頭、出来てるって、専らの噂~~。」その声に濱村、「マジ…???」の、声とは真逆に、鶴来、「あら、嬉しい~~。教頭先生に知らせあげる~~。喜ぶわよきっと~~。」ニコニコ。濱村、そんな鶴来の声に、「鶴来先生。マジっすか、それ。教頭に怒られるでしょう~~。」鶴来、澄んだ顔して、右手を振って、「な~~に言ってんのよ~~。そんな…、おふたりとも、出来ているんですか~~???…な~~んて恐る恐る聞いてみな。それよりニッコリと、生徒たちが噂してましたよ~~。校長と教頭先生、出来てるみたいで素敵~~って。その方が、光栄にて。って、感謝されるわよ~~。影でコソコソやってる訳じゃないもの~~。堂々と、ふたり、いつも一緒。職員室でも、ナイスコンビって、言われてるんだから~~。」生徒たち、「えっ…???…ほんとですか…???」鶴来、諭すように、「えぇ、ほんとよ。」そして舘脇と季久美を見て、「だから~~。私たち教師もあのふたりは羨ましいって。息、ピッタリだも~~ん。お互いに、支え合っているって、感じる。」濱村、「まぁねぇ~~。校長と教頭の悪口、言う教師なんて、いませんからね。」その声に生徒たちも、ニコニコと、「うんうんうん。」崇江のバイオリンが終わった。生徒たち、小さな拍手を。「わぁ~~~~。」鶴来、「…けど、凄いよね~~。小学生からバイオリン習って~~。中学、高校と、バイオリンの為の高校選び。そして、今や、推薦も決まってる。」生徒たち、「うんうんうん。」「崇江先輩のバイオリン、もっと聞きた~~い。」「まぁ。」鶴来、「学校じゃ~~。今度の定期演奏会…、までの部活の練習。…あと、ちょっとだけど。それで彼女のバイオリンは、見納めかしらね~~。」 ママでいい…。 vol,059. 「兼高先生、アンコール曲にこの曲、持って来たんですね~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.09.20
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その声にまた3人が…、沈黙。…けれども晄史、「あ。高井戸さん。また聞いても良いですか…???」耀司、晄史に、「えぇ。どうぞ。」「娘さんの…、その…。高校って…。」睦美、晄史に、「あん、もぅ~~。晄史、また~~。」耀司、睦美に、「あ、いえ。」そして晄史を見て…。けれども、意地悪そうに、「あ。…でも、言っても多分、分かんないと思いますけど、博楼高校です。」晄史、空を見ながら、目をパチクリと、「博楼…高校…。」そう言ってすぐさま、「わっ!!!…えっ…???」ビックリとした顔をして。誓、いきなり、晄史を見て、「どうしたの…???」睦美も目を見開いて晄史を。晄史、高井戸に、「えっ…???…博楼高校。」高井戸、いきなりの晄史の表情に目をパチクリと、思わずの同様、「え…、え…、え~~、は、はい。」「ちょ。ちょっ。」左手を前に。その仕草に睦美も、誓も、「うん…???」耀司、思わず口を噤んで目を見開いて。晄史、ズボンのポケットからスマホを。そして…、画像を。高井戸の前に。「こ、これです。」思わず耀司、画面を見て、「えっ…???」そして、「あ~~。あ~~。うんうんうん。そぅ。それです。」その声に晄史、ニッコリと。そして画面を見て、「はははは。」誓も睦美も、「…って、何…???」晄史のスマホに。晄史、ふたりに、「うん。これ。」ふたり、共に、晄史のスマホの画像を覗き込む。睦美、「これ、何て読むの…???」誓、「博楼…高校、定期演奏会。」睦美、「はくろう…???」誓を見て、「え…???…じゃあ…、高井戸さんの…。」誓、「あっ。」晄史、画像を見て、「そうか。そうだったんだ~~。」誓、晄史のスマホの画像を見て、「…って、言うか~~。このポスター、どっかで見たような…。」晄史、誓に、「会社に貼ってあるよ。」「会社に…???」「うん。最初は特に。…でも、広報の久坂(くさか)さんが、説明しながら貼ってたんだ。それ聞きながらに僕も聞いてみたいってなって思わず。」スマホを持って、「撮っちゃった。まだ、チケット、申し込みはしてないんだけど…。仕事で出来なかったし。」耀司、「へぇ~~。ダイナムズの会社に、博楼の定期演奏会の~~。」晄史、「えぇ~~。」そして、「広報の人、言ってました。博楼高校、かなりのレベルだって。」耀司、その声にニッコリと。「うんうん。」晄史、高井戸に、「当然、高井戸さんはこの、チケット。」スマホを持って。耀司、「え、えぇ~~。ポスターは見た事ないんですけど、直接学校側に。僕と妹と姪の分を。妹の旦那は、ん~~。どうなるか分かんないから、予め、パスって事で。」晄史、「うんうんうん。」そして、予めQRコードからアクセスした、「あ、あった。これだ。え…???…残り僅か…。わお。んじゃ、3枚っと。」睦美、誓、「うんうんうん。」すると晄史、「わっ。うそうそ。…じゃあ~~。2…???」すると、画面には、「購入手続き」。「NICE。」画面を見ながらの睦美と誓、「うんうんうん。」誓、「…けど…、2枚かぁ~~。ふ~~ん。」耀司、黙って3人を見ている。誓、睦美と晄史を見て、「お義姉さん、晄史と、行って来て。」すぐさま晄史と睦美、誓を見て。晄史、スマホで手続き中。睦美、遠慮がちに、左手を振って、「いえいえいえ。誓こそ、ふたりで行って来て。」すると誓、「う~~ん。行きたいって言うのは本音。…何だけど~~。ほら。今日みたいに、宣伝の仕事って、いつどうなるか。早い時は早いけど、滅茶苦茶忙しい時は9時10時にもなっちゃう。お義姉さんの場合、それもないし。事務の仕事だから。」その声に睦美、「あん。それはまぁ…。そうだけど~~。」晄史、「わお。かかかかかか。」その声に耀司、そして睦美も誓も、「うん…???」誓、「晄史…???」晄史、高井戸に画面を。そしてニッコリと、「完売しました。」耀司、画面と声に、「おぅ~~~。」睦美、誓、「わお。」「凄~~い。」晄史、睦美に、そして誓に画面を。ふたり共に、「うんうんうん。」晄史、「いや~~。ビックリ~~。」耀司、そんな晄史に、顔を傾げて、「うん…???」睦美も誓も、「うん…???」「まさか、高井戸さんの娘さんが博楼高校。」睦美、「あ~~。うんうんうん。」「しかも。今、これやってて。」スマホを3人に。「最初、3枚で注文したら、前に進まなかったんです。うそっ。…っ思って、もしかして2枚ならって思って2枚。…そしたら購入手続きにって。」耀司、「…と、言う事は、残り、2枚。」睦美も、「うんうんうん。」誓、「凄いよね。空席なし。」耀司、「まぁ。当日、何かしら、急用で聴きに来れなくなったって、人もいるかも、知れないけど…。いやいやいや。…それにしても…。……。…そう言えば…。」耀司、思い出すように、「去年は…。」顔を傾げて。「うん…???」目をキョロキョロと。…けれども、「ん~~。ダメだ。まっ。確かに、お客さんはいたよな。博楼高校、吹奏楽部定期演奏会。」 ママでいい…。 vol,058. 「娘さんの…、その…。高校って…。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.09.19
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晄史、「えっ…???…って事は、妹さん、これからもずっと、高井戸さんの家で家事…???」その声に耀司、「あ。いや…。そういう~~。」顔を傾げて。口をへの字にして…、「…と、言うか~~。実は…、妹が僕の家に来て、家事をする…、には~~。もうひとつ、理由があって~~。」3人、共に、「理由…???」耀司、3人をそれぞれ見ながら、「まぁね。娘は日中学校。僕は日中自宅。」3人共に、「ふむふむ。」「…で、妹が来て、家事。…どう思います…???」晄史、「あ、いや…。」顔を傾げて、「どう思いますって…、言われても~~。」睦美、眉間に皺を、「うん…???」誓も、「うん…???」耀司、「普通なら~~。父親も娘も家にはいない。ふたりともに~~。学校と、会社。」晄史、「うんうん。はいはい。」耀司、「ですよね。」誓、「うん。分かります。」「それが~~。娘が学校、で、父親の僕は~~。会社じゃなく~~。朝から晩まで家にいる。」いきなり睦美、「あ~~。分かった。あなた、家で何をしているの…???」耀司、頷いて睦美に指を。「ビンゴ。正解です。まま。会社に行ってて~~。家事は無理。で、あるならば話は分かる。…けど~~。そんな、あなた、朝から晩まで家にいるのに家事も出来ないってどういう事…???」睦美、小さく、「ぷっ。」晄史も、「かかかかか。な~~るほど~~。」耀司、「幾ら兄の家。と、言っても、自分の家もあるんだから、自分の家の家事をしっかりとやって、その上で高井戸家の家事。なら、兄さんに家事、教えるわよって。」誓、両手をパン。「あっ。そぅいう事~~。うんうんうん。まっ。確かに。」「だから~~。…娘にも、いつまでも家事を覚えられないおとうさんじゃ~。」晄史、「ないよね~~。…みたいな…???」耀司、今度は晄史に指を。「ビンゴです。」誓、「な~~んか、凄いよね~~。」その声に睦美も、「うんうんうん。」誓、3人を見て、「普通ならさ~~。在宅ワークであろうとも~~。結構男性って~~。家事ほったらかしで妻や娘って。」瞬間、高井戸を見て、「あ。ごめんなさい。」すかさず耀司、両手をヒラヒラと。「あ、いいえ~~。…と、言うか…。僕の場合は、やっても怒られるんですけど。…で、とどのつまりが、今、妹が家に来て、僕の仕事の捗り具合を見計らって~~の~~。家事教育。」いきなり睦美、「凄~~い。」音の出ない拍手。晄史も、「うんうん。」耀司、睦美を見て、「あ、いや…。凄い…っ、レベルじゃ。」面映ゆく、「…って、言うか、ほん~~とに、僕、家事。」右手を振って、「全くです。全然です。まぁ…、どっちかって言うと、電気や、機械弄り。…そっちの方は…、得意なんですけどね~~。」晄史、口を大きく、「へぇ~~~。…じゃあ、僕とは全く、正反対。」誓、笑いながら、「晄史は、そっち系はね~~。すぐに修理に出しちゃう。」「…って言うか、壊しちゃ元も子もないから。」耀司、「まっ。今はとにかく、妹が家に来て家事、やっちゃってます。…でぇ~~。」いきなり耀司、微笑みながらも口をへの字にして、頭を撫でながら、「妹に怒られながらの家事の特訓。…でぇ~~。…中々どうして、今、娘の方も、学校の事で忙しいらしく、遅く、帰って来てますから。」誓、「えっ…???…学校の事で忙しいって…。」すぐさま、「あ、あ~~。もしかして、部活~~???」その声に耀司、「えぇ。」睦美、「娘さんは…、部活、何を…???」耀司、睦美を見てすぐさま、「吹奏楽です。近く、定期演奏会があって、その練習にもぅ~~。」睦美、口を窄めてそして、「へぇ~~~。部活で吹奏楽~~。定期演奏会。じゃあ~~。大変ですね~~。」「えぇ~~。かかかか。修学旅行に行ったと思えば、今度は定期演奏会が待っている。」耀司。「まっ。でも。自分が好きで、この高校に入って。…で、念願の吹奏楽に入ったんですから。」そこで耀司、僅かに頭を傾げて、「ん~~???…念願って言うのは、ちょっと違うかな…。とも、思うんですけど。小学の頃からクラリネットを吹いてて。」睦美、その声にニッコリと。「まぁ。」晄史も笑顔で、「凄いですね~~。」誓、「いやいやいや。娘さん、やりますね。」耀司、口を真一文字にして得意気に、「妻がバイオリン弾く人だったんです。」いきなり晄史、「わ~~お。」睦美も、「はは。凄い~~。」誓、頭を左右に、「いやいや。」「だから…。娘と一緒に、バイオリンとクラリネットの二重奏が、ふたりの夢みたいな。」3人共に頷いて、「うんうんうん。」「だから…。パンデミックが落ち着いて~~。何とか…普通通りに…。でぇ~~。娘が高1の時の定期演奏会での。ホールで聴きながらに、凄い、凄いって。涙流して喜んでました。…あれが、最期だったですね~~。」 ママでいい…。 vol,057. 「あなた、家で何をしているの…???」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.09.18
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耀司、晄史に、「カミさん。妻ですけど。…乳癌だったんです。」3人揃って、「乳癌。」誓、「あ、でも、看護師なら、自分が乳癌ってすぐに。」耀司、その声に誓を見て、「そぅ…。思いますよね。…けど…。」「けど…。」また3人揃って。「既に遅し。」睦美、高井戸を見て、「えっ…???」「多分、体の異変を感じたのは、パンデミック。」晄史、「コロナですか。」耀司、頷いて、「えぇ。外出自粛は当然ながらも、けれども感染者は病院にとにかく担ぎ込まれ、そして…、雪崩れ込んでいる。逼迫状態です。平常時の…そんな状態ではない。ただでさえ看護師不足、医師不足。労働環境は右肩下がり。そんな中での医療です。医療従事者が必死で…。中には倒れ込む看護師も…。それでも状況は一向に改善へとは…。体の異変。それに気付きながらも、目の前の状況。」晄史、思わず、「う~~わ~~。」耀司、続ける。「僕らがテレビの報道で見る以上に、現場は相当なダメージだったと…。当然、家に帰りたいけど、家にも帰れない。」誓、「わ~~~。」「仮に、家に帰って来たとしても、泥のように眠る。…そして、目覚めれば、また病院に。」目を落としての耀司。「僕ら…。娘も…、何も言えなかったんです。ただ、娘は、僕が家にいてくれるから。」睦美、「うんうん。」「けど…。」耀司。「妻に、出掛ける際に、おま…、大丈夫か…???…何だか、物凄い。」耀司、目を落として、そして目を上げて…。「…で、帰ってくる言葉は。大丈夫な訳ないでしょ。見て分かるでしょ。…誰から見ても、疲労困憊にしている容貌。…でも行かなきゃ。目の前で死んでいく人間がいる。…しかも…。それが毎日。…それでも、それと同じ建物の下で、生きようともがいている。精一杯、助けてって、押し出すような声で訴えてる人もいる。しかも、毎日毎日、感染者は運ばれてくる。病室だけでは足りずに、通路や空いている部屋で。当然、コロナ以外の患者をね。感染すれば、そこでシャットアウト。当然、逼迫状態で受け入れられる患者も数が限られている。それでも可能な限り。…それでも…。土台…、キャパオーバー状態。ベッドが空けば、すぐさま。医師も看護師もてんてこ舞い。これ以上、どうすりゃ。…泣きながら。…そして、妻は出て行くんです。」3人を見て、「何も、言えませんよね~~~。」耀司の声に静まり返る3人。「妹も心配して…。それでも…。やんなきゃなんない。ごめんね心配掛けてって。…で、何とか感染者の数も…。…これでようやく…。…そんな時でした。いきなり妻が倒れたと。僕は自宅から。そして、娘は学校から。」睦美、晄史、誓、高井戸を見つめながらも、「……。」「病院に駆け込んだ時には…。医師から言われました。乳癌ステージⅣ。」3人共に、口の中の物を飲み込む。耀司、笑いながら、「全く、想像付きませんでした。そんな気配、妻からは何も…。娘だって、まっ。確かに、病院の仕事で、家にはあまり帰って来れない。仕事だからって。…だから、病院から癌だって聞いた途端に僕に泣きついて…。医師の話しでは、まさか…、ここまで…。他の看護師たちも全く気付かなかったそうです。気丈の高い人でしたからって。全く、そんな気配は微塵も。師長も、だから、祐里ちゃんだから任せられたって。去年の5月です。病院の医師たち、そして看護師たちから見守られて…。みんな、泣いてくれて…。」耀司、3人を見て、「…と、まぁ~~。そんな訳で。今、僕の家には、娘と僕だけの2人だけ。」あっけらかんとして。耀司、クスクスと笑いながらも、鼻先を右人差し指で掻きながら、「あ。ごめんなさい。僕、話過ぎましたね。ははは。」晄史、「あ。え。えぇ~~。と~~。…何か、凄い話で…。」誓、「そっか~~。そうだったんだ~~。奥様、乳癌で~~。」耀司、誓にコクリと、「はい。…でぇ~~。妻が亡くなっってからは~~、もぅ…、家事全般、娘がって。ま。子供の頃から家事は慣れてましたからね~~。全部、妻の真似で。」晄史、「…で、娘さん、今は高校。」「はい。2年生です。」耀司、両手を前に、「でぇ~~。そんな…、家事の出来ない僕だから~~。妹が心配して、家事をしていて、学業も、友達との交流もままならないなんてナンセンス。私が高井戸の家の家事、手伝うって。まっ。妹の旦那も、会社、出張続きで、家にはいない日が多い。」晄史、「妹さんの旦那様って…。」耀司、「旅行会社です。」「あ。な~~るほど~~。添乗~~。」「なんでしょうね~~。きっと。」誓、「それで…、妹さんが、高井戸さんの~~。」耀司、誓に、「えぇ。」 ママでいい…。 vol,055. 「カミさん。妻ですけど。…乳癌だったんです。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.09.17
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そんな高井戸の声に睦美、すぐさま、「ぬかり…???」誓、義姉に、「あん。油断や失敗のないようにって。意味。」睦美も晄史も、「あぁ。」「なるほど。」そして晄史、耀司にペコリと。「ごめんなさい。」顔をクシャリとさせて、「日本語、難しい。」そんな晄史に耀司、「ははははは。いえいえ。あ。でも。」誓を見て、「誓さんがいるんだもん。大丈夫ですよ。」晄史も、その声にニッコリと。「はい。だから、結構助かってます。」耀司、「うんうん。」そして、「まぁ…。要するに、妹が考えるに、このまま、娘が家事全般をやってると~~。当然、友達との交友関係も…。それに…、大学受験も…。」睦美、「あぁ。」誓、また食べながら、「うんうんうん。」晄史、「高井戸さんの娘さんは今…???…学校は…。」「高校2年生です。」誓、「そうなんだ~~。」そして僅かに考えた風に、「あっ。そっか。」空を見て、「…って事は~~。高井戸さん、今。40…???…50…???」耀司、キッパリと。「その真ん中です。」睦美、口を閉ざして。晄史、「へぇ~~~。」誓、「45歳。うんうんうん。高2の娘さんか~~。」すると誓、思わず、悪戯っぽく。「もしかして~~。娘さんの写真…なんて。」睦美、誓に、「こら~~~。」すかさず誓、義姉に舌をチロリと。耀司、ニコニコと。「はははは。構いません。」そして耀司、気さくにバッグから自分のスマホを。そしてササササと画面を。そして誓にスマホを。誓、ペコリと、「すみませ~~ん。拝見します。」そしてスマホを受け取って、すぐさま目を見開いて、「か~~わいい~~~。」途端に晄史、「うん…???」自然に睦美も腰を浮かせて。誓、晄史に、「ほら。この子~~。」耀司、ニコニコと。晄史、目を真ん丸にして、「わお。はははは。ホントだ~~。可愛い~~。はははは。」睦美、自然に晄史に体を。思わず目を高井戸に。「あ、すみません。」耀司、そんな睦美に、ニコニコと。「いいえ。」すると睦美も、朗らかな顔をして、「わあ。ホント~~。かわいい。」耀司、にこやかに、「我ながら、自慢の娘です。」ビールを一口。いきなり晄史、「えっ!!!」途端に耀司、眉間に皺を。「うん…???…どうしたんですか…???」晄史、スマホの画面を高井戸に。「こ、この人。」耀司、腰を浮かせて、「この人…???…ん…???…あぁ。ははははは。はい。私の妻です。カミさんです。亡くなった。」晄史、目をパチクリと。「えっ!!!…うそ。この人…、高井戸さんの亡くなった奥さん…???」「えぇ。」誓、「どれどれ。」睦美も。すると睦美も、「うそっ!!!」晄史、姉を見て、「へっ…???…姉さん…???」耀司、睦美を見て、「うん…???」誓、晄史の左側にベッタリと。「どんな感じの人…???」晄史、びっくりして、「う、うん。…この人。」誓、写真を見て、「へぇ~~。わぁ~~~。奇麗な人~~。」そして晄史を見て、「…ん…???…何そんなに驚いてんのよ。晄史。」晄史、「この…人…。」唇を捩じるようにして、「僕の知っている看護婦さんと、似ている~~。」誓、「看護婦さん…???」睦美、思わず口を真一文字に。そして、椅子に落ち着いて。耀司、晄史に、「看護婦さん…???」晄史、スマホの画像、その、3人一緒に写っている写真を見て、「この人…。」耀司、笑顔で、「えぇ。私のカミさん。妻は、生前、看護師でしたから。」瞬間、睦美、晄史、誓、同時に、「うそ。」「杉並に、同じ同姓同名の杉並総合病院ってあるんですけど、そこの看護師、やってたんです。」いきなり晄史、「え~~~~。そうだったんだ~~~。」耀司、そんな晄史に目をパチクリと。「うん…???…晄史さん、何か…。」晄史、思わず頭を撫でながら、「あ、あ~~。い~や~~。何と…。」そして…。高井戸にペコリと頭を。「この人が…。あ、いや…。…と、言うか…。この人。看護婦さん。」耀司、その声に、「えぇ。」晄史、高井戸を見つめて、「この人なんです。僕をダイナムズに、彼、どうよ。って、言ってくれた人。この人なんです。」睦美も誓も、晄史を見て、「えぇ~~ぇえ~~???」耀司、目を見開いて、「わお。」「ほら。」晄史、「前の会社で病気になって病院に。」耀司、その話にコクリと。「えぇ~~。えぇ~~。」晄史、顔を傾げて、「…って言うか、僕も単に、いつもお見舞いに行く程度だったから~~。病院の名前、そして看護師の名前って、そんなに記憶は…。」耀司、「あぁ。はい。この前、看護婦の名前まではって、言ってましたもんね~~。」晄史、高井戸に、「えぇ。はい。」そしてまたスマホの画像を見て、「へぇ~~。」ニッコリと。そして、顔をチョコンと傾げて、「はは。何か、懐かしい。…うん。」けれども、「そぅかぁ~~。亡くなったんだ~~。この人。」睦美、晄史を見て口を窄めて、「……。」誓、晄史を見て、「ふ~~ん~~。」 ママでいい…。 vol,054. 「我ながら、自慢の娘です。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.09.16
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その睦美の声に耀司、躊躇なく、「一年前に、亡くなりました。」すぐさま睦美も晄史も目を見開いて、「あっ。」「わっ。」瞬間、静まるその場。5秒程。睦美、申し訳なさそうに。「…ごめん、なさい。」晄史も、謝るように、「すみませんでした。」途端に耀司、顔を上げて、「あ~~~。いやいやいや。」右手を振り、「いやいやいや。そんな…、謝って…。…もらっても…。その…。困るんですけど…。」そして。「…でぇ~~。つい先だって、娘が学校で修学旅行。」睦美、スプーンで料理を。「あ~~。うんうんうん。」晄史も、「あ~~、はいはい。」そして、ビールを一口。耀司、「3泊4日の台湾旅行。」晄史、目を見開いて、「わ~~お、いいですね~~。」「なんだけど~~。」アヒルのような口をして、「僕が、家事が出来ないからって~~。娘が、旅行…。…と、言うか、カミさんが亡くなって以来、娘が家事全般で。友達とも遊ぶとかって。」睦美、「あ~~~。」何かしら、哀れみな感じで。晄史、「なるほど。」「そんなこんなで。」耀司。「…僕に、妹がいるんですよね。それが、姪っ子の母親なんだけど~~。」睦美、「あ。なるほど。」晄史、頷きながら、「はいはい。」「まっ。妹も、車で10分程度のところに旦那と住んでて。」晄史、「へぇ~~。」「妹が、娘が…。僕の娘ですけど、家事の事で悩んで旅行に行けないなんてナンセンス。…って、言い出して。」晄史、口を開けて、「わお。」「なら、私が高井戸家の家事、手伝うから旅行に行きなって。…と、言うか、その事は~~。僕の方から妹に。頼んだって感じなったんだけど~~。妹も少し考えて、結局OKしてくれたんです。」睦美も晄史も、「わ~~。」「お~~。」ふたり、顔を見ながらニコニコと。耀司、「…で、OKを貰ったら~~。んじゃ、その予行練習として、修学旅行前から家事、手伝っちゃう。その代わり~~。兄さん、麻沙美の幼稚園と音楽教室の送り迎え、お願いって。」睦美、目を真ん丸にして、「うんうんうん。」晄史、ゆっくりと顔を上下に、「そういう事~~~。な~~るほどね~~。うんうんうん。納得です。」睦美、「だからか~~。」耀司、料理を食べながら、両眉を上下に。「そんな訳で…。」睦美、口の中でもぐもぐと。そして、ようやく納得した感じになって、2度程頷いて、「うんうん。」晄史、「誓、遅いな~~。」と、玄関の方を。すると…、「いらっしゃいませ~~。」すぐさま誓の姿が。誓、右手を振って、「あははははは。」すぐさま3人のテーブルに。そして、両手を顔の前で、「ごめんなさ~~い。遅くなっちゃって~~。」耀司、そんな誓に、ニコニコと、「いえいえ。はい。お疲れ様でした。」晄史の隣に座って、「ふぅ~~。」そして晄史のビールを一口。「うん。」そしてまた、晄史のお皿から…。晄史、誓に、「はい。」スプーンを。誓、そのスプーンで晄史の料理を一口。「うん。はは。おいし。」高井戸家。バセットはリビングで自分の定位置でスヤスヤと。むやみやたらと動く事はない。これで仮に、玄関で音がすればすぐさま立ち上がり玄関に。と、言う事になる。芙美花は汐梨の作ったご飯を食べた後、汐梨と麻沙美を玄関で送ってそのまま2階の部屋に。クラリネット練習である。祐里子が芙美花にクラリネットを。と、なった時点で、芙美花の部屋を防音と決めており、それは既に中学入学と同時に決行。高井戸家は、住宅街でもある。芙美花のクラリネットの仕上がりも上々である。「ふぅ~~~。…次はっと。…ってか…。」窓の方を見て、「おとうさんは…。まだか。」誓、ピールを飲んで、頼んだ料理を食べながら、「へぇ~~ぇえ~~。高井戸さん。そういう訳か~~。」睦美も、「うんうん。」耀司、誓に、笑顔で、「そんな訳で。」誓、「奥様、1年前に…。」僅かに誓、義姉を見て。耀司、ピールを一口。「そんな訳で、今、我が家は、娘と私での、二人三脚。…で、まぁ~~。妹がいてくれて、今。」恥ずかしながらも、顔を傾げて、「まぁ…。娘の代わりに…???…家事代行…???…な~~んて言っちゃうと~~。妹に怒られますけど。」その声ににこやかに睦美も晄史も、「はははは。」耀司、「まっ。…とどのつまりは、僕の妹が…。」そこまで言って、左に顔を傾げて、「な~~にを思ったのか、娘が修学旅行から帰って来て、そしたら。」睦美、「そしたら。」晄史も、「うんうん。」誓、食べながら高井戸を見て、「……???」「いきなり。」耀司。「妹から、私、今度はから高井戸家の家事、やっちゃうわ。って。」睦美、「わお。」晄史、「はは。凄~~い。…って言うか、妹さんの家は…???」「はは。」耀司。「いや。その辺は、自分で言った手前。ぬかりはないかと。」 ママでいい…。 vol,053. 「家事の事で悩んで旅行に行けないなんてナンセンス。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.09.15
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晄史、「あ。高井戸さん。」耀司、「あ。はい。」「ちょっと、失礼な質問、していいでしょうか。」「失礼な質問…???…果て、なんでしょうか。」ニコニコと。睦美も晄史に目をパチクリとさせて、「うん…???」晄史、高井戸に、「電話で、高井戸さん、さて。…それは、どうしてでしょう~~。って、言ってましたけど…。幾ら考えても、答えが分からないんです。」耀司、思わず、「えっ…???」「ほら。姪御さんを連れて高井戸さんの家に帰る。…けど、姪御さんのおかあさんも高井戸さんの家にいる。…だったら、どうして姪御さんのおかあさん、姪御さんのお迎えに…???…と、思って。」瞬間、耀司、素早い瞬き。「あ、あ~~。あはははははは。確かに~~。」すると睦美も高井戸を見て、「あ。うんうんうん。」そして晄史を見て、「晄史がそう言うんだったら、確かに。麻沙美ちゃんのおかあさん…。」また高井戸を見て、「…と、言う事は…。」顔を傾げて、「うん…???」耀司、その話を聞いて、思わず面映ゆくなって、「かかかかか。」そして、右手で頭を撫でて、「あは。はははははは。はは。いやいやいや。ん~~。…確かに。」僅かに右目を歪ませて、顔を下に。ふたりを覗くように…、「気になり。」睦美を見て、晄史を見て、「…ますよね~~。」睦美も晄史も唇を窄めて。耀司、今度は顔を上げて、「あははははは。」そして…。「…ん、まぁ~~。…何と言いましょうか~~。」耀司、思わず額に左手を。「ははははは。…え…と~~。…実は…ですねぇ~~。」晄史、すぐさま、両手の平を前に、「あ。すみません。気に障るような事、言ったのなら、謝ります。すみませんでした。」高井戸にペコリと。耀司、そんな晄史に、「あ、いいえ。」こちらも右手をヒラヒラと。「全然、全然。そんな事は。かかかかか。…ん~~。…と、言うか。…実は僕、一切、家事、出来ないんです。」その声に睦美も晄史も、目をパチクリとさせて、「はっ…???」耀司、「かかかかか。ははは。可笑しいでしょ。変でしょ。大の大人が。今時の大の男がですよ。家事が一切出来ない。」そして、悪戯っぽくふたりを見て、「変です。…よね。」すると、すぐさま睦美、キョトンとして、「あ、いえ…。」晄史も、顔を素早く右左に振りながら、そして右手も振りながら、「いやいや。全然。…まぁ~~。男の人は外で仕事、だから~~。家事は別に、女性が…、って~~。」そこまで言って晄史、右目を歪ませて、「…と。…こういう事を言うと、誓は怒るけど。へへへへ。」瞬間、睦美、「ぷっ。」耀司、「晄史さんは、その…、家の事。」「あ、あ~~~。え~~。うんうんうん。まっ。ある程度の事は。まっ。誓とも結婚するときは、可能な限りには家事も育児も協力して…。…と、言うより、僕の場合、母もいますから。」耀司、「あ、な~~るほど~~。じゃあ~~。…ま、でも、誓さんもいるし。」「え、え~~。ま。…でも、一通りの家事は…。」その話に耀司。ウェイトレスが料理を…。「お待たせしました。」晄史、「わお。美味しそう~~。」睦美も、「うんうんうん。」耀司、「いいっすね~~。」晄史、「…では、頂きましょう。」睦美も耀司も、「うん。はい。」そして、「いただきます。」それぞれ、一口食べて、「うん。」睦美、高井戸と晄史を見て、「美味しい~~。」耀司、ニッコリと、「ですね。」晄史も、「うんうん。旨い。」耀司、食べながら、「僕、家事、一切、ダメなんです。さっきも言いましたけど。一切出来ないんです。」顔を傾げて、「仮に。…やったとしても、滅茶滅茶で、単に怒られるって…。」睦美、高井戸を見て、「掃除も…???…洗濯も…???」耀司、キッパリと。「ダメです。怒られます。掃除は、どこを掃除したのか分からないって。…で、洗濯は、みんなごっちゃまぜ。」顔を傾げて、「…って、言うか、要領が…。悪いのか、どうか。…ま。カミさんと結婚するときは、僕、ハッキリ言いました。僕は家事、一切ダメです。出来ません。そうしたら、カミさん、あなたは家事しなくていい。私がやるから。仕事だけお願いって。…で、全く家事は…。」睦美、唇を口の中に、そして頷いて、「そぅだったんだ~~。」晄史、「へぇ~~~。…あ。でも、どうして…???…姪御さんのおかあさんが…???」耀司、「かかかかか。何ともお恥ずかしい話なんですが。…今、ウチの家事、と、言うか、最近まで、娘が全部。」睦美、「娘さん…???」晄史を見て。晄史、「わお。何と、娘さんが家事…???ん~~???」眉間に皺を。そして…、顔を傾げて、「…もしかして…。」耀司、またまた面映ゆくなり、頭を撫でて、「え、え~~。はは。まぁ…。」睦美、目をパチクリと。「えっ…???…じゃあ…、高井戸さん、奥様は…???」 ママでいい…。 vol,052. 「…実は僕、一切、家事、出来ないんです。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.09.14
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耀司、晄史の声に店の雰囲気も感じてニッコリと、「うんうんうん。」そして…、睦美見て、晄史を見て、「あの。誓さんは…???」睦美、「仕事で、遅れるみたいです。」耀司、すぐさま、「あ、あ~~。はは。なるほど。」晄史、高井戸に手を。「どうぞ。座ってください。」耀司、「あ、あ~~うんうん。」晄史、ニコニコしながらも、「この前はどうもすみませんでした。」その声に耀司、顔を小刻みに左右に、目をパチクリとさせて、「え…???…はっ…???」「初めて会って、そしていきなり友達になって下さいなんて。しかも、次の日にはいきなり電話で。」すぐさま耀司、笑顔で、「あ~~~、はははは。いえいえ。」右手をヒラヒラと。「いいんですよ~~。…ただ…、ちょっと、ビックリはしましたけど。」睦美、その声に晄史に、「ほら、ごらん。迷惑よ。」耀司、睦美に、「あ、いいえ。迷惑だなんて…。はは。…ただ、同じ日本人でも初めて会って、そして次の日にいきなり電話なんて、あんまり…、経験がないんで。」晄史、高井戸に申し訳ないような顔をして、「すみませんでした。申し訳ありません。」そんな晄史に耀司、可笑しがりながら、「いえいえ。全然。…って言うか、僕の方こそ、何だか、新しい友達が出来たみたいで。…逆に嬉しいんですけど。」ニコニコと。その声に晄史、「えっ…???…ほんとですか…???」「えぇ~~。ほんとです。なんだか、物凄い新鮮な感じ、するんですよ。まぁ~~。確かに。日本人の友達は、いますけど…。今じゃ、みんな…、僕らの年齢になっちゃうと勤め人。しかも…、以前は仕事の帰りに飲んで帰る…、なんて。」晄史、「あ~~。はいはい。」「…ん~~。…けど…。コロナで外出自粛。会社も在宅ワークに切り替えて。」そこまで言って耀司、「あ。かかかかか。電話でも晄史さんに、この事は、話しましたよね~~。」晄史、ニコリと、「えぇ。はい。」「…で、在宅ワークになると…。今度は、はははは。可笑しな話。食事が家庭の食事になる。」「うんうん。」睦美は黙って聞いている。「そうなると~~。別に、外で食事する必要がなくなってくる。」晄史、「あっ。」「つまりは、外食代が浮く。」睦美、その話に2度程頷く。晄史も、「ですよね~~。」「…と、言うか。…つまりは、外出出来ないんで結局は家で食事する以外に方法がない。…と、なると~~。…確かに。今迄、外で飲むのが一般だった殿方が~~。今度は家で食事をする。」晄史、口を窄めて。「まま。確かに、ご家庭の奥様方は食事の料理、大変だろうけど~~。たかが、一人分…???…それこそ、家の大黒柱たる男性が家にいて仕事してくれる方は。…しかも。それでも給料は入る。」睦美、「確かに。」耀司、「そういう意味でも…、今、コロナが5類になって、また今迄と同じように。…けどね~~。まま。会社に出勤しないと出来ない企業だってあります。まっ。ウチも、定期的に出社してますから。でも、話を聞いていると、中々どうして、逆に家から出れない。…と、言う話もチラホラ。家から出る理由がないんですもん。まっ。気晴らしに~~、って、言うのが殆ど。」睦美、高井戸に、「だから…。高井戸さん、音楽教室に、日中。…と言っても、夕方前ですけど…。事務局のみんなが、どうして、この時間に…???…って、不思議な…。」耀司、途端に、「あははははは。うんうんうん。…ですよね~~。」睦美、そして、「そぅか。そういう事~~。」口を真一文字に、そして、顔をコクリと。「納得です。」晄史、ニコニコと、「さて。今日は何にします…???」ウェイトレスがテーブルに。そして…。それぞれがオーダーを。耀司、ニコニコと。晄史に、「日韓の、何でしたっけ、この前の…。」晄史、「あ~~。えぇ。日韓合同ユニット。結成して、2年経ちます。もぅ、あっと言う間ですね~~。順調~、順調~~。」耀司、「へぇ~~。凄いな~~。」「これも…。…あの時、あの看護婦さんから、彼なんてどう…???…って、薦められたお蔭です。名前、もぅ、忘れちゃいましたけど。奇麗な看護婦さんでした。」「へぇ~~~ぇえ~。」睦美、「お蔭で、まさか、日本に住んでて、韓国にも行けるなんて…。思ってもなかったですから。ねっ。」そんな姉に晄史、ニコニコと、「うんうん。」ウェイトレスがトレイにドリンクを。そして、3人、「乾杯~~ぃ。」一口飲んで、それぞれが、「うん。旨。」「うんうん。いいですね~~。」「おいしい~~。」晄史のスマホにライン。「おや。…はいはい。誓、あと30分だそうです。」耀司、「仕事、忙しいみたいですね~~。」睦美、「宣伝はね~~。情報発信、大変だから~~。商品の魅力とサービス。」耀司、睦美の声に頷いて、「うんうん。」 ママでいい…。 vol,051. 「この前はどうもすみませんでした。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.09.13
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仕事中の睦美、晄史からのラインを見てビックリ。「えっ…???…今度の金曜日。高井戸さんを誘ったからまた食事しよう…って…。…もぅ~~。何考えてんのよ、ジュノ~~。…イヘハル ス オプタ。」そして、すぐさま記憶が…。昨日の駅の通路での…。「…友達にって…。…でも…、こんなに早く…。昨日の今日で…。」そして…。バッグから高井戸の名刺を出して見て、「高井戸…耀司。株式会社ウェルストン勤務。Webデザイナー・ディレクター。…でも、高井戸さんに、迷惑でしょ。」そして…、睦美、帰宅して晄史の帰りを待って、「もぅ~~。どういう事なのよ~~。今度の金曜日に高井戸さんを誘ったから食事って~~。」玄関まで。いきなりの声に晄史、ビックリして、「え…???…えぇぇぇぇぇ…???」晄史、廊下を。後ろから着いて来る姉を振り返り見ながら、「あ。えぇぇぇぇ…???」睦美、「昨日の今日で、高井戸さんにも迷惑でしょう。」晄史、凄い剣幕で来る姉に、「あ、いや…。…って。姉さん、どうして、そんなに怒って…???」睦美、「怒ってるって…。言うんじゃなくって、あまりに失礼でしょって~~。そんな~~。家庭もある人~~。」その声に晄史、「いやいやいや。」暁美、キッチンで、「どうしたの~~。」ふたりを見て。「睦実、帰ってきてから別に、いつもと変わんないのに、晄史が帰ってすぐに玄関に~~。」睦美、「いや、だ~~って~~。」白いTシャツの上にハイウエストタックデニムパンツにオレンジのもふもふカーディガン。フィッシュボーンの髪は解いてある。パンツのポケットからスマホを。そしてラインの画面。晄史と母に、「はい。これ。もぅ~~。何考えてんだか~~。昨日の今日で、相手にも迷惑でしょう~~。」画面を見る暁美、「今度の金曜日。高井戸さんを誘ったからまた食事しよう。」晄史を見て、「あら。」晄史、既に椅子に座ってコーヒーを飲んでいる姉に、「いや。別にいいでしょ。高井戸さんも快く、いいですよって。」瞬間、暁美も睦美も、晄史を見て、「うそ。」晄史、姉を見て、母を見て、「いやいやいや。ホント。うん。電話も歓迎だって。僕が電話した時は、姪御さんと家に帰るところ。」睦美、「姪御さん…???…あぁ。麻沙美ちゃん。」「うん。だと思う。」「…と、言うか、教室に来たから、高井戸さん。」「あん。じゃあ~~。そうだ。」そして晄史、「高井戸さん、今、仕事は家でやっているんだって。」睦美、暁美、同時に、「家で。」晄史頷く、「うん。ほら。コロナで外出自粛になったでしょ。」またまた睦美と暁美、「うんうん。」「それで、高井戸さんの会社がリモートワークに切り替えたんだって。」「へぇ~~~~。」ふたり同時に。睦美、「あ。そっか~~~。…でぇ~~。あの時間、麻沙美ちゃん、教室に~~。高井戸さん、来れる~~。」晄史、「しかも、ヨシカワと高井戸さんの家、近いみたい。歩いて20分だって。」いきなり睦美、「近っ!!!」晄史、キョトンとして、「ふん。」けれども睦美、「あ。いや…。…でも、何で…???」その声に晄史、「うん…???」睦美、目をキョロキョロとさせながら、「どうして、麻沙美ちゃんを連れて自分の家…???」「あん。」晄史、「姪御さんのおかあさんがぁ~~。高井戸さんの家にいるんだって。」「じゃあ~~。おかあさんが教室に来るのが普通でしょう~~。」晄史、口を尖らせて、「ん~~~。僕も、おかしいな。とは思ったんだけど~~。高井戸さん本人が、可笑しそうに笑いながら、さて、どうしてでしょう~~って。」すぐさま睦美、「さて、どうしてでしょう~~お~~???」晄史、姉に、顔を傾げて、「ふん。」睦美、口を窄めて…。「う~~ん…。…分からない。」汐梨、帰って来た芙美花に、「芙美花~~。食事に行くの、どうする~~???」芙美花、「う~~ん。まだ、ちょっと、無理かも~~~。定期演奏会~~。」「かかかか。確かに。再来週の頭。」「う~~ん。まま、本番さながらの練習なんだわ。だから、結構、今、ハード。」汐梨、そんな芙美花を見て、「うんうんうん。定期演奏会終わったら、しっかりとおばちゃん、食事でご褒美するから。」「ほんと。嬉しい~~。」汐梨に抱き着いて、「おばちゃん、大好き~~。」芙美花の頭を撫でて汐梨、「うんうん。」ドアを開けて耀司。店の中から、「いらっしゃいませ~~。」その声に堪えるに耀司、会釈をしながら…。そして…。店内を見て、「あ。ははははは。」そして、脚を進める。ついこの前、出会ったばかりの2人の顔。耀司、ふたりに、「こんにちは~~。」ふたりの席に。そして店を眺めながら、「ははははは。この店~~。うんうんうん。」晄史、高井戸に、「こんにちは。えぇ。敢えて、お店、探すより、この前、ここの、美味しかったから。」 ママでいい…。 vol,050. バッグから高井戸の名刺を出して見て…。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.09.12
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崇江、目をパチクリとさせて、「いや。そりゃそうでしょ。私だって、この学校に入って来て、待ってましたの吹奏楽部に入って、その初日に、先生の指揮で演奏…、しかも、ベートーヴェンの運命。いきなり感動ものでしたから。高校生で。ここまで出来る…???って。それに、先生、どんな楽器も熟すから、嘘って。…みんな、口々に、マエストロって。」兼高、照れるように、「かかかかか。そ~~んな~~~。私がマエストロ~~~。」何とも困ったように。そして兼高、「ん~~~。音楽が好きで好きで。けど、それだけでは足りなくって~~。そんな好きな音楽を多くの人にも伝えたいって、そればっかりなんだけどね~~。」崇江、ニコニコしながら、「はははは。でも、そんな先生がみんな、好きなんです。とにかくみんな、あぁだのぅだのって言いながら、しっかりと仕上がってますから。指揮している私の方が楽しくなってきますから。みんな、乗ってますから。」その声に兼高、ニコニコとしながら、「うんうん。それは私が一番感じてる。一緒に楽しもうって。」崇江もニッコリと、「はい。」レコード会社ダイナムズ、休憩コーナー。スタッフの牧里竜輝(まきさとりゅうき)と何やら話をしている晄史。近くの掲示板にひとりの女性が…。その女性を見ながら晄史、「へぇ~~。今回は博楼高校の定期演奏会。」女性、ポスターを貼りながら、「えぇ。…何かしら、高校の定期演奏会、目白押しですよね~~。でも、この高校は一押。」その声に晄史、「へぇ~~~。有名なんですか、その高校、吹奏楽で…。」「有名というか、名門。と、言っていいくらいのレベル。音大の指定推薦校でもありますから。」晄史も牧里もビックリして、「えっ…???…う、う、うそ。」女性、ポスターを貼りながら、「嘘ではありません。列記とした事実です。」晄史、「へぇ~~。凄いや。…あ。…でも…、レコード会社で高校の定期演奏会のポスターって…。」その声に女性、「ははは。仕方ありませんよ~~。広報課長の娘さん、博楼高校の吹奏楽部の部員ですから~~。でぇ~~。1部の高校を贔屓してる~~って、言うのがダメらしくって~~。んじゃ。可能な限り、都内の高校の定期演奏会のポスター、貼っちゃえってなったんです~~。」間髪入れずに晄史、「うそ~~~~。そんな事したら、都内の高校、何校、あるんですか。」女性、顔を傾げて、「ふん。423校って、言ってたかな…???」晄史と牧里、コーヒーを飲みながら、「ぶっ。」晄史、目を真ん丸にして、「うそ。その423校の吹奏楽部の定期演奏会、全部…???」キャッチボールみたいに女性、「ん~~な訳ない~~。…中には吹奏楽部がかなり弱小ってとこもあるみたいだし~~。それに~~。レコード会社にポスター貼って~~。お客さんが余りにも多かったら、生徒たち、緊張でもぅ~~。…それに~~。高校だって、いろいろな事情があるらしくって~~。…だからって…。一応、こっちから高校にアプローチして~~。もしよければ~~って、話を。…けど、逆に断ってくる高校もあるんですって。」晄史、「へぇ~~~。」「…でぇ~~。」女性。「結局、高校からお願いしますってきたのが~~。50校。」牧里、「うそ。」晄史、「たった…???」「うん。」女性、顔をコクリと。「…で、その50校からシャッフル。まぁ、抽選で。見事、今回が~~博楼高校に決定~~。…と、言うか~~。実際は~~。ポスターがウチに届いた時点で~~。貼る事になっちゃうんだけどね~~。当然だけど、ポスターが届かなきゃ~~。貼りませんから。幾ら、抽選とは言え。こちらからポスターの催促は致しません。」晄史、「へぇ~~~。なるほど。…まま。確かに。貼ってもらいたいなら、届けてください。…だよね~~。」「その通り~~。…しかも…、ウチは、協賛は、してませんから~~。ポスターにダイナムズの名前は載せてませんから~~。」晄史、貼られたポスターを見て、「あ、ほんとだ。」牧里、「…って言うか、後援の字も協賛の字も。単にチケットの申し込み方法ばっか。」女性、「ここの演奏はピカ一です。大学どころか音楽関係、ウチみたいなレコード会社、それにレーベルにも人気があるって噂ですから。聞き逃せませんって話です。」晄史と牧里。ふたり、顔を見合わせて、「わお。」そして、早速ポスターのQRコードを。晄史、「おし。」女性、ふたりに、「毎度です。」お辞儀を。晄史、廊下を歩きながら、「ふふ~~ん。聞き逃せませんってね~~。うんうんうん。…あ。…でも、高井戸さん、ジャズの方だから、高校の吹奏楽って…。」顔を傾げて、「ふん。」そんな晄史を見て、「ジュノ…???…何か言った…???」晄史、牧里を見て、「あ、いや。はははは。独り言~~。ふふふふ。」 ママでいい…。 vol,049. 「…みんな、口々に、マエストロって。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.09.11
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そんな部員たちを音楽教室の窓際で、にこやかではあるが厳しく見守る女性教師。兼高悠月(かねたかゆづき)。廊下では、学校長の舘脇尚秀(たてわきなおひで)。腕組みしながら、そして…、その腕組みした右手で今度は顎を撫でて、「ふふ。いやいやいや。とにかく、本番さながら。いいもんですね。教頭。」隣で、こちらも生徒たちを見守っている教頭の季久美李子(きくみりこ)、「えぇ。嬉しい限りです。既にチケットもほぼ完売に近いとの事。」舘脇、その声に頷いて、「ありがたい限り。…で…???…今回は、何と、ソロも出るとか。はは。」季久美、「えぇ。兼高先生一押しの生徒です。」「確か…、クラリネットを吹かせたら、多分、我が高1とか…。2年の高井戸芙美花君。」「えぇ。1年の時からメンバーに。」「そうですか~~。ふんふん。こりゃ、楽しみだわ。…けど。確か、高井戸芙美花君と言えば、1年前。おかあさんを。」季久美、窓から演奏している生徒たちを見ながら、「えぇ。病気で、亡くしています。」舘脇、「ふん。可哀そうな…。…でも、それでも…。」季久美を見て…。季久美、にこやかに、「えぇ。芯の強いしっかりとした子です。」舘脇、その声ににこやかに頷いて、「うんうん。」「まぁ。確かに、おかあさんを亡くして、数週間は…。…でも、おとうさんが…。」「えぇ。噂には…。Webデザイナーとか。しかも、リモートワーク。」その声に季久美、舘脇を見て、「あら、校長、ご存じだったんですか…???」舘脇、そんな季久美に、顔まで左手を。そして左手親指と人差し指で隙間を作って、にこやかに、「ちょっとだけね。これくらい。」そんな舘脇を見て季久美、「あらら。さすがは校長~~。アンテナ張ってますね~~。」舘脇、ズボンのポケットの両手を入れて、顎をチョコンと突き出して、「まぁね。」ニッコリと。「高井戸さん、おとうさんが家でのリモートワークだから。まっ。コロナもありましたから。でも、おとうさんにはいつも助けられているって、清水先生、言っておられます。時を見て高井戸さんに、生活の事、聞いてるみたいで。」舘脇、「う~~ん。まっ。高校生、母親を亡くして、完璧に学業もアウト。…でも、そんな中でもそれを乗り越えて頑張ってる。見守っていくのと、応援していくのが、我々の仕事。そして…、責任でもありますから。」季久美、「はい。」「それにしても、大したもんだ。母親を亡くして、父親だけで。…それでもあんなに。おとうさん。実に人間が出来ているんだろう。…育て方…、なんだろうかねぇ。」そんな話に季久美、頷きながらも、「えぇ。」舘脇、また腕組みをして、「うんうん。カルメン。素晴らしいじゃないですか~~。」季久美も笑顔で、「はい。」舘脇、教室の窓際の兼高を見ながら、「それにしても、いきなりドボルザークの新世界をオープニングに持ってくるとは。かかか、あまりにスケールが。…兼高先生。」季久美、舘脇に、「えぇ~~。兼高先生、今回は序幕からいきなり行きます。それに耐えられる生徒たちですから。って。」舘脇、ニコニコ顔で、「おやおやおや。それはそれは、大絶賛ですなぁ~~。ははは。楽しみです。」事実、博楼高校吹奏楽部定期演奏会、演奏は3部編成となっている。そして、その3部編成の楽曲のアレンジは、全て兼高によるものとなっている。練習が終わって…。兼高、手を叩きながら、「は~~い、みんな~~。うんうんうん。出来てる~~。その意気よ~~。しっかり~~。」にこやかに。その声に生徒たちも、元気に、「はい。」芙美花たち、「ふぅ~~~。終わった~~。」生徒たちがゾロゾロと楽器を片付け始める。景織子、芙美花に、「ふぅ~~~。かかか、終わった~~~。」芙美花も、「かかかかか。終わったね。うんうんうん。帰ろ。」「了~~解ぃ~~。」兼高、帰って行く生徒たちに、「みんな~~。しっかりと寝てよね~~。体力、体力。」その声に生徒たちも、ニコニコと、「は~~い。」兼高、ニッコリと、「うん。」そして…。崇江に、「部長、ありがとう。はは。あなたがいてくれて助かる~~。」崇江、兼高に、「いえいえ。とんでもないです。みんな、先生が好きですから。あぁだのこぅだの文句は言ってますけど。」その声に兼高、「おほほほほほ。嬉しいお言葉。」崇江、クシャリとさせて、「まっ。何を考えているのか分からないって、言うのもありますけど。」「おやおや。」「…でも…。何だかんだ言って、先生の一言、一言は、とにかく響くよね~~って、言ってますから。」思わず兼高、「えぇ~~???…私って、そんな感じに見られてる~~???」 ママでいい…。 vol,048. 「本番さながら。いいもんですね。教頭。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.09.10
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晄史、「家まで歩いてって。近いんですか…???…その…、ヨシカワから。」耀司、辺りを見て、「えぇ。誓近いですよ。歩いても20分ですから。」「凄~~い。」そして晄史、「えっ…???」瞬きして、「家に帰るって…。姪御さんを連れて…。自宅に…???…姪御さんの家では。」耀司、「えぇ。違います。僕の家に向かってます。」「高井戸さんの家…。」「えぇ。この子の母親が、僕の家にいるんですよ。」「あ、あ~~~。はは。なるほど。」けれどもその瞬間、晄史、「えっ…???…高井戸さんの家に姪御さんの母親がいる。…けど、姪御さんの母親がお迎えではない。…どうして…。」耀司、その声に、「かかかかか。さて。…それは、どうしてでしょう~~。」晄史、いきなり、「え~~~~~???」顔を傾げて、右目を歪めて、口を真一文字に。そして、また、「え~~~~。ん~~~。…分かんない。」耀司、笑いながら、「かかかかか。…って言うか、晄史さん、電話、大丈夫なんですか…???…仕事。」晄史、肩をポンとされて、挨拶がてらに廊下を行くスタッフにニッコリと、そして手で合図。スマホに、「えぇ。大丈夫です、今、ブレイクなんで。休憩です。」そして、「あの。高井戸さん。」耀司、「はい。」「また、お会い、出来ますか…???」耀司、すぐさま、「えぇ。いいですよ。構いません。どっちみち、今は僕、リモートなんで、会社ではなく、自宅で仕事、してますから。」「うそ。…そうなんですか…???」「えぇ。コロナで、外出自粛になって以来、我が社も、在宅ワークに切り替えたんです。…結果的には、会社にいても業績は特に、変わりないって言うのが確認出来まして。…まっ。それこそ、会社にいて、あれこれと維持費を掛けるよりも、もっと効率的にって話になりましたね~~。」晄史の声、「へぇ~~~。」「そのため、つまりは…、今は、リモートワークです。」少し間が空く。晄史、「…と、言う事は~~。もしかして、いつでも、高井戸さんには電話しても。」耀司、ニコリと。「全然。えぇ、構いませんけど。」いきなりスマホから、「や~~りぃ~~。はははは。」耀司、またまたニコと。「歓迎です。」そして、「かかかかか。コロナ禍から…、意外と、みんな、外出自粛が尾を引いて、あんまり…電話…、してこなくなりましたから。…それと…。会社なら、電話、し易いんでしょうけど、中々、個人にはね~~。ある意味、遠慮するんでしょうね~~。まっ。会社に掛かってきた電話も、しっかりと社員各自に転送されてきますから、誰かが出れば、問題なしで…。」そこまで言って、「電話、歓迎しますよ。」すぐさま晄史、「ありがとうございます。じゃあ~~。早速なんですけど。」耀司、「はい…???」「…で…???…今度の金曜日、また、食事。」汐梨。耀司、顔をコクリと。「うん。…そういう話に。」「へぇ~~ぇえ~~。…まっ。別に、いいんじゃない…???」耀司、口を尖らせて、「ふん。まっ。けど…。はははは。いきなり、昨日の今日だから、思わずビックリ。」汐梨も、「かかかかか。」笑いながら、「確かに~~。ねぇ~~~。」芙美花、帰宅して、叔母からその話を。「えぇ~~~???…いいな~~~。私も行きたい~~。」汐梨、途端に。「かかかかかか。まま。確かにね~~。芙美花、外で食事なんて。」芙美花、顔をグシャリとさせて、唇をムニュと。「ここ、1年…。全~~~ったく~~。」そんな芙美花の顔を見て汐梨、口を閉じたままでニッコリと。「たまには私と一緒に、行く~~~???…まっ。麻沙美も一緒だけど~~。」その声に芙美花、いきなり目を見開いて、「えっ!!!…うそうそうそ。いいのぉ~~。」汐梨、「かかかかか。任っかせなさ~~い。可愛い姪のためだも~~ん。」「うほ。や~~った~~。」そして芙美花、椅子に座っている叔母に後ろからハグ。汐梨、そんな芙美花の両腕を両手で、「はは。」けれども…、キョトンとして、「あ。でもさ。」芙美花に振り向いて、「私が今、高井戸家に家事、いるんだから~~。芙美花、これからは、学校の友達と日曜日、出掛けられるじゃん。」するといきなり芙美花、「あん。そんなにおばちゃんに迷惑、掛けられない~~。…って言うか、おとうさん。」耀司、いきなり振られて、「はい。」「いつまで経っても、家事…、上手くならないような…。おとうさんじゃ~~。」その声に耀司、下唇をビロンと。汐梨、「かかかかか。言われてるよ。」耀司、への字の口で、下唇をビロンと。「しゅみません。」そして…。「ハイ。次~~。カルメン行くよ~~。」定期演奏会の準備で余念がない博楼高校吹奏楽部。指揮の屋舗崇江(やしきたかえ)、芙美花の言う、吹奏楽部部長である。練習とは言え部員たち緊張感は半端ない。 ママでいい…。 vol,047. 「かかかかか。さて。…それは、どうしてでしょう~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.09.09
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その声に睦美、「えっ…???」そしてまた、恥じらい気に、「え、え~~~。弟は、え~~。ジャズは、学生時代から…。」「へぇ~~~。」珠里。「じゃあ~~。…と、言う事は~~。日本に来る前からって~~。」有紀も奈織も、「うんうんうん。」睦美、「え、え~~~。そうなります。」いきなり、「こんにちは。」大きな声。事務局員たち、ビックリ。生野、「あはははは。蘭夢く~~ん。」事務局員たちも、「こんにちは~~。」そして…。その後ろから、麻沙美、「こんにちは~~。」またまた事務局員たち、「こんにちは~~。」そして、その後ろからは、蘭夢の母親の宮下朋佳と、耀司。事務局員たちにお辞儀をして、「こんにちは~~。」事務局員たちもふたりに、「こんにちは~~。」耀司、事務局長が丸めているポスターを見て、掲示板に貼られてあったはずのジャズフェスのポスターが。「あ。ジャズフェス。終わっちゃいましたもんね~~。」睦美はゆっくりと自分の席に。珠里、「えっ…???…麻沙美ちゃんの…、その…。」耀司、その声に、「はは。はい。僕、高井戸と申します。」その声を耳に、睦美、ドキン。生野、「高井戸耀司さん。麻沙美ちゃんのおじさまだよね~~。」麻沙美、元気な声で、「うん。」珠里、「…高井戸さん…、も、ジャズ。」耀司、「え~~~。大好きです。僕は、特に、サックスが好きなんですけど。」その声に睦美、またしてもドキン。事務局員たち、「へぇ~~~。」「あ。…そう言えば…。」有紀。「うんうんうん。確か…。麻沙美ちゃんのおかあさんに、チケット、1枚。あ。それ…???」耀司、照れながらも、「ははははは。はは。はい~~。」頭を撫でて、蘭夢の母親ににこやかに、「バレちゃいました。」宮下朋佳(みやしたともか)、「駐車場の入り口でバッタリ会って~~。そうだったんですね~~。サックスを~~。」耀司、「えぇ。まぁ。…麻沙美の…、その…、両親じゃ、ないんで…。なんか…、部外者が、チケット。と、言うのが、ちょっと…。」生野、「いえいえ。とんでもありません。どうもありがとうございました。どうやら、楽しんで、頂けたようで。」耀司に近づいて、耀司に、耳打ちするように、「遠目で、お顔、拝見しました。いらっしゃってましたね。」その声に耀司、思わず瞬いて、「えっ!!!」生野、ニッコリと。「はは。…では…。」事務局員たち、蘭夢と麻沙美に、「今日も、頑張ってね~~。」ふたりとも、元気な声で、「うん。」「は~~~い。」朋佳、ニコニコと。耀司、目をキョロキョロと。頭の中で、「…ナヌ…???…事務局長、ジャズフェス、いたんだ。…全然、気付かなかった~~…。」耀司、すぐさま事務局の奥の、睦美をチラリと見て、「えっ…???…じゃあ…。一緒のトコ、見ら…。れた…???」そのまま顔を崩して、小さな声で、「おぃおぃおぃ。…うそだろ。」睦実は仕事をしている。そして…。麻沙美のレッスンが終わって…。蘭夢は母と一緒に、車で。駐車場の入り口で宮下朋佳と別れて耀司。麻沙美を連れて。ヨシカワ音楽教室から自宅までは凡そ20分。車でなら早いが交差点が多過ぎる。20分なら散歩がてらに丁度いい。耀司のスマホに着電。ポケットからスマホを。画面を見て、「うん…???…この番号って…。」そしてスワイプ。「もしもし、高井戸ですけど。」スマホの向こう、「高井戸さんですか。僕です。晄史です。」すぐさま耀司、「あ~~~。はいはい。昨日はどうも。」頭の中で、「…って、昨日の今日で、いきなり…。」晄史、廊下で、「昨日はどうも、ありがとうございました。お礼がしたくって。お電話、差し上げました。」その声に耀司、にこやかに、「あ~~~。はははは。わざわざありがとうございます。うんうん。昨日はありがとうございました。はははは。楽しかったです。」晄史の声、「はい。そう言ってもらえると、僕も嬉しいです。今、電話、大丈夫ですか…???」耀司、その声に、手を繋いでいる麻沙美を見て、「え~~。全然。大丈夫ですよ~~。」「はは。ありがとうございます。…あ。…でも、仕事の方は…。」「あ。ははは。今、音楽教室の帰りなんです。」「音楽教室…???」晄史。すぐさま、「あ~~~。はいはい。生徒さんの。」「えぇ。姪なんですけどね。」晄史、「メイ。」「あ。ちょっと、分かりづらいかな~~。僕の妹の子ども。」「あ~~。はいはいはい。分かります。そぅそぅ。姪御さん。」瞬間、耀司、「わお。そんな丁寧な言葉。」「はははは。日本語、難しい。…けど、まだまだ勉強不足です。」その声に耀司、「何言ってます~~。全然大丈夫ですよ~~。しっかりと話、出来てますから~~。」スマホから届く声に晄史、ニコニコと、「はは。ありがとうございます。じゃ、今、ヨシカワの帰り。」「えぇ。姪っ子を連れて、家まで歩いてます。」「歩いて。」「えぇ。」 ママでいい…。 vol,046. 「はは。はい。僕、高井戸と申します。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.09.08
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暁美、晄史の話しを聞きながらに、「そっか~~~。」ふと、ソファに座りながらも、右膝に右肘を。そして右拳を右頬に。「確かに。…そうだよね~~。…この15年間。かあさんも、日本に来て…。武敏さんのお蔭で、いろいろと…。とにかく日本に慣れなきゃ、慣れなきゃって。」その母の声に睦美も晄史も、「うん。」暁美、3人を見ながら、「そんなかあさんに武敏さんもそうだけど…。…ん~~。とにかく、近所の人には感謝だよ。良くしてもらってる。」晄史、にっこりと。「ははは。かあさんの事、悪く言う人、全然いないし。」顔をコクリと。「うん。」誓、「あん、それはもぅ~~、私も~~。お義母さんと近所のおばさんの話し聞いていると物凄い伝わってくる~~。」そして誓、姿勢を正して、「暁美さん、あんたの悪口いう人いたら、ちゃ~~んと私らに言いな。とっちめてやるからって。」そして、体を崩して、「ふふふふ。」暁美、その声に、「かかかか。うんうんうん。…まっ。お蔭様で~~。翻訳の仕事も~~。韓国にいた時と同じ。」睦美、そんな母を見て、「うんうん、とにかく、お義父さんの人脈の凄さだよ。」暁美、座り直して、「でもね~~。武敏さんが亡くなった後。とにかく、3人で支え合って…。そればっかりで…。」晄史、「確かに。…まさか…。日本に来て、眞鍋のお義父さんも…。…って…。」睦美、「ん~~~~。」母を見て。そんな睦美を見て暁美、にこやかに、「そうね~~。まさか…、日本でも…。…なんだよね~~。」そこまで言って暁美、「はははは。やめよ、やめよ。何だか、暗い話になっちゃうよ。」そして暁美、3人を見て、「みんな、食事は…、じゃあ~~。」3人共に顔をコクリと。「うん。」「じゃ、かあさん、軽く済ませちゃうよ。」晄史、ニッコリと、「そうだね。」掲示板のジャズフェスのポスターを剝がしながらの事務局長の生野安海(おいのあずみ)。事務局員たちに囲まれながら、「いやいやいや。とにかく盛り上がりました。迫力満点。感動もの。」事務局員の奈臣珠里(なおみしゅり)。「へぇ~~。凄かったんですね~~。」生野、「そりゃあ~~。国内の名立たるメンバーの結集だから~~。凄いわ。」そして生野、「残念ながら、君たちとは会えなかったけどね~~。」珠里、そんな事務局長に、「あん。私は…、ジャズはちょっと。」黒川有紀(くろかわゆき)も、「私も…、イマイチで…。」申し訳なさそうに。生野、「あらららら。」珠里、「私たちは…、どちらかと言うと~~。」有紀を見て。有紀も、「うん。」ふたり同時に、「J-POPで…。」生野、「あ~~ん。邦楽ねぇ~~。」そして、「はははは。ジャズも、たまにはいいよ~~。克広さんは…???…ジャズは…???」克広奈織(かつひろなお)、「あん。私も、ちょっと無理かな~~。私の場合は、クラッシックだから~~。」生野、頷いて、「あ~~~。そうだった~~。大ホールでのリサイタルねぇ~~。うんうんうん。」トイレから戻ってきた睦美。「あ、眞鍋さん、昨日、来てたね~~。ははははは。」睦美、その声に、目をパチクリとさせて、顔を傾げて、「はっ…???」生野、にこやかに、「ははははは。ジャズフェス~~~。」その声に事務局員たち、目を見開いて、「えっ???」眞鍋を見る。生野、「遠目、だったけどね~~。お顔、拝見しました~~。」けれども顔を崩して、「ん~~~。…でも、声は掛けられなかった~~。申し訳ない。私も、4、5人の音楽仲間たちといたんでね~~。ジャズフェスの後は、みんなで打ち上げ。」事務局員たち、眞鍋に、「眞鍋さんも、ジャズ…???」そんな事務局員たちの声に睦美、恥じらいながら、「え…。えぇ~~。あはははは。」珠里、眞鍋に、「凄~~い。眞鍋さんがジャズ。」そこまで言って、顔を傾げて、「うん~~。まっ。眞鍋さん、ピアノ弾くからね~~。うんうん。分かる気がする~~。」「…って言うか、眞鍋さん、もしかして、おひとりで、ジャズフェス…???」有紀。その声に睦美、困ったような顔をして、「あ、いいえ…。はは。その…、」両肩をチョコンとしながら、「弟…、夫婦と…。」いきなり後ろから、「えっ!!!…眞鍋さん、弟さん、いたんだ。しかも…、ご夫婦…。」鵜杉彩未(うすぎあみ)である。25歳、目下、恋愛中~~~。生野、「あは。うんうんうん。眞鍋さん、弟さん、いる。うんうんうん、2年前にご結婚されていますよね~~。」眞鍋にニッコリと。睦美、事務局長に、丁寧にお辞儀をして、「その節は、ありがとうございました。」生野、眞鍋に、右手を振って、「いえいえいえ。教室の職員への、それに、ご家族への冠婚葬祭には、如何なる時も、誠意を持って。…と、言うのが教室長の方針ですから~~。」有紀、「…って言う事は~~、眞鍋さん、弟さんも…、ジャズ…???」 ママでいい…。 vol,045. 「とにかく、お義父さんの人脈の凄さだよ。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.09.07
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晄史、「あん。そう。でも。」チラリと姉を見て。睦美、「あん。私は音楽教室の名刺、ないし。貰ってないから。単に事務局員として働いているだけだから。」晄史、バッグから名刺を出して、ソファに。「はい、これ。高井戸さんの名刺~~。」暁美、名刺を見ながら、「株式会社ウェルストン。Webデザイナー・ディレクター。高井戸耀司。ふ~~ん~~。凄いのね~~。Webデザイナー。人気の職業でしょう~~。」晄史、「うん。…けど…。そんなに簡単に出来る、職業でもないし…。と、言うより、やろうとしても、中々。」右手を振って。誓も、「うんうんうん。難しいよね~~。ITだから~~。コンピューターの事、知らないと。」暁美、「そんな人が…。」睦美、「ジャズが好きなんだって。」暁美、その声に、「あ、うんうんうん。」誓、「なんだか、凄い、感じの良い人。話していても、話が進むって感じで…。」暁美、口を尖らせて、「ふ~~~ん~~。…まっ。あんたたち、3人で、であれば、ん~~。いいけど…。気を付けてよね。今の時代…。良く分からない人が多いから~~。平気で人を騙すような~~。」困ったような顔をしての暁美。その話に晄史、ニッコリと、「はははは。かあさん、それはまず大丈夫。そういう意味でも、僕が、姉さんから音楽教室に来ている生徒さんのご家庭の…、って聞いてて、食事に誘ったんだから。」「へっ…???」いきなり暁美、「何…???…じゃあ~~。晄史、あんたがその人、食事に…???」晄史、あっけらかんとして、「うん。そうだよ。」誓、「…で、晄史、帰りに、高井戸さんに、友達になって頂けませんかって。」暁美、またまた、「はっ…???」こちらでも…。汐梨、「はっ…???」両手を叩いて。芙美花も芙美花で、ヒョットコのような口をして、「はは。おとうさ~~ん。…ふふふ。いいじゃ~~ん。」汐梨、芙美花を見て、「うんうんうん。」そして耀司を見て、「へぇ~~ぇえ~~。向こうさんから友達になってくれませんか。かぁ~~。…な~~んか、凄いね。…勇気があると言うか。」芙美花も叔母の言葉に、「うんうんうん。」耀司、顔を傾げて、「いや。…まさか…って、思ったけどね。…ん、まぁ~~。別に~~。全然、悪気はないから…。…ってか、そんな風には全然。…それに…。」汐梨、「それに…???」耀司、「眞鍋さん。音楽教室。そして、弟さん、列記としたレコード会社。」汐梨、「あんあんあん。確かに。」晄史、母に、「まっ。確かに。日本に来て15年になるけど…。仕事、仕事で…。そりゃあ、職場での友達もいるけど…。…でも…。それ以外の…、職場以外の友達って…。」暁美、「あ、でも…。営業で…。」その声に晄史、顔を右左に。「ううん。…中々ね~~。…それに…。」いきなり口を噤んで。誓を見て。誓も、そんな晄史を見て、「ま。確かにぃ~~。韓流ドラマ…???…観ている人なら韓国人、わぁ~~~。…ってなるんだけど~~。それだって、大半が女性。…いざ、男性の友達ってなると~~。…どうしてもね~~。」晄史、「僕は…別に…、日本人であろうが…、日本で仕事をしている訳だから…。…でも。」また僅かに俯きながら、「中々…。新しく…。…しかも…。お酒の席で、これからもよろしく…。…って言って、電話番号やライン。…けど…。いざ電話しても、ラインしても…。あ、ちょっとごめん。あ、今、忙しいから、また後で。ごめ~~ん、これから友達と会う約束してて。…で、ラインは既読スル~~。…そんなのばっかり。」誓も睦美も、暁美も、口を噤んで。晄史、「あ。でも、仕事は全然。」ニコニコと。「とにかく、順調です。うん。」誓、「はは。」睦美も、「うん。そうでなくっちゃ。」「…って言うか…。高井戸さん。今度、また、会いたいよね。ねっ。姉さん。」その声に思わず睦美、「えっ…???…へっ…???」晄史、微笑みながら、「あ、いや…。ほら…。つまりは~~。姉さんの仕事先の~~。生徒の…、ご家族…???…切っ掛けは~~。とにかく、姉さんだから。」睦美、またしても、「えへ…???」「…って言うか~~。」晄史。「姉さんも、日本人の誰か~~。職場以外にも~~。友達~~。」その声に暁美、睦美を見て。「まぁ…。確かに~~。睦美、おまえ…。」母を見て睦美、「はっ…???…えっ…???」晄史、「ウチに遊びに来る人ってぇ~~。誓の友達~~。そして~~。近所のおばさんたち~~。せいぜいが、それくらい~~。まっ。僕の場合は、仕事関係で夜、食事する機会は多いけど…。それ以外じゃ…。」晄史、下唇をビロンと。そして両手をパァ。「全然。まぁ、仕事のアフターだから、自分なりにっては、思ってるけど~~。姉さんだって、家から音楽教室の往復でしょ。」睦美、「…そ、そりゃあ~~。」 ママでいい…。 vol,044. 「Webデザイナー。人気の職業でしょう~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.09.06
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その周辺一帯が…。テレビでも大々的に報じられた。「僅か10分の悲劇。大惨事。」稼働していた重機3台もそれぞれが…。1台は建物に凭れるように。そして…、また1台は横転。その他の重機は…、民間の住宅を巻き込んでの横転。工事作業員も数多くの建物からの落下者。下敷き。周辺住民も様々な状況での死者。重軽傷者。合わせて100数名。眞鍋家には、そんな過去があった。そして、現在は、眞鍋家、既に3人共に日本に帰化しており、逆に、韓国に帰ったとしても、住む場所もなく。戸籍は眞鍋武敏の戸籍に3人共に。ユジュンにしてもジュノにしても武敏の養子として…。既に武敏の両親すら他界し、この世には存在しない。しかも、武敏は一人っ子。既に馴染んでいる日本のこの家で、これからも一生涯、日本に永住。と、なったのである。4人共々に…。睦美は暁美と向かい合いながらのソファに納まり、晄史と誓はテーブルの椅子に。晄史、「とにかく圧巻。凄い迫力。」そして笑いながら、「あぁいう感じは…、確かに。リアルで味わうには感無量。」誓も、「うんうんうん。響き方自体が違うもんね~~。ははははるお義姉さん、しっかりと乗りまくってたから~~。体が~~。」その声に睦美も、「そりゃそうだよ~~。そんな…、いつもリアルで聴けるチャンスなんて滅多にないも~~ん。」晄史、「確かに。」誓、「あ、そう言えば~~。お義姉さんの隣で、高井戸さんも結構~~、ノリノリだった感じ~~。」その声に思わず睦美、目をパチクリと。「うん…???」そして、顔を傾げて…。右に、左に。「そぅ…、だった…???」晄史、ニンマリと、「高井戸さん、いい人だったね。」誓を見て。誓も、晄史を見てニッコリと。「うん。ふふ。」お茶を一口。そして暁美、「たかいどさん…???」顔を僅かに睦美に。俯きながらの睦美。コーヒーを一口。晄史、「うんうん。高井戸さん。」「…って…。」暁美。睦実をチラリと。そして晄史と誓を見て、「初めて…、聞くわね。そんな名前。」晄史、「初めて。と、言うか~~。初めて会った人だもん。僕と誓は。」暁美、その声に、「はっ…???」晄史、母に、「でも、姉さんは音楽教室で会ってる。知っている人。」誓、その話に前のふたりを見て、顔をコクリと、「うんうんうん。」暁美、睦美を見て、「うん…???」そんな母に睦美、顔をコクリと。「うん。…って、言うかぁ~~。ある生徒の…、おじさんなの。」暁美、「おじさん。」晄史も誓も、「あ~~。うんうんうん。」「確かに、そんな風な事、言ってたね。」睦美、母に、「うん。年長のお子さんのおじさん。詳しくは知らないけど~~。ここ、最近、ちょくちょく、その子と一緒に音楽教室に、来るようになった。」晄史、「ふ~~ん。」そして、「あ。でも…。その子のおかあさんとおとうさんって…。」睦美、「あん。その子のおかあさんはウェディングプランナーをやってるの。」瞬間、誓、「へぇ~~~。凄~~い。女性の憧れの職業~~。」その声にニッコリの睦美。「うん。まっ。たま~~には、その子のおとうさんも来ること、あるけどね~~。その殆どはおかあさんと一緒。」暁美、頷きながら…。晄史、「ふ~~~ん。」けれども顔を傾げて、「…でも。その子の…、おかあさんとじゃなくって~~。高井戸さん。その子のおじさんがどうして音楽教室に…???」間髪入れずに睦美、「はは。だから。詳しい事は分かんないって。」晄史、両眉を上下に、「あっ、そっか。…でも、凄い、いい人。初めて会っても、何だか、気軽に話せて、感じ良かった。」誓も、晄史を見て、「うんうんうん。」晄史、「で。高井戸さんと一緒に食事してきた。」暁美、目をパチクリとさせて、「はっ…???」誓も、「うんうんうん。」暁美、「食事、してきた。」晄史、ニコニコ顔で、「うん。はははは。」暁美、睦美を見て、目を真ん丸に。そして瞬き。睦美そんな母を見て、僅かながらに顔を濁した感じで、「う、うん。」暁美、「はぁ~~~???…初めて会った人と~~。お食事~~~。」そして、晄史と誓を見ながら、「…ん、まぁ~~。レコード会社の営業がいるんだから、その辺は…。ん~~~。どこで仕事に繋がるかは…。…分かんないから…。」睦美、何かしら母に申し訳なさそうな気持ちで…。晄史、「そうだよ~~。僕の仕事は営業。何処で仕事に繋がるか、分かんない。」一拍置いて、「…と、言うか~~。…でも、最後まで姉さんの左で聴いてたから。ジャズが好きだって言ってた。…と、言うか~~。演奏する方じゃなくって~~。聴く方って言ってたけどね~~。あ、そうそう、高井戸さんの名刺、貰ってきたから。」暁美、「へっ…???…と、言う事は。」睦美を見て、晄史と誓を見て、「あなたたちの名刺も…???」 ママでいい…。 vol,043. 眞鍋家には、そんな過去があった。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.09.05
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ただ…。そうなると、武敏の日本の家庭は…???…となるのだが、武敏の妻と子は、数年前に、列車事故で亡くなっている。列車の脱線による凄まじい事故だった。死亡者15名。重軽傷者112名にまで及んだ。既にその時点で、武敏は年齢が50を過ぎていた。韓国での仕事。そして私生活まで武敏に使えるハン・ヘギョ。とにかく、この眞鍋武敏と言う人物、人間が出来ていた。見た目は完璧に企業の役職者。とも、思しき風体なのだが、黎和(れいわ)建設。設計部、部長に納まっている。そして、それ以上は望まない。つまりは、徹底した現場主義。過去に数回の役員候補にも挙がったが、自分の方から断っている。そのために、武敏を追い越しての役員になった物からのやっかみも少なくはなかったが、武敏自体はそんなやっかみすら一蹴、物怖じする事もない。そして…、そんな武敏に対して、面と向かっての揶揄する者もいなかったのである。その理由が、小さい頃からの培われてきた剣道の極意。とも、言うべきものがあった。一見、武敏の表情からは全く武術を培ってきた人間と言う雰囲気は微塵も感じられない。されど、仕事関係で理に通らない事があれば、それこそ、その眼力だけで相手を圧倒してしまう。…と、言う事になる。そんな相手に対しての目力と言うのであろうか、相手を睨み付けて、「何か…???」この一言で、相手は怯んでしまう。瞬間、その場が凍り付いてしまうほどの覇気と言うものを感じられる人物でもあるのだ。けれども仕事上も、私生活でも、そういう雰囲気は微塵も見せない。それどころか人を簡単に自分の心の中に引き込んでしまう。…が、これは本人の意志とは相反しているとも、武敏は感じてはいるのだが…。つまりは、武敏の話し方が、自然に、周囲の人の心に、「この人なら一緒に。」と思う。心が惹かれるのかも、知れないが…。そんな武敏がハン・ヘギョに初めて会って、それこそ、相手の女性にとにかくへりくだっての挨拶。「…自分なんか子供みたいと思ってたのにこの人。うそでしょ。」と思ったハン・ヘギョが、そのヘリ下りに驚いて躊躇してしまったほど。そして、何と言っても、武敏の笑顔にすっかりと心を開いてしまったのだった。やがて…。仕事上でも私生活でも公私共々、身の回りすら世話をする事になってしまったハン・ヘギョ。突然の武敏からの求婚に最初は驚いて一度は断った。子供もいたからである。2人も。但し、武敏の心は変わらなかった。「もし叶うならお子さんたちも一緒に日本でどうですか…???」これから韓国でも業績を上げていくであろう日本の大手ゼネコン、黎和建設。設計部、部長。ふたりの子供たちは、もう既に成人になり各々が仕事を。けれども、子供たちは口を合わせて、「おかあさんが幸せになってくれれば私たちは。」の、声。実に、ハン家族には父親と言う人物がいない。ハン・ヘギョの夫。つまりは、ハン・ユジュン、そしてハン・ジュノの父親は既に他界しているのである。その為に子供たちふたりの、「おかあさんが幸せになってくれれば私たちは。」の、声になったのである。そして…。遂に。武敏とハン家族が対面。ユジュンもジュノも一目で武敏に惹かれたという。ふたりの印象。「こんなに大きな人なのに、物凄い繊細。」だったという。そして、武敏、大手ゼネコンに勤務はしているが、その実、物凄い雑学家でもあり、人脈が物凄い。確かに政界や財界には全くと言っていい程に伝手はないが、それ以外であれば、殆どの分野に伝手は利くほどの人脈を持っている。それは、芸術の面に於いても…、で、ある。それ故に武敏を推す人の多さ。なのである。それに関して驚いたのがハン家族であった。あれよあれよで、僅か1週間足らずで、ユジュンとジュノの、今後の日本での活動拠点すら青写真となったのである。それからである。母の指導もあってかユジュンとジュノの仕事の傍らの日本語勉強が始まったのである。幸い、ふたり共に、かなりの集中力があり、半年で片言の日本語は話せるようにはなって言った。その実、武敏が差し入れに家にも毎回訪ねて日本語の勉強も施した甲斐もあったのだが。そして…。ユジュンは、ピアノ教育という分野で。そして、ジュノは音楽系、同じレコード会社と言う分野での日本での活動を約束されながら、日本に移住。それから…、15年が経つ。残念ながら。…この15年の間に、眞鍋家に変化が起こった事が…。それは…。武敏の死である。建設中の突然の災害。悲劇でもあった。普通の曇り空かに思えた瞬間、いきなり空が…。そしていきなり突風かと思われたその瞬間、竜巻である。 ママでいい…。 vol,042. この眞鍋武敏と言う人物、人間が出来ていた。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.09.04
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リビングで新聞を読んでいる女性。睦実と晄史の母親である。眞鍋暁美(まなべあけみ)。暁美、「あ~~。はい。おかえり~~。どうだった~~???…ははは。ジャズフェス。」すぐさま晄史、「もぅ~~。最高~~。」その声に睦美も、「ふふふ。」誓、「もぅ~~。感動しまくり。お義母さんも来れば良かったのに~~。」そんな誓の声に暁美、右手を振って、「いやいやいや。とんでもない。どうも私は、人込みが苦手でねぇ~~。まぁ、普通に街を歩くって言うのは良いんだけど。映画を観たりは。…けど…。立ち見でしょ。人気のジャズフェス~~。人だってもぅ~~。」睦美、「ははははは。まま、確かに。」晄史、「うんうんうん。さすがに。混雑はしてたよね~~。」その瞬間、暁美、また右手を振って、「あ~~~。かあさん、それはもぅ勘弁。」晄史、にこやかに、「まま。確かに。だから~~。僕も姉さんもかあさん、無理強いには誘わないし~~。人込みはね~~。」誓、買ってきた食材を冷蔵庫の中に。そして、「みんな~~。何か飲む~~???」暁美、「私は、ただいま、お茶を頂いております。」睦美、「あん。じゃあ~~。コーヒー。いいかな。」晄史、「あん、僕もコーヒー。」誓、ふたりの声に、「ラジャ~~。畏まりました~~。」晄史、睦美を見て、「…って言うか、姉さん。サンキューだね~~。あのジャズフェス。嬉しいお値段のチケットゲット。あらためて感謝。」睦美、「へっへ~~。どんなもんだい。…って言うか、私の方こそ、ビックリだったけど。」誓も、「うんうんうん。私もビックリだったわ。えっ!!!このミュージシャンのこのジャズフェス。こんなんでいいのって…、半額以下だよ、半額以下。」睦美、口を真一文字にニコリと、「まぁ~~。言うなれば、亜耶乃(あやの)先生に感謝だね~~。」誓、「お義姉さんを教室に紹介してくれた人ね~~。私は、まだ、会った時はないけど~~。」睦美、「まぁね~~。亜耶乃先生、とにかく忙しい人だから~~。日中は教室でピアノの講師。…でぇ、夜はコンサート。日本中、アチコチだよ~~。だから~~。出来る限り、決まった生徒さんしか教えないんだけどね~~。クラッシックからジャズ、そのピアノセンスって言ったら、申し分なし。」「まぁ。そのおまえをピアニストにしてくれた名講師でもあり、睦美贔屓でもあるからね~~。」暁美。ここで言う、亜耶乃(あやの)とは、ヨシカワ音楽教師のピアノ講師、小白川亜耶乃(こじらかわあやの)の事である。「睦実のピアノの才能を一番最初に見込んでくれた人だからね~~。この子は出来るって。」暁美。「かかかかか。あの頃はあんた。」睦美を見て、「ピアノ一本だったからね~~。…って、言うか、亜耶乃先生が優しかったのか。」睦美、「うん。その通り。…まっ。でも、昔の事だからね~~。」玄関のチャイム。暁美、「あ、は~~い。」暁美、モニターを見て、「あは。脇坂さん。は~~い。」モニターのスピーカーから、「暁ちゃん、回覧だよ~~。」「今、行きま~~す。」玄関を出て暁美、女性と束の間の立ち話。…そして、お互いに手を振り、「うん。じゃね。」「わざわざありがとう~~。」暁美、回覧を見て、「おやおや。物騒な世の中だ。」高齢者を狙った悪質な詐欺関連とロマンチック詐欺防止の回覧である。因みに。ここ、眞鍋家は3人の韓国人。既に帰化している、眞鍋暁美(まなべあけみ)と長女の眞鍋睦美(まなぺむつみ)。そして長男の眞鍋晄史(まなべあきひと)の3人家族。その中に新婚として、旧姓、張本誓(はりもとちか)が同居する事となったのだった。ただ…。確かに、この一般住宅に初めから3人の韓国人が住んでいた。と、言う訳ではない。ある男性が、結婚のためにこの敷地と物件を購入。そして、大掛かりなリフォームを経ての眞鍋家として生まれ変わった家である。その男性の名前を、眞鍋武敏(まなべたけとし)と言う。所謂、暁美の日本の夫であった男性である。大手ゼネコンの黎和(れいわ)建設に勤務していた。15年前に暁美以下、睦美と晄史が日本に移住する事になる。暁美の夫、眞鍋武敏の元に。睦実と晄史にも新しい父となる訳である。暁美の旧姓は、韓国名で、ハン・ヘギョ。そして睦美の韓国名はハン・ユジュン。そして晄史の韓国名がハン・ジュノ。元々、東京の大手ゼネコンの黎和(れいわ)建設が韓国に進出。後に暁美の夫となる眞鍋武敏も韓国で自社建設の施工に携わる事に。その時に会社が選んだ日本語の通訳にハン・ヘギョが抜擢されたのであった。当然ながら、武敏が韓国語を話せるのは殆ど、挨拶が主。その他は全てハン・ヘギョが通訳する事になる。その為に武敏が韓国に在住している間は通訳であろうと、ハン・ヘギョが日常の世話をするようになったのだった。 ママでいい…。 vol,041. 「誘ってくれたのは、弟さんの方だけどね。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.09.03
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芙美花、ふたりの声に、「うそ。」そしてまた名刺を見て、「ん~~~。確かに~~。日に光って、あんまり。それに、歴史の史でしょ。まっ。でも、私も、あきひとかな~~って、思って、読んだだけだけどね。かかかか。当たった~~。」汐梨、「…って、単にインスピレーションかぃ。」耀司、「あらら。」芙美花、「いや…。…で…???…この名刺が…???」汐梨、「苗字。」「苗字…。うん…???…眞鍋。」瞬間、声が止まって。芙美花、思わず右手人差し指を鼻の下に、「…って、これ…。もしかして…、ヨシカワの…???…音楽教室の…、事務局の。」ふたりを見て。すぐさま汐梨、目を見開いて、口を窄めて体を右に傾けて、「凄っ。」耀司は耀司で可笑しがりながらも、「いやいやいや。」芙美花、ふたりを見て、瞬きしながらも、「うん…???…何…???」汐梨、ゆっくりと体を戻して、「中々どうして…、我が姪なれど、その洞察力や素晴らしい。」耀司、その声に、「かかかかかか。」そして、「…って、言うか、同じ眞鍋だし。」芙美花、ふたりを見ながら、「えっ…???えぇぇぇぇ…???…何。違うの…???…ヨシカワの、その事務局員さん。…ん…???」汐梨、そんな芙美花を見て、音のしない拍手。「素晴らしい~~。ご名答~~。」そんな叔母を見て芙美花、目を丸く、唇を縦にして窄めて。耀司、口をへの字にして。汐梨、耀司を見て、今度は芙美花を見て、「ジャズフェスでね~~。何とも偶然に~~。ヨシカワの眞鍋さんにバッタリと。なんだって~~。」芙美花、「へぇ~~~~。…って言うか~~。私、その眞鍋さんって人、顔分かんな~~い。」汐梨、「かかかかか。確かに。」芙美花、キッチンに入って。汐梨、「あぁ、私、やるよ~~。」芙美花、「ううん。大丈夫。」そして鍋の蓋を。「ん~~~。かかかかか。最~~ぃ高~~。」汐梨、ニッコリと。「召っし上っがれ~~。」芙美花、お皿にロールキャベツを。そしてお茶碗にご飯を。もうひとつの小皿に御惣菜を。トレイに乗せて。叔母の隣に座って。両手を合わせて。「いただきます。」そしてロールキャベツを一口。思わず、両脚をバタバタと。「ん~~~~。かかかかか。お~~いしい~~。」汐梨、ニコニコと。「お褒めに預かり。」芙美花、ニコニコと。「うんうんうん。」そしてご飯もパクリと。「うんうんうん。最高だわ。…あ~~。生き返った~~~。」麦茶をゴクリと。「…で…???…おとうさん。その…、ヨシカワの眞鍋さん。一緒に食事…。」耀司、「あぁ。うん。」麻沙美は既にバセットのお腹に凭れながらス~ス~。耀司、芙美花のその声に、「うん。」目を空に。「…って言うか~~。誘ってくれたのは、弟さんの方だけどね。お姉さんの眞鍋さんがおとうさんを知っていたのに興味があったんじゃないかな。フェスが終わってから、すぐ゛に、おとうさんに食事、一緒に如何ですか…???…って聞いたから。」汐梨、「うんうんうん。」「まっ。いきなりでビックリ。しかも…、初めて会った人から、ろくに口も利いてない人から。そんな…。思わず、ご遠慮。…いや。そんな…、お邪魔に…。って思ってね~~。」汐梨、またまた、「うんうん。」「だったんだけど~~。今度は、奥様の方も、うんうん、一緒にお食事~~って、言ってくるし。」芙美花、「わお。」汐梨も、「へぇ~~~。」耀司、「いや…。でも…。って、言ったら、今度は眞鍋さんが、弟があぁ言ってますから。一度口に出したら利かない人ですから。…って。」汐梨、またまた、「へぇ~~ぇえ~~。」耀司、目をまた空に。「それに…。…なんて言うの。韓国人。でも、日本語が流暢。…と、言うか~~。」汐梨、「うんうんうん。」「でも。」耀司。「何とも言えない、言葉のイントネーション…???…逆に、奥様が日本人だから、旦那様、その弟さんの日本語の話し方が、微妙に。」汐梨、「あんあん。分かる分かる~~。何か…こぅ…。言葉の優しさって、言うの、伝わってくるよね~~。日本語を一生懸命、話してるって…、言うか。…うんうんうん。ドラマ見てても伝わってくるぅ~~。まぁ。何10年も日本にいる外国人とは違うけど。言葉のイントネーション。うんうんうん。分かる分かる。」耀司、「だからかな~~。俺の方も、自然に…。かかかかか。断り切れなくなっちゃって…。」汐梨、そんな耀司の話しを聞きながらに、「あ~~ん。な~~るほどね~~。」芙美花もロールキャベツ食べながらに、「うんうんうん。」その頃、眞鍋家の3人も、買い物を済ませて自宅に。玄関のドアを開けて。「ただいま~~~。」晄史。眞鍋家、一般住宅である。2階建て。東京は中野に居を構えている。表札は、「眞鍋」しっかりと隣接の住宅もある。リビングに3人。揃って、「ただいま~~。」 ママでいい…。 vol,041. 「誘ってくれたのは、弟さんの方だけどね。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.09.02
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その声に芙美花、「あん、もぅ~~。おとうさんだって~~。話の途中で会社の人から電話あって~~。その話、途中だったも~~ん。」耀司、申し訳なさそうに、「そうだっけ…。」「そうだよ~~~。電話が終わって、リビング戻ってきたら、今度は修学旅行の話しになっちゃってたし~~。」耀司、記憶を辿るように、「あ、そっか。かかかかか。とうさん、悪かった。」芙美花、「まっ。でも、先生のピアノに合わせてだから~~。何とか、なる。…一応、気合いは~~。入れて。」汐梨、そんな芙美花に微笑んで、「うんうんうん。はは。義姉さんの娘だもん。何たって、看護主任の娘~~。私も麻沙美と観に行くから~~。」芙美花、ニコニコ、「うん。来て来て。…で、もうひとつ。」耀司、「もうひとつ…???」芙美花、顔をコクリと。「うん。私のソロの後。またまたクラリネットがメインのボレロ。行きます。」いきなり耀司、そして汐梨、「うそっ!!!」耀司、手を叩いて、「いやいやいや。それは凄い。」汐梨も、「かかかかか、聞かせちゃいますね~~。」芙美花、「うんうん。」そして、「あ~~ん。話してたらお腹空いてきちゃった~~。晩御飯、晩御飯~~っと~~。」汐梨、「あ。出来てるよ。リクエストのロールキャベツ~~。兄さんは外で食べて来たからって~~。」その声に芙美花、「へっ…???…おとうさん、外でって、ひとりで…???」思わず汐梨、ニンマリと。「ニッシッシッシッシ。気になるでしょ。ジャズフェスにひとりで行って、ひとりで外食。家で私が食事の準備しているの分かってる癖によ~~。」芙美花、口を尖らせて、「うんうんうん。あ。とにかく、着替えてくる。」汐梨、「あいよ~~~。」芙美花、そのまま2階に。耀司、椅子に座りながら、両手を頭の後ろに。「やれやれ。」「…って、変に思われるの当たり前でしょ。私が芙美花の代わりに家事してんの分かってる癖に。」耀司、その声に、「いやいやいや。だ~~って~~。仕方がないでしょ。向こうから誘ってきたんだから~~。」その声に汐梨、口を尖らせて、「ふ~~~ん。まぁね~~。」そして、名刺を見て、「営業みたいだから~~。どこでどんな…。…って、事は。韓国人の弟。」チラリと耀司を。耀司、「そうなりますねぇ。」「…で…???…どんな感じの人。その韓国人って…。…ってか、夫婦って言うのも凄いよね。」「弟さんは韓国人で、奥さんは日本人。」汐梨、話を聞きながら名刺を見て、「うんうんうん。」「奥さんから弟さんに猛アタックって、話~~。」「へぇ~~ぇえ~~。」「奥さん。弟さんに会う前は。…って言うか、弟さんって言うのも変だけど。旦那さん…???」汐梨、まだ名刺を見ながら、「あん。うんうんうん。」「失恋真っただ中。だったんだって。」汐梨、いきなり、「いや~~~~。」階段をドタドタと芙美花、「何々。おばちゃん、いや~~~~。なんて。どうかしたの…???」瞬間、汐梨、「かかかかか。いやいやいや。別に。くくくく。ちょっとね。」可笑しがりながら。芙美花、「何々、何の話…???」汐梨、「うん…???…さっきの話し。兄さん、外でお食事~~。」芙美花、すぐさま椅子を引いて。父をガン見して、「えっ…???おとうさん、誰誰。誰と食事…???…会社の人…???」汐梨、耀司を見て、「ほ~~らね~~。こぅなっちゃうでしょう~~。…ってか、滅多に外食なんてしない人がさ。ジャズフェス行って、外で食事して来る…???…家ではしっかりと食事作ってるの。分かっている癖に。…って、さっきも言ったけど。」芙美花、目を見開いてふたりを見て、「うん…???」「おとうさんね。」汐梨。芙美花、「うん。」「ジャズフェスで、音楽教室の眞鍋さんにバッタリ会ったんですって~~。」途端に芙美花、目を真ん丸にして、「うそ。」そしていきなり、「うそうそうそ。…で…???…その人と食事…???」汐梨、「な~~ら、良いんだけどね~~~。」そして、芙美花に名刺を2枚。芙美花、「何これ…???」汐梨、「名刺という物でございます。」可笑しがりながら芙美花、「いやいや。分かるけど、それくらいは。」そして名刺を見て、「うん…???…ダイナズムレコード。…っい、うそ。あの、ダイナズム…???」汐梨、ゆっくりと瞬きして、「そぅ~~。あのダイナズム。…でぇ~~。名前、見てみな。」芙美花、「うん…???…眞鍋…、晄史。」いきなり汐梨、ヒョットコのような顔して、「わお。芙美花、その漢字、読める。」耀司、思わず、「かかかかかか。や~~るぅ~~。さすがは祐里子が産んだ娘~~。いやいやいや。」芙美花、ふたりを見て、「えっ…???…なんで…???」汐梨、チョコンとして、「私。読めませんでした。」目をパチクリとさせて。耀司、「右に同じ。」顔をコクリと。 ママでいい…。 vol,040. 「看護主任の娘~~。私も麻沙美と観に行くから~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.09.01
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汐梨、「デモンストレーション。」口を尖らせながら…。耀司、「…って言うか、つまりはさ。吹奏楽顧問の兼高先生も、その、吹奏楽部部長の屋舗さんだっけ…???」芙美花に。芙美花、唇を丸め、鼻に付くほどに、「うん。」耀司、ニコニコと、「要は、芙美花のクラリネットの魅力を観客に聞いてもらいたいって感じじゃないの…???」芙美花、「…ん~~な事、言ったって~~。」「いや。」耀司、「けどさ。前にとうさんもかあさんも、芙美花の学校の、ほら、1年の時。定期演奏会、聞きに行って、物凄い感動したんだから~~。1年で、あれだけ吹けるって。かあさんなんて終わった瞬間に涙流してたからね~~。」汐梨、「へぇ~~~。」耀司、「聞くところによると、吹奏楽部、かなりの人気で、定期演奏会、ステージに出れる子が限られてるって。1年であろうと2年であろうと~~。」汐梨、芙美花に顔を向けて、「うそ…???…そうなの…???」芙美花、思わず照れるように、「まま。まぁ…。確かに。…そうなんだけど~~。…って言うか、ある種の実力主義って言う部分、あるから。」耀司、「部長さんはヴァイオリン。…いやいやいや。彼女も凄い。どうみても、どっかで習ってるね~~。」芙美花、「あ~~。それこそ、ヨシカワだよ。」耀司、芙美花を見て目を見開いて、「うそ。」「はい…???」いきなり汐梨、目を真ん丸にして。「ヨシカワで…???…って言うか。」すぐさま顔を崩して。「かかかかか。今、思わず思っちゃった。」耀司、そんな汐梨にニヤリとさせて、「まっねぇ~~。ヨシカワで博楼の学生見ようってったって、無理難題。時間的に無理でしょう~~。」そこまで言って耀司、思わず空を流し目のように…。そして右目を歪ませて、「うん…???…って言うか、んじゃ何…???…その…部長さんって子、部活終わってからまたヴァイオリンのレッスン。教室通って…???…いやいや。…だって、その子、3年でしょ。」その声に芙美花、ニコニコと、「かかかかか。違う、違う。部長の場合は、ヨシカワの教室には通わずに~~。家に来てレッスンしてもらってるの~~。」いきなり汐梨、「へぇ~~~。凄~~い。んじゃ、出張レッスンじゃ~~ん。凄いね。」耀司を見て。耀司、両眉を上下に。芙美花、「まっ。大学も音大って決まってるし。まっ。部長なら推薦で入るんじゃないかな。」顔を傾げて。汐梨、「へぇ~~ぇえ~~。そんなに凄いの…???」耀司、「まぁねぇ。あの子だったら、そこまで出来るでしょうよ。」汐梨、また耀司を見て、「えっ…???…どうして。」「演奏会で指揮してたもん。祐里子なんて腕組みしながら、彼女は出来るって。」汐梨、またまた目を真ん丸にして、「へぇ~~~。それまた凄い。高校生で指揮者。わ~~お。」芙美花、「まっ。部長ならねぇ~~。」「…って言うか~~。吹奏楽顧問の兼高先生…???…あの先生だって凄いって話。」耀司。芙美花、顔を傾げて、「まぁね。出来ない楽器、ないんじゃないかな。見た目は華奢な感じはしてるんだけど~~。私たちもビックリ。ここをこう。って、自分で何でも演奏して教えるんだから~~。」耀司、ビックリした顔で、「うそ。」汐梨も、「うそ~~~~。」芙美花、口を窄めて、「私だって、クラリネット、教えてもらった派~~。」いきなり汐梨、絞ったような声で、「え゛~~ぇえ~~。」耀司、「かかかかか。凄ぇや。」芙美花、いきなり、テーブルに塞いで。「あん。どうしよ。」耀司、そんな芙美花を見て、「かかかかか。」麻沙美、芙美花に凭れるように、「お姉ちゃん、どうしたの~~???」汐梨、「おやおやおや。」耀司、「ほ~~ら~~。麻沙美にまで心配されてる~~。…だか~~ら~~。顧問の先生と~。その部長さんの絶対の信頼、あっての芙美花。なんじゃないの~~。おまえのクラリネット~~。」芙美花、テーブルに塞ぎながらも麻沙美の頭を撫でながら、「あ~~ん、もぅ~~。…やるっきゃないか~~。」汐梨、「はははは。まま。麻沙美から慰められちゃったら~~。」芙美花、麻沙美にベソ掻くように、「お姉ちゃん、頑張る~~~。」下唇をビロンとさせて。麻沙美、その声に、ニッコリと、「頑張れ頑張れ~~。」「ラプソディ・イン・ブルー。うんうん。ジャズとクラッシックの混合だからね~~。」耀司、「あ。でも、クラリネットって芙美花~~。博楼、何人だっけ…???」「6人。」「んじゃ~~。芙美花の他に5人もいるんだ。大丈夫だよ。」そんな父に芙美花、口を真一文字に目を真ん丸に、「ソロです。私のソロ。」椅子から立ち上がり。汐梨、耀司、その声に、「はっ…???…ソロ…???」いきなりまた芙美花、下唇をビロンと。顔を崩して、「…だから…。プレッシャー、半端ないし。」汐梨、耀司を見て、口をへの字に。耀司、「い~~~???…おとうさん…、聞いてないけど…。」 ママでいい…。 vol,039. 「ある種の実力主義って言う部分、あるから。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.08.31
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そして汐梨、耀司の前に右手を。中指と薬指の先でトントンと。耀司、思わず、ゆっくりと目を閉じて、口を噤んで。…そして…。「た~~くぅ~~~。」汐梨、「出したんさい。持ってるんでしょ、その名刺~~。」「持ってますけど~~。」口をグンニャリとさせながら。そして、顔を右に左に。そして鼻の孔を大きく。「はぁ~~ぁあ~~。はいはい。分かりました~~。」そして、バッグから、2枚の名刺を。テーブルに。すかさず汐梨、「どれどれ~~。」そして…。名刺を見て、「うん…???…眞鍋…。これ…、何て読むの…???日に光。歴史の史。」耀司、「あきひとだって。」「あきひと。…で、こっちは~~。…って、これ…、女…???…誓。」「チカって読む。奥様の方。」「チカ。へぇ~~~。これでチカ。漢字からすると、男に見えるけど…。」「正真正銘の、女性です。奇麗な人だったよ。」汐梨、名刺を見ながら、「ふ~~ん。…でぇ~~~。苗字が、眞鍋。」いきなり汐梨、「うん…???…眞鍋って…。最近…。」そこまで言って、「音楽教室でも眞鍋…。」そして、「凄いね。同じ苗字~~。」少し間を置いて。「…で…???…何がどうして、この人たちと一緒に食事をするって…???」耀司、顔を傾げて、右こめかみを右手でカキカキ。そして、左手で鼻を摘まんで。そして今度は右手人差し指で鼻の下を撫でて。今度は左腕をテーブルに。そのまま手を挙げて、今度は、左手で頭をカキカキ。汐梨、「ねぇ。」耀司、今度は、両手で顔を目の下から撫でるように。汐梨、「ねぇ。」耀司、今度は鼻で息を。「ふん。」そしてまた、左手で鼻先を摘まんで。今度は左手親指を鼻先を弾いて。また鼻で息を。「ふん。」汐梨、ムスッとした顔で、「めんどくさいなぁ。」耀司、そんな汐梨に、「めんどくさくって、すみませんでした~~。」汐梨、テーブルに両腕を。「兄さん…???」耀司、「はいはいはいはい。」そして、「あのですね。」「はい。」「つまりは。……。…バッタリ、音楽教室の眞鍋さんに会っちゃったの。」その声に汐梨、「へぇ~~ぇえ~~。そうなんだ~~~。」ゆっくりと瞬き、そして、口を窄ませて、「ふ~~ん~~。」いきなり、「えっ…???…うそっ!!!」耀司を見て。耀司、口を尖らせて、テーブルの見つめて、「いや。うそって。うそで、こんな事言っても。…仕方が。」「いやいやいやいや。」汐梨、いきなり目をパチクリとさせて、「へっ…???…兄さん、音楽教室の、あの、眞鍋さん…???」耀司、テーブルを見つめながらに、「そうですよ。あの、眞鍋さんです。」「うそ。うそうそうそうそ。」「いや。だから、うそじゃないって~~。」「いやいやいやいやいや。」「何よ~~。忙しい人だね~~。」汐梨、「いや。だって~~。そんな…。偶然にぃ~~。眞鍋さんとなんて~~。」口を尖らせて耀司、「いや。そんな…、偶然に~~って、言われても、偶然に会ったんだから~~。それを否定されても俺…。困るんだけど~~。」そして、名刺に指差して、「現に…???…こうして、名刺も持ってるし。」汐梨、耀司を見つめて、「えっ…???…って言うか、これって…。この…、ご夫婦って、眞鍋さんの、お兄さん…???…弟さん…???…か、もしかして、お姉さんか、妹さん…???」耀司、キッパリと。「弟さん。しっかりと眞鍋さんを姉さんって、読んでたから。」汐梨、目を見開いて、口を大きく、「そうなんだ~~~。」いきなり玄関から、「ただいま~~~。」芙美花の声。リビングからも汐梨、「おかえり~~。」リビングに芙美花、「ただいま~~。ふぅ~~~。かかかかか。しんどい。」そこまで言って、「…けど。その分、楽しいっちゃあ~~。楽しいんだけどね~~。」耀司、芙美花に、「おかえり。」芙美花、椅子にカバンを置いて、「まずは一杯。」キッチンで冷蔵庫から麦茶のポットを。グラスに注いで口に。ゴクゴクと。そして、「お~~。生き返る~~。」汐梨、芙美花に、「かかかかか。大変みたいだね。」その声に芙美花、両眉を上下に。「大変だよ、大変。兼高と屋舗の奴~~。」耀司も、「かかかかか。またそれ。顧問と部長の話し~~。」汐梨、耀司に、「えっ…???…何、その、顧問と部長の話しって。」いきなり芙美花、叔母に駆け寄って、隣の椅子に座って、「聞いてくれるおばちゃん。」汐梨、「うん…???何々…。うんうんうん。」「ほら。この前の話し、今度の定期演奏会のサプライズ的。」汐梨、その話に、「あ~~。うんうんうん。ラプソディー・イン・ブルー。抽選がどうとか。私、話の途中でママ友からの電話で家に帰っちゃったから、最後まで聞けなかったけど。」芙美花、「うんうんうん。…でね。つまりは~~。サプライズ的な~~。てか…。ある意味、デモンストレーション。」 ママでいい…。 vol,038. 「出したんさい。持ってるんでしょ、その名刺~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.08.30
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汐梨、耀司を疑いの目で。右目を歪めて。「な~~んか、気になるな~~~。」 耀司、困ったような顔で、右手をヒラヒラと汐梨に。「いやいやいや。そんな…。気になるな~~、なんて言われても…。」 何故か、その、「初めての人。」を聞き出したく汐梨。口をグンニャリとさせながら、「初めての人ね~~。」顎を突き出して、「…と~~、言う事は~~。会社の人じゃ~~、ないんだ~~。」 耀司、キッパリと。「ありません。」 「男、女、どっちも…、って~~、言う事は~~。恋人同士…???…かな~~~???」 耀司、思わず可笑しがって、「いやいやいや。…って。そこまで突っ込む~~???」 「いやいや。」汐梨。口を尖らせて、「そこまで突っ込む~~???…って、突っ込むわよ~~~。」 耀司も、口を尖らせて、「いやいやいや。なんで~~。」 「いや。だ~~ってさ~~。兄さん。今、リモートでしょ。会社に行かないで自宅での仕事~~。」 つっけんどんに耀司、「そうだよ。」 「でぇ~~。家の事は芙美花任せ~~。」 「…です。」「…で、芙美花には申し訳ない。…と、思いながらも~~。兄さん、プライベートの事は~~。何でも芙美花には話す~~。」 耀司、話を聞きながら、目をキョロキョロとさせながら、「ん、ん~~~。ま、ぁ。確かに。」 「高校2年。3年になれば~~。当然、受験の準備。」 耀司、その声に、「…ですよね。」 「当然、そうなれば~~。…って言うか、今でも、何かしら、学校の事で、分かんない時は~~。芙美花の友達のご両親にも、電話で話を。」 口を窄ませて、「うん。たま~~にね~~。」 「…で。どんな人。」 いきなり耀司、汐梨に、崩れた顔をして、「あは…???」 「初めての人。」「お~~い。」 「いや。…って言うか~~。初めての人。…しかも、男と女。…で、食事までしてきて、それで終わりって事は、ないでしょ。」汐梨、ニンマリとしながらも…。 あっけらかんとしている耀司。「そこまで考える。」 いきなり汐梨、口を尖らせて、「いやいやいや。当然でしょ。今、私ね。高井戸家で、兄さん、あんたに家事を教えてんの。…でぇ~~。家事全般をしている芙美花の事も応援してんの~~。」 「はいはいはい。分かります~~。」 ルンバが足元で…。 思わず耀司、「おっと。邪魔だったかな、ルンバ…???」 麻沙美が耀司の傍でルンバにキャッキャッと。 「高井戸家に何かあったら、私がおかあさんに言われるんだから~~。あんた、傍にいて何してんのって。」 瞬間、耀司、頭の中で、「…駄目だ。これじゃあ、イタチごっこだ。」「はいはいはいはい。」そして、また頭の中で、「…このまんまじゃ、こいつ、音楽教室であれこれと聞きまくるなぁ~~。」 不貞腐れた顔で兄を見つめている汐梨。頬杖をしながら。 耀司、麻沙美の頭を撫でながら、「あるご夫婦と知り合った。」 汐梨、いきなり、「ご夫婦…???」 「そっ。ご夫婦。」 頬杖をしながら。「…どんな夫婦よ。」 「レコード会社に勤務しているご夫婦。」「レコード会社…???」 「うん。ダイナムズって。」「ダイナムズって、あの…???」いきなり汐梨、両手でテーブルを。 耀司、「うん。あの、ダイナムズ。」 「すっご~~い。」けれどもそう言いながらも顔を傾げて、「…うん…???…って言うか…、そんな…、大手レコード会社のダイナムズの人と出会って、食事って…。どういう事…???…まぁ。兄さんがサックスを吹いてるんだったら話は分かるけど。…って言うか、兄さん、聴く側専門でしょ。…で、別に、音楽のウンチクなんて何もないし。」 いきなり耀司、「おぃおぃお~~い。ウンチク、何にもないしって、ちょっと、酷くない…???」 下唇をビロンと汐梨、「だって、聞いたことがないし。」 そう言われて耀司、こちらも下唇をビロンと。「ま・ぁ。確かに。話した事はない。」 汐梨、唇を丸くしながらも、「じゃあ、何でよ。」 耀司、顔を傾げて、「いや。…何でよ…って、言われても…。何でって…。困るんだけど~~~。要するに~~。その人たちから…。食事、誘われちゃった。」 汐梨、いきなり、「は・ぁ…???」そして、両手を振り振りしながらも汐梨、「いやいやいや。…そりゃないでしょ。ジャズフェスに行って~~。…で、ジャズのウンチク話す訳でもないのに~~。レコード会社の男女ふたりの夫婦に食事に誘われた~~???…普通、有り得ないでしょ。何かしらが、ない限りは。しかも、初めて会った男女、夫婦って。…逆に、失礼でしょ。」 「ん~~な事、言われても~~。」口を尖らせて耀司、「証拠に、名刺も貰ってるし~~。」瞬間、耀司、頭の中で、「…ヤバ。…言っちゃった~~。」 半目をしての汐梨。そして…。耀司に、「ほぉ~~~。名…刺~~~。」 ママでいい…。 vol,037. 「初めての人。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.08.29
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耀司、そんな誓に、「へぇ~~ぇえ~~。あ、でも、その…、彼女はどうなったの…???」誓、「あ。うん。…でも、彼女は~~。かなりの…、痛手…。みたいで、元気なかったな~~。…でぇ~~~。その…、1週間後に、晄史が我が社に入社。一気に闇からの救い。」耀司、すぐさま、「あ。な~~るほどね~~。」晄史もニコニコと。誓、「ただ、みんなは韓国人…。ん~~~。ルックスはいいけど…。ちょっとな~~。私は、そういうの、全く関係ないから。」睦美、思わず、「うんうんうん。」誓を見て、「結構、誓、サッパリとしてるからね~~。」誓、「でぇ~~。一気に晄史にアタック。晄史も、仕事で何だかんだあって~~。その時。新しい事に挑戦って、事だったんだけど~~。私も完全フォロー。」晄史、「とにかく、誓には教えてもらった。」誓、「職場のみんなからも、誓、あんた、凄いねぇ~~って。…で、付き合って1年で~~。」晄史、誓に、「はい。奥様~~~。」誓、「しか~~も。私たち、年齢、同じ~~。ただいま35歳で~~~す。」耀司、「おやおや。じゃあ~~。日本で言えば、同級生結婚。はははは。」誓、目を見開いて、「あは。はははは。そうなっちゃいますね~~。…今は、晄史、そのユニットのために、日韓、行ったり来たり。5人組のユニットだけどね~~。3人が韓国人でぇ~~。2人が日本人。」耀司、「へぇ~~ぇえ~~。」誓、食べ終わって、「ふぅ~~。美味しかった~~。」他の3人も、それぞれ食べ終わって…。晄史、ニッコリと。耀司も、「ご馳走様でした。」そして…。駅までは4人、一緒に。そこからは…。晄史。別れ際に。耀司と握手をして。「高井戸さん。友達になってくれて、いいですか…???」誓も、「うんうんうん。是非~~。」耀司、その声に、ニッコリと。「えぇ。いいですよ~~。ありがとうございます。」3人、ニッコリと。そして…、それぞれの…、ホームに。晄史、誓と睦美に、「高井戸さん、いい人だね~~。」誓、ニッコリと。「うんうんうん。」晄史、睦美にも、「ねぇ。姉さん。」その声に睦美、「うん…???」晄史を見て、「あん。うん。…だね。」睦美の頭の中には…。耀司、玄関を。そして、「ただいま~~~。」汐梨、「あぁ。おかえり~~。遅かったね~~。夕食~~。」「あ~~。食べて来た~~。」汐梨、思わず、「あら。珍しい~~~。…って言うか、ひとりで…外食…???」耀司、瞬きしながら、「あ。…あ~~。いや…。…ちょっとね。」「ちょっと…???」「うん。ちょっとね。」いきなり汐梨、「は…???…何がちょっとよ。何々、何かあった…???」耀司、また瞬きしながら、「へっ…???…いや。…何も…???」「な~~訳、ないでしょ。もしかして…。会社の人にバッタリとか。」間髪入れずに耀司、左手を振り振り、「いやいやいや。それは。ない。」「じゃあ、何よ~~~。」麻沙美、耀司に擦り寄りながら、「おじちゃん、どうしたの…???」汐梨、途端に、「そうだよ~~。麻沙美の言う通りに、どうしたの~~だよ~~。」耀司、にやにやとしながら麻沙美を抱き上げて、「いやいやいや。さすがに、麻沙美には敵わないよね~~。」汐梨もニンヤリとしながらも、「はは。どんなもんだい。…で…???」耀司、「芙美花は、まだ部活…かぁ。」「あん。」汐梨。「うん。そうみたい。…って、誤魔化すな。…で…???…何。」耀司、「あん。」麻沙美を抱き上げながらも、「初めての人と飯食って来た。」いきなり汐梨、「初めて…???」耀司、「うん。初めて。」「初めての人と。…って、そういうの…あり…???」麻沙美を降ろして、「いや…。でも、うん。初めての人だから。初めての人。」「今まで会った事もない人と…???」耀司、コクリと。「うん。そうだよ。」汐梨、空を見ながらも目をキョロキョロと。「初めての人。会った事もない人と。」そして瞬き。「あ。…でも…。それって…。確かに。…あり得るか。ジャズ聞きながら、見ながらにして、知らない人と思わず意気投合。その弾みで、食事、どうですか…???…なんて。」耀司、「そうそう。そんな感じのノリ。」「…ってぇ~~。おぃ。そんな感じのノリって。…あのね。随分と調子がいいんじゃないのよ~~。」いきなり耀司、口を尖らせて、「いやいやいやいや。だ~~って。本当の事だも~~ん。仕方ないじゃん。」汐梨、ニンマリとして、「男…???…それとも…。」思わず耀司、顔を傾げて、「男…。女。ん~~~。」目をキョロキョロとさせながらも、「…その、どっちも。」「どっちもぉ~~???」汐梨、困ったような顔をして、「いやいやいや。…、その…。どっちもって~~。一体、どういう事~~???」「いやいやいや。」耀司。「…って言っても、どっちもだし。」汐梨、訝し気な顔で腕組みして、「え~~ぇえ~~???」 ママでいい…。 vol,036. 「一気に闇からの救い。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.08.28
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「そしたら、その先輩を最初っから看護してくれてた看護師さんが、先輩に、ほら。いるじゃありませんか、彼って…。」晄史。耀司、「彼。」睦美が瞬間、にこやかに、「ふふ。」誓も、ニッコリと。晄史、「僕の事です。」耀司、口を開いて、「おぉ~~。」晄史、ニコニコと。「…と、言うか、僕、先輩が入院した時から何度も見舞いに行ってて。」「うんうん。」「会社の事、いろいろと話してたんです。…でも、先輩は、もぅレコード会社はいい。たくさん。子供の頃から音楽が好きで、念願のレコード会社に入って仕事をしてたけど、別の道に進む。」耀司、「へぇ~~ぇえ。」「…で。」晄史。「晄史、おまえはまだ、ここで…???…キャリオンレコードで…???…もしかして…、難しいかも、知れないぞって言われて。その時、僕、先輩のベッドの傍で悩んでたんですけど。その時に、先輩を看護してくれてる看護師さんが、ほら。例の話し、してあげたらって。…それが~~。今のダイナムズの話しだったんです。つまりは~~。今のダイナムズ、日韓で活躍するユニットを売り出すって企画で動いてるんです。」耀司、「日韓。…と、言う事は、日本と韓国合同…。…と、言う表現で。」すぐさま睦美、コクリと。「えぇ。」誓も、「ビンゴです。」晄史、「その日韓ユニットのスタッフが足りないって事で、僕にどうですかって。…つまりは、お誘いです。」耀司、「へぇ~~。何ともラッキー。」「そんな経緯もありまして、ダイナムズに入社した、途端に~~。」ニッコリとして、誓を見て、「いきなり僕にアタックしてきた女性がいたんです。」耀司、にこやかな顔で、「あ~~~。…で、それが。」体の前に誓に向けての右手を差し出して。「誓さん。」誓、ニッコリと。「私です。」耀司、「な~~るほどね~~。いきなり、猛アタックですか。」誓、ニコニコと、「はい。目の前がパッと。」睦美、「失恋真っただ中。」誓を労わるように。誓、「んもぅ~~。最悪でした。とにかく、私、自暴自棄になってて。とにかく、男を見る目がなかった。3年ですよ、3年。…って言うか、まぁ。今となっては、相手も相手ながらに、巧妙。…って言うか~~。頭が良い。…って言うか、あれは~~。ずる賢い。…てか、見破られなかった自分が、情けないと。」思わず睦美、クスリと。耀司、話を聞きながらに困ったような…。誓に、「えへ…???」誓、耀司に、顔を傾げて、「浮気…???…と、言うか、あぁいう場合…。…何て言うの…???…二股…???ミツマタ…???…ヨツマタ…???」睦美、思わず、また、クスリ。耀司、誓の話に、「はい…???」「…って言うか~~。」誓。「私~~。会社の友達にも~~。まっ。付き合っている人はいるっては~~。言ってるんですけど~~。相手の事は。」耀司、その話に、「ふむふむ。」誓、口を真一文字。「ザ・シークレット。」瞬間、耀司、「クッ。」いきなり誓、「だ~~って~~。…って、言うか、内緒にしたいじゃないですか~~。これが、いざ、結婚という事になれば~~。その時こそ。」耀司、ニコニコと。「うんうんうん。」「でも、ある時。」耀司、目を見開いて、顔を傾げて、「うん…???」「同じ宣伝部の女性が~~。喫茶室で、泣いちゃってたんです。」「ほぅ。」「みんなでどうしたの~~って~~。」「おや。」「そしたら~~。」「ふん。泣きながら、女がいた~~~って。」耀司、またまた目を見開いて、「わお。」「その女の子、相手の男性と付き合い始めて1年。涙ながらに、裏切られた~~って、泣き通し。」「あらら。」「でぇ~~。みんなも、誰よその男~~って、言ったら、彼女、自分とその男と一緒にデートしてるツーショットを。…そしたら~~。その男。」そこで誓、目を真ん丸にして、そして怒った顔で、「私の、その彼。」いきなり耀司、「え―――――――っ!!!」睦美、また誓を労わるように。誓、「そうしたら~~。みんなも、うそ―――――――っ!!!…この人、ダメ。絶対にダメって。女を食い物にしてるって噂だよ~~って。」耀司、途端に、「わ~~~~~。」「私なんて、いきなり頭をガ~~ンと。しかも、一気に冷や汗。そして、体がガックン。」耀司、思わず右目を歪めて、「あっちゃ~~~。」「さすがに、その日はダウン。…なんとか、みんなには、誤魔化したけど。次の日に、彼を呼び出して、思いっきり顔にバッグをバン。このろくでなし~~って。そのままバイバイ。」耀司、「わ~~~お。」「さすがに、3日、茫然。あ。けど、仕事は仕事。うんうんうん。」そんな誓に睦美、ニッコリと、「うんうん。」「確かに。」誓。「男は、男。…でもそれで仕事に穴。なんて。それこそ、職場のみんなから何言われるか。そういうの、私、嫌だから。」 ママでいい…。 vol,035. 「いきなり僕にアタックしてきた女性がいたんです。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.08.27
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それぞれに飲み物が…。晄史、「じゃあ~~。乾杯、しましょうか。」その声に3人、誓、「うん。」睦美、「えぇ。」耀司、「はい。」晄史、「それでは、今日のジャズフェス、最高でした。そして。」誓、睦美、耀司、晄史を見て、「うん…???」晄史、笑顔で、耀司を見て、「高井戸さん。初めまして~~。」耀司、「あ~~、ははははは。はい。…って、それを言うんなら。」チラリと眞鍋を見て、そして誓と晄史を見て、「僕の方こそ、初めまして。」晄史、「乾杯~~ぃ。」3人も、「乾杯~~ぃ。」そして、4人、共に、グイッと。それぞれが、「ん~~~。」「ふ~~。」「はは。」「旨い。」晄史、ニコニコと、「うんうんうん。いいですね~~。」耀司、「えぇ。中々。」そして、「ははは。いやいやいや。何度も言わせてもらいますが、素敵なご夫婦。」その声に誓がニッコリと。顔をコクリ。「ははは。」耀司、「おふたりは…。…って、言うか、当然、仕事での、出会いで…???」誓、いきなり右手を挙げて、「は~~い。ビンゴで~~す。」耀司、ニッコリと。「なるほど。」誓、「私からアタックです。はい。」耀司、思わず、「お~~っと~~。そうなんですね~~。」「もぅ~~~。完璧でしたから。」その声にすぐさま耀司、「はっ…???」誓、キッパリ、「闇からの救い。」耀司、眉間に皺を。「闇からの救い…。」その声に睦美、少し笑ったような表情だったが、誓の右肩に左手を。そんな睦美に誓、笑顔で。耀司、顔を傾げて、「いや…。闇からの救いって。」睦美、「誓、実は…、失恋真っただ中だったの。」いきなりの声に耀司、思わず眞鍋を見て、そして誓を見て、「わお。」晄史はそんな誓を慰めるような表情で、優しく、「な~~んだよね~~。」誓、ニッコリと。「はい。失恋真っただ中。…で、ありました。」耀司、キョトンとして、「おやおやおや。…なんとも。」「…で…。そこに現れたのが、今の私の旦那様。」晄史を見てニッコリと。耀司、納得したように、「へぇ~~~。そうなんだ~~~。」誓、「元々、晄史はダイナムズにはいなかったんです。」瞬間、耀司、「へっ…???」睦美、微笑みながら頷いて。晄史も、「はい。別のレコード会社で働いてました。高井戸さんは、キャリオンレコードって、ご存じですか…???」瞬間、耀司、眉間に皺を。「キャリオンレコード。果て…。」「実は僕。」晄史。「日本に来て、初めて働いた会社がキャリオンレコードなんです。大体、8年くらい、そこの会社で働きました。」耀司、「ふむふむ。」「だったんですけど。不正が発覚して…。」途端に耀司、「わお。」「その殆どが会社ぐるみの不正で…。」「会社ぐるみの不正。」「はい。」「裏金です。」一気に耀司、「う~~わっ。」「その事がある一部の社員からのメディアへの投稿で…。いきなり。」「メディアと言うと…。」「週刊誌です。」「あっちゃあ~~。」「知らなかったのは社長と秘書だけで、その他の専務や常務、取締役たちも全部グルで。その責任を取って社長以下役員たちは辞職。刷新されましたが、信用回復には…。」睦美、「あの頃、晄史、大変だったから。朝は早くから、そして夜は遅くて。倒れないか心配で…。」晄史、「そんな時に、ある話が僕に。」耀司、「ある話…???」「お待たせしました。」ウェイトレスがトレイにメニューを。誓、「わぁ~~。来た~~。はは。美味しそう~~。」睦美、「ん~~。いい匂い~~。」晄史、ニコニコとしながら、「食べましょ、食べましょ。」誓、「うんうん。」耀司も、「おほほほほほ~~。はは。…では。」4人、共々、両手を合わせて。「いただきます。」そして…、4人、それぞれが、目を丸く、「うん。うんうんうん。」「美味しい~~。」「うんうん。」「旨い。」「いやいやいや。中々どうして…。」耀司、晄史に。「…で…???…その…。ある話って…。」晄史、「あ、はい。実は。会社の不正で、社員たちはもぅすっちゃめっちゃか。信用回復に。」耀司、「うんうんうん。」「まぁ。そのせいで、あまりの過労で。」「あ、あ~~~。」「結局…。病気になって病院に。それでなくとも、会社が会社だから、退職する人も…。」「な~~るほどね~~。」「僕の先輩も過労で病院に。そんな時に、ある話が舞い込んだんです。」耀司、「へぇ~~ぇ~~。」「6人部屋の病室で。」晄史の声に耀司、「うんうん。」「偶然にも、その僕の先輩。もぅ、入社した時から良くしてもらった先輩なんです。」「へぇ~~え。」「その先輩が入院して、その先輩の隣の患者が、何と、別のレコード会社の人だったらしいんです、偶然にも。…で、新しいユニットを誕生させたいんだけど、そのユニットのマネジメントに手を焼いていて、どうしてもスタッフが足りないって。誰かいない…???…って。」耀司、話を聞きながらに、「へぇ~~ぇえ~~。」 ママでいい…。 vol,034. 誓、「私からアタックです。はい。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.08.26
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耀司、女性のその名前を見て、「へぇ~~。誓で、チカさん。」ニッコリとしながら、「中々どうして~~。何とも良い響きですよね~~。」その声に誓も晄史も、耀司を見てニコニコと。「ありがとうございます。」晄史、ペコリと。そして誓を見て。誓、ニッコリとしながら、「はは。嬉しい~~。」耀司、笑顔でも顔を傾げて、「いや。でも。」晄史の名刺を見ながら、「ん~~~。日に光る。そして歴史の史であきひと。」そしてまた、「ん~~~。確かに、すぐには…。はは。」そして晄史に謝るように、「僕も…。読めないです。…って言うか、凄い名前ですよね~~。この名前も良い響きです。」晄史、照れながらも、「ありがとうございます。」ウェイトレスが席に。「お待ちいたしました。いらっしゃいませ。」すぐさま晄史、「さ~~て、何にしようかな~~。」そう言ってすぐさま、「あ。じゃあ~~。」耀司に先にメニューを。ペコリと、「あ、まず、高井戸さんからどうぞ。」思わず耀司、「えっ…???」いきなり振られて…。そして耀司、ニコニコしながらも、「あ、いやいやいや。眞鍋さんから。うん。どうぞ。」すると、誓も、睦美に、「お姉さんからどうぞ。」すると睦美、「へっ…???…いいの…???」誓、ニッコリと、「はい。」晄史も耀司に、「高井戸さんからどうぞ。」右手を差し出して。耀司、「あ、あ~~。」顔をコクリと。「じゃあ~~。」そしてメニューを見ながら、「え…、と~~~。」睦美が先に誓に、「うん。これにする。」誓、メニューを見て、「了解。」耀司は、顎を右手人差し指と親指で撫でながら、「え…っと~~。」数秒後、「うん。これにしよう。」晄史、耀司に、「高井戸さん、決まりましたか…???」「うん。」誓、「じゃあ~~。決まりね。」ウエイトレスを呼んで、「お願いしま~~す。」耀司、目をパチクリとさせて、「えっ…???…って、晄史さんと誓さんは…???…もぅ…。」晄史と誓、ニッコリと。「えぇ。」「はい。」誓、ニコニコとしながら、「来る前に、もう決めましたから。」耀司、口を窄めて、「あ、あ~~。そっか~~。なるほど。」耀司、記憶を辿りながら…。そして、頭の中で、「…そう言えば、このふたり、ずっとスマホで…。」そして声に出して、ニッコリと。「なるほどね~~。」誓、ウェイトレスにメニューを。「グラタンと~~。オムレツ。そしてビーフシチューと。高井戸さんは。」耀司、「あ。僕はチキンカレーで。」ウェイトレス、「畏まりました。お飲み物の方は。」晄史、「高井戸さん、ビール、大丈夫ですか…???」耀司、小刻みに顔を2度コクリと。「え、え~~、はい。大丈夫です。」晄史、「僕たち、電車で来ましたから。」耀司も、「あ、うんうんうん。僕も電車です。まっ。確かに、駐車場、あるみたいですけど、空いてる確証がなかったんで。」晄史も、コクリと。「えぇ。僕たちもそう思って。」誓、ウェイトレスに、「じゃあ~~。生ビールと、レモンサワー。」睦美に誓。睦実もニッコリと、「うん。」誓、「ふたつずつ、お願いします。」ウェイトレス、再び、「畏まりました。」耀司、ウェイトレスに軽く会釈を。そして…、晄史を見て、「晄史さんは、車…。」晄史、その声にニッコリと。「えぇ。免許持ってます。」両腕でハンドルを持つゼスチャーを。「日本に来て、すぐに猛勉強して、免許、取りました。」誓、「私は…。」チロリと舌を。「へへ。持ってませ~~ん。」耀司、「凄いや。日本に来てすぐ。」晄史、「はい。」耀司、にこやかに。「はは。」そしてふたりを見て、「いやいやいや。」ニコニコと。「つくづく、お似合いのご夫婦。いい感じですよね。」その声に誓、嬉しそうな表情で、「そうですか~~。」そしてまた晄史の右腕に両腕で絡みついて、「ありがとうございま~~す。」晄史もニコニコと。耀司、「あ。…って言うか、何か、凄い名前って思って。晄史。」そして…。晄史を見て、眞鍋を見て、「当然…。日本の方が付けた…、名前ですよね。」晄史、「はい。そうです。日本人の人から付けてもらいました。」耀司、「うんうんうん。なるほどね~~。」「高井戸さんは、ジャズ、お好きなんですね。」耀司、ニッコリと。「えぇ。」「何か、楽器の演奏は。」瞬間、耀司、右手を振り、「あ、いえ。僕は専ら聞く方が専門で。」「そうなんだ~~。」誓、「高井戸さん、好きな楽器は…???」「あ。僕は、サックスです。」その声に誓、「わお。じゃ~~。今日のジャズフェス。」耀司、ニコニコと、「え~~。もぅ~~。大満足です。いつもは、イヤフォンで聴いてるんですけどね。」晄史、ニコニコと、「今って、便利ですもんね~~。小型で、何処でも聴けるって言う、小さなアイテムもありますから。」耀司、その話にニッコリと。「えぇ。その通りです。」そして…。席に飲み物が。 ママでいい…。 vol,033. 「凄い名前ですよね~~。この名前も良い響きです。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.08.25
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女性、いきなりステージ目掛けて、「ありがとう~~。最高~~~。」その声が聞こえたのであろう、バンドがサラリと感謝の音を。ドラムが、「ドドン。」サックスが、「プ~~プルプル~~~。」そして奏者たちがまた右手を高く。耀司、そんな景色を見ながら、「ははは。さっすが~~~。」眞鍋、「はは。うん。最高だわ。」耀司、その声に、「えへ…???」眞鍋、少しだけ目を潤ませたような、「気持ちいい~~~。」いきなり眞鍋の隣で女性、眞鍋に抱き着いて、「ん~~~。だよね~~。気持ちいいよね~~。お姉さん。」そんな女性の頭を撫でながらの眞鍋、「えへ…???…うんうんうん。ははは。」眞鍋の弟。「ふ~~~。はははは。終わりましたね~~。何とも感無量。最高のステージ。はは。」眞鍋も、「うん。」弟。「んじゃ、行きますか。」そして弟、「すみません。たかいど、さん、でしたか。この後、ご一緒にどうですか、お食事。」その声に耀司、目をパチクリと。「えへ…???」すると女性も、「うんうんうん。一緒に行こ。大勢の方が美味しいし。」耀司、思わず、「あ、いや…。ははははは。」眞鍋もにこやかに、「是非、どうぞ。弟があぁ言ってますから。」耀司、何かしら申し訳なさそうな顔で、「あ、あ~~。はぁ~~。そぅ…、ですか~~???…ん、じゃあ~~。お言葉に甘えて。」無下に断る事も出来ずに…。頻りにスマホで何やらチェックをしている眞鍋の弟。そして…。「おっと、ここなんか、どお…???」隣の女性に。「あぁ。うんうんうん。いいかも~~。」そして弟、「姉さん…???」姉にスマホを。眞鍋、スマホを見て、「あぁ。うんうんうん。いいんじゃない。」「OK。」そして…。眞鍋、店の前で高井戸に、「ここです。」耀司、ニコニコと、「うんうん。いいですよ~~。」眞鍋もニッコリと、「良かった。」そして…。丸いテーブル。座る位置は…。眞鍋の弟、そして女性。そして、眞鍋。そして耀司。耀司、「ごめんなさいね。いきなり僕なんて。部外者が…。」間髪入れずに眞鍋、小刻みに首を振り、「いいえ…。」いきなり眞鍋の隣の女性が、「いいんですよ~~。是非、是非ご一緒に~~。」と、ニッコリ。弟も、「えぇ。大勢の人の方が、料理も美味しいし。」こちらもニッコリと。そして…。すぐさま4人同時に。「あの~~。」またすぐさま4人、お互いに顔を。眞鍋、クスリと、「ぷっ。」女性、ニコニコと、「かかかか。」弟、「はは。」耀司も釣られて、「はは。」鼻を右手人差し指で、「いやいやいや。」そして耀司、「ここは~~。…って、言うか…。ま。僕の方からですね~~。」眞鍋も女性も弟も男性の顔を見て僅かに顔を傾げるように。「……。」耀司、顔をコクリと。「初めまして。」その声に、3人もコクリと。女性が、「初めまして。」耀司、バッグから…。名刺を…。そして、「高井戸耀司と言います。」3人共に名刺を手に。弟、「高井戸…、耀司さん。」耀司、「うん。ウェルストンと言う、IT関連の会社で、WEBデザイナーの仕事を…。」眞鍋、口を窄ませて、2度程頷いて。弟、「へぇ~~~。凄いですね~~。WEBデザイナー。」隣の女性も、「うんうんうん。」弟も、バックから、そして名刺を。耀司に、「はい。これが、僕の名刺です。」女性、「あ。私も。」眞鍋、申し訳ないような顔で、「ごめんなさい。私は、名刺は…。」耀司、その声にニコニコと、「あ、いいえ。全然。」そして…。ふたりの名刺を…。いきなり、「わお。」弟、耀司にペコリと。「改めて。眞鍋晄史(まなべあきひと)と申します。レコードのダイナムズに勤務しています。」ニッコリと。耀司、目を見開かせて、「いやいやいや。凄いや~~。あのダイナムズ。何と。超有名レコード会社。…それに…。」晄史の隣の女性をチラリと見て、「同じレコード会社。」女性、「はい。ダイナムズの宣伝部で。」耀司、「眞鍋…、これは…。何と読めば…。」男性を見て、女性を見て…。女性、ニッコリと、「あきひと。って、読みます。かかかか。私も、初めて見て、読めなかった~~。こうじ…って、読んじゃったから。…で、次には、みつふみ…???…って。」耀司、名刺を見て、口を窄ませて、「うんうんうん。確かに、そうも、読めるけど…。…って…???」女性を見て、「えっ…???…苗字が…、同じって…。まさか…。」女性、ニコニコと。「あ、はい。結婚してます。夫婦です。」いきなり耀司、「わお。」眞鍋、ふたりを見て、「結婚2年目です。まだ新婚ホヤホヤ。」耀司、「お~~ほほほほほ~~。」ふたりを見ながらニコニコと、「いやいやいや。うんうんうん。実にお似合い。素敵なカップル。ご夫婦ですよね~~。」晄史、ニッコリと、「ありがとうございます。」晄史の右腕を占領するように女性、「ふふ。」耀司、そんなふたりを見て、「おやおや。」そして、「名前が…。…もしかして…、これで、チカ。」女性、「ピンポ~~ン。誓で、チカです。」 ママでいい…。 vol,032. 女性、いきなりステージ目掛けて、「ありがとう~~。最高~~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.08.24
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そんな…。芙美花たち博楼高校の修学旅行の余韻は数日続く事になるのではあるが…。事実、そんな修学旅行の余韻もありながらに芙美花としては頭を悩ませているのが…。そう。定期演奏会。その…、本番も近づいているのである。…ところが…。ここに、思わぬ偶然が…。…実は…。汐梨、麻沙美の音楽教室から帰りに耀司に、「はい、兄さん、チケット~~。」チケットを受け取り耀司、にやけた顔をして、「おほほほ~~。サ~ンキュ~~。」「…って、チケットくらい、自分でゲットすりゃあ良くない~~???」その声に耀司、僅かに眉間に皺を。「いやいやいや。…まま、確かに、それもそうなんだけど~~。ある意味…???叔父ではあるけど、実質、麻沙美の両親ではない訳で、何かと…。」口をグンニャリとさせて汐梨、「な~~に言っとるかな~~。もぅ~~。何度も音楽教室には行っている癖に~~。」耀司、「あはははははは~~。とにかくサンキュ。うん。良し。」…と、言う経緯があり、耀司、ジャズフェスタに…。観客は全てが立見席である。耀司が会場に訪れた時には、既に会場の半分近くは観客が…。耀司、「おほほほほほほ~~。いらっしゃいますね~~。」そして…。演奏が始まる。耀司、聴きながらにして、「うんうんうん。いいねぇ~~~。」その時、「こっち、こっち。こっちの方が良い感じで見れる。うん。」の声。そして…。耀司の背中にトン。と、当たる。何か…。バッグのような。耀司、「おっと。」すると、「すみません。」の、女性の声。耀司、後ろを振り返り、「あ、いえ。…大丈夫ですか…???」の、声に、その男性の顔を見て、「えぇ。だい…。あっ。」耀司、女性の顔を見て、こちらも、「あ。…えっ…???」女性、びっくりした顔に、そしてすぐさまにこやかな顔になり、「あ、ははははは。こんにちは~~。」傍の男性が、「うん。ここならいい。はは。」いつの間にか…。耀司の右隣に…。眞鍋睦美が。耀司、眞鍋に、コクリと。「はは。どうも。」眞鍋、僅かに恥じらいもありながらもコクリと。「どうも…。」「…って。えっ…???」眞鍋をチラリと。眞鍋、その声に、小さく、「えっ…???」耀司、眞鍋の頭まで上半身を降ろして、「ジャズ、好きなんですか…???」顔は真っすぐにステージの方に。眞鍋、思わず、「えっ…???」そして小刻みに顔を2、3度コクリと、「えぇ。はい。」すると耀司、「わお。…さすがです。」眞鍋、その、「さすがです。」の声に、「え…???」耀司、ニッコリと、そして僅かに顔を傾げて、「いえいえ。とにかく、楽しみましょう。」眞鍋、「え、え~~。」眞鍋、楽しそうにリズムに乗っている高井戸を見て…。何かしら、微笑ましく…。会場内は照明のために明るい。ちょっとしたインターバル。眞鍋に右の方にいた男性が、何やら声を掛けて、その場を。眞鍋も声を掛けて。耀司、何と言ったのか分からずに、また体を眞鍋の頭まで、「どうしました…???」眞鍋、クスリとして、「あぁ。トイレです。」すると耀司、ニッコリとして、「あは。そうか。うん。」すると、今度は眞鍋の右隣の女性が眞鍋に声を。眞鍋、その女性にも何やら、「あぁ。うん。音楽教室の生徒の親御さん。」今度は日本語で。すると眞鍋の隣の女性、男性に、「こんにちは~~。」耀司、思いがけず声を掛けられて、ぎこちなく体を右に。「あっ。はは。えっ…???…あ、こんにちは~~。」思わず頭をコクリと。女性、眞鍋の頭を通り越す声で、「お姉さんの音楽教室のお子さんの親御さんなんですね~~。」いきなりの質問に耀司、「あ、あ~~。はははは。はい~~。」どう接すればいいか分からずに耀司。「えぇ。実は…。僕の妹の子どもの…。はははは。姪の…なんですけどね。」すると女性、「へっ…???…そうなんだ。」眞鍋、思わず恥ずかしくなって。僅かに困った顔をして、「ちょ、ちょっと、ちか。…いきなり。…失礼よ。」男性が戻ってきて眞鍋に声を。すると眞鍋も男性に韓国語で。すると男性、ニッコリとして、「こんにちは。眞鍋睦美の弟です。」にこやかに。「眞鍋晄史(まなべあきひと)と言います。よろしくどうぞ。」ペコリと。いきなり自己紹介をされてぎこちなくなっている耀司。「あ、あ~~。はは。はい。こんにちは。高井戸耀司と言います。」眞鍋を見て、「眞鍋さんの、あの、その。…音楽教室に僕の姪っ子が通っていて。…で、あの…、その…。」そこまで言って耀司、右目を歪ませて、顔を傾げて、「…ん…???…こういう場合、どういう風に説明したら…。」眞鍋の隣の女性、「あは。始まった~~。」男性も、「おほ~~~。」流れるメロディに耀司、「おっ。来ましたね~~。」眞鍋もニッコリと。「はは。」アンコールも合わせての凡そ3時間半のステージ。大喝采の中でジャズフェス終了。 ママでいい…。 vol,031. ここに、思わぬ偶然が…。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.08.23
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汐梨、スマホで、「…って~~事は~~。かなり、体のラインが凄いって。」芙美花、頷きながらも、「うんうんうん。胸なんて、私の倍…???」耀司、思わずキョトンと。汐梨の声、「へぇ~~。」芙美花、「まっ。学校でも、たま~~には~~。ああいうの…。…でも、旅行の時は凄かった。…でぇ~~。ある意味、みんな釘付け~~。」耀司、目をパチクリとさせてのウツボ口。汐梨、「へぇ~~。いるもんだね~~。かかかか。じゃ~~。かなり楽しかったでしょう~~。」芙美花、「うんうんうん。」「そっか~~~。かかかかか。…でも、あっと言う間だよね~~~。」芙美花、その声に、「まっ。確かにね~~。」そして、「あ。おばちゃん、私の留守、ありがとうね~~。」汐梨の嬉しそうな声、「いいぇ。どういたしまして~~。愛する姪っ子のためだもの~~。かかかかか。」そして汐梨、「…でぇ~~。麻沙美がさ。芙美花お姉ちゃん、いな~~い。って、寂しがってたよ~~。もぅ…、寝ちゃってるけどね~~。」芙美花、にこやかに、「うんうんうん。麻沙美にも、ただいまって言わなきゃ。」「おぅ。」そして汐梨、「明日、行くから~~。」「あん。ありがとう~~。お土産あるからね~~。」「OK~~。」そして…。その2日後には、芙美花のクラスでは、修学旅行中の写真がタブレットで…。それぞれの席で朝から話題沸騰~~~。そして…。職員室ではこの人。「さすがは、清水先生。凄いの何の。ねぇ~~。城木先生~~。」吉宗岬。城木、「うんうんうん。とにかく、行くとこ、行くとこ、みんな着いて来るし、行くし~~。とにかく清水先生。物凄いボディコン。」岬、「凄いっすよね~~。」そんなふたりに、「な~~に言ってるんだか~~。」岬、「だ~~って、この写真なんか凄いっすよ~~。とにかく生徒たちも、男性にも目の毒~~。ほらほら、これこれ~~。」そう言いながら、胸を強調した画像と、ピッタリパンツのジーンズ姿。賑わっている職員室に急ぎ足で入ってきたふたりの女性。「何々。写真出来た…???」ニコニコとしながらも博楼高校のトライアングルレディースのふたり。犬養美南(いぬかいみなみ)と神代楓香(かみしろふうか)である。3年A組の担任、数学教師と、養護教諭。楓香、「見せて、見せて~~。」岬、「おっと来た~~。トライアングル登場~~。」美南、岬に、「何バカな事、言ってるのよ~~。早く、見せなさいって。」岬からタブレットを取り上げて。楓香、「うんうんうん。確かに。清水先生~~。さ~~っすが~~。」この…、3年A組担任の犬養美南と、2年A組の清水亜香里。そして、養護教諭の神代楓香、合わせ博楼高校のトライアングルレディースと、学校内では生徒のみならずも教職員からも囁かれている。つまりはこの3人が、とにかく博楼高校では、モデル並み、またはグラビアにでも出てくるスタイルの持ち主であり、ルックスなのである。清水、「もぅ~~。犬養先生も、神代先生も~~。」美南、「いいじゃな~~い。それだけ亜香里が人気だって証拠だもん。ねぇ~~、楓香~~。」楓香、頷きながら、「そう言う事~~。」城木、「とにかく、こういうアイテムを着こなせる事自体が、私には憧れちゃうよ~~。私なんて、絶対に無理。…って言うか~~。こういうの…あまりないから。かかかかか。」「何仰います。城木先生だって、ワンピ姿、私は最高だと思ってるんですから~~。」楓香。「ねぇ~~美南先生~~。」岬、「はいはいはいはい。職員朝礼、始まりますよ~~。」奥から出て来る教頭の季久美李子(きくみりこ)。そして学校長の舘脇尚秀(たてわきなおひで)。教職員それぞれが椅子から立ち上がる。そして…。職員朝礼の最後に舘脇、「あ、そうそう。兼高先生。定期演奏会、楽しみにさせていただきます。」遠くの方で兼高と言われた教師。この女性教師、兼高悠月(かねたかゆづき)。音楽教師であり、吹奏楽部顧問である。舘脇に深くお辞儀をして、「あ、はい。ありがとうございます。」舘脇、「何やら、ユニークな企画もあるとかで…。伺っておりますけど。」にこやかに。教頭の季久美も同じく。兼高、「あ、いいぇ。そんな…」舘脇、「みなさんも是非、楽しみに。最後に。季久美教頭。そして…。」教職員全員を見て、「今回の2年の修学旅行、同行してくれました2年の先生方。そして、今回の修学旅行に協力してくれた全職員、関係者の方々に、深く、お礼申し上げます。とにかく、無事に。何事もなく帰ってきてくれた事に感謝いたします。ありがとうございました。」舘脇、全職員の前で深く頭を下げて。そして教頭の季久美も同様に。職員もそれぞれがお辞儀。そして拍手が。…大きく。それと同様に、清水も城木も、そして岬も深く礼を。兼高、「さすがは校長、教頭ね。」 ママでいい…。 vol,030. 「無事に。何事もなく帰ってきてくれた事に感謝いたします。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.08.22
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「うん。なんだかんだで、観光に集中できない。やたらと問題の種になるって。」芙美花。「確かに。今の時代。何でもネットだから。しかも、SNS~~。」話しを聞きながらに汐梨。「そういう事~~。ただ、学校から配られた生徒個人が使うスマホはあるんだけど~~。」スマホから、「へぇ~~。そうなんだ~~。」「…とは、言え、変なサイトは見れない。」「どうして~~。」「スマホは帰って来る途中で先生から回収されるから。もし下手なサイトを見たなんて…、事になったら、そのサイトの履歴、削除できない仕組みになってるから。」汐梨、スマホを耳に、「あらまぁ~~~。」そして、「かかかかか。学校も考えるわね~~。」「…と、もうひとつ。ある意味、これが取って置き。」「うん…???」「配られたスマホで、ある意味、修学旅行中に、これは。と、言う成績に値する事がスマホで発見された時には、内申書に大きく影響されるという。」汐梨、「うそ。」芙美花、「ほんと。」そして、「だから~~。仮に、成績が悪くとも~~。この生徒には、こういう分野での特別な評価があります。と、言う事になる訳~~。」汐梨、目を真ん丸にして、「へぇ~~~~。」「今や、幾ら勉強が出来ようと、出来まいと、何かしらの…、生徒の意外性…???…そう言うのも、学業以上に、影響が大。」傍で聞いている耀司も、「その通り。…俺もそれ、芙美花から聞いて、今の学校、ある意味、やるもんだって、感心したけどね~~。」芙美花、既にスピーカーにしている。耀司、「…って、言うか、それ、修学旅行の案内には書いてあったんだ。俺もビックリしてさ。」スマホから汐梨の、「うんうんうん。」「まっ。旅行に個人のスマホを持って行くのには、ある程度、賛成の父兄もいると同様に、反対の父兄もいるみたい。…けどさ。今、スマホが当たり前の時代。毎日、いつ何時もスマホを離さないって生徒もいる訳よ。だから~~。無益にスマホの持ち込み禁止ってったら、生徒たちの楽しみ、奪っちゃうじゃない。」汐梨の声、「確かに~~。」「で、学校側は考えた。行き過ぎだって。…じゃあ~~。どうすればいい…???…ってなって。それならこうしましょ。って、先生たちがあれこれと知恵を働かせて~~。学校側でスマホを配布しましょうって事に。ま。確かにスマホ代は掛かっちゃうけど、レンタルって事らしい。…で、父兄との連絡手段に使えて~~。もし、迷った時の対処にも、そして、何らかの有事の時も。」芙美花、頷きながら。「但し。」耀司。「下手なインタネットアクセスはダメ。」芙美花に笑顔で。芙美花もコクリと。「うん。」「さっき、芙美花も言ったけど。下手なアクセスしたところで、履歴が削除できなくなっている。当然、生徒が何番のスマホを持っているか、飛行機の中でそのスマホ、渡されるようだから、小細工も何も、出来るはずがない。」そして耀司、「もちろん、日本から出国した時点では生徒たちの個人のスマホ所持はない訳だから。カメラがそれを確認してるからね~~。」「な~~るほどね~~。」「…で、最後に。旅行中に何かしら、生徒たちのスマホから学業以外に…。さっき、芙美花も言ったけど、成績以上に優秀な素材があれば、それが内申書に大きく影響すると。今の時代、確かに、科目の成績も重要。…なんだ、けど~~。それ以上にその個人のある意味…???…才能ってものなんて、何処に隠れているか、分かんないから。それこそ、修学旅行の醍醐味でも、あるんじゃないかな~~ってね~~。親御さんたちの声~~。」汐梨、「いやいやいやいや。考えられてるわね~~。」耀司、「まっ。俺も、芙美花の友達のおかあさんたちから電話で聞いたんだけど、凄ぇやって、思ってね~~。」「うんうんうん。」「それと~~。」芙美花。その声に耀司も汐梨も、「うん…???」芙美花、「かかかかか。さすがは2年の先生たち。凄い。」思わず耀司も汐梨も、「はい…???」芙美花、ニコニコしながら、「特にウチのA組の先生~~。」耀司、「あぁ~~~。」芙美花、「物凄い、ダイナミック。」耀司、「おや。」顔を傾げて。「…ってか、おとうさん、1回しか見た事ないけど。」芙美花、目を真ん丸にして、「凄っごい、ボディコン。」耀司も汐梨も、「ボディコン…???」汐梨、間髪入れずに、「へっ…???…そんなに凄いの~~???」芙美花、自分の胸に両手で円を描いて、自分の股間をピシッと。耀司、目を見開いて、「うそっ。」汐梨、「何々。」耀司、「つまりは、胸が強調されてて。…ん~~~。何て言うかな~~。脚線美って言うの~~。ほら。パンツを穿いてても、ピタッと。」汐梨、「あ~~~~。はいはいはい。…って事は~~。芙美花の先生、デカパイに、ピタパンって奴かぁ~~。」 ママでいい…。 vol,029. 「確かに。今の時代。何でもネットだから。しかも、SNS~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.08.21
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そして、翌日には、前日のニットとスカートとは打って変わっての、脚にフィットしたジーンズ。そしてTシャツにカーディガン。男子生徒も女子生徒も昨日同様に釘付け。少し、生徒たちには目の毒。…か、とも思われたが、当の同行する教師たちまでも、何かしらそのスタイルには許容的な視線で…。そして…。逆に、この清水が自分的になのかは分からないが、清水のファッションで、実に、生徒たちが韓国の歴史と文化に関しては高い興味を示す結果ともなっているのだった。そして、功を奏しているのが今の時代の、生徒の個人用のスマホ所持は禁止。その代わりに、学校側からの配布するスマホの所持が出来る。当然ではあるが、修学旅行が終了するやいなや、帰路の途中でそのスマホは回収される事になる。しかも、学校側から配布されるスマホのために、生徒同士でのある意味、小細工等が出来ない。それに…。インターネットは使用許可されてはいる。けれども、残念ながら、履歴を削除する事が不可能。その為に、旅行中にアクセスした履歴はそのまま残ってしまう。つまりは、個人用としては学業以外の目的でのインターネットにアクセスをしてしまえば、後々、問題とされる事になる。そして、その事については前以て生徒や保護者に通知とされている。回収されたスマホはその後には、全て業者に渡されスマホの解析から分析が施される。それが、今の時代。話は逸れたが…。その為に、清水の韓国でのファッションの影響もあってか、韓国での修学旅行は終始一貫しての生徒や同行する教師やガイドにとっても、好感触の旅行となったのであった。しかも…。…これもある意味では旅行の醍醐味とでも言えるの…、かも知れない。学校側としては、旅行先での写真撮影担当の女子生徒が存在する。同じ2年の写真部の女子生徒ではあるが…。今やカメラを持つのは男性のみの時代とは打って変わっての女性もカメラを持つ時代。女性ならではのカメラ技法があるのであろう。しかも…。スマホでは撮れないような景色が撮れると言う訳でもある。つまりはそんな女子生徒がカメラを持つ風景を見ての他の観光客も驚くなかれ、清水を撮影するという光景が。…けれども、これだけは地元のガイドが…。上手に話をまとめて大事に至らない約束の元で。そして…。それが原因で、韓国のSNSでは、日本の高校にはモデル並みの女性教師がいる。清水の体のラインと脚線美が圧倒的にその写真の中では表現されていた。けれども誹謗中傷どころか讃辞が絶えなかったのだった。つまりは、その影響で韓国の観光地がある意味、盛り上がったのであるから、仕方がない。清水を撮影した写真とコメントには韓国旅行終始、「いいね」が、怒涛の勢いで増えて行った。そして、それは、3泊4日の韓国旅行で博楼高校2年生の話題の的にもなっていった。けれども、当の本人、清水は全くそのSNSには興味がないくらいに、教師の仕事。そして、子育ての事や家庭環境の事で、同じ2年の担任たちとはその事が専らの話題。しかも、生徒たちにも、2年の担任たちはかなりの好印象をもたらしてもくれているのだった。2年A組担任の城木綺華(しろきあやか)。清水とは5歳年上だが、結婚して1児の男の子を儲けている。こちらもルックスよろしく女子アナタイプでもあり、声優ならではの声の持ち主。そして、2年C組担任は男性教師で、結婚2年目の新婚さん。吉宗岬(よしむねみさき)と言う、年齢は31歳。何故かは分からないが、この3人の教師たちには、自然にいつの間にか人だかりが出来る。その為かどうか。修学旅行先でも、特にこれという問題は皆無。そして…。あっと言う間に修学旅行は…。ジ・エンド。めでたし、めでたし。と、なったのである。芙美花たち2年生、東京に帰還…。芙美花、父に、「ただいま~~~~。あん。た~~のしかった~~。ヒュ~ヒュ~~。」耀司も、「はははは。おかえり~~。良かったなぁ~~。」「うんうんうん。これも、汐梨おばさんに感謝、感謝だよ~~。」そして芙美花、担任教師にサヨナラを。景織子と千愛。そして詩乃にバイバイをして、父の車に。「ふ~~帰ってきた~~。」耀司、そんな芙美花に微笑みながら、「お疲れ。」そして…。車の中では、いつの間にか、「ス~~。ス~~。」家に帰るなり、「あ、おばちゃん。私~~。帰って参りました~~~。」汐梨の声がスマホから、「かかかかか。おかえり~~。どうだった~~、韓国~~???」「もぅ~~。最っ高~~。ま。生徒は旅行に個人のスマホは厳禁で、持ってかれなかったけどね~~。」その声に汐梨、「へっ…???…そうなの。」 ママでいい…。 vol,028. 韓国の歴史と文化に関しては高い興味。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.08.20
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そして…。 その後も耀司、汐梨から頼まれての音楽教室に。 その度に汐梨、「兄さん、助かる~~。恩に着る。」 耀司、「…ってか。ん~~。いいんじゃない…???…かかかかか。大好きな姪と一緒にいられるチャンスも出来たし。」 汐梨、途端に、「かかかかか。そう言って貰えると、嬉しい限りの兄貴の言葉だね~~。」 そして、音楽教室に行けば、必ずと言っていい程に、麻沙美の方から、「眞鍋おねえちゃ~~ん。」と声を掛けられて…。 眞鍋、席から離れて麻沙美に、「いらっしゃ~~い。こんにちは~~。」 耀司も、眞鍋に、「ども。こんにちは。眞鍋…さんって言うんですね。いつも、麻沙美の事、ありがとうございます。」女性の胸のネームプレートを見て。 眞鍋も、自分のネームプレートに右手親指と人差し指を。そして顔を落として、「あ、あ~~。はい。」男性を見て笑顔で、「眞鍋(まなべ)、睦美(むつみ)と言います。いつもお世話様でございます。」男性に丁寧にお辞儀をして。 耀司、そんな眞鍋に、「いえいえ。こちらこそです。麻沙美の事、いつもありがとうございます。」そして、「高井戸耀司(たかいどようじ)と、言います。高いに、井戸の井戸。耀司は、曜日の日を光にしての…。そして司で、耀司。」 瞬間、眞鍋、目をパチクリとさせて、「あ、あ~~~。あ、はははは。はい。」顔をチョコンと。「後で…、調べて。」 耀司、「後で、調べ…???」 カウンター中から他の事務局員の女性。克広奈織(かつひろなお)。「眞鍋さん、出身、韓国なんです。」 瞬間、耀司、「あ、あ~~~。はいはい。はい。そうでした。妹からも、そう聞いてました。」 克広、にこやかな顔をして、「帰化しているとは言え、眞鍋さん、まだ完璧に日本語は…。」 その声に耀司、頻りに顔を左右に振って、「いやいやいや。とんでもない。しっかりと、お話。出来ます。えぇ。僕なんて、日本語しか話せない。ははははは。」 麻沙美、事務局の人たちに、「じゃあね~~。バイバ~~イ。」 事務局職員たち、「は~~い。行ってらっしゃ~~い。」 克広、「汐梨さん。木守さん。しっかりとしたおかあさんよね~~。とにかく礼儀正しいしお話も上手~~。ウェディングプランナーでしょう~~。中々どうして~~。素敵な女性だわ~~。」 その声に眞鍋、目をパチクリと、「えっ…???…ウェディングプランナー。」 克広の傍に数名の事務局員も集まり、「うんうんうん。汐梨さん、他のおかあさんからも憧れちゃってるもんね~~。」 そんな声に耀司、深々とお辞儀をして、「ありがとうございます。」 「それでいて、その木守さんのお兄さんが高井戸さん。何とも素敵。」克広。 耀司、思いっきり恐縮して、右手を振り、「いやいやいや。」そして、掲示板に貼ってあるポスターを見て、「ん~~~。いいなぁ~~。」そして耀司、事務局職員に、「では。僕も。」 事務局職員たち、高井戸に丁寧にお辞儀を。そしてそれぞれの仕事に。 他の事務局員たち、「ねね。高井戸さんって、お仕事何…???…って言うか、いつも、この時間。」 克広、目をパチクリとさせて、「果て…。うんうん。確かに、そうよね。この時間、普通なら会社。」 眞鍋はそんな事務局職員に微笑みながらも自分の席に。そして、「さ~~てと。」 事務局職員の鵜杉彩未(うすぎあみ)、睦美に、「眞鍋さん、高井戸さんの名前、分かりましたね。ふふ。」 その声に睦美、目をパチクリとさせて、「えっ…???」僅かに顔を傾げて…。「だ~~ってぇ~~。気になるわよ~~。麻沙美ちゃん、年長であれだけのピアノ弾けるんだも~~ん。それに麻沙美ちゃんのおかあさんも素敵人で、そのお兄さんが高井戸さん。」そして、メモを一枚。「えっと。確か…。ようじ…って、この漢字。」メモに、「耀司」「この漢字ね。」 睦美、「ふ~~ん。この字で、ようじ。」「そう。」 そして…。いよいよ。芙美花の高校の韓国への修学旅行。 汐梨、「行っちゃったか~~、芙美花、3泊4日の韓国~~。」 耀司、「あぁ~~。元気に行ってきま~~すってね~~。」 汐梨、にこやかに、「まっ。たま~~には、羽目外して友達と一緒に韓国、楽しんでらっしゃい。…でぇ~~。兄さん。今日から夜は。ひとりだよ~~ん。かかかか。大丈夫~~???」 耀司、その声に、「いやいやいや。そんな…。いつもひとりで寝てるし~~。」 「朝になっても、芙美花、いないよ~~。」耀司の顔を下から覗き込むように。 耀司、可笑しがりながら、「いやいやいや。子供じゃないんだから~~。」 「まっ…???…確かに。」 そして…。修学旅行先では…。何かしら、生徒たちの注目の的となっているのが…。この人。清水亜香里(しみずあかり)。 とにかく胸を強調とさせるニットには男子も女子も、いつも通りに釘付け。 ママでいい…。 vol,027. 「眞鍋さん、出身、韓国なんです。」 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.08.19
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汐梨、そんな耀司の声に、「かかかかか。確かに。蔵の一部をジャズスタジオにしちゃったもんね~~。改造までしちゃって~~。」そこまで言って汐梨、両手を叩いて、「かあさんも、好きな事やっていられたらボケないんだよ。な~~んて。」 耀司も、「なぁ~~~。」そして顔を傾げて、「親父、今も弾いてんのか、ベース。」 汐梨、目を見開いて、「70で…???」顔を傾げて、「ん~~、まぁ~~。…ってか、音楽って、年齢、関係ないし。」 耀司、「ふ~~~ん。かかかか。否めませんなぁ~~。」 その頃、ヨシカワ音楽教室では…。 「…と、言う事は~~。来年の~~コンクール…。年長さんクラスで言えば~~。小白川先生も推しの、木守、麻沙美ちゃん…かぁ~~。いいんじゃないですか~~。」教室長から受け取った資料を見ながらの、生野安海(おいのあずみ)事務局長。「ねぇ~~。眞鍋さ~~ん。」 他の事務局員たちも、「うんうんうん。ですね~~。」 眞鍋、奥まった席で、ニッコリと。「はい。私も麻沙美ちゃんなら大丈夫だと思います。」 生野、にっこりと、「ですよね~~。元ピアニストの眞鍋さんも言うんだから、間違いなし。」 事務局員たち、一斉に拍手。眞鍋、ニッコリと。 大卒でヨシカワ音楽教室に入社した元嶺万智(もとみねまち)。「でも、本当に眞鍋さんのピアノ、凄いですよね~~。とにかく圧倒~~。いつから弾いてるんですか~~。」 その声に眞鍋、「私は、3歳です。」 他の事務局員も、「うんうんうん。そうなんですって。私たちも、聴いてビックリ。とにかく本格的。」 そして、他の事務局員も、「クラシックから始めたの…???」 その声に眞鍋、「あ、はい。そうです。ふふ。」そして眞鍋、また仕事に。 生野、「はは。まぁまぁ。その辺で。」 汐梨、「あ、兄さん。じゃあ、彼女に会ったのなら、ほら。発表会の時に、彼女が弾いてた曲。」 耀司、その声に、「あ~~~。…確か~~。チャイコフスキーの、くるみ割り人形の…。」そこまで言って耀司、顔を傾げて、「あれ…???…何だっけ。」 汐梨、スマホでササッと。「ふ~~ん。花のワルツ…かな…???…この曲。」 耀司、汐梨のスマホ、聞こえるメロディにすぐさま、「あ。それそれ。うん。」 汐梨、すぐさま動画を。音量最大にして。 「あ~~。」耀司、「あ、うんうん。この曲、この曲。」 汐梨、「かかかかか。この曲~~。なんとも。さすがに凄いね~~。これ、彼女、弾いたんだ~~。」 耀司、ニコニコと、「うん。いやいやいや。奇麗だったな~~。ピアノのメロディ。まさか、事務局の人が~~ってね~~。」 「うんうんうん。確かに。」そして汐梨、耀司に、「名前を、眞鍋睦美(まなべむつみ)さんと言う。」 耀司、「眞鍋…。」目をキョロキョロと。そして、「あ~~ん。確かに~~事務の人、確かに、眞鍋さんって、言っていたような…。うんうんうん。」 汐梨、「奇麗な人でしょ。」 耀司、「うん…???」空を見て、右眉を歪めて、顔を傾げて、「うん。う~~ん~~。」語尾を上げて、「なんだ。」顔をぎこちなくしながらも、「ろぅね~~。うんうんうん。」 その表情を見て汐梨、「くくくくく。何よ、そのしっくりと来ない顔~~。」 耀司、咄嗟に、「あ、いやいやいやいや。いや…って。しっくりって…。」 汐梨、耀司に、目を見開いて、口を真一文字にして、キャビネットの上の家族写真を見ながら…。「まぁね~~~。義姉さんと比べれば~~。そぅなっちゃうんでしょうけど~~。」汐梨、椅子から立ち上がり、写真楯をひとつ、ひとつ。「とにかく奇麗な人だよ。義姉さん。しかも、滅茶苦茶家事が得意と来てる。」そこまで言って汐梨、「…ってか、義姉さんだったら、男性に、引く手数多だったんじゃない。…って、思うんだけど、まさか、合コンでね~~~。」 耀司、そんな汐梨に、「…って言うか、昔の事だし。」 汐梨、耀司の声に、「うんうんうん。昔の事。でぇ~~。去年。」 瞬間、耀司、「お~~い。蒸し返すな~~。」 汐梨、思わず、目を潤ませて、「おっと。ごめん。」 麻沙美は動き回るルンバに付きっ切り。「はははは。動いてる~~。」 「…って言うか…。世の中、何が起こるか分からない。」汐梨。「私だって、義姉さんのお蔭で結婚~~。」 耀司、「かかかかか。ま。確かに。勝臣君と知り合う結果となりました~~。…ってね~~。…で、あんな可愛い麻沙美が産まれました~~~。って~~。」 その声に麻沙美、振り返って、「えぇ~~。な~にぃ~~???」 耀司、麻沙美に、「可愛く生まれてくれてありがとう~~。」 その声に麻沙美、ニッコリと笑顔で、「どういたしまして~~~。」 耀司、その声にヒョットコのような顔で、「何とまあ、躾けのよろしい事で。」汐梨を見て、「わお。」 ママでいい…。 vol,026. 「とにかく奇麗な人だよ。義姉さん。」 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.08.18
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耀司、困ったような顔をして、「あ、いえ…。」右手を振って、「そんな…。…って言うか、ま。大概の物は、直して、使っているような…。まっ。原理さえ分かれば。」女性、思わず、「凄~~~い。」耀司、照れながら、また頭を掻いて、「いえいえ。」そして。女性、男性に、「こちらです。」教室の表札が、「ロレアンクラス」女性、「ロレアンクラスです。腕時計を見て、もぅ~まもなく、小白川(こしらかわ)先生、来ると思いますので、お待ちください。」耀司、女性にお辞儀をして、「ありがとうございます。」女性、麻沙美に、目線まで腰を低くして、「麻沙美ちゃん。じゃあね~~。」麻沙美、ニッコリと、「うん。バイバ~~イ。」男性にお辞儀をして、ニッコリと、「失礼します。」耀司、「ども。」女性、ゆっくりと歩きながら、「サックス、好きなんだ~~。」小声で。そして、ひとりの女性と。「あっ。小白川先生。」お辞儀をして、「お疲れ様です。」小白川と言う女性も笑顔で、「チャオ~~。」右手を振って笑顔で、「睦実(むつみ)~~。頑張ってる~~???」女性、小白川に笑顔で、「はい。いつも、ありがとうございます。」「じゃね~~。」事務局に戻ってきた眞鍋、他の事務局員数人から囲まれて、「ねね。高井戸さん、どうだった…???」その声に眞鍋、「高井戸…???」「麻沙美ちゃんのおじさまよ~~。」「あ、はい。教室に、ご案内しました。」事務局員、顔を濁らせて、「あん。そういう事じゃ~~、なくって~~。」またまた眞鍋、「えっ…???」目をパチクリと。事務局員、「あん、もぅ~~~。」眞鍋、頭の中で、「…たかいど…。」高井戸家にて汐梨、「はいはい。おかえり~~~。」麻沙美も、「ママ~~。」「今日も、頑張って来たかい~~???」麻沙美を抱き上げて。麻沙美、ニコニコしながらも、「う~~ん。」玄関口で耀司、「ただいま~~。」汐梨、「あん。お疲れ~~。ありがと、兄さん。」耀司、「いえいえ。どういたしまして。」「…って言うか、レッスンの間、兄さんって、何してるの…???」その声に耀司、「へっ…???…あぁ。かかかか。しっかりと休憩室で仕事、させて頂いております。」その声に汐梨、「うそ。」「いやいやいや。うそって。」「いや…。」汐梨。「だって、他の父兄もいるのに。」耀司、目を見開いて、「あ、いや…。特に。」「気にならない…???」「いや~~。気になるって言うか~~。」耀司、ポケットから、「これ、使ってるから。」ワイヤレスイヤホンを。汐梨、「あっ。あ~~~。」頷いて、「なるほど。その手があるか。」そして、「かかかかか。それなら他のママさんたちも。」「俺がパソコンで仕事やってるって、分かると思うから、逆に気にしないんじゃない…???…って、言うか、ママさんたちの声も聞こえないから。」汐梨、「うんうんうん。しっかりと、Wi-Fi、あったもんね~~。ヨシカワ~~。」耀司も、「はい。最初にしっかりと確認しております。」麻沙美、「ママ。おじちゃん、眞鍋のお姉ちゃんとお話してた。」すぐさま汐梨、麻沙美を見て、「うそ。」そして耀司を見て、「うそ。兄さん…???」耀司、そんな汐梨に、「うん…???」顔を傾げて、「あ。うん。…って言うか…。まぁ。偶然がね~~。」「偶然…???」そしてリビングで…。汐梨、「はは~~~ん。そういう事~~。まま、確かに、そりゃ、偶然だわ。…ってか、名前って…。」汐梨の声に耀司、口を捩じりながら、「んや…。」汐梨、「ややややや。んやって…。聞かなかったの…???」すぐさま耀司、可笑しがりながら、「いやいやいや。…って、聞ける訳ないじゃん。そんな…、知り合ったって訳じゃないし。しかも…。教室案内されただけで、あなたのお名前は…???…って聞くの…???…不自然でしょう~~。幾ら何でも~~。…って言うか、向こうだって、俺に名前、聞いて来なかったし、敢えて俺から名乗る必要。」汐梨、ブスッとした顔で、「まま。うん。ま、確かに。」そして汐梨、空を見て、「へぇ~~~。ジャズフェスか~~。」耀司、「うん。何とも、大大的なポスター。」汐梨、「かかかかか。兄さん、アルトサックス、好きだもんね~~。」ニコニコと。耀司も、「イエス。」汐梨、「な~~んか、こぅ~~。私ら、音楽には馴染みがぁ~~。」耀司も、「ふふん。それは、否めないね~~。汐梨はピアノ。俺は、演奏は出来ないけどサックス。まっ。親父がベースだったからね~~。」「…って言うか、父さんのベースを聞いて私、ピアノ走ったんだからね~~。かかかかか。どっちかって言うと~~。高井戸家は、とうさんの影響で、ジャズなんだよね~~。」耀司、「かかかかか。その通り。…いや。…って言うか、親父のあのベースなんて、セミプロじゃん。引く手数多。あちこちらのバンドから誘われて~~。」 ママでいい…。 vol,025. 「ねね。高井戸さん、どうだった…???」 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.08.17
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耀司、更にポスターを見て、「こりゃ、凄いわ~~。」そして耀司、女性に。「あ、これ、何処に貼れば。」すると女性、「あ、あ~~。すみません。え…、と。」耀司、掲示板の上の方に両手を…。女性、「あ~~。うんうんうん。はい。その辺に。」耀司、「こんな感じ…???」「あ、はい。ありがとうございます。」耀司、ポスターの端を持って、「ピン、いいですか…???」女性、男性を見ながら、「あ、はい。お願いします。」耀司、女性の手の平からピンを摘まんで。そして、「ウッショ。良し、これで~~。今度は~~。」また耀司、女性の手の平から。「ありがとうございます。」女性、「いいえ。」耀司、ポスターの上の部分、3か所にピンを。事務局の人たち、「しっかりと丸まってたからね~~。しかも、厚みのあるポスターだから。…で、ででぇ~~んと。凄いダイナミック。」耀司、「ははは。…ですよね~~。」事務局の男性、「すみません。ご家族に、そんな事まで。」耀司、「いいえ~~。はは。」そして、貼り終えたポスターを見ながら、「アルトサックス、いいですよね~~。」ニンマリと。すると事務局の男性、「おや。アルトサックス、お好きで。」耀司、僅かに両眉を動かし、目を見開いて、「大好きです。」瞬間、傍の女性、思わず口を窄ませて。事務局の男性、「あ、眞鍋さん。高井戸さん、教室まで案内して差し上げて。ロレアンクラスに。」瞬間、事務局の人たち、「あ~~~っ!!!麻沙美ちゃん、教室に入れないって、困ってるかも~~。」「わお。」男性、「眞鍋さん、急いでお願いします。」眞鍋と言われた女性、「あ。はい。」男性に、「こちらです。」耀司、「お願いします。」廊下を歩きながら…。耀司、女性の後ろ姿に、「あの。ピアノ、弾かれるんですね。」いきなりの声に女性、頭をビクンと。そして、「えっ…???」僅かに後ろを。そして、「あ…。いや…。」立ち止まって、「どうして、それを…。」耀司、「あ、いや…。…って言うか、先日。ここでピアノの発表会、あったでしょ。」女性、その声に、「あ、あ~~。はい。」「その時に。会場に行く前に、ある教室からピアノのメロディが流れて来て、わおって、思って。そしたら、ピアノ、弾いてたところ、目にしたものですから。」耀司、顔を傾げて、「いや。凄いやって、思って。」女性を見て、「先生でもないのに。あの…。」顔をコクリと。「事務の人がピアノ。凄いって。」その話に女性、ニッコリと。「あ~~。ははは。そうですか~~。ちょっと、恥ずかしいですけど。」耀司、アヒルのような顔と口をして、そして右手を振って、「いやいやいや。恥ずかしいなんてとんでもない。凄い奇麗な曲でしたから。」すぐさま頭を掻きながら、「…って言うか、曲のタイトルまでは…。ちょっと…。」女性、「あの時、弾いた曲は~~。チャイコフスキーのくるみ割り人形の、花のワルツと言う曲です。」耀司、両眉を凹ましながら、「チャイコフスキー。くるみ割り人形の…???」女性、「花のワルツです。」耀司、「花のワルツ。」「はい。」「はは。なるほど。分かりました。ありがとうございます。」女性、ニッコリと、「いいえ。」そして歩いて…。女性、「あは。麻沙美ちゃ~~ん。」麻沙美、女性に気付いて、「あ~~。お姉ちゃん。おじちゃん。」耀司、「はははは。麻沙美~~。ごめんな~~。」麻沙美、教室を見ながら、「教室、中、入れないの~~。」女性、麻沙美に、「そうだね~~~。麻沙美ちゃん、あのね~~。」麻沙美、「うん。」「今~~。この教室、お部屋の中の~、機械が壊れてて~~。この教室、今、使えないんだ~~。」麻沙美、残念そうな顔をして、「え~~ぇえ~~???」「だからね、別の教室でピアノレッスンする事になったんだ~~。でも、先生は変わらないから大丈夫だよ~~。」麻沙美、すぐさまニッコリと、「えっ…???…ほんと~~???」女性、「うんうんうん。」そして。「じゃ、こっちおいで。」麻沙美、ニッコリと女性の差し出した右手に左手を。耀司、「良し、行こう。」そして女性に、「すみません。わざわざ。」女性、男性に、「いいえ。」そして、「あの。」耀司、「あ、はい。」「サックス、お好きなんですか…???…さっき。」耀司、その声にニッコリと、「はい。とっても。…って言うか。」また頭を掻きながら、「吹く、方では、ないんですけどね。」口をへの字にして、「もっぱら、聞く方で。」「へぇ~~~。そうなんですね~~。」麻沙美、いきなり、「おじちゃん、教室の壊れた機械、直すの~~???」その声に耀司、「はっ…???」女性も、「えっ…???」麻沙美、「麻沙美のおじちゃん、機械と電気のプロフェッショナル。」すぐさま耀司、「おぃ、麻沙美~~。」女性、目をパチクリとさせて、男性に、「ほんとなんですか~~???」ママでいい…。 vol,024. 「チャイコフスキーのくるみ割り人形の、花のワルツと言う曲です。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.08.16
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麻沙美はいつも通りに、バセットに凭れるように…。汐梨、芙美花の話を聞きながら、「へぇ~~。そういうのあり。」芙美花、捻くれた顔をして、「…ったく~~~。何でこうなるかな~~。」「かかかか。」「笑い事じゃない~~~。どんだけ練習~~???」「まま。」汐梨。「しっかし…、50曲の中から1曲だけって…。どんだけの確立よ。…しかも…。かかかかか。あの、ラプソディー・イン・ブルー。」芙美花、「だから~~~。」「クラリネットの総本山。腕の見せ所~~。芙美花~~。かかかかか。」芙美花、グシャリとした顔で、「あ~~ん、もぅ~~。」応接間から出て来た耀司、「な~~に、さっきから、あ~~ん、もぅ~~。ま~~ったく~~だよ~~。」汐梨、「かかかかか。聞こえたか~~。」耀司、キッチンからグラスを。そして冷蔵庫から麦茶を。汐梨、「定期演奏会。芙美花~~。演奏する曲の中に~~。1曲だけサプライズを入れたらしいんだって~~。」芙美花、「兼高(かねたか)と屋舗(やしき)の陰謀~~。面白半分に決まってる~~。もぅ~~。」そこまで言って芙美花、「あっ。…ってか、おばちゃん。…で、その…、韓国人。」「おっと~~~。かかかか。気になるか~~。」芙美花、瞬きしながらも、「あ、いや…。気になるか…って、言われると…。」顔を傾げて。「…でも、私、見た事ないし。顔。」「あん。」汐梨。「確かに。」「ただ…。奇麗な人って…。」耀司、「またその話~~~???…そんな…興味本位で~~。」…けれども…。音楽教室にまた耀司。耀司より早く、麻沙美の方が小走りに事務局の方に。「こんにちは~~。」大きな声で。その顔と声に事務局の人も数人が椅子から立ち上がり、ニッコリと、「こんにちは~~。ははは。麻沙美ちゃん、元気良い声~~。いいぞぉ~~。」その声に麻沙美、ニッコリとしながらも、顔をコクリと、「うん。」そして、「今日もよろしくおねがいしま~~す。」その声にまた事務局の人たち、「はい。よろしくお願いします。」こちらも顔をコクリと。微笑みながら事務局の方に入る耀司。事務局の人たちに、「こんにちは~~。」事務局の人たちも笑顔で、顔をコクリと、「こんにちは~~。」耀司、駆けていく麻沙美に、「はははは。何とも、あの通りで。」「いえいえ。元気で何よりですよ。私たち、子供たちのパワー、毎日頂いてますから。」耀司、その声に、「えぇ。同じくです。」既にカウンターの中には、数名の事務局の人たちが…。耀司目当て、なのかは分からないが…。耀司、事務局の人に、「今日も、よろしくお願いします。」事務局の人たちもお辞儀をして、「こちらこそ、よろしくお願いします。」その時、奥まった方から男性の事務局員が、「あ~~っと~~。高井戸さん…。でしたよね~~。麻沙美ちゃんの。」その声に耀司、「え…???…えっ、え~~。はい。」すると男性事務局員、「すみません。今日の小白川(こしらかわ)せんせいの教室なんですが。」耀司、「あ、はい。」「申し訳ありません。昨日から空調が故障していて、今週いっぱいは別の教室でって言う事で。調整しているんですよ~~。幸い、他の教室で調整が可能なものですから、ご家庭には敢えて、連絡はせずに教室に来ていただいてからのご連絡という事で~~。特に、先生が変わった訳でもないんで。」その話に他の事務局の人たちも、「あ。そうだ肝心な事~~。」他の事務局の人も、「確かに。」すると、さきほどの男性の事務局員、「あ。眞鍋さん。」「あ、はい。」自分の声を呼ばれて振り向いた…、途端に、今、ピンで留めた部分が剥がれてふわりと頭に。「キャ。」その瞬間に、剥がれたポスターの紙の重さも加わったのか、別の部分のピンも外れてポスターが…。耀司、慌てて、「お~~っとっとっと~~。」そのまま剥がれたポスターはサラリと床に。思いがけずに体をふらつかせる眞鍋と呼ばれた女性。耀司、「あはははは。剥がれてしまった~~。」女性より早く腰を下ろしてポスターを。女性、「あ、すみません。」日本語のアクセントが微妙に。女性も腰を下げて、落ちてピンを。耀司、女性に、「大丈夫ですか~~???」女性、「あ。はい。ありがとうございます。」事務局の人たち、「あらららら。剥がれちゃった。」耀司、ポスターを両手で。そして、「へぇ~~~。ジャズフェスタ。しっかし、凄いポスターですね~~~。デカイ。」事務局の男性。「えぇ。来月に、秋の祭典と題して、池の内(いけのうち)ホールでのジャズフェスタ。ウチの先生の知り合いがサックス奏者で海外で活躍されている方で。」耀司、ポスターを見ながら、「へぇ~~~。」思わず体が鳥肌に。「いいですね~~。はははは。」耀司、チラリと女性を。女性もチラリと男性を。 ママでいい…。 vol,023. 「クラリネットの総本山。腕の見せ所~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.08.15
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お風呂から出て来た勝臣、冷蔵庫から缶ビールを。そしてプルタブをクィッと。一口。そして、「ふぅ~~~。」汐梨、「あ~~ん。うんうんうん。じゃ、また~~。うんうんうん。ありがとうございま~~す。」通話を切って、「はいはいはい。ニヒヒヒ。」ソファから立ち上がり、いそいそと。勝臣をスルーして、「良い事、聞いちゃった~~~。はいはい。麻沙美の明日の準備~~。」そんな汐梨を見て勝臣、「ん~~ん~~???」数日後…。汐梨、ママ友の話を聞きながらに、「へぇ~~。そうだったんだね~~。」カフェでランチである。「うんうん。」由岐野園香(ゆきのそのか)。ピアノ教室のママ友である。「電話でも話したけど~~。彼女は元ピアニスト。どちらかと言えば、家系的に、音楽一家。おかあさんが元声楽家。おとうさんは、チェリスト。…で、弟さんが~~。あん。何だっけ…。忘れちゃった~~ん。」「レコード会社。」園香の隣で、宮下朋佳(みやしたともか)。こちらもピアノ教室のママ友。蘭夢(らむ)の母親である。汐梨、「へぇ~~~。」園香、「…で。おかあさんが韓国人で~~。今のおとうさんが日本人。」汐梨、「今のおとうさん…???…ってか、名前は電話でも聞いたけど…。」園香、コーヒーを一口、「うん。眞鍋(まなべ)。真鍋睦美(まなべむつみ)さん。韓国で日本の建設会社の人とおかあさんが知り合って結婚して日本に移住って聞いた~~。ん~~。でも、それ以上の事は~~。彼女、あまり話したくないらしくって~~。」汐梨、「ふ~~ん~~。…って、どうして、元ピアニスト…???」朋佳、「おとうさんが~~。ピアニスト。なんだって~~。でも…、それ以上の事は、私にも…。」園香、その声に、「うんうんうん。確かに~~。彼女、とっても感じのいい人なんだけど~~。あんまり自分の事、話さないで、今の自分の事たけ話すから。…でぇ~~。物凄い雑学。だから、その雑学を聞いていても、結構タメになっちゃう。だからね~~。時々、お茶するんだけど~~。」園香、汐梨に申し訳ないように、「汐梨さんは、ほら。ウェディングプランナーの仕事で忙しいから~~。」朋佳を見ながら。朋佳も、「うんうんうん。私ら、専ら、家事だし。時間、あるからね~~。」汐梨、話を聞きながらに、「そっか~~~。」園香、そんな汐梨を見て、「へっ…???…って、言うか、汐梨さん、どうして、彼女の事…???…いきなりだったから、気になっちゃった~~。はははは。」汐梨、「へっ…???…あぁ、あ~~~。ははははは。…っ言うか、ほら。…ウチの…、発表会で、まさか、元ピアニストから褒められたのって、初めてだったから~~。」その声に園香も朋佳も、「あぁ~~~。うんうんうん。」朋佳、「…ってか、麻沙美ちゃん。凄いよね~~~。まさか、発表会であれ、弾く~~って~~。弾いた瞬間に、みんな、お~~~。」汐梨、照れながら、「あははははは。どうも、ありがと。」朋佳、「とにかく凄いよ。どうやったらあれだけ上手に…???…って思うくらい。」汐梨、そんなふたりに、丁寧にお辞儀をして、「ありがとうございます。」「…と、言う事で~~。」耀司に汐梨。靴下を畳みながら。「はい。こんな感じ。」それを見ながらの耀司、「へぇ~~。凄ぇコンパクト。…ってか、どうしたの…???…ヨシカワの、あの、事務局の…???…その人の事…???」汐梨、「あん。だって、気になるじゃんよ~~。兄さんが、日本人じゃなくって…???…なんて言うんだもん。」「…ってか、それ、ママ友から訊く~~???」耀司。「単に。事務の人もピアノを弾く。まっ。確かに奇麗な曲を。見たら、日本人じゃないみたい。だったけどさ~~。」汐梨、畳みながらも、「いいの、いいの。私が勝手に興味を持っただけだからさ~~。」耀司、何かしら、投げやり風に、「はいはい。」そして…。汐梨、帰ってきた芙美花にも…。芙美花、「へっ…???…おばちゃん、わざわざ、あの、韓国だっけ。事務局の人の事…???」口をムニュっとさせて、汐梨、芙美花に、「うん。…まぁね。サラリとね~~。ママ友とのランチで。」途端に芙美花、「あ~~ん。ランチって、女子会じゃな~~い~~。羨ましいなぁ~~。」その声に汐梨、「かかかかかか。まっ。そうなるか。…って言うか、私は~~。お昼休みを利用して…、だけどね~~。」「あは。うんうんうん。確かに。仕事、休めないし。」「そういう事~~。」そして汐梨、「…で…???…どうなの、そっちの方は…???…定期演奏会。」途端に芙美花、目を見開いて、「それそれ。それよそれ。」テーブルに両手を、「あ~~んもぅ~~。」前のめりになって。汐梨、いきなり、「はっ…???」芙美花、「んもぅ~~~。何でこうなるかな~~。」汐梨、今度は、「えっ…???」 ママでいい…。 vol,022. ママ友の話。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.08.14
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芙美花、「ピアノ弾いている人。先生…???…それとも…。」すぐさま耀司、「あ~~。うんうんうん。…その人。事務局の人。ユニホーム着てたから。」汐梨、「事務局の人~~???」耀司をじっと見て、そして両目を右左に。思わず芙美花も耀司も勝臣も汐梨を見て、「うん…???」汐梨、「事務局の人~~…。」目をパチクリと。そして、両眉の先端を吊り上げて顔を傾げて、「う~~ん…???…事務の人…。ピアノが弾ける~~。」「…って、ほら、ヨシカワから帰るとき~~。」耀司、「事務の職員さん。麻沙美に、麻沙美ちゃん、上手だったよ~~~。…で、麻沙美の頭を撫でながら、凄いよ~~。あの曲が弾けるなんて~~。って、言ってたじゃない。あの人。」口を尖らせながらに。瞬間、汐梨、両手をパン、「あ~~ん。」口を大きく、目を見開いて、「分かった~~~。」数回、頷かせて、「うんうんうん。確かに。あの人ならピアノ弾ける~~。…って、元ピアニストって話だよ。うん。」耀司も勝臣も、「ピアニスト。」芙美花、「元。」耀司、チラリと芙美花を、「あ、あ~~。うんうん。元ね。」汐梨、「うんうんうん。確かに。あの人ならピアノ。弾ける~~って~~。…でも、実際に私は~~。あの人がピアノ、弾いているとこ、見た事ないの。」耀司、瞬きしながら、「へっ…???…なんでよ。」汐梨、こちらも口を尖らせて、「だ~~って~~。私が麻沙美の教室に行くのって、事務局の人、勤務中だもん。」すぐさま耀司、そして勝臣、「あ、あ~~~。」「確かに。」コクリと。「なるほど、なるほど。うんうんうん。」耀司、「でもさ。ヨシカワって、外国人も雇ってんの…???」汐梨、耀司に、「外国人…???」勝臣、耀司を見て、「うん…???」耀司、「…って言うか~~。」思い出すように、「曲、聞きながらにして、ゆっくりと歩いて…。でぇ~~。教室の端の方で…、その人の顔、見えたんだよね。」汐梨、「ふん。」耀司、顔を傾げて、「な~~んか。日本人…。」顔を傾げて、「…じゃ~~、ないような~~~。」汐梨、「あん。あの人、韓国人。」耀司、思わず目を見開いて、「はい…???…韓国人…???」「うん。確か~~。」汐梨、「ヨシカワに入ったのって~~。2年前…。…だったかな~~~。うんうんうん。ママ友の話によると~~。もぅ、日本に来て、帰化してる人だって~~。」耀司、口を窄めて、小刻みに頷きながら、「ふ~~~ん。」料理を一口。「そうなんだ~~。」汐梨、「まっ。確かに。日本人には見えないよね~~。結構、奇麗な人だよね。年齢~~は~~。私が見た限りじゃ~~。20代後半…???…か~~。…30代前半…て、とこ…???」勝臣、「う~~ん。うん。そんなトコかな。かかかかか。話した事もないけど…。…って、見た事…???…俺…、あるか…???…かかかか。いつも、子供たちばかり見てるから。」汐梨、「まね~~。あの人、いつも、事務局じゃあ~~。奥の方にいるから、あんまり目立たないよね~~。私だって、あれ、この人って、いたっけ…???…って感じだったから。滅茶苦茶美人だし。」そして汐梨、「へぇ~~~。兄さん、じゃあ~~。その人のピアノ、聞いたんだ~~。」「…と、言うか~~。」耀司、「会場に行く前に~~。自然にピアノの曲が~~。聞こえてきたと。」汐梨、2度頷いて、「うんうん。…でぇ~~。事務局の人だったと。でぇ~~。先生じゃなかったと。…ってか、何弾いてたのか、分かんなかったの~~???」いきなり耀司、「…って、おぃ。そこ、突っ込むのかぃ。」思わず芙美花、「かかかかかか。分かるはずがない。」汐梨、「…ってか、芙美花も吹奏楽やってんだから~~。曲くらいは~~。」間髪入れずに耀司、汐梨を見て、「あのね。」汐梨、「くくくく。はいはい。分かりまし・た~~。幾ら、吹奏楽でも、ピアノ曲とは違うでしょ。…ってね~~。」「当たり前じゃんよ~~。…ま。テレビのドラマか、CМで、流れてるんじゃないかな~~と~~。まっ。今度、また同じの聞いたら、分かるけどね~~。」その夜、汐梨、「あ。もしもし~~。木守(こもり)です~~。優奈(ゆな)ちゃんのおかあさん。いつもピアノ教室で、優奈ちゃんが麻沙美と友達にしてくれて~~。ありがとうございます~~。」汐梨がスマホで話しているのか麻沙美のピアノ教室の同じレッスンの子供の母親である。「あのね。由岐野(ゆきの)さんに聞きたい事、あるんだけど~~。………。うんうんうん。ありがとう~~。実はねぇ~~。」そして…。ママ友からの話を聞きながらにして汐梨、「うんうんうん。へぇ~~。いやいやいや。うんうん。…そうなんだ~~。うんうんうん。」ニコニコとしながらの汐梨。 ママでいい…。 vol,021. 「確かに。あの人ならピアノ弾ける~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.08.13
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そして演奏が終わり、芙美花、「麻沙美~~。おいで~~。」そんな芙美花に麻沙美、「わ~~~。」ダイブ。芙美花、麻沙美を抱き締めながら、「頑張ったね~~。上手~~。うんうんうん。ははは。」麻沙美も、「うん。はははは。お姉ちゃん。ふふふ、ありがとう~~。」芙美花、「うんうんうん。お姉ちゃんも嬉しい~~。」麻沙美の頭を撫でながら…。耀司、料理を食べながら、「それにしても、みんな凄いよね。上手でさ。」勝臣、「うんうんうん。そう。僕もびっくりして聞いてた。凄ぇなこれ。…って~~。」汐梨、「ははは。うんうん。鼻を啜る音も聞こえたしね~~。さすがに人気のヨシカワだわ。講師が凄いもん。名立たる学歴持っている講師ばかり。だからよ~~。」耀司、「へぇ~~。そうなんだ~~。」「うんうん。ママ友たちの評判も凄いもん。とにかく、幼児の頃からの音楽育成が半端ないって考え方の講師が多いって。まっ。表には出せない表現ではあるけど。出しちゃったらそれこそ大変。幼児以上の小学生や中学生もいるんだから。」その話を聞きながら耀司、「なるほどね。…っていうか、中学の子もいるんだ。」勝臣、「そうらしいです。僕は見た事ないんですけど。…多分、レッスンの時間が違うと…。」そう言いながら耀司のグラスにビールを。その素振りに耀司、右手をチョコンと。耀司、「とにかく、麻沙美のピアノが。」そこまで言って耀司、芙美花に抱っこされている麻沙美を見て、「おじちゃん、感動しちゃったよ~~。ははははは。」麻沙美も耀司を見て、「ありがとう~~。」耀司もニッコリと。そしてまた料理に箸を。「それにしても、俺、あんまり詳しくは分かんないけどさ。」汐梨、耀司を見て、「うん…???」「ヨシカワの人たちって、みんな…、楽器って弾けるのかな。」その声に汐梨、「えっ…???」耀司を見て、勝臣を見て顔を傾げて…。「みんな…、楽器、弾けるのかなって…、兄さん、どういう意味…???」ビールを一口、耀司。「うん。つまりは~~。ほら。事務所にいる職員さんたち…???…あぁいう人たちも楽器って出来るのかなって、思ってね。」汐梨、「う~~ん。」目をキョロキョロと。「さぁ~~。…どうなんだろ。…その辺の事までは詳しくは分かんないけど…。まっ。中には~~。いる…、かも、知れない。何てったって音楽教室だからね~~。」麻沙美が芙美花に抱っこされたままで、箸で上手におかずを。芙美花、「うんうん。それも美味しいよ。」麻沙美、「うん。」耀司、「いや。実はさ。発表会の会場に行く前に、俺、ちょっとびっくりしてさ。」汐梨と勝臣、同時に、「う~~ん…???」勝臣、「どうしたんすか、お義兄さん。」「あん。」耀司、「ほら。会場に行く前の…、別の教室…???…って言うか、グランドピアノがあるじゃない。」汐梨、「あぁ、うん。あそこは上級者のクラス。小学6年生以上かな~~。」そして汐梨、「かかかか。あの時間はあそこの教室、やってないから。」耀司、「あ、そうなんだ。…でも…。発表会に行く前。何やらピアノの曲が聞こえて来てさ。」汐梨、「うん…???」耀司、ほくそ笑みながら、「なんか…。奇麗な曲だな~~って。…どっかの先生が弾いてるんじゃ。…って、そう思って。」汐梨、「あ~~。うんうんうん。」「まっ。確かに。教室の中から聞こえてくるような音じゃなくって、耳触りの良い、低い音だったんだけど。」汐梨、また、「うんうんうん。」「でも。」耀司、「部屋に近づいて見てみたら、先生じゃないっぽい。」汐梨、眉をへの字にして、「先生じゃないっぽい…???」耀司、顔をコクリと。「うん。…いや。…って言うか、先生以外に…???」汐梨、「ふん。」「こんな風にして、ピアノ、弾ける人っているんだなって思って。」耀司。思わず感心するように、「へぇ~~ぇえ~~。さすがにヨシカワって。かかか。そんな風に感じちゃったよ~~。」けれども話を聞きながらの汐梨、「うん…???…先生以外に。…って…???…どういう人…???…先生以外…。」耀司を見つめて。その声に耀司、口を尖らせて、「うん…???あ、いや。」勝臣を見て、「あれは、先生じゃないでしょ。どう見ても。」勝臣、可笑しがりながら左手を振って、「いやいやいや。僕は見てませんから。かかかか。」耀司。「あっ、そっか。…あ、けど、トイレに…。」腕組みして、「いや。トイレだから、そういう状況じゃ。」顔を傾げて。汐梨、「…って、な~~に、言ってんのよ、トイレ、関係ないでしょ。」思わず芙美花も勝臣も、「ぷっ。」芙美花、父に、「おとうさん、話、脱線してるし~~。…って、今、始まった訳じゃないけどね。」汐梨も芙美花の声には納得。「そういう事。…って、兄さん。」耀司、「あ。…えっ…???…って、何…???」汐梨、顔を顰めて、「あ~~ん、もぅ。これだから~~。」 ママでいい…。 vol,020. 芙美花、「うんうんうん。お姉ちゃんも嬉しい~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.08.12
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耀司、教室だろうか、聞こえてくるピアノのメロディ。「あれ…???…もぅ、始まってるのかな…???…って言うか、教室は別の…。」顔を傾げて、ピアノのメロディに吸い込まれるように…。すると、発表会の部屋とは別の…、教室だろう、窓から中を…。するとひとりの女性がピアノを弾いている。耀司、「へっ…???…ここの職員の人…。」見ると事務の職員と同じユニホームでピアノを弾いている。しかも…。「へぇ~~~。凄いや。さすがは音楽教室。職員でもこれだけの曲。」女性が弾いている曲は…。但し、そこまで耀司、瞬きながらも、そしてまた顔を傾げて、「聞いた時は、あるような…、ないような…。ふん。」やがて曲は何かしら強調されるように…。耀司、「わお。凄い。」女性は軽やかに体を揺らしての…。女性が弾いている曲は、チャイコフスキー、くるみ割り人形の花のワルツ。耀司、ゆっくりと歩きながらも、チラチラと、中に顔を。「へぇ~~。凄いや。」そして教室の端まで。また顔を教室の方に。耀司、目をパチクリとさせて、「へっ…???…もしかして…。日本人…???…それにしても、奇麗な曲~~。」「おっと~~~。お義兄さん。」勝臣である。耀司、「あは。勝臣く~~ん。」勝臣、ニコニコとしながら、「もうすぐ、始まりますよ。かかかか。麻沙美本人より僕の方が緊張して、かかか、トイレ。」ニコニコと耀司、「わお。ははは。うんうんうん。」「発表会の部屋は、教室とは別の部屋なんで。」その声に耀司、「あ~~。うん。事務局で聞いた~~。」勝臣はそのままトイレの方に。耀司、「さてと。」ドアを開けると既にたくさんの父兄が。「汐梨は…。…と~~。いたいた。ははは。」耀司に気付いて汐梨、右手を上げる。汐梨の隣の椅子に。「勝臣君、トイレって。」汐梨、ニコニコと、「うん。かかか。本人より父親が緊張しちゃってて。」「はは。うん。」「もうすぐ始まる。」「みたいだね。麻沙美って、何番…???」「5人目。」頷きながらの耀司。勝臣が戻ってきて、「ヨシ。準備万端。うん。」最初の子の登場。耀司、「うんうん。かわいい。」弾き終えた子供たちにみな、盛大な拍手。確かに、僅かに間違えてしまった子供もいたようだが、何処からか声が、「頑張って。」そして間違えても最後まで弾いて終わった子供には、更に甲高い拍手が。そして、また声が、「うんうん。頑張った。頑張った。」子供は深くお辞儀をして。汐梨、「次よ。」勝臣、「頼むぞ~~、麻沙美~~。」そして麻沙美。スタスタと歩いて、父兄に向かってお辞儀を。椅子に座り。そして…。麻沙美の演奏が始まる。最初の1小節目で、あちこちから、「お~~~。」耀司、「はは。この曲~~。」勝臣、「うん。やっぱりね~~。」汐梨、「確かに。発表会で弾く曲、練習するつもりでもいたんだけど~~。麻沙美、初めて見て、感動してとにかく、一生懸命に練習して弾けるようになった曲の方が良いって。」耀司、「そっか~~。」ビデオで撮影しながら。勝臣もビデオで、「頑張れ~~。」静まり返る発表会会場。そして…。麻沙美、ミスする事なく…。一斉に拍手。汐梨、思わず涙。押し殺した声で、「ヨシ。やった~~~~。うんうんうん。偉い、偉い。」勝臣、思わず、「おっしゃ―――――――っ。」耀司も、「いやいやいやいや。凄いよ、これ~~~。はははは。」そして…。全ての子供たちの演奏が終了。音楽教室の講師や職員たちから激励を浴びながらの子供たち。事務局の前では全職員が激励に。父兄たちと子供たち、それぞれ丁寧に挨拶しながら、手を振りながら。汐梨と勝臣も、丁寧にお辞儀を。すると…。耀司がさっき、ピアノを弾いていた女性が…。「麻沙美ちゃん、上手だったよ~~~。」麻沙美の目線まで下りて。麻沙美の頭を撫でて。「凄いよ~~。あの曲が弾けるなんて~~。」汐梨と勝臣も女性に、「ありがとうございます。」耀司、微笑みながらもその光景を見て。そして耀司も事務局のメンバーにお辞儀ほしながら、「どうも~~。お世話様でした~~。」事務局の職員も丁寧にお辞儀を。そして…。耀司、汐梨と勝臣に、「じゃあ、俺、帰るから。」汐梨、「あぁ、うん。じゃあ、後で。待ってる~~。」「分かった。」今夜は麻沙美の発表会の打ち上げである。学校から帰った芙美花も、「おとうさん、ただいま~~。麻沙美、どうだった~~???」耀司、芙美花に、「ははは。うんうん。最高~~。」その声に芙美花、「きゃは。」「とにかく行こう。」ニッコリと芙美花、「うん。」テレビで麻沙美の演奏を見て芙美花、「凄~~い。はは。やっぱ、この曲~~。」汐梨、「うん。何としてもね~~。」芙美花、「はは。また涙出て来たよ~~~。」 ママでいい…。 vol,019. 聞こえてくるピアノのメロディ。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.08.11
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「笑い事じゃな~~い~~。まっ。確かに~~。試合に慣れろ~~って、言うのはあると思うけど~~。コロナで試合なんて…、出来なかったから~~。…けど、いきなり。」そこまで言って詩乃、「んもぅ~~。息抜きが出来ない~~。」景織子、「でも、詩乃は博楼高校一のエースアタッカー。…で、千愛は名セッター。見てると凄いよね、千愛。とにかく、正確。」詩乃、千愛を見て、「確かに。あんたはコンピューターか。」千愛、褒められて、両肩をチョコンと。そして、「ニャン。」芙美花、「けどさ~~。ほんとに千愛。凄いよ。ってか、その千愛の両隣もバックも千愛から何かアンテナで通じてんの…???…トスが上がるの分かってるみたいに…。」景織子も、「うんうんうん。前に後ろに。斜めに。物凄いタイミング。あれって、コンマ何秒…???」その声に千愛、ほくそ笑みながら…。「ん~~。」顔を傾げながらも、「何て言うんだろ。その時の~~。呼吸かな~~。」景織子、「まま、私ら、詩乃がエースアタッカーだから~~。レフト…???」芙美花も、「うんうんうん。見てる、見てる。」景織子、詩乃を見て、「だから、その時に、ライトにいる子。」詩乃、「あん。1年からのレギュラーになった麻琴っちゃん。あの子は凄い。完璧なる優等生。しかも、推薦でウチ、来たんだから~~。」景織子も芙美花も、「推薦…???」「うん。あの子、中学から元々エースアタッカーだよ~~。しかも、ライトからのアタックは格別。」芙美花、「へぇ~~~。だからか~~。もぅ、コーナーギリギリに~~。凄ぇ~~って、思ったから~~。」千愛、「かかかかか。うんうん。私も最初トス上げた時に、何この子…???…って、びっくり。みんな、お~~~~。だったも~~ん。」景織子も芙美花も、「うんうんうん。分かる分かる。」詩乃、「そっか~~。景織子に芙美花は定期演奏会。私ら千愛とふたり、練習試合。」「…ってか、3年はもぅ~~。部活、ないからね~~。」景織子。芙美花も詩乃も、「確かに。」都内、博楼高校、こちらの高校、都内でも有数の高校でもある。「偏差値71」しかも文武両道。学業どころか部活の面でも都内では名を轟かせている。「へっ…???…発表会…???…麻沙美の…???」芙美花。汐梨、「うん。」芙美花、目を見開いて、「凄~~い。麻沙美~~~。」そんな芙美花を見て麻沙美、「えへへへへへ。」耀司、「まぁ。家にはピアノはないから、麻沙美のピアノを弾く時って、麻沙美の誕生日の時くらいだもんな~~。」芙美花、「うんうんうん。…でも、3歳の誕生日の時なんて、凄かったよ。まさか、3歳でこれ、弾く~~って、私、感動しちゃったから~~。涙出たも~~ん。」汐梨、「うんうんうん、天空の城ラピュタ、君を乗せてね。麻沙美、映画、見てさ。涙ボロボロさせながら見てて。私、これ、弾きたいって。元々音感はあったからね~~。勝臣が探したんでしょうね~~。君を乗せてのピアノの楽譜あるの、どっかから見つけたんでしょうね~~。麻沙美、飛び上がって喜んで、もぅ~~、それから毎日。かかかか。1週間で弾けるようになったんじゃない。私だって驚いたくらいだから。」耀司、笑いながら、「かかかかか。凄いね~~。麻沙美~~。」麻沙美、「う~~ん…???」「でもさ~~。」芙美花。耀司と汐梨、「ん~~~???」「4歳の麻沙美がさ、あんな凄い事出来るから、ある意味、私も、励みになるんだよね~~。だ~~って、私がクラリネット始めたのって、中学だから~~。まっ。私の場合は、先輩たちが凄かったのもあるんだけど…。」耀司、「かかかかか。確かに。コロナで外出できなくなって、あの時からだよな~~。まっ。芙美花の場合、誰に似たんだか分かんないけど、一点集中型。」汐梨、「そりゃもぅ~~~。兄さんと義姉さんでしょう~~。…って言うか、芙美花のクラリネットも、ある意味、私のピアノのせい…???…芙美花も音感、いいから。」芙美花、ニコニコと、「あ~~~。うんうんうん。それそれ~~。汐梨おばちゃんの血も私に繋がってるから~~。」汐梨もニッコリと、「うんうんうん。」芙美花、父を見て、「ねね。麻沙美の発表会、おとうさん、ビデオで録画。」汐梨、「あ、それ。勝臣もビデオで撮るって言ってるから。…うん。兄さんも。」耀司、「だ~~ねぇ~~。久し振りに、撮るか~~。はははは。」そして…。ピアノ演奏会、当日。ヨシカワ音楽教室。事務所に顔を出した耀司、「こんにちは~~。」職員からも笑顔で挨拶され、「こんにちは~~。」職員同士、寄り添いながらも耀司に…、見惚れている…、のだ、ろうか。そのまま耀司に視線を…。まだ発表会には時間がある。教室に向かう廊下を歩いていると…。 ママでいい…。 vol,017. 「偏差値71」しかも文武両道。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.08.10
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そして汐梨、ママ友からの情報を思い出して、「確か…。20代から30代。中に40代のベテランがひとり。」耀司、椅子に座りながら、「へぇ~~ぇえ~~。」汐梨、麻沙美を床に降ろして、「もしかして、兄さん。…んまぁ~~。ママ友からはアレだけど~~。もしかして~~。保育士さんから~~。んふふふふふふ。」耀司、瞬間、「は~~ぁあ…???…何それ…???」目をパチクリと汐梨、顔を天井に。「…な~~んて事は、有り得ない~~。ねぇ~~~。」耀司、パソコン画面に顔を、「な~~に、言ってんだか~~~。」汐梨、「まっ。でも、ありがとうね。麻沙美のお迎え。」耀司、画面を見ながら、「おっ。」「…って言うかさ~~。」汐梨。「もしかしたら、もしか…、するかもよ~~。」耀司、「ん~~???」「…と、言うのも~~。…まずは、こんなに早く、男性が保育園にお迎えに行く事は~~ない。みんな勤務している時間だから~~。この時間帯にお迎えが出来る男性。…って、女性は、考えちゃうんだよね~~。」耀司、意識にない感じで、「そんなもんですかね~~。」「そんなもんです。」「はいはい。分かりました~~。」「…ってか、ほんとにほんと。もしかするかも~~。」耀司、さすがに、「何を馬鹿な事。」「かかかかか。…さて。料理の仕込み。そして、洗濯もの、取り込まないと~~。」そして、「また、畳み方の練習ね~~。」「はいはい、分かりました~~。」「素直でよろしい~~。」そして…。瞬く間に2週間。耀司、ようやく、畳み方、出来てきたような~~。汐梨、「ま。うん。こんなもんでしょう~~。やれば出来る。」そして…。耀司、初めての麻沙美の、音楽教室への…。汐梨から、「他所を回ってみるのも、今後のため~~。行ってらっしゃい。」有り得ない音楽教室への送り迎え。と思っていたのだが…。どういうための今後のためなのか、耀司自身も、「…果て…???」とは思いながらも、まま、芙美花の代わりに家事をやってくれる汐梨の頼み、耀司、仕方なく車で麻沙美の通っている音楽教室に。そして、凡そ1時間ほど。音楽教室の職員に挨拶をしながらの帰路へと。実際、音楽教室に入ったその瞬間に耀司にはかなりの視線が…。それと同時に、連れている麻沙美とはどういう関係…???…と、言う意識的なものも…、あったのか、なかったのか…。それでも無事に麻沙美の音楽教室の送迎も終えての帰宅。汐梨、「お帰り~~。」そして麻沙美をまた抱っこ。玄関に入ってきた耀司、「ただいま~~。いやいやいや。凄いね、麻沙美~~。とにかく上手い。良くぞあんなに弾けるわ。かかかかか。」その声に汐梨、「えへぇ~~~???…ん、まぁね~~。私も小さい時からピアノはね~~。弾いてたから、せめて、何かって思ってね~~。習わせてはいるんだけど~~。麻沙美自身も結構ピアノに何の抵抗もなく。」耀司も、「うんうん。講師の先生褒めてた。」そこまで言って、「…ってか、何、来週、ピアノ発表会、あるんだって…???…俺、聞いてなかったから。ああああ。えへ…???…そうなんですかって…。先生から、よろしかったら、是非、いらしてくださいって。かかかか。逆に誘われちゃったよ。」その話に汐梨、「えへぇ~~。ほんとに~~。」そして汐梨、「うん~~。あそこの職員さんたちも先生たちも、みんないい人ばっかりだからね~~。はははは。兄さん、一緒に行くぅ~~???」耀司、照れながらも、「まま。ん~~。時間調整して、行けたら…。ん~~。いいけど…。」汐梨、「はは。うんうん。」耀司、「芙美花は~~。あ、そっか。部活。…ってか、この前、吹奏楽コンクールだったんだけど~~。10月の半ばには、今度は定期演奏会があるから。」汐梨、口を窄ませて、「ふ~~ん、そうなんだ~~。」「まっ。汐梨が家事手伝ってくれてるから、おまえ、学業の方って。言ったら、うん。だ~~ね。って。最近、帰りも遅いけどね~~。」汐梨、そんな話を聞いて、「いやいやいや。とにかく芙美花、頑張ってるわ~~~。高校2年生でここまでやってるって。凄いよ。」耀司、にこやかに、「はははは。まぁね。」景織子と芙美花、部活帰り。「うんうんうん。景織子、やっぱ、凄いよ。ペット。」芙美花。「な~~に言ってるかな~~。芙美花のクラリネットからは負けるよ~~。」芙美花を見ながらの景織子。そんなふたりの後ろから、「ハイ。」千愛と詩乃である。詩乃、「うちらも部活終わり~~。」千愛、「景織子と芙美花は、今度は定期演奏会。」景織子、芙美花共々、「うんうん。」芙美花、「あれ…???…確か、千愛と詩乃は、来週、理興(りこう)高校との練習試合~~。」詩乃、「そういう事~~。草加の奴~~。とにかく試合に慣れろ~~って、いっつも練習試合~~。」千愛は口をムニュ~~として。景織子と芙美花は、「かかかかか。」 ママでいい…。 vol,016. 汐梨、「まっ。でも、ありがとうね。麻沙美のお迎え。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.08.09
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「…って言うか。」汐梨。「…けど、そんな…。幾ら私が高井戸家に入るって言っても、そこはそこ。」芙美花と耀司、「うん…???」汐梨、芙美花を見て、「今まで高井戸家、義姉さんが亡くなってからは芙美花がある意味、主婦的な感じ…???」その声に芙美花、可笑しがりながらも、「いやいやいや。主婦っておばちゃん。」「今まで芙美花が高井戸家のお台所、やってたんだから、そんな…。今までもこれからも芙美花のイメージを壊すつもりは一切ない。」芙美花、キッパリ、「うん。ありがと。」「だから~~。私は、高井戸家のプラン…???…芙美花の考えている家事プランって、あると思う訳。それには100%従う。…けど。ある程度、アドバイスもしちゃう。いいね、芙美花。」芙美花、叔母に頭をコクリと。「ありがとうございます。」「…って言うか~~。とどのつまりが~~。芙美花、義姉さんの延長戦でしょ。」その話に芙美花、「ん~~。まぁ~~。そんな感じ。…ってか、おかあさんのやってたこと、今でもやってるしね~~。」「…と、言う事で~~。」汐梨、「買い物も~~。芙美花の意志を尊重する。」耀司、「おほほほほほ。」そして…。それは、2日後から。応接間を開けて汐梨、「お疲れ~~。」耀司、「おほ。サ~~ンキュ~~。」そして…。耀司の麻沙美のお迎えも~~。幼児たちのママたちからもすっかりと笑顔で挨拶され、職員からもニッコリと。時には…。職員数名が耀司を見た途端に笑顔になって、「こんにちは~~~。」と、逆に挨拶され。時には、数人で集まっているママさんたちからも、「こんにちは~~。」と、こちらは手を振ってお辞儀まで。そんな時には麻沙美、耀司に、「おじちゃん、凄いね~~。人気者~~。」そんな麻沙美に耀司、「え~~ぇえ~~???…そんな事はないよ~~。」…と、そんな日が続いて…。高井戸家では…。「はい、もう一度やり直し~~~。」汐梨。耀司の洗濯物の畳み方に。耀司、「え~~ぇえ~~???」かなり教え方が厳しいようで…。汐梨、「…ってかさ~、兄さん、電気や機械の弄りはプロ並みなのに、こういうのが出来ないって、どういう事…???…電気や機械より全く別問題で簡単じゃない~~。子供でも出来る~~。」その声に耀司、「う、うるさいな~~~。」そして…。「こ…、こぅして…。こ…ぅ。…えっ…???…あれ…???」何度やっても、奇麗に畳めない。そして…、学校では…。景織子、「へっ…???…何、芙美花、じゃぁ~~。いつもの学校帰りからの買い物。やんなくっていいんだ~~。」千愛も詩乃も、「へぇ~~~。良かったじゃ~~ん。」芙美花も、ニッコリと、「へへ。うん。」詩乃、「うんうんうん。確か、叔母ちゃんって、いるって言ってたよね~~。」芙美花、目を見開いて、「凄いよ。オーストラリアに留学とワーホリ―の経験あり。…で、今はウェディングプランナー。英語ペラペラ。」いきなり3人共に、「わ~~~。」「凄ぇ~~~。」「かかかかか。芙美花~~~。」耀司と麻沙美、帰宅して…。汐梨、「は~~い、お帰り~~。」必ず汐梨、帰ってきた麻沙美を抱き抱える。そして、「今日も、いい子でいた~~~???」そんな母に麻沙美、ニッコリと、「うん~~~。」耀司、「さすがに麻沙美、凄いんだな。結構しっかり者って、職員さん…???…保育士さん。」汐梨、その声に、「うんうん。そうみたい。私もそれ聞いてびっくりして~~。」そして麻沙美を見て、「偉いぞ~~。麻沙美~~。」麻沙美に頬ずりをしながら。麻沙美、「あのね、ママ。」汐梨、「う~~ん…???…何…???」「おじちゃん、保育園で人気者~~~。」その声に汐梨、「あら。」そして、応接間の方に向かう耀司に、「兄さん。もしかして、保育園でモテモテ~~~???」その声に耀司、「えへぇ~~~???」そして振り返り、「ま~~さか。かかかかか。」左手を振り振り、「まっ。単に、男性が迎えに行くのが珍しいんじゃないの~~???」その声に汐梨、「いや。違う。」顔を傾げて…。そして、「ん~~~。まま。それも…、あるとは、思うけど~~。…でもさ。近年じゃ、男性が保育園にお迎えに行くのって増えてるんだってよ。」耀司、「ふ~~~ん。」応接間のドアを開けて。汐梨は麻沙美を抱いたままで耀司の後ろを。麻沙美、「先生もおじちゃんにこんにちは~~って。」汐梨、麻沙美を見て、「へぇ~~~。そうなんだ~~。」麻沙美、またまた、「塁(るい)君や碧(みどり)ちゃんのママも、おじちゃんに手を振ってニッコリとこんにちは~~ってぇ~~。」汐梨、「へぇ~~~。塁(るい)君や碧(みどり)ちゃんのママ。…って。うそ。」いきなり汐梨、「めちゃくちゃ若いママさんたちじゃ~~ん。それに保育士さんだって、あそこの保育士さん、年齢層、断然若いんだから~~。」 ママでいい…。 vol,015. 「芙美花の意志を尊重する。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.08.08
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「…って言っても、聞く汐梨じゃないもんね~~。ってね~~。」汐梨。芙美花、叔母を見て、「へぇ~~~。」耀司、「お金を貯めて、海外留学~~。」汐梨、「かかかかか。とにかく、子供の頃からがめつかった。」「確かに。小遣いなんかしっかりと貯めて~~。まず無駄遣いしない。…ってか、幾ら貯めてたの、おばちゃんの店で。」汐梨、そんな耀司に、「うん…???…へへへへへ~~。500万。」いきなり耀司、芙美花共々、「凄っ。」「凄っご~~い。500万。」汐梨、「うん。だ~~って~~。おじちゃんとおばちゃんの店、繁盛してたし~~。しかも、小学の時は内緒で。…でぇ~~。中学に入ってからも~~。半ば、内緒。…って言っても~~。学校帰りで~~。かかかか。バイト、許された~~。…とは言え、お客さんがね~~。かかかか。汐梨ちゃん、こんちわ~~って。ある意味、私目当て。そういうのも、あったから。おじちゃんも、汐梨がいないと店に客が来ないって。」芙美花、目を見開いて、「へぇ~~~。」そこまで言って、「うんうんうん。何だか分かる。汐梨おばちゃん、奇麗だもん。」耀司、にこやかに、「…で、ウェディングプランナーもありなん。」芙美花、「でも…、おばちゃん、何で結婚~~~。」その声に耀司、「かかかかか。こいつ、小学の頃から私、絶対に可愛いお嫁さんになる。って言ってて、ハッキリ言って、俺より先に結婚するとばっかり。結構…、学校でもモテた方なんじゃない…。」その声に汐梨、口を搾って、「ん~~~。確かに~~。…かもね。」「…ってか、俺より勉強出来てた方。」「ん~~~~。」汐梨。「かもね。」自分を自分で納得。「…ってか。子供の頃から私、狭いところがやだった。とにかくお金、貯めたかった。ま、がめつかったけど、買うものは買った。…で、しっかりと蓄えて~~。大学卒業と同時に、オーストラリア、留学。」耀司、「うんうんうん。」芙美花、「へっ…???…じゃあ、おばちゃん、英語。」キョトンと汐梨、「うん。話せるよ。今、その環境じゃないから話さないだけ~~。」そして汐梨、芙美花の前で、流暢な英語を。「うっそ~~~~。凄っ。英語ペラペラ~~。」汐梨、そんな芙美花の顔を見て、「かかかかか。」耀司、「芙美花が産まれる前には、オーストラリアでワーホリ―もやった人ですから~~。」「ワーホリ―って、あの…、海外に住んで、仕事…???」汐梨、「うん。留学した時に~~。また料理店でアルバイトしてね~~。留学が終わって、日本に帰国。…で、今度はワーホリ―でまたその料理店で働いて~~。…で、高校時代から憧れてたウェディングプランナーの勉強もしながら、留学して、ワーホリ―もして。その後、しっかりと資格も取って~~。…で、ウェディングプランナーになってからは~~。仕事漬け~~。…で。…あっと言う間に、30過ぎてた~~と~~。」芙美花、「わお。…ってか、おばちゃん、周りの人たちから…。」「…って言うかさ~~。…何~~でか分かんないんだけど~~。実に不思議な事に。私の周り、まだ結婚されていらっしゃらない方、実に多い。」芙美花、目を見開いて、「うそ。」「ほんと。」「私の友達で、既に40超えてる。でも、まだ結婚しない。」芙美花、途端に、「え――――――――っ!!!」「逆に、若い人たちが今、結婚してるわ。…と、言うより、断然、パンデミックがあったら、それこそ結婚式ってなかったけど…。今って、その反動…???…と、言うより、結婚式自体が、時代の流れで、数えきれないほど結婚式スタイルってあるから。…ある意味…???…結婚式場に囚われない結婚式。」芙美花、「あ~~。うんうんうん。それある~~~。」「昔みたいにさ。結婚式に何百万も掛ける。な~~んて事は、今なんて…、右肩下がり…???…まっ。微妙にね。…されど、結婚、人生の一番の、女性にとっては、晴れ舞台。」そこまで言って汐梨、テーブルをパンと叩いて、「…って、さっきから、何の話よ。私の話、関係ないでしょ。」途端に耀司、「かかかかかかか。ままままま。」汐梨、耀司を見て、「ねっ。だから、分かった、兄さん。私が、今度は芙美花の代わりに家事、教える。だから。」今度は芙美花を見て、「だから、芙美花、あんたは可能な限りに学業に専念。勿体ないよ~~。学校行ってて、友達とも遊べない。まっ。確かに、部活はやっているけど~~。それでも家事でしょう~~。」その声に芙美花、胡麻化すような笑顔で、「ま、あ。はははは。…でも~~。ん~~~。あの時から、何て言うか~~。私、やんなきゃ。って…。」汐梨、「ん~~~。確かに。うん。分かる。…けど、私の考えも変わらない。…からね~~。」芙美花、叔母に、「はい。分かりました。」「よろしい。」 ママでいい…。 ママでいい…。 vol,015. 「お金を貯めて、海外留学~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.08.07
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そんな汐梨、耀司に、「うん。早い話が。」今度は芙美花を見て、「芙美花。あんた、可能な限り、学業に専念しな。」その声に芙美花、思わず目を真ん丸に。「…で、兄さん。」耀司、いきなり汐梨に、「は、はい。」「勝臣の了解は得た。私が教える。可能な限り、家事、手伝って。」またまた芙美花、目を真ん丸に。そしてパチクリと。耀司、アヒルみたいな口をして、「いやいやいやいや。」汐梨、「今後、会社で、社に出勤して働いて。って、もし、そんな話が来るまで。」その声に耀司、顔を傾げて、「いや~~。来るかな~~。」「…ってか。」汐梨。「そんな…。朝から夕方まで。殆ど家の中。確かに。それが仕事だから仕方がないんだけど~~。それでいて。今迄、義姉さんがいたから、芙美花と言う子がいたから。かも、知れないけど。もぅ、義姉さんはいない。芙美花は学校。そういうつもりで、これからの事、高井戸家の事、考えよう。…そういう意味で、これから私、確かに、仕事があるからその合間って事になるけどさ~~。可能な限り、高井戸家に入る。」耀司、「汐梨~~~。」汐梨、耀司を見て、「だ~~ってさ~~。高井戸家と私の家。車で15分よ。私なんて、今の仕事。ウェディングプランナーの仕事に就いた時に、うそ。こんな偶然ってある…???…まるでお膳立てしたかのように、勤務先は近いわ、兄さんの家は近いわ。び~~っくりしたんだから~~。」その話に耀司に芙美花もニコニコと、「うんうんうん。かかかかか。」「だよね~~。おかあさんもびっくりしてた。まさか汐梨さんがご近所さん。偶然ってあるもんだね~~って。」「だからさ。」汐梨。「この際~~。」口を真一文字にして、そして、「ん~~。芙美花の修学旅行が良い機会~~。兄さ~~ん。芙美花の事、助けると思って~~。芙美花の学業、専念。じゃないと~~。芙美花~~。家事全般で、高校卒業しても~~、大学卒業しても~~。更に~~。社会人になっても~~。家事全般で男っ気なし~~~???」汐梨、芙美花を見て、「そ~~んなの、叔母である私が、許しません。逆に、かあさんから、あんた、近くにいて何してんの…???って、電話でどやされるのがオチ~~。昭和人間。割烹着。まっ。今じゃ何とか、エプロンに落ち着いたから~~。なんだけど~~。」芙美花、笑いながら、「かかかかか。確かに。凄いよね、おばあちゃん。パワフルだわ~~。とにかく動きっぱなし。まっ。確かに。和歌山の家が、昭和って感じの家だから~~。それに、家の中も広いし~~。」耀司、「まず、台所から出てくるのは飯の時か、掃除している時だけ。近所のおばちゃんたちも、家に来たら、まずは台所。茶の間なんて入んないから。逆に、茶の間なんて男の場所。」汐梨、「確かに。…でも、凄いわ。かあさんもとうさんも。家を継げなんて、まず言わない。おまえらの勝手にしろ。…だもんね~~。」耀司、思い出すように、「ん~~~。とにかく、何考えてるのかさっぱりと分かんない親父だったからな~~。」汐梨も思い出すように、「地元水道局勤務40年。されど、現在は嘱託職員として未だに従事。」耀司、「まぁな。定年超えてるし。」芙美花、「うんうんうん。…でも、おじいちゃんも、カッコイイよね。」汐梨、そんな芙美花に、「はははは。こりゃ、遺伝かね~~???…しかも、あの歳で、結構、声も良いからね~~。何とも渋みのある声~~。」芙美花、ニコニコ、「うんうんうん。で、必ず和歌山行くと~~。芙美花、芙美花って呼んでくれてしっかりお小遣いくれるから~~。ふん。取っとけって。ニッコリとだよ。」耀司、「まな。親父にしてみれば。…まぁ、お袋にしてみても、芙美花は大事な初孫だから。…って、言うか、麻沙美が産まれた時なんて、親父、あれ、一晩中、泣いてたんじゃない…???」汐梨、「確かにね~~。私、小学から家にいなかったからね~~。」耀司、汐梨を見て、「かかかかか。アルバイトでな。」芙美花、「えっ…???…そうなの…???…私、知らな~~い。」汐梨、芙美花に、「うん。私、小学から、ほんとは悪いんだけど、お店でバイトみたいな事やってたから。お金欲しさに。」芙美花、「へぇ~~~。」耀司、「美比呂(みひろ)おばちゃんのとこでな~~。」汐梨、「うん。食堂だったんだけど~~。今は、料理屋。宇門(うもん)って言うお店~~。とに~~かく、お客、来てた~~。」耀司、ニコリと、「あそこは繁盛するよ~~。とにかく、味が滅茶苦茶凄い。」汐梨、「まっ。確かに固定客が多くって~~。私、小学から大学まで、宇門。おばちゃんからいい加減にこの店で働けや~~。って、言われたんだけど~~。」 ママでいい…。 vol,014. 「芙美花。あんた、可能な限り、学業に専念しな。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.08.06
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耀司、芙美花を見ながら、「ん、まぁ~~。それこそ、祐里子が亡くなってからは、ん~~~、家の中、大変だろうかって、会社のみんなも遠慮してくれてて。余り、声、掛けられなかったらしい。専ら、電話、ライン。そしてメールでの業務連絡。そして、仕事だったから~~。まっ。コロナ、全面解除になって~~ここ、最近になってからかな。誘われて夜、外に飲みにって言うのは。…まぁ…。芙美花にも声掛けて、出掛けるけど…。」芙美花も父を見て、「うんうんうん。」「…って、言うか、あんまり、家を空けておきたくないって言うのが、コロナ禍からの延長になってるかな~~。…それに…。…まぁ…。」芙美花を見て、「なんか…、コロナ禍以来、世の中、物騒って感じも…。」汐梨を見て、芙美花を見て。「まっ。俺がこんな事言える義理じゃないけど~~。我が家の偉大なる芙美花が、家の事は。バッチリと。…けど…。リモートになってから結構経つけど…。もし万が一って事、自然に頭の中で。」途端に汐梨、「偉いっ!!!」テーブルをペンと叩いて汐梨。「兄さん、いいわぁ~~。その姿勢~~。…まっ。コロナ禍から、今…???…ようやく外出自粛する事なく自由~~。なんて、夜、結構飲み歩いている旦那様たち~~。も、いるみたいだし。…って、言うか、コロナのストレス。」耀司、「あ~~。うん。まぁ…。でも…。」いきなり芙美花、「でも、おとうさん、家じゃ、お酒、飲まないし。」汐梨、「うんうん。…その辺は凄い。外では飲むけどね~~。勝臣なんか、毎日晩酌、欠かせないから。」耀司、可笑しがりながら、「まま。うん。確かに勝臣君はイケル方だけどね~~。でも、飲んだとしても、酔ってるのか全く分からない。」汐梨、「…でぇ~~。一旦まずその話は、こっちにまずは置いといて~~。」耀司、「うん…???」汐梨、「あのね。…ん~~。」いきなりテーブルに腕組みして、「私…、考えたんだよね。」耀司、またもや、「うん…???」「私さぁ~~。ほら、ふたりも知っているんだけど~~。勝臣と結婚したのが35じゃん。世に言う晩婚。しかも…、麻沙美なんて高齢出産。」いきなり耀司、芙美花もチラチラと見て、汐梨に、「う、うん。」「まっ。確かに~~。40前で産まれて良かった~~って、ホッとしている訳。麻沙美、今、4歳。これから…、麻沙美が芙美花と同い年に、なるって言ったら、私、58だよ。それから麻沙美が大学だぁ、何だ~~なんて。…ふと、そんな事、考えたら、もぅ~~。とにかく、芙美花には元気に、そんでしあわせになってもらいたい。そればっかり考えちゃってさぁ~~。…つまりは…。まぁ、芙美花と麻沙美、一回りの歳の差、あるんだけど~~。常に、麻沙美には芙美花の事、お姉ちゃんって感じでいてもらいたい訳。」芙美花、思わず、「おばちゃん。」耀司も、「あ、あ、あ~~~。」「でね。傍と気づいた。麻沙美に、誰もいないって。」いきなり耀司、右手を大袈裟に振って、「いやいやいやいや。誰もいないって~~訳じゃないでしょう~~。俺たちもいるし~~。」「そうだけど~~。」汐梨。「でもね。何て言うの。今はまだ麻沙美、分かんないから仕方がないんだけど~~。それこそ小学、中学に。まっ。兄弟姉妹がいない生徒もいるんだけど~~。麻沙美には、芙美花がず~~っとお姉ちゃんになっていて欲しい。…そんな風に考えたらさ~~。高井戸家。このままじゃダメだって。もっと芙美花を開放しようって。」思わず耀司、口を尖らせて。芙美花は口を搾って。「ん~~~。まま、私は、麻沙美を妹みたいには、思ってはいるけどね~~。私にも、妹やお姉ちゃん、いないから~~。」「…って言うかね。兄さん。このまま、高井戸家がこのまんまじゃダメ。」一瞬、耀司、口を捩じって。「芙美花、高2。勉強はあるわ、部活動はあるわ。しかも、博楼高校って、ブラバン。かなり有名な学校よ~~。定期演奏会もあれば、吹奏楽コンクールもあるでしょう。芙美花、クラリネット、物凄いから~~。」その話に芙美花、なまじ、ニコニコと。耀司も、にこやかに。「義姉さんなんて、良くぞここまで上達してくれたって。感慨無量だったんだから~~。」耀司、「それを言うんなら、麻沙美なんて凄いよ。」芙美花、「そうだよ、そうだよ。4歳でこれだけ弾く…???…って感じ~~。」耀司も、「うんうんうん。凄いよ麻沙美~~。」バセットにゴロンとしていた麻沙美、「え~~。何か言った~~~???」耀司、「かかかかか。麻沙美のピアノは凄い上手~~って~~。話してた。」麻沙美、ニコニコと、「ほんと~~???…ありがとう~~。」耀司、ニッコリと。「どういたしまして。」そして汐梨に、「…で…???」 ママでいい…。 vol,013. 「我が家の偉大なる芙美花が、家の事は。バッチリと。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.08.05
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「うそ。はは、や~~った~~。芙美花~~。修学旅行~~。」景織子。千愛、そして詩乃も、「うんうんうん。」「良かった~~~。」朝の学校の廊下で…。芙美花もニコニコと、「うんうんうん。はは。何とかOK~~。」はしゃいでいる4人。「あら、おはよう~~。B組カルテット~~。」歩いて来た清水。4人共に、「おはようございま~~す。」清水、ニッコリと。「朝からニコニコと爽やかね~~。はは。いいぞ~~~。」景織子、「はい。はは、先生~~。芙美花、修学旅行、行けるようになったの~~。」瞬間、芙美花、顔を赤く。清水、そんな芙美花を見て、「あら~~。良かったじゃな~~い。じゃあ~~。おとうさん。」芙美花、清水に、「あ、はい。何とか、解決~~。」「うんうん。何よりね。…実は、先生も心配してたの。ほら。修学旅行の案内配布した時、芙美花さん。何やら、先生って、手を挙げて。」詩乃も、「うんうんうん。」清水、芙美花を見て、「やっぱり、おとうさんの件かな~~って。思って。…でも、これだけは家族の事だからって。…で、2年の先生方も心配しててね~~。高井戸さん、修学旅行、大丈夫かぁ~~って。」景織子、「へぇ~~。職員室でも~~???」景織子を見て清水、「う~~ん。そりゃ心配するわよ~~。何としても、全員参加で行きたいじゃな~~い。」千愛も詩乃も、ニコニコ顔で、「うんうんうん。」そして。「ここぞとばかり」に、耀司への、「兄さん、お願~~い。」が始まった。汐梨曰く、「ははは。予行練習よ、予行練習~~。…って言うか、そんな、幾らリモートでもさ~~。家の中に閉じ籠ってばかりより、ほら。外々~~。」と、言う訳で、麻沙美の保育園へのお迎え。と、なったのである。耀司、ニコニコと、「やれやれ。こんなに早くお願いが来るとは。」と、言うよりは、少しでも汐梨、芙美花の負担を減らしたいがために。家に帰って来ての芙美花、完璧に整えられている家の中に、「うっそ―――――――っ!!!かかかかか。汐梨おばちゃん、ありがと。」汐梨、「まっ。あんたが修学旅行から帰って来るまでの限定だけどね~~。しかも。兄さんの脚の運動にもなるし。」芙美花、「うんうんうん。」汐梨、「それにさ。あんた、芙美花~~。授業終わって~~。それから部活でしょう~~。それに、定期演奏会なんてあったら~~。それこそ、家事~~。大変なんじゃない~~???…良くやってると思ってんのよ~~。叔母としては~~。…まっ。確かに、兄さんの仕事~~。大学卒からやって、かなりのキャリアだから、それ相応は~~。それに…。」コップにジュースを注ぎながらの汐梨、「こんな事、言うのは幾ら姪でも失礼だけどさ。お義姐さんの保険。充分過ぎる程の収入。あるんだけど~~。普通なら、家事なんてほぼお手伝いって感じなのに、あんたの場合は、完璧なんだから~~。逆に体の方が心配になってくるよ~~。」芙美花の前にジュースの入ったグラスを。その話に芙美花、ニコニコと、「はは。ありがと。」「まぁ~~。あんたの場合は、2歳の時から家事、好きになってやってたから、別に、苦になる事はないって、傍では思っているけど~~。」玄関から、「ただいま~~~。」耀司の声。そして、「ママ~~~。」汐梨、「はは。帰ってきた~~~。」そして…。麻沙美、ママにダイレクトに突進。汐梨、麻沙美を受け止めて、「おほほほほほ~~。麻沙美~~。お帰り~~。」芙美花、父に、「お帰りなさい。」耀司、「はは。うん。ただいま~~。」「どうだった~~。保育園。」その声に耀司、「かかかかか。さすがにママさんたちからジロジロ見られた。」芙美花、「ぷっ。」汐梨も、「まぁねぇ~~。当然っちゃあ、当然。いきなりだもんね~~。」「保育園の職員とも挨拶してね~~。よろしくお願いしますって~~。はは。みんないい人たちだ~~。」汐梨、ニッコリと。「それは何より。」そして汐梨。「…と、言う事で~~。兄さん。私ね。考えたんだけど~~。ちょくちょく、高井戸家、来るわ。」その声に、芙美花も耀司も、「はっ…???」「…と、言いうのも~~。勝臣とも話したんだけど~~。…って、勝臣の方は即答。いいんじゃない。の、一言。」耀司、「はい…???」「いやいや。だ~~ってさ~~。」汐梨、芙美花を見ながら、「芙美花にも今、話してたんだけど~~。」耀司、芙美花をチラリと見て、「うん。」冷蔵庫から麦茶を。そして、グラスに注いで。耀司を見て汐梨、「兄さん、会社勤務の時は、あちらこちらで、それこそ、夜なんて食事~~。外食~~。…けど…。リモートになってからは~~。もしかして…、在宅だらけで外出って。」耀司、芙美花を見ながらも、「ん~~~。確かに。殆ど…、家かな~~。」椅子に座りながら、「コロナ禍で外出自粛ってなったから、それこそ、出れなかったし。」 ママでいい…。 vol,012. 「家の中に閉じ籠ってばかりより、ほら。外々~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.08.04
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