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道尾秀介著 幻冬舎2006.3出版ホラー小説家の道尾は、従兄弟の結婚式に出席した折に、瑞祥房という仏所を訪ねた。仏像をテーマに長篇をかくための取材であったが、急遽房に泊まらせてもらえることとなった。喜んだのもつかのま、その夜恐ろしい体験をする。そして翌日には仏所の仏像彫りしの一人が失踪していた。謎をそのままにいったん帰るが、友人で霊験探求をしている真備庄介を尋ね、謎の解明に乗り出す。大好きだった、『背の眼』の登場人物の第二弾。仏所でのホラー体験は怖くてドキドキでした。現実と夢の境目がわからなくなる描写が上手だなと思います。今回は、結構ちゃんと謎が解明されちゃいましたが、殺人の動機やら、失踪者の行方やらがとてもおもしろかったです。最後までぐいぐいと引っ張られて読みました♪
2008年11月12日
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綾辻行人著(辻の名前の正しい変換ができなかったため、多少漢字に間違いあり)綾辻さんの十角館を10数年ぶりに読み返した。この本は、私が本格ミステリにはまるきっかけになった大切な本。当時子供だった私は、比較的充実している社会派ミステリなんかは、子供なので社会に興味ないため、汚職だの世論だの言われてもさっぱり興味がわかなく、かといって山村美沙さんとかの本はトリックオンリーで背景の描写に物足りなさを感じていたので、この本に出会ったとき、「こんな本が読みたかった!!」と感動したのを覚えてる。久しぶりに読んだら、多少展開等に疑問を持ちつつも、楽しかった。孤島ものはやっぱりよい!作者がちりばめてるヒントにミスリードされて、おそらくこういう誤解を読者にあたえたいひっかかれ!みたいなところにことごとくひっかかったことに最後まで読んで気付いた。うーん。楽しい!
2008年11月01日
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梨木香歩著 新潮社2001.8出版中学校に進んでまもなく、どうしても学校へ足がむかなくなった少女まいは、田舎に住むおばあちゃんちに一月ほど身を寄せることになった。実は大好きなおばあちゃんは魔女を名乗っている。まいはおばあちゃんからから、魔女修行をうけることとなる。そして、魔女として、人として、大切な何かを学んでゆく・・・。 作中の冒頭にあるお母さんの会話で、「生きていきにくいタイプ」とまいを形容する言葉が出てくる。そこでぐっと、まいに親近感を覚えて、これからの物語に期待が膨らむ。繊細で優しい物語。これは学生の頃読んだんだけれど、この間映画化されていたようで話題になっていた時に、友達からお勧めの本として紹介されて、読み返した。当時はそんなに強い感銘をうけなかったので、友達が感動した文章ってどんなだろうって思いながら。おばあちゃんとジャムを作る場面や、シーツを洗濯して、ハーブの草の上に干す場面が大好き。
2008年10月23日
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武者小路実篤著 新潮文庫S.27.7出版理想主義の真理先生は、後援会の人達に支えられて、金銭を持たずに生きている。そんな先生の講話を聴くため、先生の家には毎日何人もの客が訪れる。先生と知り合った、善人たちに まつわる物語。最初は、孔子と弟子との問答のように、世の事柄について、真理先生と客とのやりとりが続きます。この話にまず心を打たれて、私はこの作品が好きになりました。最初に読んだのは10代の頃。社会に出たあとでも、この作品に、自分は感動できるのだろうか?と当時危惧したものです。でも、今回読み返してもやっぱり心打たれたので、安心しました。後ろの解説部分から表現を頂くなら、この『真理先生』という作品は、「人生の美しさ、人間の善意を大胆に表明したもの」です。文学には、人間探求によって、人のエゴとか暗い世相をあらわしたものが多くありますが、こんなにも人を肯定して、世の中の理想や善意を信じている作品はなかなかないんじゃないかとおもいます。というわけで、20代になっても好きな作品となりました。
2008年08月25日
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畠中 恵著 新潮社2007.6出版大妖怪を祖母にもつ、江戸の廻船問屋、長崎屋の跡取り息子、若旦那シリーズ。短編5編。今回は、若旦那の母おたえさんの若き日のロマンスがあっておもしろかったです。どうして、手代である旦那さんと結婚に至ったのか書かれてありました。旦那さんがめちゃくちゃ口が上手い人だったのには驚いた!
2008年07月15日
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あさのあつこ著 文藝春秋2006.8出版高校2年の琉璃と彼女と関わった少年少女の物語。主人公が章ごとに変わるオムニバス形式だけれど、時間軸は琉璃の高校2年の春から冬にかけて順を追ってのお話。主人公が他人に依存せずに、自分ひとりで立っていたいという性質で、その少女期特有の潔癖が、すごく痛いお話でした。でも、こういう主人公は大好きです!最初、ちょっとノリが軽そうだし、どうかな?と思ったんですが、読み勧めるうちに気にならなくなりました。いやもう、さすが!!!って感じです。
2008年05月29日
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百人一首からもう一つ。 「逢ひ見てののちの心にくらぶれば昔はものを思はざりけり」 <訳> あなたに逢って愛し合ったのちの、心に比べると、それ以前は思い悩みなどしたうちには入らなかったとわかりました。 うーん、情熱的だわ。 逢う前にはこんな気持ちしらなかったけれど、愛し合ってからはこんなにもあなたのことを思ってしまいますって!! 恋をして知らない自分を発見したんだろうなと思います。 このテーマって、よく最近の歌でも取り上げられたりしますよね? 時代は変わっても、人の思いというのは変わらないんだな、としみじみ。 私もどちらかというと、恋をすると盲目でつっぱしるタイプなので、この歌の気持ちがよくわかります。
2008年05月28日
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よく、漫画とかでも引用される、百人一首の歌に 「忍ぶれど色に出でにけりわが恋はものや思ふと人の問ふまで」 という歌があります。この歌が大好きです。 <訳> こらえ忍んでいたけれど、顔に表れてしまったことだ、私の恋心は。 「もの思いしてるのですか?」と人に尋ねられるまでに。 この歌を知ったのが、ちょうど中学生の思春期の頃だったので、私もまだ奥ゆかしく忍ぶれどの恋をしたりするお年頃だったんで特に気に入った短歌でした。 隠していても「色に出でにけり」っていう所が、恋心を自分で調節できないもどかしさや、切なさなんかを表していて好きです!あと、「忍ぶ」ということは、まだ相手に伝えてないんだなーということで、これからどうなっていくのだろう?とドラマが広がっていく期待にわくわくしてしまいます。
2008年05月28日
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GWに実家に帰省した折に、中学校の頃に友人にもらった俵まちさんの「サラダ記念日」の歌集を見つけた。久しぶりに読む短歌はやっぱり面白かった。小学校の頃に習った短歌で好きな歌に「大海の磯もとどろに寄する波 割れて砕けてさけて散るかも」というのがあります。海に行って、海岸線を眺めているときにいつもこの歌を思い出します。後半部分の動詞の羅列になんとも迫力を感じます。眼前に白い飛沫をあげて、波が岩肌にぶつかっている情景が目に浮かんできます。実際の海は凪いでいてとてもおだやかなんですが。海を大海といったり、とどろにというのは、とどろくと言うことで、どうどう波が寄せてくる様を形容していますが、その上、動詞を四回!人知を超えるものの前では、人間とは無力なんだなーと感じいってしまうのです。なのでこの短歌を思い出しながら、海では人生や運命といったものについて考えてしまいます。電卓を置き間違えて、誤った数値をはじきだして上司に呼び出されて怒られたことも忙しくて、昼ごはんを5分でかきこんで食べた日々も小さいことよ。とその時は思えるのです。
2008年05月28日
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大島真寿美著 井田やす代装画 理論社2006.11出版表紙が版画みたいで、かわいらしい。依子はよく何を考えているのかわからない子だと言われていた。それは幼い頃から、両親が家庭内別居状態になり、一人っ子の依子は一人遊びが多かったからのように思っている。高校になって、父親が福岡に転勤することが決まり、とうとう正式な離婚をすることとなった。別居を始めたとたん、母親は上海へ4ヶ月の長期出張が決まり、依子に高校を休学するか、転校して北海道の祖母のところへ行けと言われる。困っていた依子に、友人の梢が自分の家への居候を勧める。転校せずにすんだ依子は、他人にかこまれ生活していく。少女の自分だけから見た世界が、他者とも形がなくともつながっていけるんだという発見の物語。変則的な家族を書いた物語が昔から好きです。家族の絆とか、とても不思議に思うので、その不思議の答えを小説でも追い求めてしまします。読みやすくてとても面白かったです♪
2008年05月21日
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魚住直子著 あずみ虫絵 学研2007.6出版小学生の女の子を主人公にした短編集。それぞれ、日常のちょっとしたことに胸を痛め、成長していく姿を書いている。全5編。表題作は、毎週ピアノ教室に通うために乗っている電車でぼうーと外を眺めていると、すれ違う向かいの電車から、よく見る女の子が手を振ってきた。そのまた別の週では、ホームの向かいで鉢合わせをし、大声を上げて会話をしていく少女二人。日常では言えなかった悩みをお互いに話す少女達に、旅でちょっと開放的になる大人と同じ心理を見た気がする。どれも、子供だった頃を覚えている女性には、胸がつまるいい作品集でした!
2008年05月20日
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岩本ナオ作 小学館2005.11出版岩本ナオさんのデビュー単行本。たんすの中の骸骨=他人に見られたくない子供扱いされる中学生の野花と、その従兄弟の二人の兄弟との交流を描いた作品。岩本さんは、全体的に白っぽい画面だけれど、背景とか、線が、少女漫画っぽくなくて、情緒のあるイラストですきです。ちょっとノスタルジックな感じ。ほんのすこーし、読みにくい感があるけれど、ハツ単行本らしいので、これからグンと伸びていく作家さんかも。とても楽しみ!最近の小学館でよくこんな作品が出せたな~と感心しました。はなゆめの、『夏目友人帳』を書いた、緑川さんの作品が好きな方とかは、気に入るんじゃないかなと思いました。
2008年05月09日
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小野不由美著 上1994.3 下1994.4講談社出版ゴーストハント念願のマイホームを手に入れた、阿川親子の近辺で、不可解なことが相次ぐ。修理しても修理しても壊れる家電製品。電波が悪くなる電話。誰もいない窓から聞こえるノック音。この家の窓という窓に鏡がはめ込まれているのは何故?いつも家をのぞいているのは、果たして人間か、それ以外の存在か?謎の究明を頼まれて、「渋谷サイキック・リサーチ」のメンバーが家に乗り込む。果たして、真相はいかに!?x文庫なんで、なめていて、今まで手にとりませんでしたが、めっちゃおもしろかったです。ホラー嫌いだけど、ぎりぎり大丈夫な線で展開してくれて!!!!ドキドキでした『死鬼』の方が分厚かったので、だんだん来る怖さは断然上ですが、これも、すごい良かったです。でも、キャラとかそれなりにライトノベルの方針があるから、大人の男性とかにはススメませんが。ライトノベル好きな私にはたまりませんが!!!その内、初期作品も読みたいです。作品リストメモ「悪霊がいっぱい!?」「悪霊がホントにいっぱい!」「悪霊がいっぱいで眠れない」「悪霊はひとりぼっち」「悪霊になりたくない!」「悪霊とよばないで」「悪霊だってヘイキ!上下」以上は、一人称で、対象年齢も低く書かれてあるので、もしかしたら、おもしろくないかもしれないけれど、その内読んでみたい!ピンクの背表紙のx文庫懐かしいなぁ。小学校の頃に図書館かよって読んだ読んだ♪この頃のコバルト文庫は、ジュニア小説の域を出ていない学園青春小説が多くて好きやった。
2008年04月26日
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早稲田ちえ作 講談社ずっと好きだった幼馴染に、彼女ができて失恋するお話。海野つなみさんの古い作品を読み返していたら、えらい作風が似た作家さんを知ってるよ?早稲田ちえさんのあのノリに似てない??と思ったら、作者のコメントで、早稲田ちえさんの名前が出てきたので、同じ雑誌の漫画友達と判明。そんなわけで、久しぶりに早稲田ちえさんを・・・ちえさんの、中学生や小学生っぽい、からかいや悪ノリのシーンが大好きです。早稲田さんのは、中学生の思い込みの激しい恋心を書かせたら最高です。とても情熱的で、片思いや失恋をしたことある女の子には、心に響いてきます。「でも私も、理屈超えちゃうくらい長い間、史朗のこと好きだったのに。」女の子って、恋に命がけで、理屈が通じなくなる人がときどきいます。そんな、女の子におススメの作者さんです♪ちなみに、男性や、順調な恋愛しかしたことない女の子、とても理性的な女性には、おススメいたしませ~ん
2008年04月24日
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海野つなみ著 2004.3オムニバスで、それぞれ違う主人公達の愛情にまつわる物語。短編が4話収録されている。2巻にある、6話目の「銀河鉄道」これのテーマがすごく好きです。谷川俊太郎さんの詩が出てきます。「さよなら」ぼくもういかなきゃなんないすぐいかなきゃなんないどこへいくのかわからないけどさくらなみきのしたをとおっておおどおりをしんごうをわたっていつもながめてるやまをめじるしにひとりでいかなきゃなんないどうしてなのかしらないけどおかあさんごめんなさいおとうさんにやさしくしてあげてぼくすききらいいわずになんでもたべるほんもいまよりたくさんよむとおもうよるになったらほしをみるひるはいろんなひととはなしをするそしてきっといちばんすきなものをみつけるみつけたらたいせつにしてしぬまでいきるだからとおくにいてもさびしくないよぼくもういかなきゃなんないこんな詩がでてきます。そして、少年が少女の前から去っていきます。こんな詩の気持ちに、誰しもなったことがあるんじゃないでしょうか?小学校のとき、中学校のとき、そして大人になっても時には。少年が海外に行ったように、私も大学のときにバックパック背負ってヨーロッパをふらついたとき、きっかけは、こういう気持ちだったんだろうな。最後に少女が、「ねえ、ケンジくん 笑ってる?」って空を見上げてるのを見て、切ないけれど優しい気持ちになりました。
2008年04月19日
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海野つなみ作 講談社2003.8出版回転銀河は、オムニバスで、たぶん同じ高校に通う様々な子が主人公になります。ときに、脇キャラだったのが、主人公になったり。全部にかぶってるわけではなくところどころに、かぶっています。海野さんの、作風がばっちり出ている最高の短編集!!!!第一作の「イノセント・インセント」は、いきなりテーマが重いです。近親者との淡い恋。何年も、色んな雑誌に次はこれでどうでしょうっていって、没をくらってきた作品らしい。個人的にはこの手の話は好きじゃないのですが・・・。でも、とにかく奇抜な設定で読者をひっぱりたいとか、悲劇要素で泣かせる作品をみたいな、最近の少女漫画にありがちな路線とは違います。あと、海野さんのほのぼのした作風が、救いを持ってきたり。『回転銀河』のテーマの一つがはっきりでた作品。「恋とか友情とか家族愛とか師弟愛とか、愛情って全部がくっきり分別できるのかな、と思うのです。・・・愛情にもいろんな要素が重り合ってできているような気がします。」そういう作者の気持ちがすごい上手に仕上がった作品だと思います。最初の作品は、全面に今のテーマがでちゃってますが、2話目は、別のテーマにかぶせて、うまーく、からませていて。ぜ、絶妙!!!!!天才!!!!!!!!!!!!ちなみに、4話あるなかで、一番好きなのは、2話目の「ぼくの惑星」いまいちさえない高校生が、主人公。ちなみに、ラブネタではなく、自分ってなさけないのかな?という青春期の葛藤が主ですが、「さえない女子高生」だった自分には、ぐっときました☆☆
2008年04月19日
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豊島ミホ著 幻冬舎2005.3出版田舎の進学高校である、北高校に通う高校生や、先生、かつて生徒だった男性などの心情を綴った短編小説。7作あって、登場人物が多少かぶったりするけれど、連作ではないかな?「檸檬のころ」という表題作だけあって、甘酸っぱい作品集です。田舎の地味な人におきる、人生の転換期の、悩みを綴ったりしたもので、正直痛かったです。大抵の人には、少女漫画みたいな感じで読めるんじゃないかとおもうけれど、(ときめき、きゅん!みたいな?)田舎の高校の地味の代表選手みたいなもんだった自分には、かぶったり、かぶらなかったりする小説の筋が、心に刺さってしまいました。あと、思春期の自意識過剰な所が、リアルで・・・。表層がかわいくて、手に取ったのと、この作者の「日傘のお兄さん」が読んでみたかったけれど、なかったのでこの作品を読んだけれど、あー、出会わなかったらよかったなーと思っちゃいました。
2008年04月10日
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水田美意子著 宝島社2006.3出版日本から1500キロ離れた、東硫黄島。島の外輪火山が噴火し、住民は東京に強制移住させられ、現在は観測所を守っている老人が一人住むだけの孤島である。そんな島で同窓会が開かれることになり、4年ぶりに東硫黄高校同窓会が集まった。出席者はクラスメイト36人中、不登校だった一人を除いた35人。和やかなムードで進んでいた同窓会は、突如現れた殺人ピエロにより恐怖の孤島と化す。次々と同窓生たちを惨殺し始める殺人ピエロの正体は?孤島と聞いたら、とにかく飛びつく私ですが、本格推理ものとは全く違うものでびっくりました。本当に次々とクラスメイト達が殺されていきます。どこで殺人はとまるの~!?と思いつつ、読みました。ありえん!っって感じでとても面白かったです♪♪人物描写がちょっと幼いのですが、それはそれで、このすごいストーリーにマッチしていていいんじゃないかと。これで、人物も掘り下げてたら、すごい暗い作品になりそうだし。推理ものを読んだことあるなら、多少突っ込みたいところはでてくるものの、やりきった!って思える作品です。こんなにひどい話なのに、ちょっと惚けた明るさがあったのには救われました。伏線の絡ませ方が、複雑じゃないのも、考えるのが面倒な私にはピッタリで。最後の最後はちょっといただけないかな・・とは思ったけれど。
2008年04月08日
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川端康成著 新潮文庫1963.7出版建築家水原のそれぞれ母の違う三人の娘、自殺した母の悲劇と戦争に恋人を奪われた心の痛みのために次々と年下の美少年を愛する姉百子、京都の芸者の子である妹若子、全く性格の違う姉や妹をはらはらと見守る優しい麻子。大徳寺、都踊り、四条から桂離宮―雅やかな京風俗を背景に、琵琶の湖面に浮かんだ虹のはかなさ美しさにも似た三姉妹の愛と生命の哀しみを描く名作。(表紙裏のあらすじより)この作品は品があるセクシーさで好きです。綺麗で哀しい小説でした。死んだ人への愛を虹にたとえている箇所があったけれど、果たして虹はかかっているのか?ちょっとした余韻があります。昔の文章はあからさまなキスシーンとかは少ないですが、情景描写に絡めてそれとなく描かれるのでドキッとします。うなじの描写とかがたまりません。
2008年04月07日
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宮尾登美子著 文春文庫1982.6出版大正4年、鬼龍院政五郎は故郷・土佐高知の町に男稼業の看板を掲げた。相撲や飛行機の興行をうったり、労働争議に介入したりの華やかな活躍、鬼政をとりまく「男」を売る社会のしがらみ、そして鬼政をとりまく女たちの愛憎入り乱れた人生模様を、女流作家独自の艶冶の筆にのせた著者会心の長篇小説(表紙裏より)人の一生を描いた小説ってなんでこんなにも切なくなってしまうんでしょうか。男稼業って言い方がいいですね。
2008年04月07日
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3月は少女漫画にはまってはまって大変でした!!一度買い始めたら、止まらず・・・・。実家から引っ越して以来、3DKには漫画を置くスペースがないと思って抑えていたものが、一気に噴出!!!!あと、やっぱりインテリアをくずすし。ちょっとシャレた部屋にしときたかったので、本棚も買わずに我慢してたのに。無理はダメね・・・・。そんなこんなで133冊をゲット最初に、古本屋めぐりを5店舗お願いした折、うちのツレは、私の買った漫画の量におののいていましたが。その内、休みの日になると、自らドライバーと数店舗めぐるのを申し出てくれたりして♪♪♪別に大量に漫画買う趣味を隠してたわけじゃないけれど、うまいこと病気が抑えられていたので。でも困ったことに、ストッパーがいない為(実家では母の捨てるわよ攻撃に遭っていた)、際限なく買っちゃって!部屋がやばいことに4月からはもう買うまいと思っていたのに、「会社に携帯忘れたから、途中の本屋で降ろしてあげるから、僕が取りに戻って行っている間に漫画買いよらんけん」とか言われて、早速17冊も買ってしまった!おき場所がない~。調子に乗りすぎた☆☆でも幸せ
2008年04月03日
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桂望実著 文藝春秋2006.11パラパラっとめくったときに、競馬場の場面があって、てっきりジョッキーの成長物語かと思って、読み始めた。全く違う内容で、それだけは残念でした。トップアスリートの優は、長距離陸上選手で、大学をスポーツ推薦で入学した。駅伝で名を馳せた後、オリンピック出場するのが将来の夢だ。そのために、家族も協力してくれ、毎日トレーニングを欠かさずやってきた。しかし、部活で連帯感を高めるための飲み会や会合は、時間の無駄だと思いはっきりとそれを態度に表したため、孤立しつつある。そんな折、医学部に通っている優秀な兄が、電車事故で亡くなった。事故か自殺か・・?順風満帆と思っていた人生が、少しくるい、走ることとはなにか、見つめなおすこととなる。『一瞬の風になれ』があんまりよかったので、しばらくアスリートものは読みたくないなーと思っていたのに、偶然引っかかってしまいました。この作品も、天才が出てきます。天才の苦悩。成長物語です。全くタイプの違う作品だったのですが、やっぱり最後は胸が熱くなってしまいました。ちょっと現実的にはありえないような設定で、未来の遺伝子工学に問題提起したりもしています。脇役の人達もいちいち愛おしくなったお話でした。ちょっと重い展開があったものの、読みやすくて良かったです☆
2008年04月02日
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吉本ばなな著 幻冬舎1996.4出版17歳の頃付き合っていた恋人の喬とは別れた後も長い年月を経て、友達として続いている。彼がエイズにかかったと知り、同じく元恋人の日出雄と、三人でエジプトへ旅行することとなった。エジプト旅行記でした。エジプトに行って、この小説を書きたくなったんだなーって気持ちが伝わってきます。私もエジプト行きたい!!!遺跡も見たいけれど、アフリカ大陸を拝んでみたいなぁ。
2008年04月01日
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監督 筧昌也主演 金城武、小西真奈美死神の千葉(金城武)の仕事は、不慮の事故で亡くなる予定の人物のところに7日前に現れ、その人を1週間観察し、その生死を判断すること。雨男の彼はその日も雨の中、7日後に死を迎えるはずの27歳の会社員一恵(小西真奈美)が現れるのを待っていた・・・。(映画予告より)伊坂幸太郎さん原作の映画。ライラを見に行ったら、時間があわなかったので、伊坂さんの作品が映画になってるから見てみようかなーと思ってみた。ライラ見たかったな・・・。原作は読んだことないので、先入観はいっさいなしで。どうでしょう??きっと、原作のほうがいいんだらろうなーと言うのが正直な感想です。というのは、はっきり時代が3部に分かれるんですが、それが映像だと、あんまり唐突に感じるんです。文章だと違和感のない部分なんだろうなーと。ワイルド系が好きではないので、金城武さんも好きではなかったけれど、死神役はめちゃくちゃかっこよかったです!!!背が高いからスーツ決まる人間に化けているときの、ショートヘア姿なんてもう!!!!小西真奈美さんはめちゃかわいいのに、地味で暗い役だったので、本当に地味に見えて、もっとかわいく撮ってくれてもいいのに~と思ったり☆死神が言葉の意味をたびたび取り違えて、そのたびに劇場でも笑い声がしました。シリアスな中にも笑いがあって素敵な作品でした。最初の死神登場の映像なんかも大好きです。小西さんが歌う、作中歌姫の曲が何度も流れるので、エンディングとかもじんわりきました。友達に聞いて、伊坂作品が映像化されたことがあるのを知って、一度どれでもいいから見てみたかったので、映画館で見れて、ラッキーでした♪♪
2008年03月27日
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音大時代の友人ミツコが失踪したらしい。バリから届いたミツコからの葉書を頼りにバリまで探しにきたマホ。現地を案内してくれるオダさんは、ミツコの友人だったようだが、ミツコがどうしているか知らないという。ガムランの調べとともに、マホのバリでの不思議7日間が始まる。不思議なはなしでした。私にとってはかなり痛かったです。主人公は絶対音感があるのですが、とてもうらやましかったです。私は、恐ろしいくらい音楽オンチで、聴くも歌うも、テンポを取るのも、全てできません。それで、コーラス部に所属し、アカペラで歌っていた自分はチャレンジャーでした。周りも絶対音感だか、相対音感だかがあって、一度聞いた曲をピアノで再現できたり、作曲したりと、うらやましいことこの上なかったです。ちなみに、ピアノ習ったこともないので、楽譜も読めませんでした。芸術に秀でる人は紙一重の人も多いなというのが、印象です。この話の主人公も、絶対音感はあるものの、自分の音楽の才能を見限って、ライターに転身したのち、精神を病んで薬を飲んでいます。薬を飲むことでなく、作品を吐き出したりすることで、自分のバランスを保てたらベストなのに!!!コーラス部の一個上の先輩方もたいがい「いっちゃっててやばい」と心配してましたが、それぞれ、理学療法士、税理士、弁護士、イラストレーターになって、自分を表現できる仕事に就いてくれたので、一安心しました。ちょっと作品には触れられない感想しかないですが・・・。あ!バリ行ってみたいなって気分になります!!
2008年03月25日
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三浦綾子著 角川書店1996.4出版「氷点」を受賞してからの30年の作家生活を綴った自伝。「道ありき」などの、今まで自伝とは違い、なんせ年月が長いので、ところどころを振り返ったエッセイに近い感じがした。信仰や家族への愛が満ち溢れていて、またもや泣いてしまいました。三浦さんの著作を読むと、いつも泣いてしまいます。人には平等に幸不幸が分け与えられている訳ではないのだけれど、自分の気持ちによって、どのようにも向かっていけるのだなと、改めて感じました。お金があれば手に入る多くのもの。でも、人は欲深く、一が手に入ると、その嬉しさや恩恵を忘れて、二が欲しくなります。そんな風になりがちな自分に、謙虚さを教えてくれる、素敵な自伝です。自分にとって大切なのはなんなのかを、見失わないようにしたいです。
2008年03月25日
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曾野綾子著 河出書房新社1999.1出版全九編からなる短編集海外生活経験者がほとんどの作品に出てくる。曾野さんの、キリスト教徒としてのベースが見える。読んだ後、襟を正したくなる。どれも、読みやすく、面白かった!!私の好きなハッピーエンドのお話とは全く違う短編集ですが、曾野さんの、浮ついたところのない、真面目な文章が好きです。単に、幸、不幸を物語として語っただけでなく、キリスト教の精神を交えて、人として大事なものを教えてくれる作品でした。ちなみに、昔初めて、青春小説を好きになったのが、曾野綾子さんの『太郎物語』という本でした。内容はもう忘れてしまいましたが、私の中の青春小説NO.1です☆
2008年03月22日
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吉本ばなな著 幻冬舎2002.5出版祖母が死に、母が死に、天涯孤独になった主人公が過労で倒れた。母が生きていればすぐによくなるはずのリズムが狂ったまま、仕事場で倒れてしまった。タヒチ料理を出す店で働く主人公はしばらくレストランの職場を離れ、オーナーの家で家政婦をし、旅に出る。ひとことでストーリーをまとめると、不倫は嫌だと思っていたけれど、タヒチ旅行をして、そんなん気にせずに好きな人と生きていくことを決心した話でした。不倫ネタは嫌い。いや、この小説の訴えたいところは、そんなところにはないのは分かるんだけれど。前回、ばななさんの「イルカ」を読んだときに、最近のは好きじゃないなーと思ったんだけれど、そうでは、なく不倫ものが好きじゃなかったんだなーと再確認。(イルカも話の筋はそうでした。)ストーリーも、日本でのレストランでのことや、恋する相手との回想と、タヒチでの現地の気持ちとの交錯で、凡庸だったように思います。
2008年03月20日
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北村薫著 中央文庫2000.2出版姫路あゆみは、叔父の会社に勤めている。勤め先の二階に新にやってきた賃貸人は、探偵事務所をかまえた。その案内板には「名探偵 巫弓彦 人知を超えた難事件を即解決 身元調査など、一般の探偵業は行いません 11時~7時 定休日=月・水・金」と書かれてある。定休日はバイトをして生活資金を稼いでいる名探偵!に惹かれたあゆみは、記録者として名探偵の事件解決に参加することをゆるしてもらう。「空飛ぶ馬」の主人公が19歳だったように、今回の主人公も高校を卒業したばかりで、会話や、行動がとってもおもしろかった。あゆのおトボケぶりが気に入ったし、独自の探偵哲学を持って行動する、自称名探偵「巫」さんのキャラもとてもよかった!!短編3作からなり、日常ミステリから出発して、最後は殺人事件に巻き込まれる展開も、さすが!!文章があんまりたくみで、前回は、落語を見に行きたいな~(円紫師匠のシリーズ)という気にさせられたし、今回は京都の枯山水のお庭を見に行きたいな~と興味なかったことにまで、興味を抱かせてしまう、北村さんはすごいなぁ☆
2008年03月19日
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大江健三郎著 新潮社1998.4出版大江さんの自伝の一種。有名な方なので、いつかは読まなきゃ~と思いつつ、小説は読んだことないけれど。図書館にあったので、ちらちらっと流し読みした。高校時代のことがかかれてるかな?と期待したけれど、ちょっとだけだった。幼少期に過ごした田舎での出来事がやはり大江さんの根幹を作ったのだなと知った。高校時代に友人と公的機関の自習室に勉強しに行った思い出が描かれていた。私も同じように高校時代、県の図書館などへ勉強しに行ったな~と。あと、大学での交友関係が文学の素地を作ったのは当然として、高校の同級生の伊丹十三さんに影響しあったことも書かれてあった。故郷の学生時代の友人はやっぱり宝だなエッセイとは言え今回改めて大江さんの文章に触れて、全く好みでないことを再認識した。これからも、小説を読むことはないでしょう・・・。大江ファンの皆様すみません。
2008年03月18日
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乙一著 角川スニーカー文庫2003.1出版短編集全4編『未来予報~明日、はれればいい。』近所に住む清水とは、特にしゃべったりすることもない関係。でも、転校生の古寺君にパンを届けに行ったときに、「お前ら、二人が生きていたならいつか結婚する」と小学校の時に予言をされる。それから、意識してしまい、彼女を避けるようになった僕は、そのうち高校も彼女と接点のないまま卒業した・・・。それからふたりは??『手を握る泥棒のはなし』自分で設計した腕時計を製作する資金が不足していたため、叔母が泊まっている旅館に叔母のお金を盗みに行くことにした。だれもいないと思って開けた穴の先には女の人がいて、とっさに手を握ったが・・・。『フィルムの中の少女』フィルムに映った彼女が死んだあとも決して消えない強い気持ちの力で私を呼び寄せたのだとしたら・・?『失はれた物語』右手と右腕の感覚意外、痛覚も運動能力も失ってしまった、夫の物語。全部なんだかせつないお話でした。中学校の頃とかに読むと、引きずっちゃいそうな、悲しさやつらさがあって。大人になるにつれて、自分になにができるのかなっていう焦燥感が生まれてきたけれど、それと、物語を重ね合わせた、一番最初の短編が好きです。
2008年03月17日
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吉本ばなな著 福武書店 1994.1出版血のつながりは関係なく、同じ家に暮らしてゆく人はいつしか家族になってゆくんじゃないだろうか。主人公の朔は、母と、異父兄弟で10歳以上年の離れた弟と、いとこと、母親の幼なじみの純子さんと5人暮らしをしている。実の父は幼い頃死に別れ、弟の父親だった母の再婚相手は離婚して出て行った。同じ父を持つ年の近い妹は、ちょっと前に自殺をしてしまった。そんな、家族を持つ朔の前向きな人生のお話。このお話は、きょうだいの関わりとか愛情について深く書かれていて好きです。抽象的な描写がたくさんあって、大体は感覚でわかったものの、数箇所読み取れないところがあって、くやしかったです。ばななさんの本は、やっぱり初期のが好きだなーと久しぶりに読み返して感動しました。色々複雑な背景が書かれたりするけれど、主人公が、生きているってそれだけですばらしいよねって始終かたりかけてくれいる感じがして、それが気持ち良かった!!
2008年03月14日
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よしもとばなな著 ロッキング・オン2007.1出版イタリア人の恋人がいた主人公は、何回もイタリアに行った後に、恋は終わったけれど、語学はマスターし、親戚のコネでイタリア雑貨、インテリアの仕事をしている。親戚のちょっと変わったチエちゃんを引き取って6年。40歳も超えたけれど、仲良くおばさんの二人暮らしをしている。そんな主人公の、人生のお話。「小さい頃には無限の未来があるとみんな言っていたし、教師もそんなことを言っていたが、私はそんなことを少しも思わなかった。すでに肉体の造りからして限定されているものがあるし、子供でもすでに向き不向きが現れ始めていた。・・・・・・それを超えていく情熱があれば、なれるとはおもうけれど、なければなれないだろうな、そういうことを思っていた。 だから、私はある時点からまじめに何がしたいかを考え、何ができないかだけを考えた。」 作中の主人公の考えで、特に気になった部分。何がしたいか。何ができないかを考えるなんて!!!っていう人はいるとはおもうけれど、私は、そう考えたらよかったのか!とちょっと感銘を受けました。20歳ころから、まじめに考えることを止めて、人生流れるままに、っていう方針できてしまったけれど、やっぱり、真面目に考えればよかったかなーとちょっと後悔してしまった。
2008年03月13日
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3つめは、竹内まりやさんの『デニム』きゃ~~~!!6年ぶりの新作アルバムまりやさんの歌声を待っていたの!とかいいつつ購入は、発売からだいぶたってしまいましたが。セクシーとも、キュートとも違うけれど、なんとも魅力的なまりやさんの歌声!なんていうんかな??でもすごい好きです。周りの同年代にはまりやさんのファンはいないので、一人で聴いて、一人で盛り上がって、一人でカラオケ。これから、がんがん聴いて、お気に入りの曲を見つけます♪ちなみに今までで一番お気に入りの曲は「駅」かな。。
2008年03月03日
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Aqua Timez さんの セカンドアルバム。こないだまで全く知らなかったけれど、仲間さん主演の「女子デカ」というドラマの主題歌に4番目の「小さな掌」という曲が流れていて、気に入りました。ドラマのときはなんか切なげだな~とだけ思ってたんだけれど、こないだカラオケ行って唄ってみると、歌詞が良くって改めて好きになったので、購入♪
2008年03月03日
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この休みは調子にのって、アルバムを3つも大人買い?してしまった。ひとつめは、ONE OK ROCK さんの「ゼイタクビョウ」そのグループ名とおり、分類はロック。ロックを聴くのは珍しいけれど、10番目の曲でシングルにもなっている「エトセトラ」がすごい耳に残って、購入。あと、1番目の「内秘心書」も好き。メンバーが十代ということもあって、歌詞が青い!(あ、いい意味で)それがなんとも、社会人にもなって、大人になっちゃった自分にはきゅんと来る若いときのパワーとか、無謀さとか、夢とか絶望とか。伝わってくる感じで、好き!!
2008年03月03日
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岡田淳著 理論社2007.3出版こそあどの森の物語第9巻こそあどの森に怪獣の学者さんがやってきた。湖に恐竜はいるのか??腹話術もできる彼はちょっとわけありのようで・・・。心温まる物語。今回もウニマルという主人公のうちの中の描写がわくわくだった。地下食料庫とかいいな~。バーバさんの研究室も、本がたくさんあって、不思議な置物とかがあって、秘密基地って感じですごい良かった♪♪こそあどの森に住んでみたい
2008年02月29日
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有栖川有栖著 東京創元社2007.9出版舞台は、急成長の途上にある宗教団体〈人類教会〉の聖地、神倉。大学に顔を見せない部長を案じて、推理小説研究会の後輩アリスは江神二郎の下宿を訪れる。室内には神倉へ向かったと思しき痕跡。様子を見に行こうと考えたアリスにマリアが、そして就職活動中の望月、織田も同調、四人はレンタカーを駆って木曽路をひた走る。「城」と呼ばれる総本部で江神の安否は確認したものの、おもいがけず殺人事件に直面。外界との接触を阻まれ囚われの身となった一行は決死の脱出と真相究明を試みるが、そのあいだにも事件は続発し・・・・。(表紙裏よりあらすじ〉久しぶりに刊行された江神シリーズの第4長篇事件の導入までが長く、その間にも、推理研らしく、安楽椅子探偵ごっこしたりするがおもしろかった!事件が起こってからは、一気に読んでしまった。今回は探偵役の江神さんが行方不明のところから始まるので、どきどきでした。新興宗教ネタと、UFOネタはあんまり興味なかったので、大興奮でのめった話ではなかったものの、ラストへむけての作者の挑戦とか、たくさん楽しめました♪♪
2008年02月27日
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田口ランディ著 文藝春秋2005.2短編集。主人公が中年女流作家ということを作中にちらちらと出していて、読み終わると、同一人物が主人公で、最後のほうで、作者自身をにおわせる文章が出てくる。ランディさんを読了したのは今回が初めて。初めて読んだのがこの作品でよかったです。とても素敵な作品集でした!!有名な作家さんだし、「ミッドナイトコール」なんて、題名も惹かれるし、よく本屋や図書館で著作を手にとってはみるものの、パラパラめくったときに、よく性的描写があって、それが好きでないので、結局読み始めることのない作家さんでした。でも、このあいだ、ランディファンの友人に話を聞いて、シャーマンとか精神世界の話も出てくるみたいなことを聞いて、印象と違ったので、是非読んでみたいなと思ってました。性的描写はそれ自体も苦手ですが、それにまつわる、大人の孤独や倦怠感が読んでいて辛くなってくるのが苦手。この作品は、なんといっても、短編の配置が最高!最初の作品があれじゃなかったら、こんなにグッとこなかっただろうし、終盤のあれが最初の方だったら、あのよさが際だたななかったんじゃないかな?という感じで。最初の「ピエロ男」という作品には、男に振られたばっかりの女性が、駅でピエロの格好をした男と出会い問答する話。ピエロは言葉を使って世界を開くことをやめ、用意した答えのみで会話する。人間であることが苦痛なので、ロボットになりたいという男。その会話がとっても面白かった!!!この本に書きたい作者の気持ちがこめられている感じがしました。一番印象的な話。「トイレの神様」という作品はちょっとコミカルで、好きでした。「肉の花」は不思議な話で、気に入りました。なんだかどれも簡単に読めるけれど、読んだ後に大切なものをもらった気になって、考えさせられた!
2008年02月26日
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ゆうきまさみ作 少年サンデーコミック工事用作業機械が発展して、手足のあるロボットに発展した近未来。ロボットはレイバーとよばれ、普及したが、それにともないレイバーによる喧嘩や犯罪といったものが多発することになった日本。警察は治安維持のために特車2課を創設。新に特機隊に起用された、泉野明婦警を主人公に、個性的な登場人物が登場する闘いと青春の物語。後藤隊長がとってもいい味だしていて好き「皆で幸せになろうよ。」って名言!太田巡査が大概暑苦しいけれど、時々シャイでかわいかったり、ピシッと筋を通したりするところが痛快!漫画もおもしろかったけれど、アニメもおもしろかった。TVのDVDがちょっと尻切れトンボになっていたので、調べたら、打ち切りにあっていたよう。そして、ビデオ専用のアニメでライバルとの戦いを完結させていた。セットで見るとなおおもしろい♪♪
2008年02月22日
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仲間ゆきえさんが先生役で2度ドラマ化された漫画。極道の孫娘が先生になって、あれた生徒と向き合い、導いていくお話。漫画もおもしろいし、ドラマもおもしろくて、最近DVDを見て泣いている。ちなみに、アニメ化もされていたみたいで、アニメも良かった!3種類ともそれぞれおもしろくて、好みだったので嬉しかった♪♪ちなみに、今度3度目のドラマ化がされるようだけれど、ワンパターンに陥ったところをこれ以上見たくないから、ごくせん2で、止めておいて欲しかったなぁ。それとも、すごい斬新に行くんだろうか?そうしたら、原作のごくせんと、はずれちゃうし・・・。でも、仲間さんがすごく好きなので、ドラマは絶対見ちゃう!
2008年02月21日
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横溝正史著 出版芸術社2004.9出版横溝正史探偵小説コレクション1短編集全14編。 <目次> 一個のナイフより 悲しき郵便屋 紫の道化師 乗合自動車の客 赤い水泳着 死屍を喰らう虫 髑髏鬼 迷路の三人 ある戦死 盲人の手 薔薇王 木馬に乗る令嬢 八百八十番目の護謨の木 二千六百万年 怖くて好きだったのが「髑髏鬼」 トリックが好きだったのが「迷路の三人」 ロマンチックで好きだったのが「薔薇王」 終わり方がひゃっときたのが「赤い水泳着」 大正時代や昭和初期にかかれたものでしたが、どれも読みやすくてびっくりしました。横溝さんを読んだのは、小学校以来なんで、どんな文章かとか全く覚えてなかったけれど、好きです。全集とか調べて揃えてみたいもんです。この本は、裏表紙がちょっと毒々しさのある赤で、素敵です。
2008年02月20日
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年末年始にかけて、深夜や特番で映画がたくさんやっていました。というわけで、最近はDVD鑑賞にはまっていて、読書はほとんど進んでいません。一番楽しかったのは、「金田一耕助シリーズ」♪♪市川監督のシリーズ5本を見ました。古くて、石坂浩二さんが若い若い!!(ひっぱてきた画像は、市川監督が最近になって、みずからリメイクしたときのもの。)「犬神家の一族」「悪魔の手毬唄」「獄門島」「女王蜂」「病院坂の首縊りの家」金田一最高♪この中では、「悪魔の手毬唄」が一番好きです。ありえんでしょうっていう動機がすばらしかったです!「病院坂・・・」は、人物関係が複雑すぎるし、金田一さんはアメリカにいっちゃうとかいうてるし、なんかちょっと系統が違うなーと思いました。最近横溝さんを読んでいて、理解したんですが、「病院坂・・・」は昭和20年代などに発表した金田一シリーズが人気だったため、後年アンコールにこたえて、ちょっと復活させたようです。まだ短編しか読んでないんで、これら長篇の原作読むのも楽しみです!!!
2008年02月16日
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2週間くらい前に、今年ははりきって、手作りでケーキでも焼こうかと言ったら、いらないって言われたので、そのまま本気でチョコ購入すら忘れてました。というわけで、自分のおやつに買っていたチョコビスケットを渡しました。まるで、あなたのために買ってきたという態度で。メンドクサイから買いに行かなかったことは内緒!意外と嬉しそうな顔してたので、悪いことをした・・・・
2008年02月14日
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佐藤多佳子著 2 ヨウイ 2006.9出版3 ドン 2006.10出版新二の陸上生活、高校2年から三年までを描いた作品。1は、図書館で予約して3ヶ月待ったけれど、2と3は3日で順番が来た。1だけ読んだときは、そんなにテンションもあがらなかったけれど、3まで読むと、途中何度も泣いてしまい、感動感動でした!!!走っているときの描写が、新二の苦しさや喜びを一緒に経験したみたいな気分にさせてもらえました。リレーにこだわる新二のチームプレーがまた最高こんないい子なら男の子も生んでみたいかも~。やっぱり青春小説はいい!!!
2008年02月10日
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山本周五郎著 新潮社1964.10発行医師の保本登は、長崎で最新の蘭学を学んだのち、幕府の御番医という、エリートコースに乗るべくして、江戸に帰ってきた。小石川養生所の「赤ひげ」と呼ばれる医長、新出去定に呼び出され、医員見習いを命ぜられる。牢獄のようなわびしい診療所に寝泊りし、すさむ登。しかし、いつしか、赤ひげの言動に惹かれ、貧しいものたちへの診療に目覚めていく。短編8編からなる作品。すさんだ理由に、女もからんでいるあたり、なるほど~と思った。時代小説だけれど、読みやすかった。でも、さすがに何十年もかかれたお話だけあって、知らない言葉とか漢字があったけど、読み仮名をたくさんふってくれているので助かった!!ちょっと、ミステリーみたいな展開もあったので、先も気になるし、一気に読んでしまった。政府や世間みたいなのに対する赤ひげ先生の怒りがこっちにもずっしり響いてきて、ちょっと感動しました。
2008年02月09日
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佐藤多佳子著 講談社2006.8出版新二は小さい頃からサッカーをやっていたが、身近にサッカーの天才の兄を持つため、自分の限界を感じ、中学校でサッカーを辞めた。高校で幼馴染の連と一緒に走ったときに、陸上を始めることを決心した。スピードがある文章で、一気に読めた。単語の使い方が、テンポがあって♪試合のときの主人公の緊張感がこっちにまで伝わってきて、どきどき☆まだ、2巻、3巻があるので、どんなふうになっていくかわからないけれど、とっても読みやすいから、中学生とかにお勧め!
2008年02月06日
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大倉崇裕著 東京創元社2005.1出版落語専門誌「季刊落語」の編集部に配属された間宮緑が出会う「落語ミステリー」第三弾。短編5編。いつもは、緑が謎に出会い、上司の牧が解決するというパターンだが、今回はちょっと成長した緑が、単独で解決しようとしたりするパターンもある。今回は落語も分かりやすいのが多くておもしろかった!
2008年01月28日
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大倉崇裕著 東京創元社2003.7出版社勤務になった間宮緑は「季刊落語」の編集部にまわされた。落語には今まで関わったことがなかった緑は、編集長の牧とたった二人の編集部でとまどいながらも落語付けの毎日を送る。 シリーズの第2弾春華亭古秋一門会の取材を命じられて、北海道へ出張している牧の代わりに、静岡の杵槌村へ単身飛んだ緑。この一門会では、引退を表明している六代古秋が七代目を指名するという落語界の一大事!村はとても辺鄙なところで、豪雨になると陸の孤島となる。そんなおり、跡目候補の一人が殺された。不自然な死体の状況はどうも見立て殺人らしい。そして、警察も村に近寄れない状態で、さらなる悲劇は続き・・・。とってもおもしろかったです。色々、私の好きな状況が繰り広げられてドキドキでした。(陸の孤島、遺産相続、村、見立て殺人、過去とのリンク、などなど)そのうえ、人間描写が上手なので、状況に違和感がなくって、あっと言う間に読んでしまいました。緑が普通のOLで、ちょっとお人よしな所が好きです。落語の話もこんなにからませて、上手だな~と読んでいる間ずっと幸せでした♪
2008年01月26日
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大島真寿美著 理論社2004.10装画 早川司寿乃 (早川さんのイラストでは、変わった構図。中のイラストも惚けた感じがかわいい)17歳の夏。なんだかイライラした毎日。母親と喧嘩したときに、売り言葉に買い言葉で、父親のことが出た。父親を知らない自分。不安定なのはそのせいなのだろうか?すると、喧嘩をした数日後、母親が父親に会いに行くわよと香港に行くことになった。父親は日本人じゃなかったのか?繊細の17歳の心情が綴られた、小説。主人公が女子高生ということで軽いノリを意識しているけれど、大島さんの文章にあっていてとても良かった。少女がオトナになっていく様子が描かれている素敵な物語でした☆
2008年01月25日
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