1950年代、中国の全土でスズメ撲滅運動が起きた。
当時の指導者だった
毛沢東
の指示により、
ネズミ、ハエ、カと並ぶ「四害」とされた。
穀物をついばみ、人間の食糧を減らすというのが理由。
人海戦術
で追い回し、殺していった
▼スズメは害虫も退治してくれると、分かっていた科学者はいただろうに。
理不尽な指示でも歯止めがきかなかったのは
毛沢東
の個人独裁ゆえか。
害虫が大量に発生し、収穫を減らしてしまったという
▼同じく
毛沢東
が率いた
文化大革命
も人々を混乱に陥れた。
個人独裁、個人崇拝の反省の上に、その後の集団指導体制がある。
そう思っていたら、どうも雲行きが怪しい。
共産党
の
憲法
にあたる規約に、
習近平
(シーチンピン)総書記の名を冠した
思想が盛り込まれた
▼存命中の指導者としては
毛沢東
以来という。
腐敗撲滅で人気を得たのは分からぬでもないが、
習氏を礼賛する歌が街角で歌われるとなると異様である。
そんな指導者の下、経済も軍事も強国になるという
▼昨年の中国出張の際、経済学者に取材を申し込んだが断られた。
どうも経済情勢が思わしくないので話をしたくないらしい。
不調の時こそ彼らの出番なのに。
外国人記者を避けるだけならまだしも、
提言やチェックが全く機能しない社会だとすれば、強さは生まれない
▼貧富の差は米国以上という不思議な社会主義国である。
体制維持のために強いリーダーを演出し、強国という
愛国心
に訴える。
隣にいるのは、どこか危うさをはらむ指導者である。
アゾフは死なず 上 2024.06.17
政治家が嘘をつきまくると、国が亡びる 2024.06.16 コメント(2)