(時事小言)「安定」政権の日本 多国間協力主導に活路 藤原帰一
2019
1
月 23
日 朝日新聞
から抜粋。
そのなかで、日本は特異な位置にあるように見える。コリアンに対する醜い
ヘイトスピーチ
を例外とすれば、ヨーロッパ諸国などを席巻する反移民・反難民の政治は日本では起こっていない。
ポピュリズム
と既成政党が対決する政治的混乱も起こっていない。世界的規模で
リベラリズム
が後退し政治秩序が動揺するなかで、日本の安定は例外的な存在である。
日本の安定は
安倍政権
の安定と重なって見える。
バブル経済
破綻(はたん)後の長期不況と、ねじれ国会のもとで毎年のように首相が代わる政治情勢と比較するなら、経済が安定を取り戻し、12年以来同じ首相が政権を担う状況はそれだけで大きな価値がある。さらに、多くの海外歴訪によって国際政治における日本の存在を示すことができた。日本の首相がこれほど国際的に認知されたのは
小泉首相
以来である。
だが、 私は、
安倍政権
が外交で成功しているとは考えない。
安倍首相
のめざす 三つの目標
、すなわち
日米同盟
の強化による中国への牽制(けんせい)、
北朝鮮
に拉致された被害者の一日も早い帰国、そして
日ソ共同宣言
以来残されてきた
日ロ平和条約交渉
のどれもが成果を上げていないからだ。
日米関係については
安倍首相
が
トランプ大統領
との信頼関係を獲得したことも、アメリカの対中警戒が高まったことも間違いない。だがトランプ政権の対中政策の焦点は軍事以上に経済に置かれ、米中貿易紛争の長期化によって日本経済への打撃が懸念となった。
北朝鮮
については
米朝首脳会談
によってアメリカと直接交渉する機会を得ただけに、
拉致問題
について日本に譲歩する可能性はむしろ小さくなった。これが日ロ関係になると、1月14日に開催された外相会談では南千島はロシアに帰属するとラブロフ外相に一蹴された。このたびの日ロ首脳会談でも領土返還の道筋が整ったとは言えない。
外交目標の達成が難しい第一の理由は実現困難な目標を掲げているためだが、それに加え、経済援助のほかには相手国を操作する手段が日本に乏しいことがある。アメリカ、
北朝鮮
、ロシア、どの例を見ても日本と協力しなければ打撃を受けるという状態ではない。
主要な外交課題が難航するなかで
安倍政権
に残された課題が
憲法改正
である。私は
憲法
を守ることで日本の平和が保たれたとの議論には賛成できないが、すでに安保法制によって同盟と
憲法
の矛盾を当面は解消したいま、なぜ
憲法改正
が必要となるのかは理解できない。大きな成果を収めることなく終わった
南スーダン
への自衛隊派遣について振り返って検討することの方がよほど重要だろう。
だが、国内政治では、外国政府のような抵抗に出会うこともない。
憲法改正
に反対する勢力の力が弱い今だから
憲法改正
が可能だという見方もあるのだろう。国際関係では日本を上回る力に抗することができないが、日本国内であれば政府が優位に立つ。外に弱く、内に強い政治の姿である。
では、何をなすべきか。 他国を操作する手段が乏しいのであれば、他国も賛同する、あるいは賛同せざるを得ない枠組みを示し、国境を越えた多国間の協力を支え、発展させることである。
藤原さんは ヘイトスピーチ
を軽んじているようですが、その背景には根深いものがあり
決して軽んじてはいけません。
ネット右翼は1%くらいなものですが、インチキ右翼、排外主義者を含めると
その倍くらいはいるでしょう。
複数のIDや怪しいHNで、増殖中です。
昨年は北朝鮮、今年は韓国、その前は中国が脅威の対象でしたが、
安倍首相は一帯一路に理解を示し接近中です。
大坂なおみさんが優勝すると、ネット右翼は日本人はスゴイとほめ始めました。
ついこの前まで 二重国籍
を問題にしていた連中です。
在日韓国人や朝鮮人に帰化するかさもなければ出てゆけと迫る輩もいます。
大坂丼を売り出せには笑ってしまいました。
多くの海外歴訪によって国際政治における日本の存在を示すことができた。
小泉首相との違いは、バラマキの有無でしょう。
東欧でカネをばらまいて、北朝鮮問題を説明したくだりはあきれるばかりです。
先方も何のことやら
という反応でした。
外交の安倍を強調するも、結果はご覧の通りです。
ロシア外交の失敗で、これにて一件落着にしてほしいです。
取り組むべきは、 日米地位協定の改定
でしょう。
この期に及んで改憲なんてとんでもありません。
「 国境を閉ざしつつある世界のなかで、国境を越えた協力を模索すること。
」に
進んでほしいものです。
まずは、東アジアで隣国から信頼される国になることでしょう。
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