スコシフシギな世界-藤子・F・不二雄ブログ

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2014.06.29
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カテゴリ: ネオの趣味

新刊を見かけました。
西村ファンの私は
思わず「おやっ?」と思いました。

『殺人偏差値70』というタイトルだったからです。

  • 殺人偏差値70 新書 受験地獄 西村京太郎.jpg


西村氏の作品タイトルといえば
地名や列車名が付くことがほとんどで、
あと「十津川警部」と付くこともあります。

本書は8作品を収録した短編集ですが
『殺人偏差値70』という作品はありません。

■ 収録作品一覧
  • 殺人偏差値70 目次 受験地獄 西村京太郎.jpg


実は、本自体は最新刊でも、書かれたのは1979年で
私は20年くらい前に『1千万人誘拐計画』という短編集に
収録されていて読みました。


一千万人誘拐計画-西村京太郎

私は、西村氏の本は300冊ほど所有しています。
短編の収録数は、1冊に多いときは10作あることもありますし
長い短編(中編)の収録でも4作あります。
1つ1つ数えたことはありませんが、最低でも
120以上の短編はあったと思います。
その中でも『受験地獄』は、忘れられない
殺意のこもったナイフのように
鋭い切れ味が光る名作です。

遠い昔の作品でも、こうして埋もれることなく
掘り起こしてくれたのはファンにとっても嬉しいことです。

さて、どうしてこの短編集を取り上げたかといいますと
TVドラマ化になり放送されるからです。

それでは、『受験地獄』(TVドラマタイトル『殺人偏差値70』)の
あらすじをお話したいと思います。

【 受験地獄 あらすじ 】


大学受験の当日、昌彦は
朝、青ざめてしまう・・・
入試開始が9:00なのに
昌彦が起きたのは8:40だった。
試験会場には完全に間に合わない・・・

昌彦は、一流大学を目指し、すでに2浪していた。
もう、今年が最後だと思っていた。
それなのに、寝坊という大失態をしてしまう。
自分だけでなく、手厚く支えてきてくれた
両親にも申し訳が立たない。
一体どうすればいいのか、・・・

昌彦は指先を震わせながら
大学の事務局へ電話を掛ける。
「恨みを持っているから爆弾を仕掛けた」
「爆発すれば死者が出るぞ」と
脅迫電話を掛けてしまうのだった・・・

昌彦は急いでタクシーに乗り大学へ向かう。
大学の周りにはパトカーが止まっている。
脅迫電話は成功していた・・・

合格発表の日を迎えると
昌彦は合格していた。
しかも、警察は犯人の特定はできず
昌彦の元へ刑事が来ることもなかった。
全てが上手くいったかと思ったとき
昌彦の前に、見知らぬ男が現れる。
相手は昌彦の腕をつかんできた・・・

  • 殺人偏差値70 受験地獄 西村京太郎.jpg


男は何もかも見抜いていた。
昌彦がタクシーから降りたところも
なぜかニヤニヤした表情を浮かべていたところも
すべて見られていた。
パトカーが止まっている事情も知らないはずなのに
誰にも聞こうとしない。行動がどれも怪しいという。

昌彦も、必死にしらを切ろうとしたが
男は「タクシーのナンバーも運転手の顔も覚えている」
といい、警察に証言してもいいという・・・
もう、昌彦は、相手に逆らうことはできなかった。
そして、男から身勝手な要求が始まる・・・

※ 補足
作品が書かれた当時(1979年)の電話解析は
警察の逆探知機がないとムリですし
仮に大学側が準備していたとしても
短い会話では番号、地域の特定はできません。

世間が驚くような大事件でもなく
奇抜なトリックなどもなく
名探偵(刑事)も出なければ、華麗な犯人も出てきません。
むしろ、平凡です。
それでも、なぜ本作が魅力なのかといえば
おそらく、私たちの日常にこっそりと潜んでいて
実際にありうる、という現実味がゾクゾク感と
ホラー的要素を引き起こしているのではないでしょうか。

小説もマンガも原点は同じかもしれませんね。
現実の日常では起こらなさそうな部分が
一番の面白さになりますが、物語を支えるのは
私たちが共感できる「日常」なんですよね。
どれだけ「日常」が近いかが
読者と作品世界の距離感につながります。

タケコプター、タイムマシン、どこでもドアなど
現実にないのに、制作も絶対不可能なはずなのに
子供だけでなく、大人でも真顔で
「欲しい、欲しい」といわせてしまうのは
藤子・F・不二雄先生の描く「日常」が
成功したからでしょう。
タケコプターは、それに近い機能を持つものが
開発されているようですが、頭にポンと乗せるだけ
という訳にはいかないようです。

それでは、西村作品のTV放映のご案内です。



TVではどんな脚色になるかは分かりませんが
公式サイトを見ますと、両親の設定や
恋人の登場など、原作とはアレンジが見られます。
主人公の昌彦の名前も変わるようです。
とりあえず、変なアレンジがないことを願います。
最近は、原作からの映像化は、上手くいってない印象を受けます。
けれど、原作は120%の面白さです。
短編なので、長さはたったの30ページです。
本を読まない方、活字が嫌いな方(かつての私のように)
せっかくですから、読んでみませんか?



本作を読むと、まるで自分が脅迫を受けているかのように
ドキがムネムネしてしまいます。血圧も上がります。

P.S.
日テレ公式サイトを見ますと、脅迫方法は
どうやらメールを使うようです。
今では、電話を使うと発信元が間違えなく特定されるでしょうし
メールの方が、現代的ですので
こうした脚色の変更はありだと思っています





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Last updated  2014.06.29 23:00:32
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