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August 7, 2016

十日目

曇り空、しかし2,000m以上の山には雪が残っている。
そこで、山一つ越えた谷の上にあるミューレン花の谷のハイキングをすることにした。

滝見物をした氷河谷の上の段である。氷河があまりにも深く谷を削ってしまったので残った上の段にある街にはバスや車が中々行かれない。
ケーブルカーやロープウェイで登り崖上の街は崖上だけの電車を走らせていた。

その上の山にまたケーブルカーで登り歩き始める。霧が動いていくにつれ、雪山のシルトホルンや新雪の野、牧場の牛が現れては消えた。
行く手に突如大きな茶色の牛達が現れた。2匹の牛が道の真ん中を塞ぐように争っている。それを眺めているもっと大きな牛も行く手の路上。

アルメントフーベル花の谷の牛 posted by (C)灰色ウサギ

霧の中で前に進めず躊躇しているとトルコ系と思われる若い男女がやって来て、やっぱり立ち止まった。私たちはどうする？と互いに言葉をかわす。彼らが先に霧の中進み始めた。牛を刺激しないようにすり抜ける。私たちも後に続いた。
そして「よかったね」と彼女の方が私の肩をお抱いた。

アルメントフーベル花の谷 posted by (C)灰色ウサギ

それから黄色の花の咲く霧の中の花の谷を付かず離れず私たち4人は歩いた。30分ほど歩いて、
途中のレストランで道を聞いて私達は谷を降りる近道を行くことに。降り始めて上の道を見上げると2人の男女がこちらを見下ろしていた。
私は大きく手を振って別れることを告げた。「バイバイ」彼らも手を振って薄くなった霧の中丘の向こうに消えていった。