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2009.02.09
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高田崇史『カンナ 天草の神兵』
~講談社ノベルス、2009年~

 カンナシリーズ第2作です。今回の舞台は天草。鴨志田甲斐、貴湖、柏木竜之介の三人は、天草四郎の謎に挑むとともに、現地で起こった殺人事件に巻き込まれます。
 それでは、内容紹介と感想を。

ーーー
 失踪した早乙女諒司が、熊本にいるらしい…。出賀茂神社に連絡が入り、甲斐、貴湖は熊本に向かうことになる。ところがそんな話になったところに居合わせた雑誌記者の竜之介は、熊本にも長崎にも住んでいたことがあるということで、彼も同行することになった。
 今回は、天草・島原の乱の性格について議論になる。それはキリシタン一揆という性格だったのか、圧政に苦しむ農民たちによる一揆だったのか、はたまた「乱」だったのか。そして、天草四郎は、なぜ「四郎」という名前なのか。
 天草に渡るとき、そこで殺人事件が起こっていたということを知る。諒司と思しき一人の旅行者が、事件のまわりに現れているようだった。
 事件は、孤児の世話などをするロザリオ園、そしてその母体となる天草ロザリオ教会の周辺で起こっていた。園の園長(シスター)が何者かに殺害され、被害者につきまとっていたという男も謎の死を遂げていたという。
 甲斐たちは、諒司の行方を探るべく、事件についても情報を集めていった。
ーーー

 天草・島原の乱にまつわる謎について、特に興味深く読みました。それにしても、ふだん気にせずに当たり前に思っている部分(たとえば天草四郎という名前)についても、鋭い疑問を投げかけていく、そこがこのシリーズやQEDシリーズの魅力ですね。
 四郎の名前についての説は、両シリーズの中でもやや弱いかなぁと感じてしまいましたが(インパクトはあります)、楽しく読みました。
 ラストのあたりでは、ちょっと分からないシーンもありましたが…。

(2009/02/07読了)





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Last updated  2009.02.09 06:39:30
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のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 久々の再…
シモン@ Re:石田かおり『化粧せずには生きられない人間の歴史』(12/23) 年の瀬に、興味深い新書のご紹介有難うご…
のぽねこ @ corpusさんへ ご丁寧にコメントありがとうございました…

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