Bernadette Filotas, "Popular Religion in Early Medieval Pastoral Literature" in Pierre Boglioni et.al. ed.,Le petit peuple dans l'Occident medieval. Terminologies, perceptions, realites, Paris, 2003, pp. 535-548.
今回は、『西欧中世の下層民―その用語、知覚、現実』より、ベルナデット・フィロータス「初期中世司牧文学における民間宗教」を紹介します。 著者のベルナデット・フィロータス(姓がフィロータスと伸ばすのかフィロタスとなるのか、ちょっと分からないのですが)については、ほとんど情報が分かりません。モントリオール大学教授で、おそらく本稿を発展させた成果と思われる、Pagan Survivals, Superstitions and Popular Cultures in Early Medieval Pastoral Literature(『初期中世司牧文学における異教的残滓、迷信および民衆文化』と訳せるでしょう)という著作を2005年に発表されているようです。 本稿は英語で書かれており、また分量も短めなので、ざっとノートを取りながら読んでみました。 原文には節の区分もありますが、以下は便宜的に節に分けながら、簡単に内容を紹介したうえで、コメントを書いておきたいと思います。