フランソワーズ・サガン(朝吹登水子訳)『悲しみよ こんにちは』
~新潮文庫、 1985
年改版~
Françoise Sagan, Bonjour tristesse
, 1954
)
サガン (1935.6.21
)
が 18
歳のときに発表したデビュー作です。(生年月日は『岩波西洋人名辞典 増補版』参照)
主人公のセシルが 17
歳の頃の夏の思い出です。
幼少期に母を亡くしたセシルですが、父親は女たらしで、多くの女性と交友を持っていました。その夏休みは、エルザも含めて3人で、地中海に面した海辺に別荘を借り、バカンスを楽しむことになりました。
セシルはそこで、シリルという若者と出会い、恋に落ちていきます。
一方父は、亡き母の古い友達で、セシルの家庭教師もつとめていたアンヌに声をかけ、アンヌが別荘にやってくることになります。エルザの動揺、父の心変わりを見る中、セシルはある計画を立てることになります。
あっさりした父とセシルですが、アンヌがやってきてから、それまでの生活に明らかに変化が生じます。勉強を勧めるアンヌと、それに対抗するセシル。そして、アンヌ、あるいは父に対して仕組んだある計画の行方など、セシルの心の動きを味わい深く読みました。
(2024.06.02 再読 )
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