クー’s History


クー
クー

性別:♂
年齢:推定5才
性格:甘えん坊
好物:納豆
特技:ダンボールかじり

クー's History

2001.春
クーがうちの庭に現れるようになった頃。

引っ越して来て、1年も経たない内に、猫を3匹も飼う事になり、嬉しかったけど、
さすがに、もう当分は増やせないなと思っていた頃でもあった。

庭先に遊びに来る猫は、数匹で行動していた。
野良猫の仔猫達が仲間とつるんでいる様な感じだった。

私達が近寄ると、逃げていってしまうので、飼う気も無いなら、ご飯はあげない方が
良いかなと思い、姿を眺めるだけにしていた。

そんな日が何日か過ぎ、ご飯をあげなければ、うちにも来なくなるだろうと思っていたのだが、
相変わらず、仔猫達はやって来た。
しかし、近付けば、やっぱり、逃げてしまう。

『こうなったら、ご飯をあげて慣れてくれたら、病院に連れて行って、去勢手術をしよう!
飼うか飼わないかは、その後、決めれば良い!』

主人の提案に私は、大きく頷いた。
実は、二人ともご飯をあげたくてウズウズしていたのだ。

そう思わせる原因は、仔猫達の中の黒猫の行動からだった。
他の猫は、人の気配がすると一目散に逃げてしまったんだけど、
その黒猫は、逃げても必ず、振り返って様子を伺っていた。
野良猫なのに、トゲトゲしさが無く、どこかボ~ッとした感じのする猫で、
私達はその愛くるしい表情に、かなりの情が湧いていた。

数日後・・・
ご飯をあげ始めて、微妙に猫達の関係が変わってきた。
数匹で行動していたのが、1匹づつ行動し始めていた。
同じ野良猫でも、人間の手を借りたくないという猫と
長い物には巻かれろ的な猫とに分かれるものなのか?
真意の程は分からないが、私達の目を付けていた黒猫はやっぱり、後者だった。

黒猫も大分、慣れて来た様だったので、試しに玄関先にダンボールで作った寝床を置いてみた。
ご飯をあげるのは朝と夕方の2回だったので、ご飯を食べた後、ダンボールで寝てくれるかもと
淡い期待を込めつつ、ご飯もダンボールの側に置いてみた。

翌朝・・・
ご飯をあげようと外へ出てみると、ちゃんとダンボールから黒猫が出て来てくれた!

『ヤッタァ~!ダンボール、使ってくれたよ(*^。^*)』

急いで、主人に報告し、そろそろうちの子にするかどうかを考える事にした。
何と言っても、ネックはベリー。
ベリーが嫌だと言えば、黒猫もネネとタムと一緒に部屋飼いにするしかない!
でも、野良猫だった猫が簡単に家猫になってくれるとは思えない。
出来れば、ベリーと一緒に外の出入りを自由にさせてやりたい所だが…
こればかりは、悩んでいても仕方が無い!

あぁでも無い、こうでも無いと、2人で話をしていた時、ふと、外を見ると…
ナ、ナント!!!
ベリーと黒猫が寝床用に用意したダンボールの上で2人並んで座っていた!!!

これには、私も主人もビックリ!!!
今まで、どんな猫にもシャーシャーッ、威嚇していたベリーが黒猫と一緒に並んで座っているなんて!!!
天変地異でも起きちゃうんじゃないかと思うぐらいに、衝撃的だった。

この勢いで、ネネとタムとも和解してくれないかと思ったけど、そこまで上手くはいかない様だ。
とりあえず、黒猫を認めてくれただけでも、奇跡と思う事にしよう!

ベリーのお蔭で、うちの子になれる資格を得た黒猫は、どんどん人懐こくなっていった。
野良猫だったとは思えないくらいに、スリスリ甘える様になり、とうとう膝の上に乗る様にまでなっていった。
こうなったら、うちの子として、受け入れない理由も無いし、既に手放せない状態だった。


こうして、庭先で見かけた黒猫は『クー』と名付け、去勢手術も済ませ、無事、うちの子となった。
今では、お外にも出られないけど、ベリーに認められた唯一の猫なので、
お家の中はどこでも自由に出入り出来るから、一番、恵まれているかも!?




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