おしゃれ手紙

2011.12.26
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テーマ: 歳時記(397)
カテゴリ: 父の麦わら帽子
樅の木
そんなきびしい労働の中、正月は、長い休みだった。
正月を休むため、12月には、誰もが大忙しだった。


おせち料理などないけれど、正月の食べ物の用意をしなければならない。
餅つきをしなければならない。

だから、煮炊きや風呂用の薪は、早くから支度しておかなければならなかった。
うちでも■ 秋祭りが終わった頃から ■薪を作るために山に行ったものだった。
山人(やまど)はもどるし・・・ ■という歌も、この頃の忙しさを歌ったものだったのかもしれない。
子どもの私もたきつけ用の■ マツゴ ■をかきに、子ども連れで山に行った。

12月31日のことを父はよく、大晦(おおつごもり)と言ったが、この日は、もう休みだった。

私が生まれる10年ほど前の大晦の話だ。

大晦に、一人の小さな子どもが、背負い台を背負って、うちの前を通った。
「おテル、どこに行くんなら?」父の母親、りょうが声をかけた。
「山で、たきもんをとって来る」と、おてると呼ばれた女の子が答えた。
「大晦に、山になど行くもんじゃない。
たきもんが足らんのじゃったら、うちのを持って行け」とおりょうは言った。

「嬉しかったよ、あの時は・・・」とおてると呼ばれた女性は、いつだったか、私たちに話してくれた。
おてる=テルエは、私より、20歳ほど年上の女性。

彼女は、父より数年先に亡くなった。

おてるに薪を与えた私の祖母、りょうは、私が小学1年のとき亡くなった。
母も去年死んだ。
2002年に父が死んで、10年がたつ。

これをもって、毎月26日書いてきた父の思い出を終わります。
これからは、26日を気にしないで時々書きます。

父の麦わら帽子

***
大晦には、ゆっくりするくらいでないといけないとよく父や母が言っていたので私も正月の段取りをしている。
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昔 ◎自然と人間が仲良く暮らしていたころの話です。
★2011年12月26日 *父の麦わら帽子:目次*
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Last updated  2011.12.27 13:59:52
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