おしゃれ手紙

2024.03.11
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テーマ: 読書備忘録(1346)
カテゴリ: 読書

街道をゆく7:甲賀と伊賀のみち ■ 司馬遼太郎

■甲賀と伊賀のみち■
伊賀上野城を出発点にした司馬遼太郎は、自身の小説『梟の城』の最初の場面の舞台・御斎峠を目指す。
途中、西高倉の集落で炭焼きをする老人ら2人に出会い、老人との会話から現代日本の忙しさをかえりみる。
付近にあるはずの廃補陀落寺跡を探すが見つからず、御斎峠を越えて甲賀へ入った司馬さんは、中世の近江の守護・六角高頼の危機を救った甲賀衆を思う。
多羅尾を過ぎ、信楽に至ると、この地を含め複数の地に遷都を繰り返した聖武天皇という人物を考察する。


●伊賀上野城
天正13年(1585)、筒井定次が築城。
関ケ原の戦い以降は築城の名手・藤堂高虎が大改修を行ったが、慶長17年(1612)に暴風雨により倒壊した。
日本最大級の高さを誇る石垣は高虎時代のもの。

徳川家康は大坂攻めのさい万一敗北した場合、嫡男秀忠は、彦根城まで後退させ、
自分は伊賀上野城迄後退し攻撃再開の準備をするつもりだった。

■御斎峠(おとぎとおげ)■
伊賀に入る入り口「伊賀七口」のうちのひとつ。

「御斎(おとぎ)というのは坊さんに斎(食事)を出す、あの御斎(おとぎ)でしょう」
■昔の炭焼き■
●「むかしはよかった」と老人は自分の体のすみで絶えず動いている昔の風景について語った。
昔の炭焼き仕事というのは単なる労働ではなく、美的風俗だった、ということをるると述べるのである。
むかしは、おおぜいで山に入った。
入ると、「初山(はつやま)や」というので、山の中で「鶏(とり)すき」をして酒を飲むのである。
山を中ごろまでやると、「さあ中山(なかやま)まできた」というので、また山中の酒宴をやって祝うのである。
子供のころ、大人たちのその酒ほがいで燗(かん)番をしたり、ご馳走をたべたり、唄をきいたり、
一座の一つ笑顔の中にまじることが愉しくてたまらなかった。
炭焼きというものがこんなに面白く仕事をしているということを、里の人間どもは知らないだろうと思うと。
踊りあがりたいようなよろこびを持った。

■紫香楽宮跡(しがらきのみやあと)■

●天平時代の都跡。天平17年(745)頃この地に聖武天皇が遷都した。
大正時代の調査により「史跡紫香楽宮址」とされた黄瀬地区は、
その後の調査で「甲賀寺」とわかり、現在ではその北に位置する「宮町遺跡」が紫香楽宮跡とされている。


(聖武天皇は)しきりに土木を興し、都を奈良だけでは満足せず、生涯で何度も変えた。
山城の木津川のほとりに恭仁京(くにきょう)を造営し、それが完成しないうちに近江甲賀の地に紫香楽宮(しがらきのみや)の
造営を命じ、さらに難波京(なにわきょう)に移り、最後は奈良に帰ってくる。


奈良県の地図を見ていて壺坂山、高取山に登りたくなった司馬さんは、今井町にも寄ることにする。
大和八木駅から今井町に入り、ゆるやかに流れる時間を味わう。
壺坂へ向かう途中、高松塚古墳に立ち寄る。城下町の土佐から高取城への急斜面を登り、本丸を目指す。
頂上からの眺めを楽しみ、壺阪寺へ向かって降りていく。


●江戸城が拡張されたときはいわゆる天下普請だったから、その石垣を築くについては諸大名が分担した。
諸大名はそれぞれの境界を幔幕(まんまく)で仕切りし、自分の工事現場を他家に見られることをきらったというから、石積みというのはそれぞれ秘密だったのだろうか。
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Last updated  2024.03.11 00:13:40
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