読書の部屋からこんにちは!

読書の部屋からこんにちは!

2011.07.25
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カテゴリ: 小説
みなさま、長い間ご無沙汰していましたが、やっと。やっと。やっと、夏休みに突入しました。
新米日本語教師のぱぐらは、日々の授業の準備や勉強に追われ、読書からすっかり遠ざかっておりました。授業といっても週にわずか二日しかクラスをもっていないんですが、それでもその準備にかける時間は、90分授業に対して5,6時間以上。いったい何をそんなに準備することがあるの?と言われそうだけど、日本語教師をやったことがある人ならみんなわかってくれるはず。
とにかく、わたしは学校中の学生や教師や事務員たちの中で、誰よりも夏休みを待ち焦がれていたのでした。これから8月21日まで、普通の学校よりちょいと短いけれど夏休みを満喫する予定です。(と言ってもどこに行くわけでもなく、家の中で読書三昧ですが)
夏休み第一日目に行ったのが書店と図書館。そして一番に読んだのが、この「県庁おもてなし課」です。


高知県庁のおもてなし課(実在)を舞台にした地域おこしの現実を、いい大人にしてはちょっとかわいすぎる恋をからめて描いた、なかなかさわやかな物語です。
わたしはうかつなことに、読み始めてしばらくは荻原浩さんの本だとばかり思っていました。だって、お役人の脳みその硬直具合をおもしろおかしく表現しているところなんて「メリーゴーランド」そっくりです。だけどそのうち、複雑な人間関係の機微に触れたり、ほのかにめばえた恋心のところに来ると、あれ?ちょっと違うぞ・・・で、はじめて著者名を確認して、自分のマチガイに気づいた…なんとまあ、まぬけな話ですね。

なんていうのかなあ、心の機微に対してとても繊細に触れるか触れないかという距離を保ちながら書いているのが有川さん。柔らかい表現ながら、核心をついて納得させられるのが荻原さん。それは男女の差なのか、世代の差なのか分からないけど、(たぶん世代の差のように思います)そういう違いを感じました。

それと、もう1つ。方言を使った小説って、なんでこんなに楽しんでしょう。はじめのうちは乗り切れないんだけど、慣れてくると一種独特のリズムがなじんで、すいすい進みます。高知方言のイメージは、NHKの「龍馬伝」で出来上がっていたので、すぐになじみましたよ。

おもてなし課の面々はそれぞれに成長し、硬直した役人ぽさも残しながらだけど、前進しはじめました。二つの恋もみごとに成就しそうです。
しかし、この「おもてなし課」は高知県庁に実在するそうで、有川さんが「こういう本を書いてもいいですか。」と打診したとき、二つ返事でOKが出たとか。なんと太っ腹な!!さすがいごっそうの国高知!
高知に行って、どんないごっそうがいるのか見てみたいじゃないですか?!


県庁おもてなし課





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Last updated  2011.07.25 09:56:05
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