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Ryu-chan6708

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2006.06.08
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カテゴリ: 読書感想
昨夜、9時頃、湯上りでテレビをつけて、リモコンでチャンネルをあちこちと変えていたら、日本テレビで脳の説明をしていた。番組は 「ザ!世界仰天ニュース」 という番組である。
若い夫婦の旦那がある期間の記憶喪失になったのが、後になって奇跡的に回復したという実話らしい。

それに関連して、脳の断面図を説明していたようだ。女性アナウンサーが、この脳の断面図を示し 、「記憶は海馬(かいば)というところで蓄えられています。」 と説明していた。そして本のようなものをどんどん積んでゆき、このように記憶が海馬に残されると説明していた。

これを聞いてオヤッと思った。それは、2006.05.04の日記でふれた 「バカはなおせる」 で読んだことを思い出したからである。
この本では 「人間の海馬は、記憶を助ける働きこそするが、そこに記憶が保持されるという証拠は今のところない。」 とある。この説明は 「『海馬で記憶が保存される』と考えてはいけない」 というタイトルで始まる箇所である。

また、次の 「ヒトの海馬と、サルやネズミの海馬は役割が違う?」 というタイトルのところでは 、「ヒトの海馬は、脳がモノを覚える際に、一度記憶を通過させる場所、一時保存される場所として使われる。」 と説明がある。ところが、 サルやネズミの記憶は海馬であるという。これから誤解が生まれたようだという説明がある。 そして「進化しすぎた脳」(朝日出版社)の著者池谷裕二氏を批判している。

2006.05.07の日記の 「脳のからくり」 では 「海馬の機能が完全にわかっているわけではないが、ある種の記憶を一時的に蓄えて、整理整頓するのがおもな役目のようだ。」 とある。「バカはなおせる」と基本的に同じ説明である。

ついでに 、「広辞苑」 をひくと 「情動の発現およびそれに伴う行動、さらに短期記憶に関連し、種々の感覚入力に応じて時間空間情報を認知し、一種の統合作用を行う。」 と詳しいが、これも「バカはなおせる」と同じ説明である。さすがである。

では、ヒトはどこに記憶を残すかというと、「バカはなおせる」では 頭頂連合野、側頭連合野、後頭葉に保存されるという。 海馬ではない。 この説明がこのテレビ番組では当然、抜けていた。

  「バカはなおせる」で心配しているように 「海馬で記憶される」という間違いは 多いことを立証したような番組であった。

  やれやれとおもってチャンネルを変えた。






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Last updated  2006.06.08 07:47:43
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