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Ryu-chan6708

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2008.03.08
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カテゴリ: 歴史



:著者は40歳代半ばの明治学院大学教授の学者だ。
  専門は 日本政治思想史 だね。

A氏 :君のブログでとりあげた「 大正天皇 」で 毎日出版文化賞 を得ているね。
 一昨日まで、「 昭和天皇 」を と5回に分けてふれているね。

私: ところがこの本はガラリと変わり、 原氏の小学校時代の 日教組の教育の話 だね。
  学者が「 」を書くのは 禁じ手 とされているという。

A氏 :「 木を見て森を見ず 」になるからかね。
  学者は全体を見なくてはいけないからかね。

:しかし、森はいろいろな一本、一本の木からなっている。
  だから、俺は「 まず、木を見てから、森を見て、もう一度、木を見よ 」と言ってるんだがね。
 しかし、この本では 氏は「 」を描きながら、並行して、いろいろな 日本の全体の政治経済とリンク させながら、小学校時代の 日教組の理念 による学校生活を中心に描いている。
 当時は、 団地 とはあこがれの住家で、抽選に多数の家庭が応募した時代だね。
 「 滝山団地 」は東京郊外にあり、著者は、その団地に住んで、近くの小学校に通った。

A氏 :当時は、団地の各家庭は、高度成長の核家族で、父親は勤めに出て、妻が家を守るというパターンだね。
 そして大体、子どもは2人くらいが標準だね。

私: 日本の「 政治の季節 」は、 60年代の安保闘争 以来、いったん途絶えるが、 ベトナム反戦運動や全共闘と再び復活 し、 1972 年の 連合赤軍事件 あたりまで続くね。

A氏 :一方で、政治とは関係を持たない「 私生活主義 」が拡大し、郊外に団地ができ、 経済の高度成長を支える 中間層 が増えていくね。
 俺も君も、当時は団地住まいで、高度成長でどんどん成長していく 企業活動に多忙 で、政治問題はあまり強い関心がなかったね。
 団地住まいの 核家族化 、妻は 専業主婦 、旦那が稼ぐという分業だね。

:著者は、1974年に小学6年生になるんだが、実は、「 政治の季節 」は終わっていないとしているね。
 著者の「 滝山団地 」周辺では、日本共産党候補がトップ当選していたという。
 そして、滝山団地の児童は、近くの小学校に通うが、小学生はほとんど、団地の子どもだ。
 そして、 先生として全共闘世代の教員 がくる。
  父親は会社に行っていないから、団地や子どもの教育は母親になる。
先生、母親、子供を主人公とする一つの地域共同体が形成 された。
  だから、この 小学校 では「 君が代 」は歌われなかったという。
 それは「 私生活主義 」とは違った共同体で、 国家権力からの自立と、児童を主催者とする学園の確立 を目指したものだったという。
 著者は小学生として、その共同体に巻き込まれたが、その 共同体を「滝山コミューン」 として、この本の題名となったわけだね。

A氏 :やはり、 日教組 の運動と関係するのかね。

:進歩的な学校の教育方法の中心になったのは 片山先生 で、 1971年に大卒新人 で3年生を受け持つ。
  当時の日教組で 全国生活指導研究協議会 、略して 全生研 というのがあって、これが強調したのは「 大衆社会状況の中で子どもたちの中に生まれてきている個人主義、自由主義意識を集団主義的なものへ変革する 」というものだね。
  この 集団主義的教育 旧ソ連の教育学者のマカレンコ の著作によるところが多いという。

片山先生 は、 1971年に全生研 の「 学級集団づくり 」にすっかり魅せられ、自分のクラスを変えようとする。
  著者は、 片山先生のクラス ではないが、その動きを見ながら、小学生でありながら絶えず、 批判の視点 を失っていないね。

片山先生 の活動の成果は3年かけて、次第にあがるが 、とんでもない結果 を生むことになる。

 明日はそれについてふれていこう。






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Last updated  2008.03.08 22:05:59
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