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私
:今日は「 建国記念の日
」。
俺たちの 戦争中の小学生時代
は「 紀元節
」といって 盛大な祝祭日
だったね。
八咫烏
(やたがらす、やたのからす)を肩にのせた 神武天皇
の立っている絵を思い出すね。
同時に 俺の誕生日 。
A氏 :おめでとう。
私
: 一休禅師
の言葉で「 元日や、冥土の旅の一里塚、めでたくもあり、めでたくもなし
」というのがあるが、この年になると、同様に「 誕生日、冥土の旅の一里塚、めでたくもあり、めでたくもなし
」だね。
しかも、俺たちの歳になると、 終点の冥土
が次第に近づいてくる。
ところで、標題の本は、俺たちの年代の誕生日には、一番、読むにふさわしい本の1つかもしれない。
「 生涯発達心理学
」という専門書の分類になるのだろうから、シロートの俺にはスラスラ読める本ではない。
しかし、内容は、 人の一生の知能の発達
などを扱っていて興味が持てたね。
どこかの書評で興味をもって、図書館から借りた。
A氏
: サクセスフルエイジング
( successful aging
)という言葉を聞いたことがあるね。
「 上手な加齢
」「 上手な年のとり方
」という意味だね。
私
:以前の 医学
や 脳生理学
では、年をとると 脳というハードウエアの機能
が衰えるので、 成人期の知的能力がいったん低下すると回復しない
と考えられていた。
それが、 1980年代
から、「 身体や脳の生理学的機能は、歳をとることによって低下することは避けられない
」という考えが 見直されるようになる
。
そこで、 生活習慣病
のように、 うまく環境をコントロール
すると、 知的
に「 上手な加齢
」「 上手な年のとり方
」ができるのではないかという考えが生まれてきたんだね。
A氏 :歳をとってからも、 脳のニューロン新生 があるそうだね。
私 : 知能の生涯発達心理研究 の基本的なテーマは「 歳をとるにつれて頭の働きはどう変化するか 」というものだそうだね。
A氏 :やはり、歳をとると記憶力が衰えるというね。
私
:それが研究が進むと、必ずしもそうではないのだね。
面白いのは「 フリン効果
」だね。
「後から生まれた世代ほどIQ(知能指数)が高い
」ということで、 フリン
が30年位前に発表したので「 フリン効果
」といのだそうだ。
欧米や日本などの先進国の調査
で、 同じ傾向
を示しているという。
A氏 :何故だろう?
私 :いろいろな専門家の説明があるが、皆を満足させる説明は今のところないという。
それから、高齢になっても、知能は復活する可能性はあり、訓練や経験によって大きく伸びるという。
脳は経験と無関係に一方的に自然に衰えていくわけではない。
A氏
:肉体と同じだね。
合気道の名人の佐川氏
は、90歳でも腕立て伏せを毎日400回やっていたというね。
若いときから、 毎日連続
して鍛えていると、かなり衰えを防止できるのだね。
しかし、毎日続けることが難しいね。
自己責任
かね。
私
:一般的に老齢者は若い人より知能は落ちるが 専門分野
では負けないという。
それは 熟達によって新しい認知技能が発生するという創造的な面
があるからだという。
A氏 :名人と言われる人は高い IQ(知能指数 )を持っているのだろうかね。
私
: チェス
の熟達者に知能検査をしたが、 熟達のレベルとIQの関連
はあまりなかったという。
日本でも 囲碁
で調べたが、同様であったという。
IQの扱う 一般的な知能ではない認知能力
が別にあると考えられる。
明日は、 サクセスフルエイジング ・「上手な加齢」「上手な年のとり方」にもっとふれよう。
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