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Ryu-chan6708

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2009.09.22
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耳で考える

:映画を見ていて、シーンが切り替わるとき、 次のシーンの会話の声などが先に聞こえる ことがある。
  俺は、今まで、これは 何か意図的なテクニック を使っているのかなと思っていた。
  ところがこの本の冒頭で「 映像と音楽が人の脳に入ってくるスピードが違う 」ということが原因だということを知ったね。
  しかも、 音のほうが早く意識する。

A氏 映像は光 だから、音速より速いはずだがね。

脳の神経細胞 が伝達して 意識が発生するまでの時間 が、 視覚系 聴覚系 とでは違って、 聴覚系のほうが速い んだね。
  だから、 映画音楽 をやっている 久石譲 氏は、 映像に対して数コマ音楽を遅らせている という。

A氏 久光 氏は、 宮崎駿 のアニメや、「 おくりびと 」の 映画音楽 をやっているが、そういう工夫もあるんだね。

:本来、生き物の目と耳の感覚は別経路だという。
  これを 一緒に結びつけて両方一緒にしようとしたのが、人の脳 だね。
養老 氏は「 崖の上のポニョ 」の 久光 氏の音楽と映像シーンがうまい具合に合体しているのを不思議だと思う人はいないと笑って指摘しているね。

スリランカ で地震があったとき、津波がまだ、来ないうちに ゾウが一斉に内陸 に逃げたという。
  「 耳が危ない 」と知らせているからで、 人間のほうは津波を目で確認 してから逃げるので逃げ遅れる。  
目と耳の異質な情報を統合 する「 連合野 」という脳が人にできるようになる。
  そして、「 言葉 」が生まれる。

A氏 :目は「 空間 」、耳は「 時間 」という概念だから、結合するには、目は相手の耳の「 時間概念 」、耳は相手の目の「 空間概念 」を理解しなくてはならない。
  そこで「 時空 」が「 言葉 」の基本になったということか。

:虫などは本能で生きているから、逆に、柔軟性がないが、人は 脳を発達 させ、本能以外に「 学習」という能力 がある。
  人は本能的に行動しないで、 脳で行動 し、そういう社会を作り、「 言葉 」を作り出した。
  「 言葉 」が無いと動物としては生きていけるが、人間社会では生きていけない。

A氏 :人は「 言葉 」という 自然界に意味の持たないものが通用する世界 で生きていく。
  その極が「 都市化 」であり「 脳化社会 」だというのが養老氏の持論だね。

:だから、なんでも「 言葉 」で説明できると誤解しやすい。
  医学の学生は男子が多い。
  養老氏は学生に「 説明したら、陣痛がわかるか?」 という。
 「 言葉 」で説明できないことを、哲学では「 クオリア 」というという。

A氏 :そうだね。
  リンゴといっても色合いはいろいろあって「 言葉 」にならないね。

:そういう意味で芸術は重要なんだが、教育でもなくなってきているね。
感覚自体 が落ちてきている。
  音楽も、遅れると話題にのれないと言って 携帯でダウンロード するが、それは音楽を真に聞くとは違うという。

 明日は、 感覚器は必ず2つ、存在 しているという話に移ろう。






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Last updated  2009.09.22 10:46:01
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