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私
:かなり前に、ある書評でこの本を知って、 図書館に予約
しておいた。
かなり待って、 俺の順番
になったね。
題名からしてあまり興味がわかなかった。
読み出してみてあまり興味がわかなかったら、そのまま、図書館に返却しようと思っていた。
ところが、最初の「 はしがき
」の冒頭に 養老孟司
氏の「 20世紀後半の日本を『技術者の時代』と呼んでいる
」として引用しているのにひかれた。
戦後の焼野原
から立ち上がり、世界から「 ジャパン・アズ・ナンバーワン
」と畏怖される 経済大国
を築いたのは、 技術者たち
だったという意味だね。
A氏 :それは君の持論だね。
私
:これらの 技術屋
を ノンフィクション作家の 山根一真
氏
が「 メタルカラー
」と呼んでいるね。
しかし、この本のテーマは、 まったくこれと異なり
、 白川浩
という研究者の研究の跡を追った物語だね。
A氏 :技術的な話しかね。
私
:そういう堅苦しさはなく、分かりやすい語り口で書いた本なので、思わず引き込まれて、 一挙に読了
したよ。
東工大
でも、 1999年
に 金融工学の研究センター
が「 理財工学研究センター
」として登場するんだね。
その基礎を著者 今泉浩
氏が築く。
氏の弟子
でもあった 白川教授
は、その中心となるが、 2002年3月16日に肝臓ガンにより42歳で亡くなる。
この人は若い頃から、 年間3500時間以上
、研究などで働いたという。
この本は、その 白川氏の研究者としての生涯を描いた本
だね。
A氏 :しかし、 金融工学 は、 2008年に起きた リーマンショック の 主な原因 の一つといわれているね。
私
:著者は、その誤解を解く本をいつか書きたいとしているね。
しかし、この本は、 一流の学者たちの生活や勉強ぶりとその体育会系的な人間関係
などを、実名をあげて語っていて興味深いね。
昨年の「 事業仕分け
」で問題になった 科学振興の補助金問題
も、こういう裏話を知るとなるほどねと思うことがあるね。
ところで、この本の「 はしがき
」にあるが、 20世紀後半
、 日本は世界に冠たる技術王国
を築く。
一敗地にまみれたアメリカは、 日本弱体化の戦略を練って、ターゲットを「日本人技術者の働き過ぎ」に置いた
という。
しかし、 アメリカのMITやスタンフォードの技術者
も年 3000時間
は働いているという。
しかし、この話は、 同時代の俺の体験
では、あまりピンと来なかったね。
俺がまだ、若い頃、社長がアメリカから帰ってきて「 アメリカ人は皆、定時できちんと帰るというが、それはライン労働者のことで、技術者などのオフィスのビルは夜遅くまで電気がついていた
」と言っていたね。
A氏 :日本の技術が高かったのは、 大学の研究 よりも メタルカラー のような 現場技術者 の存在だろうね。
私
:かっては 10万人と言われたこの層
が今、次第に薄くなっているようだね。
多くの生産現場が海外に移ったことが影響しているようだね。
毎日の生産活動の現場から生まれる現場技術
も海外に行ってしまったようだね。
空洞化は技術者の問題
でもあるんだろうね。
これが心配だね。