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私 : トランプ大統領の「パリ協定」離脱 について、 3氏 に聞いているが、 3氏ともトランプ大統領に批判的 だね。
国際基督教大学 副学長の 森本あんり 氏は、 米国の保守派には、地球温暖化 への反知性主義的な不信 が根強くあり、 でっち上げだ、リベラルの陰謀だ 、というわけだという。
そうした 陰謀論 は、 米国の歴史の中で常に存在 してきて、 反知性主義 という言葉の生みの親である 歴史家のホフスタッター は、それを パラノイア(妄想傾向) と呼んだ。
19世紀にはカトリックが陰謀団体 と見なされ、その後も フリーメーソンなどがやり玉に挙げられた。
トランプ氏の選挙戦での発言も、多くが陰謀論的 。
A 氏 : 森本あんり 氏は、 米国は基本的に「田舎の人」の国 で、 町という小さな単位 で、 保安官がけんかの仲裁をするのは認めるけれど、州政府の規模になると信用しない 、ましてや 連邦政府 のすることなどはすべて疑う という。
当然、 国際間の協定など受け入れられず、「パリ協定」への不信感 も、 科学そのものへの懐疑 というより、 国際的な枠組みが科学を押しつけてくることへの反感 が大きいという。
私 : その一方で、「 正義と公正、自由、民主主義という米国の価値」を、各国に拡大すべきだという 「米 国の信条 」を 世界に広げたいという考え もあるという。
この「 普遍的信条」と「アメリカファーストの主権至上主義」とが常に拮抗 していて、 信条が前面に出ると世界をリードする力になる が、 反対の考え方が前面に出ると、「パリ協定」離脱のようなことを引き起こす 。
その 根っこにある のは、 人はみな罪人で、権力を握れば必ず悪用するというキリスト教 的な人間観 だから、 権力を別の権力で抑える一方 で、 同じ人間観が政府不信と陰謀論にもつながる。
A 氏 :だから、 森本あんり氏は、 ある程度の時間はかかっても、揺り戻しは起きるはず で、 その力となる機能や精神は、なお健在だと思うと将来の見通しは楽観的 だね。
私 東大客員教授の米本昌平 氏は、 1997年7月の米上院 でのバード・ヘーゲル決議 に着目している。
これは、 明確な削減数値が入っている合意や議定書は批准しないというもので、全会一致の賛成だった という。
だから、 ブッシュ大統領は着任早々の2001年に数値のある京都議定書から離脱 した。
オバマ大統領 のとき、「 パリ協定」を大統領権限で批准できたのは、上院の同意がいらない緩い合意だったから で、 理想主義が色あせるなかで、ガラス細工の合意 だった。
A 氏 :そこで、 米本昌平 氏は、 対策を各国に委ねる「パリ協定」では高い目標の達成はとても無理 なので、そんな中で 国際社会では、ジオエンジニアリング(気候工学)で温暖化を抑えるというアイデアが出てきた という。
私 : 軍用機で成層圏にエーロゾルを注入し、地球を冷やす方法 だというが、 科学者の大半は大反対の禁じ手 だが、 トランプ大統領はやりかねない という。
A 氏 : 両親は日本人だが米国育ちの女性タレントの REINA 氏は、 共和党 が強い地域では、環境教育はあまり熱心にされず、地球温暖化なんて全く信じない人 もいて、 トランプ氏の勝利の力となったラストベルト(さびついた工業地帯)の人たち は、 自分たちの仕事を確保すること、「自分ファースト」で、地球のことを考える余裕はなく、世界から孤立するなんて、どうでもいいのだ という。
私 : 森本あんり 氏の 米国は基本的に「田舎の人」の国だというのと同じ だね。
REINA 氏は、 新聞、テレビ、ネットには情報があふれているが、 みな自分の信じるものしか読もうとしないで、国が二つに割れ、分断された人たちの間では話が全く通じなくなってしまった という。
環境問題だけではなく、貧富の格差、銃規制 の問題も同様で、米国が壊れていくようだ という。
A 氏 :しかし、 連邦政府が「パリ協定」から離脱 しても、 州政府や都市、企業からは「私たちは協定を守る」という主張が出てきており 、 芸能人も、おかしなことはおかしいと声を出しており 、 社会に多様な意見があることが、米国の民主主義のいいところ で、 それが希望だと REINA氏はいう 。
私 :「 パリ協定」の今後の動向 は、とりあえずは、 米国を除いた各国、特に中国の活動が重要になってきたようだ ね。