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私 : 今月の神里教授の「月刊安心新聞」 は「 ヒアリ 」をとりあげている。
「 ヒアリ」は元々南米中部に分布する昆虫 だが、 20世紀前半にアメリカ合衆国に上陸 。
1930年代にアラバマ州の港から荷物と一緒に入り込んだとされ、 急速に生息域を拡大、 57年には連邦議会が根絶のための大規模な予算を措置したが、成功しなかった という
A 氏 : その後も 米国 は 「ヒアリ」制圧 に向けて尽力したが、 75年までに52万平方キロメートル、また2006年には少なくとも130万平方キロメートルにまで拡大 。
現在は、 テキサスからアラバマ、フロリダなどを経て、ノースカロライナに至る、南東部の広い範囲の州に定着 していて、この地域にはおよそ 4千万人 が暮らしているが、 毎年、1400万人がヒアリに刺されているという推計もある という。
私 :しかし、 人体への危険性について、米国での被害者数の統計については、しっかりとしたものは見当たらない という。
A 氏:よく引用されているのは、 米国アレルギー免疫学会が1989年に行ったアンケートの報告 だが、これは、 約3万人の医師に郵便で質問票を送り、その1割弱から回答を得た というものだ。
最初の質問 として「 ヒアリに関連した死亡例を知っていますか? 」という問いがあるが、 八十数人が「はい」と答えたというが、実は、この八十数人のうち、本人や同僚の医師の診療などに基づく確実な数字は、その4分の1に過ぎず、多くは、「ニュースで知った」や「うわさで聞いた」などであり、重複していた可能性 もある。
さらに、 この調査は対象期間が明示されていない ので、 ヒアリの危険性を定量的に理解するにはあまり役に立たない。
私 : 18日に 環境省がパンフレット から「 『ヒアリ』で、米国で年間 100 人以上が死亡 」という 記述を削除した のはそのためだね。
この米国の報告がさまざまなところで引用された結果 、 その数字だけが独り歩き し、「 死亡率の高い危険な昆虫」というイメージが定着した とも考えられると 神里教授 はいう。
社会問題に関わる文脈 において、 科学的知識を適切に扱うことの難しさ が、ここに現れているともいえるという。
A 氏 :日本では、 「ハチ」による死亡 も、 「ヒアリ」同様、アナフィラキシーが原因 で、 米国南東部の住民の3人に1人が、年に1度は刺されるという「ヒアリ」被害 に比べれば、 日本でハチに刺される件数 は、相当に少ないだろうが、それでも、 最近の日本では20人前後の方が、毎年、不幸にしてハチに命を奪われている という。
私 :驚くのは、 米国における「ヒアリ」対策の費用は莫大 で、 米国農務省 によれば、 毎年、ヒアリの制御、被害の修復、そして人の治療のために70億ドル(約8千億円)が費やされている という。
人への健康リスクに注目が集まりがちな「ヒアリ」被害だが、農畜産業への悪影響や、生態系の破壊といった、別の問題を引き起こしている という。
日本が、この「小さな強敵」の侵入を防げるかどうか は、まだ分からないが、 すでに半世紀以上にわたる戦いを続けてきたにもかかわらず、制圧できなかった米国 を 日本は反面教師とし、今こそ十全な対策を講じるべきであろう と 神里教授 はいう。
俺は、数年前、庭にアリが多くいたので、 アリ用の殺虫剤を買ってまいた ことがあるが、 すこしたって、また、復活していた ね。
最近、 「ヒアリ」のニュース以来 、 アリ専用の殺虫剤がとぶように売れている というが、 アリの自然体系に影響を与えないか心配だ ね 。
日本も苦しい地方財政に「ヒアリ」対策費用の負担がかかるようになるのかね。