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私 : 朝日新聞 の「 社説 」は見出しをみると、大体、内容が推定できるのであまり取り上げていないが、この 元旦の「社説」 は 安倍長期政権を別な視点 で捉えていて興味があるね。
持論の憲法改正 も、 狙いを定める条項 が次々変わってきたね。
A 氏 : 原因の一つに 国政選挙 を実に頻繁に行ったこと。
政権を奪還した2012年12月の衆院選まで含めて数えると合計5回 と、 ほぼ年に1回で、その都度、政策の看板も次から次へと掛け替えてきて、慌ただしい。
私 : 学界、経済界、労働界の有志の集まり「日本アカデメイア」 などは 昨年12月 、 「先進民主政はどこへ向かうのか?」 と 題するシンポジウム を催した。
日本について指摘された のは、 政権維持が自己目的化し、長期的見通しや政権担当期間を通じてのプログラムがない という、 場当たり的な政権運営のあり方だ 。
A 氏 :シンポでは、 「財政再建」や「地球温暖化対策」といった政策課題を解決する難しさが挙げられた。
長い時間軸の中で取り組まなければならないテーマ であって、 今さえよければという姿勢では、まだ生まれていない将来世代に大きなツケが回ると「社説」はいう。
私 : 短期志向になりがちな政治の一つの側面を表現するのが、「シルバー民主主義」という言葉。
日本では有権者に占める高齢者の割合が高く、しかも、若い世代に比べて投票率が高く、その大きな影響力を、政治の側は気にせざるをえない。
結果として、社会保障が高齢者優遇に傾けば、世代間の格差は広がり、長期的には財政を圧迫し、将来世代に禍根を残す というわけだ。
A 氏 :ところが、 昨年夏、東京都文京区の有権者2千人を対象にアンケート をしたら、 日本の「財政赤字」や「地球温暖化」といった「持続可能性」に関わる問題への関心は、高齢層の方が高かった。
生まれていない「将来世代の代弁者」の役割を積極的に担う意欲についても、同じ傾向 だった。
老人は子どもや大学生に比べ、近視眼的な判断をしにくい という 先行研究 にも触れつつ、 調査をした亀田達也・東大教授 は「 今の世代と将来世代との間の公平を実現する上で、高齢者の果たしうる役割はありそうだ 」という。
私 : 俺も先の短い自分の世代以上に、孫の世代が心配 だね。
A 氏 : 民意の「変化」を敏感に追う政治家 に対し、 政策の「継続」と一貫性にこだわる官僚 。
そんな役割分担は、官邸主導が進む中であやふやになった と「 社説 」はいう。
「民主主義の時間軸」を長くする方策 を新たに考えなければならないとして、 様々なアイデアが既に出ている。
「財政再建」でいえば、独立した第三者機関を置き、党派性のない客観的な専門家に財政規律を厳しくチェックさせる、といった提案 や、 若い人の声をもっと国会に届けるため、世代別の代表を送り込める選挙制度 を取り入れてみては、という意見もある。
私 : 国政選挙 が年中行事化 しないよう、 内閣の解散権を制限すべしという主張 は、最近の憲法論議の中で高まりつつある。
「来たるべき世代に対する」国の責任を明記 するのは、 ドイツの憲法に当たる基本法 で、 ドイツ では 1994年の改正で、環境保護を国家の目標として掲げた。
しかし、 「社説」 は、 ドイツ憲法だけでなく日本国憲法でも 前文には「われらとわれらの子孫のために……自由のもたらす恵沢を確保し 」とあり、 11条は「基本的人権 は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる 」とうたうと 指摘 している。
「働き方改革」のスローガンの後に、「人づくり革命」、「生産性革命」が登場 した。
確かに、 政策スローガンの「時間軸」が短い 気がして、 次の世代に対して心配 だね。