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Ryu-chan6708

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2018.03.29
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カテゴリ: カテゴリ未分類

小熊 氏が、 最近の沖縄 を訪ねて感じるのは、 沖縄のなかの那覇周辺域と名護市辺野古に代表される地域格差 だという。

人口の半数が集中する那覇周辺域 は、 外国人観光客 がめだち、 有効求人倍率 も高く、 県の観光客数は昨年にハワイを抜き 米軍基地の返還跡地にできたショッピングセンター もにぎわっていて、種々の問題もあるにせよ、 基地返還の経済効果を実感できる状況

 一方、 米軍基地の建設が行われている名護市辺野古 はこれと 違い、活気があるとはいえない集落 に、 政府が県を通さず、交付金を直接に市や集落に交付して、立てた新しく立派な公共施設が立つ。

この 2月 この名護市で、自民党と公明党 が支援した新市長が、基地反対の前市長を破って当選し、当選後に新市長は、リゾートホテルの誘致や漁港の整備、各種補助金などの「御支援」の要望書を政府に提出。

小熊 氏は、 基地を歓迎する人はいないが、 地域振興 のために「迷惑施設」を受け入れる。これまでくり返されてきた図式 だと 指摘 する。

「御支援」の要望書を政府に提出 に対し、 政府の経済官僚 は「 まずは自分たちで汗をかいてみる、自助努力でどこまでできるかやってみる。そんな当たり前の精神が欠けていると言わざるをえないです 」と ため息 をついたという。

A :ここで、 小熊 氏は、こ うした手法は本当に地域振興に役立つのか、「原発」に視点を変えている ね。

柏崎刈羽「原発」の経済効果の調査報道 によると、「 原発」が地域経済に貢献するというのは「神話」だった という。

柏崎市の産業別市内総生産額、小売業販売額、民間従業者数などを分析 すると、 確かに「原発」の建設工事が行われていた1978年から97年に、それらの指標は伸びていた が、 その伸び方は、県内で 柏崎市 と規模が近い市とほぼ同等

柏崎市の指標が伸びていたのは、「原発」の誘致よりも、日本経済全体が上げ潮だった影響 が大きく、 柏崎市長を3期務めた西川正純 氏は、 このデータをみて「『原発』がない他の市と同じ歩みになるなんて」と絶句した という。

唯一、建設業だけは市内総生産額が顕著に伸びていたが、「原発」建設が終わるとその効果も消え 建設終了後の柏崎市は、人口減少が他市より激しく、一時的に増えた交付金や税金で建てた施設の維持管理で、財政が厳しくなっている。

 よくある ハコモノの弊害 だね。

ところが、 柏崎商工会議所に属する100社を調査したところ、「原発」再稼働を願う回答が66社にのぼった が、 柏崎市には「原発」と無関係な業種が多く、「原発」停止で売り上げが1割以上減ったのは7社だけ。

再稼働でどの業種が活性化するのか尋ねたところ、「飲み屋」という回答が最多で、再稼働の経済効果を具体的に示せる企業は少なかった。

なお、 東電幹部 は、「 原発」が停止している方が、安全対策や維持管理の工事が多いため、再稼働すれば「原発」作業員が減る と認めている。

実際に柏崎の作業員は、全基停止していた2015年度の方が、稼働していた06年度より2割以上多 い。

「原発」が止まると作業員が減り、地域にお金が落ちないというのは誤解。

A :なぜ、 こうした根拠のない「神話」が流布したのか。

この調査報道を行った新潟日報の前田 氏は、 これまでのメディアの報道姿勢を批判 していて、「 原発」停止の影響を報じるとき、メディアは「原発」関連の仕事を受注する企業や繁華街の飲食店など、影響がありそうな会社を選んで取材しがち で、これが、「 原発」停止の影響を過大に語るコメントが多い背景 だった。

:しかし、 小熊 氏は、 無根拠な「神話」が生まれた最大の要因はメディアではなく、メディアは、すでに流布していたイメージに束縛され、先入観に沿って取材していた だけで、 最大の要因は、事態の変化を直視できない「心の弱さ」だと指摘 する。

人間 は、「 あの星が出ていた時は町が栄えていた 」ということを、「 あの星が出れば町が栄える」と混同してしまいがち で、 「原発」と経済に、実はさほど関係はなく 、ただ、 日本経済が上げ潮だった時期と、「原発」が建設されていた時期が重なっていたため、経済成長のシンボルになったにすぎない という。

本当の原因を直視して解決に努力するより、他の理由に責任転嫁した方が楽 だから、 経済が停滞し、社会が変化しているとき、人は「心の弱さ」から「神話」に逃避しやすい という。

だがそれは、状況から目をそらし、自ら努力する姿勢を奪ってしまう。

先に上げた、 沖縄県名護の新市長の補助金の要望書 のようにーーー。

原発」 に限っても、 世界の変化に対する日本の停滞は著しい。

世界の風力発電設備容量は15年に「原発」を抜き、太陽光も「原発」に迫っている

発電コストも大幅に下がり、日本が 原発輸出 を試みている英国 でも、 風力の方が新型原発より4割近くも安く 中国など他国が再生可能エネルギーに大幅に投資を増やす なか、 日本の遅れが目立つ。

今月で「福島第一原発事故」から7年。

その間に世界は変わった。

各種の「神話」から脱し、問題に正面から向きあうときだ 小熊 氏は 指摘 する。

昨年11月 には、 高レベル放射性廃棄物の最終処分場の説明会 に、 業者が謝礼を約束して学生を動員していたことが発覚

「安全神話」をつくろうとする姿勢は続いている。






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Last updated  2018.03.29 12:36:02
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