つれづれなるままに―日本一学歴の高い掃除夫だった不具のブログ―

つれづれなるままに―日本一学歴の高い掃除夫だった不具のブログ―

PR

Calendar

2014.06.20
XML
今から4半世紀前に出版された本だが、ひもといてみるとなるほどと思う記述もあった。

まず、当たり前のことだが、アラブ世界は暑い。アラビア半島と北アフリカ諸国である。地中海沿岸やナイル川周辺はともかく、砂漠の国では農作物など「ものをつくる」ことすら難しい。勢い、監視、監督、交渉、貿易など、ものを右から左へ流す、商業が盛んになる。

文化・文明が栄えなかったわけではない。古代ギリシャ・ローマ文明の精髄をかつてヨーロッパに伝えたのはアラビア人たちであった。しかし今アラーの民は世界文明を牽引する立場にない。むしろ一時期は英仏西伊の植民地にされていたくらいだ。かつての栄光と現状の落差から来るコンプレックスは、日本人の想像以上に(今も)大きいに違いない。

明治日本は和魂洋才であった。現在のイスラムエリートも根は同じであるようだ。彼らの魂にあたるものはコーランである。コーランはなるほど生きる智恵に満ちている、かもしれない。しかしいかにも古い本だ。そのままで今の社会に対応できるかどうか。

キリスト教にも原理主義者はいる。しかしともかくも彼らはルネッサンスを生み、進化論を生んだ。良くも悪くも世俗化したからこそ、今日のアメリカやヨーロッパがあるのだ。事情は日本でも同じである。しかしながら中東や北アフリカのイスラム諸国が世俗化するというのは、21世紀の今日に至っても、なかなか想像しにくい。日本で言えば彼らは今も明治人なのだ。

本自体は絶版だが、この本の歴史的役割はとうに終えていると判断する。処分本NO.253。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2014.06.20 21:08:30
コメント(0) | コメントを書く
[ノンフィクション・現代社会] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: