つれづれなるままに―日本一学歴の高い掃除夫だった不具のブログ―

つれづれなるままに―日本一学歴の高い掃除夫だった不具のブログ―

PR

Calendar

2014.06.24
XML
カテゴリ: ミステリー
クリスティの創造した探偵?のなかではもっともマイナーな存在。実を言うと本職の探偵ではなく、事務所の所長さんである。 「あなたは幸せ? でないならパーカー・パイン氏に相談を」 の広告を新聞に載せて、依頼人の話を聞き、部下を工作員として派遣し、問題を解決するという趣向…なのだけれど、全12編のうち、前半の6編だけがこのパターンにあたる。


「退屈している軍人の事件」…芥川が書きそうなメロドラマ。
「困りはてた夫人の事件」…狐と狸の化かしあい。構成面では白眉。
「不満な夫の事件」…効きすぎたクスリ。個人的には一番好き。
「サラリーマンの事件」…冒険に飢えたサラリーマンは格好の目くらましだった。
「大金持ちの夫人の事件」…O・ヘンリーが書きそうな短編。


ところが、後半の6編は休暇中のパーカー・パイン氏が中東旅行で事件に巻き込まれ、やむを得ず探偵役をするという趣向。「不満な夫の事件」を下敷きにしている「あなたは欲しいものをすべて手に入れましたか?」はニヤニヤしながら読めるが、「高価な真珠」は犯人も動機も見え見えだ。後半6編の中では、最後の「デルファイの信託」が一番意外性があって面白い。だがトラベルミステリーなら、 『メソポタミヤの殺人』 『ナイルに死す』 の方が質が上等である。

なお、オリヴァ夫人は 『ひらいたトランプ』 にも出てくる。作者自身がモデルとも言われるが…

個人的には、後半があまり好みではないものの、トミー&タペンスの 『おしどり探偵』 よりも好きである。


【新品】【2500円以上購入で送料無料】【新品】【本】【2500円以上購入で送料無料】パーカー・パイン登場 アガサ・クリスティー/著 乾信一郎/訳







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2014.06.25 20:55:45
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: