つれづれなるままに―日本一学歴の高い掃除夫だった不具のブログ―

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2014.12.09
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この本の結論は末尾を読めば明らかだが、ここで「問題」を出してみよう。

イヌイット(旧称:エスキモー)を除くアメリカの先住民(旧称:アメリカ・インディアン)はどこから来た何人か。
正しいものを答えよ。


2、エジプトから渡ってきたエジプト人。
3、アトランティス大陸から渡ってきたアトランティス人。
4、レムリア、あるいはムー大陸から渡ってきたムー人。
5、イスラエルの「失われた部族」の子孫。


並べて書くと正解は明らかだが、信じるものは頑固である。専門家をこき下ろし、我こそは正しいと主張してはばからぬ。 エジプトのピラミッドは「墓」なのに、同じような形をした「祭壇」がアメリカにある から、アメリカの先住民はエジプトと接触があったに違いない、とか、あるいは海中に沈んだアトランティス大陸を媒介にして両文明が栄えたに違いない、というのはSFやファンタジーの世界では結構だが、大真面目に言われてもこちらは困惑するか、楽しむしかない。

大陸移動説にアトランティスやムー大陸の出る幕はないし、日本人がイスラエルの失われた部族の子孫だったという話も聞くが与太である。坊やとボーイの発音が似ているからと日本語と英語が同系統の言語だと誰が思うか。

ヘイエルダールの『コンティキ号』は面白い話だし、ノンフィクションの冒険譚としてこれからも読まれていくだろう。ただペルーからポリネシアに航海することが可能だと証明したことと、ポリネシア人がペルー人の子孫かということとはまた別の問題だ。 人類がアフリカから発祥してユーラシアに広がったことを考えれば、太平洋も西から東へ向かったと考えたほうが自然である。 ペルーを脱出してポリネシアに着いた人々がいたとしても、彼らは漂流民でしかなかっただろう。

なお太赤字部分は本には書いてない個人的な判断であることを付け加えておく。

結論。「と学会」的本を面白がって読む読者には本書をお薦めする。ただし『ムー』の信奉者や敬虔なモルモン教徒は読むべからず。不愉快になること間違いなしである。


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Last updated  2014.12.09 01:43:24
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