2014年10月11日
テーマ： ニュース(99433)
カテゴリ： トピックス
首相、アベベ選手の息子と面会
どのような目的ででアベベ選手の息子さんが来日し、首相に会ったのか分かりませんが、息子さんがアベベ選手の大きな写真を首相に手渡しているところが配信されています。
これはアベベ選手が東京オリンピックのゴールのテープを切った瞬間を捉えたものですね。首相は「当時１０歳だった。今でもアベベ選手がさっそうと駆け抜けていくのを覚えている」とおっしゃったそうですが、私もはっきり覚えています。
私は当時私の通う小学校の図書室で、学校に1台だけあったテレビでその瞬間を目にしました。
ゴールを走り抜けた後その場に倒れこむ選手が続出したのに、アベベ選手は平然とクールダウンの体操をし始めるや、取材の記者に「もしもう一度42.195ｋｍ走れというのなら、今からすぐに走ってもかまわない」といった趣旨の発言をしたのでした。驚きましたね。
そのアベベ選手から遅れること5分あまり、競技場に姿を現したのは日本の円谷幸吉選手でしたが、ラスト200メートルでイギリスのヒートリー選手に抜かれてしまった。図書室に満ちた子どもたちの声援は、たちまちのうちに悲鳴にも似た絶叫に変わったのでした。
苦痛に顔をゆがめながらゴールするやハタと取れこんで動かなかった円谷選手の姿は、幼い心に感動というより恐怖心すら抱かせるものだった。息も絶え絶えにトラックに横たわる円谷選手。その姿に私は子どもながらにも、何かしら暗い影を感じ取ったのかも知れません。
それから3年後、日本の陸上長距離走のエースは、突如「・・・私は疲れました。もう走れません」と遺書を残し、自らの命を絶ったのでした。
・・・50年前の東京オリンピック。私には、鉄人アベベの姿は、やはり鉄人と言うべきであろう円谷の姿なくしては語ることができません。
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最終更新日
2014年10月11日 11時24分45秒
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