ミステリの部屋

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2005年09月27日
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カテゴリ: 海外ミステリ


結構大変なところで終わっているので気になっているうちに、新シリーズが出てしまいました。

それがこの、判事モーズリーを主人公としたシリーズです。
心優しい図書館長ジョーダン・ポティートの話は、男性が主役のコージーということでなかなか気に入っていたのですが、あとがきによると、作者はサスペンス色の強い作品が書きたくて新シリーズを始めたようです。


主人公ホイット・モーズリーはテキサス州の小さな町ポートレオの新米判事です。
とはいっても普段は犯罪などない町のこと、気楽に勤まるはずでした。
ところがボートで死体が発見されて、状況は一変します。
男は上院議員ルシンダ・ハッブルの息子ピートだということが判明し、一見自殺のように見えるけれど、不可解な点も幾つかあります。
しかも、ピートがアダルト・ビデオの男優をしていたこともわかって大変なスキャンダルに発展し、周囲から自殺と判定を下すように圧力がかかり始めるのです。
捜査を進めた結果、ピートは何年も前に行方不明になった弟について調べていたらしいのですが……。


サスペンス色が強く、サイコがかった連続殺人鬼も登場して気分が悪いのですが、内容の重さの割りに軽快感があるのは、主人公のキャラクターのおかげです。

モーズリーは父親のコネで判事の職につくまではアイスクリーム屋などのアルバイトを転々としていた若者でした。
法廷でも法服の下はアロハシャツだし、殺人現場にはサンダルで出かけるし、女性にももてます。
かといって情実に流されることもない仕事ぶりで、好感の持てる人物と言えるでしょう。


事件は刑事クローディアと交互に語られます。
彼女は離婚したばかりなのに職場で元夫と顔をつきあわせなくてはならないという悩みも抱えながら、行動的に仕事をこなし、こちらはまるでハードボイルドです。

身近な人も個性的です。
特に25歳の美女と再婚した父親や、主人公を助ける謎の釣りガイドのグーチは、以降の活躍が期待できます。


このシリーズは3作目まで順調に出されているようです。ということは、図書館シリーズは中途半端で後味悪いまま終わるのでしょうか。


さよならの接吻  さよならの接吻 :  ジェフ・アボット









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最終更新日  2005年09月28日 22時51分08秒
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