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2005年11月21日

ピーナッツバター殺人事件：コリン・ホルト・ソーヤー

(2)

テーマ：ミステリはお好き？(1498)

カテゴリ：日本ミステリ

ユーモア・ミステリー、高級老人ホーム“海の上のカムデン”シリーズ、第4弾です。

そこはカリフォルニア州サンディエゴにある、太平洋に面した町、カムデン。
風光明媚で気候は一年じゅう温暖なところです。
スターがアバンチュールを楽しんでいたスペイン風のリゾートホテルを改装して、コテージタイプの老人ホームが造られました。
目の前には砂浜と海が広がりロケーションも最高。
衣・食・住はもちろんのこと、娯楽・医療なども至れり尽くせりのサービスが保証された、まさしく高級な老人ホーム。
そして供される料理の美味しそうなこと！

中でもとりわけ裕福なデコボココンビが、このシリーズの主人公です。
小柄ながら、人の二倍も三倍もの元気がつまっているアンジェラと、豪快な性格で縦にも横にも大きいキャレドニアです。

気のあう同士でゆったり優雅にすごす、夢のような老後の生活がそこにはあります。
ところが、そんな恵まれた環境なのに、人は退屈というものが耐えられないんですね。

二人は好奇心旺盛で、殺人事件に首をつっ込みたがります。頭をひねってなかなかいい推理をするのはいいけれど、あとさき考えずに危険に飛び込んでしまうため、ハンサムなマーティネス警部補に心配をかけてしまいます。

今回二人と共に探偵活動を行うトム・ブライトン翁は、関節が痛くて歩くのもつらいのに、殺人への好奇心は彼に階段を登ることさえ決心させるんですから。

それは最近頻繁に老人ホームに出入りし、ホームの女性と親密になっていた男でした。
事件を調査するマーティネス警部補に、この男性と関わりのあった人にそれとなく話を聞いてほしいと頼まれた元提督夫人アンジェラとキャレドニア。大いに乗り気の二人は､頼まれていないことまで始めてしまいます。

この作品は、謎解きよりも登場人物や雰囲気を楽しむものだ思います。

おなじみのメンバーに会えたのがとてもうれしかったですね。
二人の暴走ぶりや、老人達の個性やぶつかりあいがとても楽しく、二人とマーティネス警部補の関係は素敵でした。

題名のピーナッツバターの意味は読んでからのお楽しみですが、なかなか便利な言葉かもしれません。口に出して何回か言ってみました。