ミステリの部屋

ミステリの部屋

2005年11月25日
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カテゴリ: 海外ミステリ
読み始めてすぐに、どこかで見たような気が……、やっぱり以前読んだことがありました。


伯母が生きている限り、自分は厭うべきこの土地からも、専横的な伯母からも、離れることはできない―。伯母とぼくの生命を賭けた虚々実々の闘いの行方は?「犯人の手記」というユニークなスタイルで完全犯罪の計画から遂行までを描く「伯母殺人事件」。


リチャード・ハルはイギリスの作家で、フランシス・アイルズの「殺意」を読んで感銘を受けて作家になることを決意し、1934年に「伯母殺人事件」を発表しました。
そして、この作品はフランシス・アイルズ『殺意』、F・W・クロフツ『クロイドン発12時30分』と並んで、倒叙推理小説三大名作の一つと言われています。


主人公のエドワードは田舎を退屈なところだと馬鹿にし、周りの人間を見下して、自分こそが賢いと思っています。
ところが財布の紐は伯母に握られ、先代の遺言どおりに自分を監督しようとする伯母が煙たくてしょうがない。
かといって、独立して働く気もないという情けなさ。

エドワードは傲慢だし、自分を中心にしかものを考えることが出来ない愚か者なのに、なぜか憎めません。
完全犯罪を計画してもボロをだし、伯母さんはいつもその上手をいっています。ところが全くそれに気がつかないところがおめでたく、ユーモアさえ感じられます。

エドワードはあきらかに犯罪者なのに、愛すべき愚か者とでもいいますか、ちょっとだけ応援していたりするから妙なものです。
それは伯母さんがしたたかで、可愛げがないからでもあるようです。

失敗にもめげないエドワード、その犯罪計画はうまくいくのでしょうか?

最後にはちゃんとひとひねりがあります。


伯母殺人事件
 伯母殺人事件 :リチャード・ハル









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最終更新日  2005年11月26日 00時55分50秒
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