ミステリの部屋

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2006年01月13日
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呉服屋の手代・政次、船頭の彦四郎、岡っ引の手先の亮吉、酒問屋の豊島屋で働くしほ。
幼なじみ四人組が活躍する鎌倉河岸捕物控第2弾です。
前作ではしほが主人公でしたが、今回は、タイトルにある通り、政次が話の中心です。

正月の二日、政次は呉服屋松坂屋の隠居松六の供をして年始挨拶回りに同行しますが、その帰り道、松六が立ち寄ったさびれた屋敷で、剣客に襲われます。
政次は六尺棒1本で立ち向かい、松六を救うのですが、頭を打った松六は呆けの症状が出てしまいます。

主人のそばを片時も離れようとしない政次、そんな政次を心配するしほ達三人。
事件の陰に始末が終わったはずの田沼意知暗殺事件の影を見た金座裏の宗五郎親分は、現在と過去を結ぶ謎の解明に乗り出します。
これが全体を通じて解明されていく大きな事件ですが、その間にも、誘拐や殺しといった事件が一つ一つ解決されていくという前作同様の構成になっています。

今回お目見え以上ということがわかる(将軍にお目通りがかなうというのは結構すごいことですよね。)宗五郎親分の捜査力はなかなかのものです。
親分以外に詳しいことは話せない政次は、主人に大けがをさせたとして冷たい目で見られてしまうのがつらいところですが、事情を知るしほが政次を心配する様子には微笑ましいものがあります。

優しくて力持ちの彦四郎と、元気でお調子者の亮吉も、政次とは、しほをめぐってのライバルながらお互いを思いやります。
青春ですね。

しほが働く豊島屋は主人も捕り物の話が好きな気のいい人なので、みんながたびたび顔を出すことができるのが幸いであります。
やっぱり青少年にとってはたむろできる場というのは大事なんですね。

宗五郎親分は真相にたどりつけるのか?一人でひそかに事件について調べようとする政次はどうなるのか?
面白かったですね。
早く次が読みたくなりました。


政次、奔る 政次、奔る :佐伯泰英








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最終更新日  2008年07月15日 11時19分24秒
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