ミステリの部屋

ミステリの部屋

2006年04月26日
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カテゴリ: 日本ミステリ
「本格推理」シリーズは、鮎川哲也氏編集による本格推理作品の短編集です。
ただし、公募されたものなので、作者はみなアマチュア作家です。
1~15まで刊行されています。

その後二階堂黎人氏が編集長となって「新・本格推理」が毎年出ていますが(今年06が出ました)、募集の規定や選考方法が新しく見直されたようです。

アマチュアだからとあなどるなかれ。もう一つと思うこともあるのは確かですが、枠にはまらない独創性が魅力でもあります。

【目次】
ある山荘にて(武井学)/ある山荘にて(吉田豊)/初雪の舞う頃(紫希岬真緒)/十円銅貨(新麻聡)/無欲な泥棒―関ミス連始末記(吉野桜子)/白銀荘のグリフィン(柄刀一)/女を探せ(上野晃裕)/小指は語りき(山本甲士)/森の記憶(八木健威)/密室、ひとり言(増本宣久)/それは海からやって来る(天宮蠍人)/五行相克の殺人(五月たぬき)


私の目当ては吉野桜子さんと柄刀一さんでした。

吉野桜子さんは、後の光原百合さんです。
私はこの「なんだい」ミステリ研のおおらかさが大好きなのです。
こんな先輩がいたらミス研の後輩は楽しいだろうと思いつつ読みましたが、有名な探偵達がチラッと登場するという場面もあり、楽しかったです。

柄刀さんは最近発見して気に入ってしまった作家さんですが、期待通りでした。
冷たい情景が浮かんでくるようでしたし、
全体の構成もしっかりしていて、薄っぺらではない雰囲気がありました。

ほかには、ありえない設定だと思いつつも、「森の記憶」という作品には惹かれました。
ポイントは疾走感と人情です。

知っている作家の過去の作品が読めるということで手に取ることが多い「本格推理」ですが、前菜だけが並んだ料理のような感がなきにしもあらず。
次はこってりとした本格推理が読みたい、という気持ちになることもあります。


本格推理(9) : 鮎川哲也編  楽天ブックスでは品切れです












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最終更新日  2006年04月26日 18時49分29秒
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