ミステリの部屋

ミステリの部屋

2006年06月26日
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カテゴリ: 日本ミステリ
本格推理という言葉にひかれて読んだこの作品、表紙のかわいい絵からわかるように、ライトノベルでした。


学園でいちばん古い校舎にある音楽室に、死んだはずの女の人が現れたという…。
怪談の中心にいるのは、春休みに母を亡くした少女だった。

事件を調べるのは、美人で巨乳の理事長木ノ花あざみによって作られた「本格推理委員会」だ。
メンバーは学園一の知識を持つ委員長・桜森鈴音、空手部エースの先輩・楠木菜摘。そして委員会の最終兵器、全てを見通す「ただの勘」を持った木下椎である。あとは、俺・城崎修。普通の高校生、ただの使いっ走りだ。

学校の怪談はやがて、過去の事件へとつながり、少女たちは心の歯車を狂わされていく。
そして、理事長は言った。
あなたが事件を解決するのだ、と。
使いっ走りのこの俺が―。

第1回ボイルドエッグズ新人賞受賞作。



主人公の高校生・城崎修は、あることが原因で推理能力を封印しているのですが、そこで「春期限定いちごタルト事件」を思い浮かべました。
ライトノベル初心者だったこともあり、小市民を目指す彼らを気味悪く感じたものでしたが、今回はどうだったかと言うと、相当イライラが募りました。
この男の子は煮え切らなくて、逃げてばかりで、ウダウダ言うし、だらしなさすぎます。

彼をそうさせている過去のトラウマが明らかにはなるのですが、何だかあざとく感じられて、同情できるまでの気持ちにはならなかったのが残念。

多分、自分にもそういうところがあるので、なお更嫌だったのかもしれません。

手際よく料理ができるところは長所だと認めます。

それと、登場人物には変わったキャラクターが多く、やたら美少女がでてきます。
「萌え」という言葉が頭に浮かび、ちょっと引いてしまいかねない所でもありました。
ま、ぎりぎり大丈夫でしたが……。

ただし、最後のミステリに関してはすっかりだまされました。
あとで確認してみたら、伏線はちゃんと記されていました。
とてもフェアです。

帯に書かれていたという言葉とは反対に、多少居心地の悪い思いをしましたが、後味は悪くなかったです。


本格推理委員会  本格推理委員会 :日向まさみち






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最終更新日  2006年06月27日 00時18分07秒
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