ミステリの部屋

ミステリの部屋

2007年05月23日
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スケルトン探偵シリーズです。新作『水底の骨』が出されたばかりですが、これはその一つ前の11作目の作品です。


「私の子を産んでほしい」と。時は流れ、産まれた子は、実業家として財を増やそうとする。だがその矢先、一族の人間が誘拐され、さらに前当主のドメニコの白骨死体が地中から発見された。
調査を始めた人類学教授ギデオンは、骨に隠された一族の数々の秘密を知ることになるが…円熟味を増したスケルトン探偵ギデオン・オリヴァーの推理が冴える本格ミステリ。

(「BOOK」データベースより)

主人公のギデオン・オリヴァー教授はアメリカの人類学者です。
ある事件の解決に協力して以来、たびたびスケルトン探偵と呼ばれるようになりました。
教授自身はその名前を面映く感じているようです。
それでも、一片の骨から年齢、性別、はもちろん、体格などの生前の姿、病歴、死亡時期までも割り出すという特技で事件の解決を手助けしています。

毎回世界を旅しては(ほとんど夫婦で)行く先々で事件に巻き込まれます。
犯人に襲われるのも、ジュリーとの熱々ぶりもいつもと同じ、偉大なるマンネリとでも言いましょうか。
それでも面白く、安心して読むことができ、一定の水準を保ち続けているのはさすがだと思います。

今回は北イタリア。友人が企画した「カヤックと自転車でマッジョーレ湖とオータ湖をめぐる一週間のツアー」に出かけます。
風光明媚な景色や美味しい食べ物がたくさん出てきて、読んでいるだけで旅行気分になります。

ただ、最初に書かれている過去の話で、何となく真相の見当がつきました。
そして、今回は骨の鑑定までもが絶対必要ではなかったような気も……。


ギデオン・オリヴァー教授は実は新鮮な死体は苦手なのです。
森林保護管理官である妻のジュリーとの会話も楽しく、二人の周りには明るい雰囲気が漂っています。

アーロン・エルキンズの作品はとても読みやすく、後味が悪くないところが気にいっています。
本格ミステリが苦手な方でも、きっと大丈夫です。
ほかに、美術館学芸員クリス・ノーグレンのシリーズもあります。


このシリーズが刊行されていた早川書房のミステリアス・プレス文庫はなくなりましたが、ハヤカワ・ミステリ文庫で再刊行されつつあります。


1、『Fellowship of Fear 』(本邦未訳)
2、『 暗い森
3、『 断崖の骨
4、『 古い骨
5、『 呪い!
6、『 氷の眠り 』在庫なし
7、『 遺骨 』在庫なし
8、『 死者の心臓
9、『 楽園の骨
10、『 洞窟の骨
11、『 骨の島
12、『 水底の骨


 骨の島:アーロン・エルキンズ







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最終更新日  2007年05月27日 20時21分37秒
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