ミステリの部屋

ミステリの部屋

2008年03月10日
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カテゴリ: たまには映画でも


混雑が落ち着くまで少し待つつもりでいたら、待ち過ぎました。
すでに横浜では夕方からの上映のみ。 それでも 思い切って娘と観に行ってきました。


美しい妻と赤ちゃんと幸せに暮らしていた理髪師が、よこしまな判事により、無実の罪で島流しにされ、妻を奪われてしまいます。
15年ぶりに逃げ出して、若き船乗りに助けられた暗い表情を見せる彼は、スウィーニー・トッドと名前を変え、住んでいた町に戻ってきました。
ただ復讐をするために。



毎回違う顔を見せてくれるジョニー・デップ。
今回は復讐に取りつかれた、というより、復讐の思いでしか生きられない男です。

剃刀をふるう姿は狂気に満ちていますが、無表情で死体を地下に落とす仕掛けを作ったり、誰かれなく殺してしまったりと、まるで心を置き忘れたからっぽの人形のようにも見えます。

この作品はミュージカルです。
出演者の中で本職の歌手は 奥さん役の人だけだったらしいのですが、かえってセリフが歌になっていく流れが自然で、歌によって気持ちが断ち切られることがなくて 良かったように思います。

もちろん、役者さんたちの歌声は 素晴らしいものでした。
特に、彼に以前から思いを寄せていて、色々と力になろうとする大家の未亡人ミセス・ラベット役のヘレナ・ボナム=カーターが パイを作りながら歌うところには感嘆しました。

その内容から(R-15です)、かなり覚悟を決めて行ったものの、思ったよりも観たあとに嫌な気分は残りませんでした。

かなりおぞましい場面もありますが、そんな中でもジョニー・デップの動きや表情は美しくて、見とれてしまいました。

ティム・バートン監督らしいと思ったのは、ミセス・ラベットが彼との未来を夢見る時の、ひたすら明るいシーンです。
灰色に覆われたロンドンで起きる陰惨な物語の中で、そこだけが美しく、ファンタジックで、あとから悲しくなるほどでした。

実は途中で10回くらい目をつぶってしまったのですが、それでも観て良かったと思います。
ただ、パイだけはしばらく食べられないかもしれません。










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最終更新日  2008年06月22日 23時50分57秒
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