ミステリの部屋

ミステリの部屋

2008年04月19日
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南米の元独裁者が亡命先のキュラソー島で食事中、ホテルの支配人が毒殺された。
休暇で西インド諸島に滞在中のアメリカ人心理学者ポジオリ教授が解き明かす皮肉な真相「 亡命者たち 」。
つづいて、動乱のハイチに招かれたポジオリが、人の心を読むヴードゥー教司祭との対決に密林の奥へと送り込まれる「 カパイシアンの長官 」。
マルティニーク島で、犯人の残した歌の手がかりから、大胆不敵な金庫破りを追う「 アントゥンの指紋 」。
名探偵の名声大いにあがったポジオリが、バルバドスでまきこまれた難事件「 クリケット 」。
そして巻末を飾る「 ベナレスへの道 」でポジオリは、トリニダード島のヒンドゥー寺院で一夜を明かし、恐るべき超論理による犯罪に遭遇する。
多彩な人種と文化の交錯するカリブ海を舞台に展開する怪事件の数々。
「クイーンの定員」にも選ばれた名短篇集、初の完訳。
(「BOOK」データベースより)


オハイオ州立大学で心理学を教えているヘンリー・ポジオリ教授が、南米の島々で休暇中に出会った五つの事件が描かれています。

西インド諸島、ハイチ、トリニダード島など、最初に地図が掲載されているのでわかるのですが、本当なら私には場所もわからない土地が舞台となっています。

そういえば「パイレーツ・オブ・カリビアン」はカリブの海賊だから、ここら辺出身なんですね。今気づきました。

ここは情勢が安定していない南国の島ですが、政治や宗教も関わってきて、独特の雰囲気があります。

さて、ポジオリ教授は名探偵と思われてしまい、行く先々で事件を解決するよう依頼されますが、いわゆる名探偵ではないのです。

右往左往してドジを踏んでは反省したり、時には名誉欲をのぞかせたりと、人間らしいとも言えます。
情けないところもあるけれど、白人が黒人を支配することには批判的だったり、その人柄にだんだん好感を持ちました。

教授が頼りなくても、事件はちゃんと解決するので大丈夫。濃密なカリブ諸島の空気の中での、ちょっと変わった事件たち、そう思っていたら……。
最後にとんでもない驚きが待っていました。

この驚きをぜひまっさらな状態で味わっていただきたいので、読む前には絶対に情報を耳に入れないようにして欲しいと思います。

だから、解説を先に読んだりしてはいけません。ポジオリ教授のことを検索するなんて もってのほかです(笑)




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最終更新日  2008年04月19日 22時37分04秒
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