ミステリの部屋

ミステリの部屋

2008年05月19日
XML
下関の大学生・翔太郎がひょんなことから知り合ったのは、門司を拠点とする暴力団花園組組長の娘・絵里香。
彼女がお金を必要としていることを知り、冗談で狂言誘拐を提案したところ絵里香は大はりきり。
こうしてひと夏の狂言誘拐がはじまった。
いっぽう、そんなこととはつゆ知らない組の面々。
身代金を要求する電話を受け、「組長よりもヤクザらしく、組長よりも恐ろしい」絵里香の姉・皐月が妹を救うべく立ち上がる。
キュートな姉妹、トボけた翔太郎、個性豊かなヤクザたちの活躍が楽しいユーモア誘拐ミステリー。
(出版社より)


関門海峡を挟んだ門司と下関が出てくるので、方言も含めて九州出身の私には懐かしさたっぷり。
ドラマ「CHANGE」で木村君が九州弁を話した時のように喜んでしまいました。

肩肘張らないドタバタ・ユーモア・ミステリ、東川さんの作品に欠かせないゆるいギャグも健在です。ただし、幸か不幸か、ギャグのさむさ度は少しましになっています。

暴力団の組長の娘が狂言誘拐をたくらむのですが、話は何やらおかしな方向に進んでいきます。

ヘラヘラ笑っていたら、凝ったトリックに「あっ」と驚かされました。
なかなか手が込んでいます。
そうなのです、東川さんは笑いの中にしっかり本格ミステリを描く方でした。わかっていたはずなのに……。

どのキャラクターも憎めないのですが、特に、絵梨香の姉皐月が魅力的でした。

軽くサクサク読むことができて、細かいことは考えずに楽しむ作品かと思います。





もう誘拐なんてしない:東川篤哉








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008年08月12日 17時49分04秒
コメント(6) | コメントを書く
[日本ミステリ(は行作家)] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

バックナンバー

2024年11月
2024年10月
2024年09月
2024年08月
2024年07月
2024年06月
2024年05月

コメント新着

月見草@ Re:夜のピクニック:恩田陸(07/06) 「夜のピクニック」のご紹介ありがとうご…
アルビレオ@ Re:白馬への旅、2日目(07/30) 白馬 行って見たくなりました。ワタスゲ…
アルビレオ@ Re:マフラー(01/29) samiadoさんの優しさがしみます。36ufh
アルビレオ@ Re:冷凍ロールケーキ(02/07) 書き出しの「待っていたロールケーキが届…
アルビレオ@ Re:節分もどき(02/03) 恵方巻きって確かに子どもの頃 福岡には…
アルビレオ@ Re:つらいときは(02/02) 「情けは人のためならず」って、何か辛い…
アルビレオ@ Re:マフラー(01/29) samiado さん 編み物も🧶されるんですね…

お気に入りブログ

『サステナビリティ… shovさん

未定の予定~ラビ的… みっつ君さん
留年候補生W2.0… 留年候補生W2.0さん
魔女の隠れ家 たばさ6992さん
ちょっと休憩 ときあさぎさん

キーワードサーチ

▼キーワード検索

サイド自由欄


© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: